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イザナミノミコト、乙姫、かぐや姫、虫愛づる姫、皿屋敷・お菊――。
日本の昔話や神話に同情するエキセントリックな「女の子」たち。キレやすかったり、とんでもないものをくれたり、そもそも人間じゃなかったり。自由奔放な彼女たちは抑圧にさらされながらもその生を駆け抜けた。
著者は、友達とおしゃべりするように、彼女たちの人生に思いをいたして涙を流し、怒り、拍手と賛辞を送る。ときには、ありえたかもしれないもう一つの人生を思い描く。時空と虚実を飛び越えたヤバい女子会が、物語という呪縛から女の子たちを解放する。
ウェブマガジン「アパートメント」の人気連載を、大幅加筆・修正しての書籍化。ほ優しくもパワフルな文章に、フレッシュなイラストが映える、懐かしくて新しい昔話×女子エッセイ、ここに誕生!
【推薦コメント】
松田青子(『スタッキング可能』『おばちゃんたちのいるところ』)
「幼い頃、昔話に出てくる彼女たちがかっこよくて、面白くて、大好きだった。
やっと会えたね、うれしいね。わたしたち、積年の呪いを解き合って、どんどん自由になっていこうね。」
こだま(主婦、『夫のちんぽが入らない』『ここは約束の地』)
「前書きで完全に心を掴まれた。ここで本を閉じたら大事なものを見失うような気がした。
乙姫に、お菊に、ギャル。古今を生きるすべての女の子に「あなたはどのようにも生きられる」と手を差し伸べる。とびきり新しい昔の話。」
瀧波ユカリ(作家、漫画家、『臨死!!江古田ちゃん』『ありがとうって言えたなら』)
「はらだ有彩は、昔話の中に息づく女たちの声なき声に耳をそばだて、「とてもわかる」と手を握り、その素顔と本心を色鮮やかに蘇らせるサイキックでありアーティストだ。
昔話の女たちと今の私たちが時を超えてわかりあう瞬間の、震えるような喜びをどうか体験してほしい。」
清田隆之(桃山商事代表、『生き抜くための恋愛相談』)
「これは千年の時をこえるガールズトークだ。痛みに思いを馳せ、無念に寄り添うその姿を見て、友情に最も不可欠なのは「想像力」だと確信した。
弱みを見せ合えない俺たち男が、いま最も学ぶべきものではないだろうか。」
富永京子(立命館大学准教授、『社会運動と若者』)
「文句言いつつ尽くす女子、無理なく遠恋こなす女子、マニアックな趣味に夢中な女子。あなたの友達で、あなた自身でもある、あなたを傷つけない「あるある女子」の話です。」
金井真紀(エッセイスト、『パリのすてきなおじさん』)
「古典に出てくる女の子を「読む」のではなく、「ツッコむ」「こねくり回す」「じゃんじゃん飛躍させる」スタンスが斬新。それってつまり「愛する」ってことだ。作者の愛を浴びて、女の子の端くれであるわたしは元気になる。」
市原悦子(女優、「まんが日本昔ばなし」語り)
「私がやる昔話の役柄の中で一番好きなのは山姥です。聞いた皆さんも山姥が合うとおっしゃいます。山姥は人恋しさと、優しさと、恨みと、叶わなかった夢とが、人の何百倍もあるのかしら。だからこそ山姥は魅力的なんだと思います。彼女達とこの本で再会出来て嬉しいです。
女はみんな花なのよ。自分を好きになってヤバい女の子になりましょう。」
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例えば、古事記のイザナミ、竹取物語のかぐや姫、堤中納言物語の虫愛づる姫君。昔話に出てくる女性たちは、激怒の末に毎日1000人ずつ殺すことにしたり、人死にが出るほどの無理難題を押し付けたり、世の中が好むことを好まずに好まないことを好んだり、なんだかみんな「ヤバい」。でもホントにそれだけかな…?と、テキストレーターのはらだ有彩さんが、日本の神話・民話・古典文学などに出てくるさまざまな女の子たちについて、独特なイラスト付きで語るエッセイ集です。
はらださんの平易かつ今どきの言葉で書かれたあらすじと切れ味鋭くユニークなエッセイ、そしていくつかのイラストでそれぞれの章ができていて、1つの章で1人の女性について語られていくのですが、まるで古典の授業の後、先生に教わった解釈からはズレているけど、自分ならこう読むね!と友達同士で盛り上がったときのような、そんな気持ちで読み進められます。「役割」とか「普通」とか「忖度」とか、そういうもの自体もイヤなんだけど、そういうものに振り回されている自分もイヤだと思っている人に、ぜひ読んでいただきたい作品です。昔は当たり前だったことも今なら「あり得ないよね」と言えるように、今は「おかしくない?」と思うだけのことが未来では「昔はそんなこともあったらしいね」と化石化する時代が来るのかも…と視野と空想がどんどん広がるかもしれません。
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