宮坂昌之のレビュー一覧
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免疫学の視点で新型コロナウィルスを眺めるために読んでみました。
人間の身体はじつによくできていて、自然免疫系、獲得免疫系、リンパ系と外部からの細菌、ウィルスの侵入を何段階にも防御するシステムが備わっている。
それでも、時として人体に侵入して悪影響を与え、病や死に至らせるウィルスが出現する。そんな時には、人類の叡智が貢献する。それがワクチンだ。
このワクチンはうえにあげた人間の免疫システムに働きかけて不完全ながら防御体制を作り上げる。つまり、抗体を作り、二度目以降の細菌、ウィルスの侵入に備える。
そしてこの感染経験やワクチンが効力を発揮するには免疫力が強くなくてはならない。
だが -
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令和4年のGW後半の中日、天気も良くどこかへ出かけようかと思いましたが部屋の大掃除が途中でもあり、読み終わった本の整理をすることにしました。レビューを書きたい本が50冊以上部屋の片隅にありますが、半分を目標にしたいと思います。従って、付箋をつけた箇所全てを書いていると処理しきれないので、各々10箇所程度に絞ることにしました。
以下は気になったポイントです。
・感染者の症状悪化を食い止める薬はあるものの、病気を根治させる特効薬は存在しない、感染した場合の重症化リスクを考えると現時点では、ワクチンを摂取することで感染リスクを下げるのが最も合理的である(p34)
・イスラエルではデルタ株への感 -
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ブルーバックスなので、感染や免疫のメカニズムがメイン。基本的なウイルス感染と新型コロナの違いが説明されているが、まだわからないことも少なくない。ワクチン接種が始まる前に出版された本で、デルタ株やオミクロン株への変異といった状況の変化もあり、もうすでに古くなってしまった部分もある。
新型コロナは、ウイルスに抵抗する能力を持つI型インターフェロンというサイトカインの産生や活性化を抑えるタンパク質を作る。I型インターフェロンの産生が抑制されることによって、炎症性サイトカインも産生されなくなるために、ウイルスが排除されにくく、風邪症状も出にくい。症状が出にくいために、感染者が社会の中を動き回り、感染 -
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コロナウイルスについての報道は抽象的な表現が多く、もやっとしていたので勉強の為に読んだ。
自分の場合は大学時代に生化学を学んでいたり慢性炎症の辺りが研究分野だったので基礎知識を思い出しながら読んだ。簡潔で分かりやすく的確に書かれているので、基礎知識のある人にとってはさくさく読めると思う。
一方で文系だったり基礎知識のない人にとってどの位分かりやすいのかはちょっと分からなかった。
コロナウイルスによる重症化事例がなぜ多臓器不全などなのか、各感染者検査の内容、コロナウイルスが何故パンデミックを起こす特徴を持っているのかがよく理解できた。
やや免疫の基礎知識を持っている分、報道の伝え方から異 -
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ネタバレ免疫学を専門としている宮坂昌之(まさゆき)先生の本。わかりやすくまとまっている。
発症時点でのPCR陽性率62%、3日目で80%で100%ではない。
2次感染は発症5日までに多く、主に7日目までに感染性を有する。発症前に感染させる可能性があることに注意が必要。
mRNAはタンパク質を合成する指令を写し取ったもの。タンパク質に翻訳される遺伝情報を含む。
ワクチンを接種してはいけない人は、アナフィラキシーなどの重度の過敏症の既往がある人、明らかに発熱している人、重度の急性疾患に罹っている人。その他、厚生労働省のホームページには注意が必要な人。
ワクチン後の不利益は副反応と有害事象を区別する -
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ファイザーとモデルナのワクチンは効果高い。感染予防・発症予防・重症化予防に期待できる。コロナウイルスは人間の細胞に結びつきやすいスパイスタンパク質ありトゲトゲしている。そのため王冠コロナの名を冠している。mRNAはスパイクタンパク質を脂で覆うことで感染を防ぐ(中和抗体)。コロナの感染は発症前の三日間と発症後の五日間が感染しやすくそれ以降は減少する。
変異株に対してワクチンが効かないという論調があるが2回摂取すれば十分効果があることが証明されている。一回だと弱い。
ワクチンによる副作用は若年層ほだほど症状が出やすく女性の方が出やすい。免疫力が高いほど強く症状にでる。副反応と免疫力は比例しないので