篠田英雄のレビュー一覧

  • 戦争論 中

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    戦闘、戦闘力、防御に関する巻。レクラム版ではカットされている内容も訳出されている。少々翻訳が古いので、現代では使われないような漢字が多用されている点は改良の余地がある。実戦例は七年戦争とナポレオン戦争から採っていることが多く、少なくとも、この二つの戦役に対する予備知識がないと理解が深まらない、または面白くないかもしれない。

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    2014年10月14日
  • 戦争論 上

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    読みにくさから、長年放置していたのだが、訳者あとがきを読んで、原文が元々難解であり、そのため逐語訳では表現できない部分が多くに渡るため、訳に苦労した旨の記述があった。少々古い翻訳で当用漢字に無いような漢字も使用されているが、読めないほどの頻度ではない。苦労するようならレクラム版を先に読んだ方が良いだろう。

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    2014年10月09日
  • 日本美の再発見 増補改訳版

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    桂離宮がすばらしいものだということがわかった。日光東照宮はいろいろな技術を取り入れているものの、日本本来のものではなく、桂離宮は簡素ではあるが、日本独特の様式を備えている。

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    2013年08月06日
  • 日本美の再発見 増補改訳版

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    建築物が大地と直接決どうしている仕方は、日本建築の美を構成する最も重要な要素の一つであると思う。

    日本人は畳の上に坐るので、その結果、瞑想的な境地を体得し、それが芸術的にきわめて洗練された形で、地面の上に表現されたものに違いない。
    畳の上に坐る文化は欧米と比べても日本の特徴だと思う!

    現代建築の発展はその最も重要な基礎を、機能に求めねばならないと主張してきた。

    伊勢神宮(傑作)→白川村→禅哲学•茶道→日本文化に精神的美学を与える→桂離宮

    金色堂→仏教建築の堕落→秀吉の建築→日光東照宮

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    2013年03月09日
  • 日本的霊性

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    平安時代は、あまりに人間的であった。鎌倉時代は、霊の自然•大地の自然が、日本人をしてその本来のものに還らしめたと言ってよい。鎌倉時代になって、日本人は本当に宗教、即ち霊性の生活に目覚めたと言える。

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    2013年03月09日
  • 日本的霊性

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    甲は甲ではない、故に甲である―そんな一見論理的に破綻している「即非の論理」をその思想の根本に置く仏教思想についての代表的書物。仏教では西洋哲学の主体たる客観的知識に対してそれはあくまで主観から捉えた一つの認識でしかないという立場をとっており、主客の区別なくものの真実を直観する「般若の智慧」の取得を第一とする。難解な仏教的用語が頻出する上に1944年に執筆されたという時代性についても考慮を払う必要があるが、それでも日本において「宗教的なものとは何か」について考えていく上で避けて通れない本だと思う。

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    2012年09月05日
  • 日本美の再発見 増補改訳版

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    いかもの 確かにそういったものがあふれる世の中になってしまったように感じる。自然とともに生きていくことがやはり大切。
    秋田に対する評価が高いところは嬉しい。

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    2012年06月11日
  • カント 実践理性批判

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    ネタバレ

    中島敦を見習え to 翻訳者 Part 2

    翻訳が見事に天に唾している名著。
    日本語の遣い方が不可解過ぎる。

    さて、これについて当のカントは何と言っているか。
    「新語を造るのは、新しい真実を含む思想によるのでない限り、旧い衣裳に新しい布切れを縫いつけて、自分を人なかで目立たせようとする児戯に等しい努力にすぎない。」
    ははは。

    「批判書」の実際の内容は凄く簡単。
    「純粋~~」 "What can we KNOW?" =わからんことはわからん。
    「実践~~」 "What can we DO?" =我慢しろ、最悪の場合は神様が来るの待て。
    「判断力~~」 ”What is GOOD?" =良いものは良いんだ。

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    2011年09月09日
  • 日本的霊性

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    日本における霊性(国内で大衆により育成された独自の宗教意識)を持つ宗教として真宗と禅宗を上げ、此の書では真宗を中心的に取り扱う。
    浄土宗は善導教学の発見及び享受であるが真宗は善導教学を基盤としたうえで独自の宗教体系を築き上げる。
    ここにおいて真宗を日本的霊性を内包する宗教であるとする。
    そういった真宗の日本的霊性という点を絞っていく書。

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    2010年12月02日
  • 戦争論 上

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    読みづらいが、内容は興味深い。「戦術的に戦力の逐次投入はあり得るが、戦略上の戦力の逐次投入はあり得ない。」慧眼。

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    2010年12月01日
  • カント 実践理性批判

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    道徳的行為の根拠を説明した著書

    カントによれば、目に見える現象の世界は因果法則に縛られている一方でそれらの拘束からは自由であり、これこそが道徳の基礎なんだと

    たとえばある人が子供が大洪水に流されている状況に直面した場合、それを助けるのは完全義務ではなく非完全義務であって、道徳的倫理的見地になるわけ

    でもこの場合、見過ごす、という行為に対する世間的な目、つまり批判非難を浴びるのは想像に易しなんだけど よくよく考えると道徳心て残酷かも とも思う

    優しさの押し付けって怖いことなんじゃないのかと思う

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    2009年10月14日
  • 日本的霊性

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    平安文化が大嫌いなのね。もののあはれにメソメソしてばかりの女々しい文化、そんな風に考えたことなかった。なんかはっきりしてて面白い考え方かも。

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    2026年08月11日
  • 戦争論 中

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    ネタバレ

    上巻は総論だったため、抽象性が高くて想像しずらかったが、中巻は各論で具体的な戦闘形態、兵種、防御の在り方が説明されていて分かりやすい

    第4篇→戦闘(血なまぐさい物理的、精神的破壊)
    第5篇→戦闘力(ロジスティクスの困難さ)
    第6篇→防御(防御は攻撃より強し)⇔マハン

    古代ローマ〜中世ドイツ、フランスの戦争の具体例が数多く登場してアツい

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    2026年02月25日
  • 戦争論 上

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    戦争は不確実性と偶然性に満ちている

    軍事的天才→クゥ・ドウィユと果断
    物質的な力よりも精神的な力

    戦争は政治の延長である

    第2篇6章→歴史の学び方、歴史を学ぶ意義
    第3篇3章→精神的量の力、精神的力の習得法

    実用書ではないが、リーダーに必要な素養や“戦い”に必要なものが分かる。

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    2025年12月16日
  • 日本美の再発見 増補改訳版

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    訳者あとがきに拠ると、筆者の論文二篇と日記抄二篇、合計四篇を和訳したものを纏めて1939年に刊行し、その時につけられた邦題が『日本美の再発見』らしい。日記は「飛騨から裏日本へ」と「冬の秋田」、論文は「日本建築の基礎」と「永遠なるもの---桂離宮」。
    そののち、紙型が劣化したため改版するにあたり、あらたに「日本建築の世界的奇蹟」と「伊勢神宮」を加えたのが増補改訳版の中身。

    「日本建築の基礎」は論文といいながら実際は講演のまとめであり、内容そのものが可也主観的かつ情感的で、お世辞にも学術的とは言い難い。講演なので細かい話や詳しい図表も一切なし。桂離宮を褒めちぎるのはよいが、どこがどう凄いのかとなると、とんと要領を得ない。ただ一言、直接参詣してつぶさに観察すべし、と。茶室についての考察は興味深いが、少し極論の嫌いもある。

    「飛騨から裏日本へ」と「冬の秋田」は、全体に文句たらたらで、ややもすると電車や自動車などの近代文明に悪態をついている。訳者がどうしてこの内容を上梓しようと思ったのか、意図が知れない。褒めちぎる建築物はどれも農業や牧畜に適った構造をもつものばかりのようで、簡素を求めているらしい。その一方で旅館の一番綺麗な部屋をイカモノ、イカモノと扱き下ろす癖があるらしく、総じてみると、簡素で屎尿の臭いのしない納屋が筆者の意に最も適う建造物ということになろうか。その時の気分で見方もころころかわるし、何が言いたいのかわからない。章末に「私は夕方散歩しながら秋田の建築に教えられるところが多大であった。」と一言あるが、何がよかったのかは一切説明なしなので、本当に駄文でしかない。書かれていることは「何月何日、この旅館は臭い。何月何日、すばらしい接待を受けて嬉しかった。何月何日、ゴリラをみるみたいな目でみられた。ここの人はろくでもない。」みたいなのの繰り返し。駄文。

    「永遠なるもの」もただの感想文。上野君は、上野君は、と繰り返し上野(伊三郎)氏の考えをもちあげるなら一層のこと上野氏の考えを新書にしてほしい。「私達が見、考えまた語ったすべてを剰すところなくここに述べる……には別に一巻の著書を必要とするだろう。」それならむしろそれを本にしてほしかった。

    増補された小二篇は数頁だけの内容であまり記憶にのこっていない。

    邦題をみて期待したのは、日本の美しい風景や景観を書き留めて、そのほかの西欧人の旅行指南にでもしたような内容だが、実際の内容は上記の通り。『日本の家と人々』とでもしてくれていればもう少し客観的に読めたのに。残念。筆者自体を詰るわけではなく、あくまでもこの書籍が残念。気づきを与える箇所は勿論あるし、一欧州人の考えや、その目に映った日本の当時の姿を知れるという意味では価値ある本。この四章+二章を一つに括ったのがそもそもの間違いとしか思えない。

    建築について興味があるのなら、今和次郎の『日本の民家』(岩波文庫) を読んだ方が得るものは多い。

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    2023年10月13日
  • 日本的霊性

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    自身の知識・価値観によるところが大きいのかもしれないが、論調や話の流れ、展開を追うことができなかった。理系的な?論理思考フォーマットで捉えがちな思想にとらわれてしまった自分が、流し聞きで理解できる価値観ではない、ということがわかった。日本的霊性は鎌倉仏教の伝来を機に形成されていった(もっと古代から徐々にというイメージだったけど)という説はなんとなく抑えた。

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    2023年05月01日
  • 日本美の再発見 増補改訳版

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    日光東照宮、ギャル的にはデコ盛り盛りで結構アガると思う キッチュなものが大好きなので

    何も知らないまま坂口安吾の「日本文化私観」を読んでいたので、なぜ安吾が「法隆寺が駐車場になっても構わん」と述べていた理由がわかった

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    2022年02月08日
  • 日本美の再発見 増補改訳版

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    著者は、ナチス政権下のドイツから、日本に亡命した建築家で合理性と美の一致を提唱した人。モダニズムの影響の下、伊勢神宮などシンプルな日本建築を称賛し、日光東照宮などは華美として批判。時代を超えた精神性や美意識をあますところなく述べ、日本の知識人の価値基準に大きな影響を与えた。本書の中ほどでは、著者が旅した日本の風景が日記として綴られ、当時はまだ珍しかった外国人が、日本をどのように旅していったのか、時にユーモラスや苦労話を交えながら、日本人のたたずまいのすばらしさを語る。古き良き日本は、日本人にとっても、既に遠い過去のもになってしまったようだけど、本書はまるでタイムカプセルのように、当時の光景が綴られているので、現在の私たちもこの本を通して、当にタイトル通り、あらためて日本の美を再発見できるのではないか、と思う。

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    2015年04月19日
  • 戦争論 上

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    「戦争論」
    クラウゼヴィッツ

    「名著で学ぶ戦争論」を読んだ影響で読んでみようと。

    クラウゼヴィッツの「戦争論」は
    避けては通れない書物であるみたいなので、
    上中下、全3巻1320ページを紐解くことにした。


    「現代サラリーマンが読んで意味がある著書なのだろうか」

    答えは否。

    逆に1832年に出版された戦争に関する書物だから。
    これは自明なんだけども。

    それはともかくとしても。
    何より読みにくい。

    もともとこちらとしても実用書として挑んでいるワケではないので、
    ある程度覚悟していたつもりだが「これほど」とは。

    何故こんなに読みにくいのか。

    理由としては、文章の一文一文を理解するのに、
    著者の意図する総体を分かっていないと分かりづらいためだ。

    正直、読んでいて苦痛。修行に近い。
    何より、読んでも何一つとして現代サラリーマンの
    自分に利するところが何もないというのが追い打ちをかける。

    と、この点に関して言えば発想の転換によって、
    大きく意味合いが違ってくる。

    本書は現実的に可能な限り高次な視点で戦争を通観している。
    いわば将軍の目線だ。
    (ナポレオン・フリードリヒ大王etc)

    一介のサラリーマンブ無勢が
    そんな高度な目線に立ち会えるとは。ありがたい。
    そんな気概をもって読まなければならない。

    そう言った意味でいうならば、
    時空と地位を飛び越えた書物といえる。


    「戦場のetc」

    上中下と分けられた本書において、
    上巻は主に「全編に対する心構えをつくる」パートという印象を受ける。

    対して中巻からは具体的に「本戦」「行軍」「要塞」「山地防御」「河川防御」
    など、急に具体的な事項が書かれ始めて面食らう。

    中でも印象に残った章といえば「退却」に触れた章だ。

    敵軍敗戦後の退却に対して、
    追撃を敢行することではじめて大きな戦果を出すことが出来るなど、
    目からうろこ、どころかはじめて習う論法が妙に印象に残る。

    NHKドラマ「坂の上の雲」で日清戦争中に阿部寛が演じる秋山好古が
    「退却戦こそ難しいんじゃ」と言っていたシーンがよみがえった。


    「中道へと転がりがちな分野における信念について」

    現代サラリーマンが読んで意味があるのか。という問いに対して、
    将軍目線で味わえるという、いわば屁理屈のような回答を出してみたが、
    最後にもう一つ。本書に対して美徳を感じた点がある。

    様々な要因が入り混じるために、
    いくつもの誤った説がはびこる「戦争」という事象について、
    再度、公正な立場で、論理的で体系的に語ろうとした点である。

    門外漢の自分としても、この試みが途方もない作業であることが分かる。
    現に本書の大部分のページがもっぱら
    「誤った説を修正する」ことに割かれているからだ。

    「戦争」という特異な分野であるものの、
    この膨大なページに渡って語られる著者の気概が感じられ、
    信念を持つことに対する勇気をもらえるような気がした。

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    2014年05月05日
  • 日本美の再発見 増補改訳版

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    入口の門、家屋、部屋、庭苑およびそのた一切のものが、軍隊のように整列し、上官の指揮下に前後左右に隊伍を「編成」するというのではなくて、個々の部分がそれぞれに自分の目的、本分およひ意味に従いつつ、渾然とした全体をなしてあたかも一個の生物の如くであることこそ、きわめて単純明白でしかもそれ故に美しいのではあるまいか。

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    2013年09月04日