ショーニン・マグワイアのレビュー一覧

  • 不思議の国の少女たち

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    ネタバレ

    わたしは、わたしの(子ども時代に経験したと思っている)ファンタジーエンでは、たれの生もたれの死も軽んじなかった。だからこの物語と共生することはとてもできない。しかし、かなしいかなーー帰ることができない切なさと帰りたいという狂おしい願いだけは深く理解できてしまう。そのためなら「何をしても」「他のたれの人生をも、そのファンタジーエンごと壊しても」良いと思ってしまうところも。なぜなら「わたし」の帰りたいところは、他の何をおいても「わたし」が心から、いっとう大事にしているところだからだ。ただわたしは前述のとおりのファンタジーエンに生きていたので、そういうまねはできない。
    人物としてはジャックが好き。

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    2022年11月05日
  • 黄金の人工太陽 巨大宇宙SF傑作選

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    巨大宇宙SFってなんだ? と思っていたら、スペオペでした。あとがきではスペース・オペラを連呼しているんで、禁句と言うことはないと思うが、背表紙や帯の惹句には、どこにもスペオペとは書いてない。なんとなく不思議。
    で、中身の方はニュー・スペース・オペラ以降の、アクションSFが主軸。一昔前のスペオペ・アンソロジーなら、もう少しB級感というか、やさぐれた感じを出してきたような気がするが、これはこれでいい。ただ、これはお約束なのか、どれほどとんがったSFガジェットをてんこ盛りにしていても、人情とか、家族関係なんかは今と変わっていない設定のお話がほとんど。多少の違和感はある。

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    2022年06月20日
  • トランクの中に行った双子

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    『不思議の国の少女たち』に続く三部作の二作目とのこと。前情報を知らなかったので、ここから読んでしまった。一作目の登場人物の過去の話のようです。

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    2022年06月16日
  • 不思議の国の少女たち

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    不思議の国に行ってしまった子供たちがこちらの世界にかえってきた後の物語。
    もっとふわふわした話しかと思ったが、不思議の国に帰りたいという気持ち大きすぎて、現実の折り合いをつけることが難しい。
    主人公のナンシーは、冥界の世界から戻ってきており、カラフルな色や、食事が苦手。親の思う子供とは違い、親は子供を受け入れることができず、この学校に送り込まれた。
    いつでもどこでの親は、子供にこうあってほしいという理想がある、、、
    不思議の国というと、キラキラ、ふわふわの世界を思い浮かべていたが、冥界の世界、荒野の世界、などいろいろな世界があるのだな。
    殺人事件が起こり、びっくりしたが、最終的には(ナンシーに

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    2022年04月16日
  • トランクの中に行った双子

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    ネタバレ

    厳しい両親のもと、それぞれの役割を果たすように生きてきた双子がトランクから異世界に飛んでしまう話。
    姉はとてもまともに歳を重ねられたけど、やはり妹はある意味純粋、自分が主人公と信じて疑わない恐ろしい子になってしまった。とても恵まれた生活を送れるけど、姉への愛や、住民からの優しさをもらえないという愛の部分が抜けたままきたので仕方ないところもあるかもですが、もう一度荒野に戻った先ではどうなったのかが知りたいです。

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    2020年11月18日
  • 砂糖の空から落ちてきた少女

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    ネタバレ

    三部作の完結編。

    “迷える青少年たちのホーム“の池に、ある日突然リニという少女が落ちてきた。
    彼女は母親のスミを探しに、お菓子の国からやってきたのだという。

    お菓子の国で横暴なケーキの女王と闘い勝利するはずだったスミが“この世界”で殺されてしまったため、スミが成し遂げたはずの出来事は失われ、リニも既に身体のあちこちが溶け始めていた。
    リニとお菓子の国を元通りにするには、スミを“お菓子の国では死んでいない”ことにしなくてはならない。
    そこで、“この世界”では既に埋葬されているスミの骨を手がかりにスミを蘇らせようと、第一作で活躍したケイド、クリストファー、そしてリニが落ちてきた時に居合わせた二

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    2020年11月08日
  • トランクの中に行った双子

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    ネタバレ

    前作で登場した双子のジャックとジルが、トランクの中の階段を下りてたどり着いた世界での出来事。

    前作での事件の前日譚。
    両親の身勝手な理想像を押し付けられて育ったふたりの苦しさ、荒野での奇妙な生活と、残酷な結末。
    ただ、ふたりの歪な心が語られる物語。
    ジャックはここでいくらか人間らしい心を獲得することができたのに対し、ジルはうまくいかなかった。この違いが前作に繋がるんだなぁ。

    うーん。何とも、またうまく言えない。
    けど、何故だか引き込まれる。

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    2020年10月25日
  • 不思議の国の少女たち

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    ネタバレ

    “エリノア・ウェストの迷える青少年のためのホーム”は、家族でさえ受け入れられないある種の問題児たちを受け入れる全寮制の学校。
    しかし本当は、異世界への扉をくぐり、また戻って来てしまった…そして“むこうの世界”こそが自分の故郷と感じ、もう一度戻りたいと願う子供たちのための学校だった。

    新しくこの学校に入学したナンシーも、これまで『死者の殿堂』での体験を誰にも信じてもらえずに苦しんでいた。しかし、この学校では、学校の責任者であるエリノアをはじめ、皆が異世界の存在をそのままに受け入れていて、自分をとりつくろう必要はないと教えられる。

    しかしある朝、ルームメイトのスミが無惨な死体となって発見される

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    2020年09月19日
  • 不思議の国の少女たち

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    ネタバレ

    ジルのやり逃げ感がすごい・・続きがこの ジルとジャックのちょっと前の話ということですが、どんな感じになるのか想像できないです。

    十二国記で言う魔性の子的な話でしょうか。次巻は完全に向こうの話という事なので、読んでみたいです。

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    2020年05月18日
  • 不思議の国の少女たち

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    一度〈あちら側の世界〉に行って、ふたたびこの世界へ戻ってきた子どもたちばかりを集めたエリノアの学校には、ナンセンスの世界へ行ったスミ、吸血鬼の統べる荒地に行った双子のジャックとジル、妖精界に捨てられたケイドたちがいた。〈死者の殿堂〉から戻ってきて世間に馴染めずにいたナンシーが編入してくると、その二日後に残酷な事件が発生する。慣れない環境に戸惑うナンシーに、疑いの目を向ける生徒たち。その後も何者かによって次々に少女たちが狙われ……。


    異世界から現実世界へ戻ってきた子どもたちの虚脱状態にスポットを当てたのが面白いアイデア。異世界へ行く前後で性格が真逆になり、親と世間の無理解に苦しむ少年少女たち

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    2020年04月04日
  • 不思議の国の少女たち

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    ネタバレ

    面白かったです。カラフルで可愛い装丁で気になっていました。
    不思議の国から帰ってきた少年少女が入学する学校が舞台でした。
    彼らは、また彼らの不思議の国へ帰りたいと願っている。この世界は自分の本当の世界ではない…と思うこと、彼らはもっと切実でした。
    死者の国にいたナンシーが主人公で、彼女が入学してきてから様々な事件が…というお話だったのですが、起こる殺人事件が結構凄惨でした。
    キャラクターは、ケイドもジルも好きでしたが、特に好きなのがジャックでした。マッドサイエンテイストの弟子で、冷静沈着で紳士な女の子。
    殺人事件はジルが起こしたもので、ジャックは落とし前をつけてふたりでヴァンパイアの国へ戻りま

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    2019年10月11日
  • 不思議の国の少女たち

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    ファンタジー風な小説でした。
    異世界に行って帰ってきた子供達の話で、子供達は異世界に帰ろうとするが自らの力ではどうすることもできない。その時、子供達がいる寄宿学校で殺人事件が起こる。
    推理小説ではないが、ファンタジーと呼ぶには現実的だなぁと思いました。
    異世界帰りの主人公だからこそ言える女の子への見解はピリっときて流石イギリス小説…となりました。
    多分次巻では思いっきりファンタジーなのかなぁと思います。

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    2019年06月23日
  • 不思議の国の少女たち

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    「不思議の国」にも色々あって、ナンセンスだったりロジックだったり。でもそこへ行った子供たちはみんな一様に帰りたがっている。よばれたのはきっとその世界に合う要素があるから。みんな「故郷」に帰りたいと思っている。そんなか少年少女たちの学校で事件が起きる。ファンタジーと推理小説的要素が合わさった、不思議な視点の小説でした。登場人物の設定が面白く、彼女たちの冒険はどんなものだったのか想像させられます。短い話しでも深みがあり楽しめました。

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    2019年01月16日
  • 不思議の国の少女たち

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    本屋で平積みにされていたしヒューゴ・ネビュラ賞W受賞と書かれていたので興味を持ちました。SFというよりはファンタジーだよね、コレと思いながら読みました。

    原文なのか訳なのかはわかりませんがちょっと文章が固いというか、わかりにくい表現があったり、どこにかかっているのかわからない単語とかがありました。まあ出てくる言葉自体もとっつきにくくて難しいんですが。高ロジックとかいきなり言われてもよくわからない(笑)ナンシーの戸惑いはよくわかる(笑)そして同じような経験をしている割には排他的というか同属感が無い子供たちだなぁ…と。まあ子供ってほど子供でもないか。主人公だって16だか17って書いてあったし。確

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    2018年11月02日