森川智喜のレビュー一覧

  • キャットフード

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    森川智喜デビュー作。刊行時から気になっていたが、続編の文庫が出るのに合わせて購入。
    ファンタジーというより、独自の世界で展開されるロジックゲーム。
    舞台やキャラクターの設計に長けていることもあり、読み易く、親しみ易いエンタメ小説。
    他の作家にない発想、ユーモアにセンスを感じるし、これは他人にも薦め易い。
    あとは、上梓を繰り返す中で、ミステリ面の完成度が上がれば、大好きな作家になると思う。
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    2015年07月31日
  • スノーホワイト

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    ネタバレ

    毎度おなじみジャケ買いの一冊。
    タイトル通り、白雪姫をモチーフにしたカバーデザインで、ついつい手に取ってしまったのですが、これがまたなかなか面白かった。

    第14回本格ミステリ大賞を受賞作。
    モチーフになっている白雪姫から「7人のこびと」を持ってくるのはまだしも、「真実の鏡」をミステリ作品に持ってくるというとんでもない作品。

    襟音ママエの探偵活動を描く第一部は3つの短編で構成。依頼人の相談に、お茶を替える振りをしてサクッと鏡に犯人とトリックを聞いて問題解決! 助手の小人・イングラムが「もうちょっと考えようよ」と言ってもどこ吹く顔のママエ。

    なんや? これ?

    ミステリとは思えない最初の作品

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    2015年06月13日
  • なぜなら雨が降ったから

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    雨女で探偵の揺木茶々子が的確な推理を展開する物語だが、同じアパートに住む野崎圭人のからみか面白かった.「雨天決行」で連続放火事件現場に落ちていた口紅棒の意味を的確に推理する過程が良い.その他の4篇も、推理の展開が楽しめる.

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    2015年04月24日
  • キャットフード

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    特殊なルールのもとでそのルールを生かしたせめぎあいから見事なラストまで一気に走り抜けていった。変化球の王道を行くような作品。麻耶さんの解説も的確だったけど、ひねくれてるとかあなた人のこと言えないでしょうとも思ったり。そう考えるとこの二人どこか似ているんだよなぁ。「スノーホワイト」目当てで呼んだけど、他の作品もチェックしたくなりました。

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    2015年02月15日
  • スノーホワイト

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    白雪姫に登場する真実を答えてくれる鏡。そんな誰でも知っているガジェットを物語の中心に据え、よくもまぁこんなひねくれたロジックを生み出せるものだと関心してしまう。そんなミステリー。

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    2014年12月24日
  • 未来探偵アドのネジれた事件簿―タイムパラドクスイリ―(新潮文庫nex)

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    ミステリーですが、タイムトラベルやタイムパラドックスを扱っている点ではSFとも言えます。事件の捜査や解決に時間移動を用いる、言ってみれば反則のそうなミステリーですが、それでもミステリーとして成立させているあたりは、よく考えられた作品だと思います。特に終盤の事件の2重3重に時間移動がある話だと、なかなかややこしくてよく考えないとこんがらがります。
    タイムパラドックスについての割り切りについては、賛否両論ありそうですね。

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    2014年11月16日
  • 未来探偵アドのネジれた事件簿―タイムパラドクスイリ―(新潮文庫nex)

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    タイムパラドックス?それがどうかした?とでも言わんばかりの時間移動のオンパレードのもと炸裂する最終話のインパクトがすごい。「23世紀になっても探偵小説はまだ伏線がどうのとかいってるのか……」「うっ」みたいなやりとりにも大いに笑った。

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    2014年11月02日
  • 半導体探偵マキナの未定義な冒険

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    軽いけど可愛くて読みやすいのでミステリが好きじゃないひとにも楽しめそうです。ロボットから見ると日常の謎は感性が違いすぎて(そもそも感性はないのですが)笑ってしまいました。
    ただ壊れたロボットがこうなるのはちょっとご都合主義な気もします。結果的に楽しめたから文句はないですが、ミステリってよりもライトノベルミステリ風味といった感じでしょうか。
    表紙イラストが可愛い!と気に入ったひとの期待は裏切らなさそうです。

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    2014年08月05日
  • 半導体探偵マキナの未定義な冒険

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    異常行動を起こす探偵ロボットが一体どこに認識エラーを起こしているのか、という逆説の趣向が面白かった。読者にもう少し手がかりがあってもよいかなあとも思ったけど、これくらいがちょうど良いさじ加減かも。

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    2014年07月27日
  • キャットフード

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    猫好きは読むのをためらっちゃうかもしれない(笑)、ダークでシュールなミステリ。人間を殺そうとする猫と、守ろうとする猫。人間の中に紛れ込んだ猫を特定しないと人間を殺せないというロジックと、いかに正体を暴かれないよう振る舞うべきかというサスペンス。ぐいぐい引き込まれて一気読みです。そして途中の過程もさながら、ラストのどんでんにはやられたなあ。
    それにしても名探偵・三途川理がひどい。いくらなんでももぐもぐは……(笑)。でも彼の手掛けた事件の話は読んでみたいですね。

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    2014年05月25日
  • キャットフード

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    ネタバレ

    麻耶雄嵩氏、絶賛!
    慎重にご賞味を。
    ネコvs.ネコvs.飼い主の推理戦は、前代未聞の結末へ!

    ネコが人を殺してつくるキャットフード。
    化けネコ・プルートは、人間を処理する工場に4人の若者を呼び寄せた。
    ところがそこに、人間に化けた、親人?派のネコ・ウィリーが混じっていた。
    ウィリーはお世話になっている飼い主的存在を殺されたくない。
    そしてプルートとウィリーの間に立ちはだかるのは、「ネコ同士の殺しは御法度」のルール。

    かなりユニークな設定の中、結末も意外性があって良かった。
    「反則だ! 反則だ!」と訴える名探偵ににやり。

    ミステリ :☆☆☆☆
    ストーリー:☆☆☆☆
    人物

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    2014年03月05日
  • キャットフード

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    猫萌え。
    ミステリーとしては、根本的に世界観がとても風変わりな為、どうしても最終的に微妙な印象を受ける。
    しかし、文体は軽やかな為、軽く読める。

    猫が人間をどう見てるかを考えるとこんな形もありかもと思える。設定だけなら星5でも良いかも

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    2014年02月05日
  • キャットフード

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     うっかり再読。作者さんの最新刊を読んで処女作を読みたくなったのだよね。
     エンディングの落ちは「あれ?」と思ったけど、みんなのレビューを見て再読したら「あー」と理解した。うん。なるほど。
     つか、これを二度読みしないと理解できない時点で私にはミステリ脳はないな、と思いました。

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    2013年10月09日
  • 死者と言葉を交わすなかれ

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    裏表紙に「必ずだまされる」なんて書かれた日には、全然関係のない話だけれど聖飢魔IIの信者がミサ(ライヴ)にて「お前も蠟人形にしてやろうか?」と言われた時に「してしてー」と言ってしまうように、「だましてー」となってしまうわけで。

    で、ちゃんとだまされたわけです。ノンシリーズなんて勿体無い、続編とか作らないのかなぁと思っていたわたしを返して欲しい。

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    2024年05月26日
  • 死者と言葉を交わすなかれ

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    ネタバレ

    登場人物の名前が突飛だと慣れるまで話が入って来づらいということを学んだ(これはこっちの問題)
    電話相手の声を拾える高精度の盗聴器が、喋れないとはいえ筆記音も全部漏らすかというとやはり違和感は残る
    大オチについては、なんか無理矢理感が強く、爽快感も特にないし、大オチが加わっ理由が作れずに、無理矢理理由付けした感。嬉しそうに過去の騙し部分を引用されてもな、という感じ。
    ところで、講談社の本の旅フェアで香川県代表だったんだけど、そこまで香川要素あったっけ?

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    2024年04月30日
  • 死者と言葉を交わすなかれ

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    ネタバレ

    この作者の作品、三途川探偵シリーズが面白くて、斜め上を行く話の印象だったので、書店で見かけて購入。

    探偵もの…そしてオカルト…とワクワクしていたけれど、7割くらいで「なーんだ…そんなオチか」とオチが物足りずがっかり。しかしじゃあ残りの3割なにが書かれてるんだ?と思ったら衝撃の裏話が。
    確かに序盤から違和感は感じていて、でもわからずにいた…その正体がわかり、ぞぞっとします。
    ただこの正体がね…ホラー的なのならいいんだけど、私の苦手分野だった…ちょっと気持ちがしんどい…
    読んだあと「騙されたー」って驚き半分、不快感半分かな。
    最後の最後、ギャフンと言わせたくなったけど。

    それは置いといて、死生

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    2024年03月03日
  • 死者と言葉を交わすなかれ

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    初めて読んだ本格ミステリ大賞がこれでよかったのかな
    謎(ミステリってこう言うこと?
    純粋に推理小説あるいは探偵小説が読みたいって人は読まないでください。あくまでもこの本はミステリ小説として読んでください。

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    2023年10月02日
  • 動くはずのない死体~森川智喜短編集~

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    ミステリ小説を読み漁ってる人には少し文章のロジックなど物足りないかもしれませんが、とても読みやすいです!

    私個人としては表題作より「幸せという小鳥たち、希望という鳴き声」が1番グッときました。短編集の最初に持ってくるだけあります…!

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    2023年09月04日
  • スノーホワイト

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    質問すれば事実をベースに答えを教えてくれる魔法の鏡を持つ探偵という設定のファンタジーミステリー。
    いきなり事件の真相が分かり、真相に辿り着いた推理の過程を後付けで考えるという逆転の発想は面白いと思っていましたが、後半はその鏡の性質をどう上手く利用するかという方向に変わっていき、理屈のこねくり回し方がだんだん面倒になってきた。
    探偵が中高生という無理な設定などは特定の若者層に向けた作品という印象で、三途川の捻じ曲がった性格が気持ち悪い。調べてみると彼を主人公にしたシリーズがあるようですが、読むことはないと思います。

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    2023年07月28日
  • なぜなら雨が降ったから

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     大学生の野崎と、同じアパートに住み事務所も構える揺木探偵が織りなす連作短編集。20代半ば(のようにみえる)の揺木探偵は雨女という設定なので、作中はほとんど雨模様。そしてどの事件でも雨が一役はたすことになります。陰惨な事件もあるのですが、筆致が軽やかなので、読んでいて暗い気分になりません。4つ目に収録されている『雪女探偵』が一番好きかも。

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    2023年07月02日