【感想・ネタバレ】スノーホワイトのレビュー

あらすじ

「何でも知ることのできる不思議な鏡」をつかって小さな探偵事務所を営む女子中学生・襟音ママエ。自分の頭ではまったく推理をせず、鏡の力に頼りきりのママエだったが、ある事件がきっかけで、悪がしこい名探偵・三途川理(さんずのかわことわり)に命を狙われることになってしまい――!? 奇想の新鋭・森川智喜がおくる、知恵と勇気のファンタジックミステリー!

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Posted by ブクログ

キャットフードに続く2作目。ここから読んでも問題はないけど面白いから順に薦めたい。
最初はあ〜こういうファンタジーミステリ短編集ね、ってそれなりに満足してたのがどんどん加速ついて面白くなってよかった。次も読む。

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2023年07月04日

Posted by ブクログ

結論からいうとおもしろかったです☆わたしは好きです☆ 中学生のママエちゃんがなんでも知ってる鏡を武器に探偵をしてるという反則的な始まり。キャラも好きですね〜悪役の三途川なんかわりと好きです! 賛否両論あるようですが、小説の中身はたいしたことはありません、内容はないよ…的な(笑)でもキャラが良かったので好きな作者になりました☆白雪姫のモチーフも良かった。 わたしの中ではママエちゃんは広瀬すずちゃん、三途川探偵は神木龍之介くんで脳内再生されてました☆ 前作もぜひ読みたいです!

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2019年06月13日

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「真実を映し出す鏡」――軽快な呪文とともに鏡に問えば、どんな真実だって知ることができる!というユニークな道具を持つ探偵の物語。推理もへったくれもない?いやいや、実はこのチート道具、何でもアリの無敵の道具に見えて、「鏡に問う」とはどうすることで、「真実」とはどういうことで、「映し出す」とは何をどうすることで、といったことがきちんと整理されているんです。これを利用したり、あるいは逆手にとったりして展開される、登場人物たちの知恵比べが真骨頂。論理パズルが好きな方や、メタ的なものが好きな方にもおススメ。

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2018年07月22日

Posted by ブクログ

「なんでも知ることのできる鏡」という反則アイテムの使い方の巧妙さは麻耶雄嵩さんの神様シリーズを彷彿させる。もちろん、鏡であることを最大限に活用しているので、単なる二番煎じにとどまるものではないことは明らかだ。その鏡を一番使いこなしているのが三途川理というのが、シリーズキャラクターの面目躍如といったところか。

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2017年05月18日

Posted by ブクログ

第14回本格ミステリ大賞受賞作。名探偵三途川理シリーズ。何でも答えてくれる魔法の鏡にまつわる物語が、「本格」を冠するミステリ大賞を受賞したことを愉快に思う。魔法の鏡なんて、アンフェアもいいところ。ところが、これがしっかりミステリなのだ。面白い面白い。トリックの泉は掘り尽くされたと言われ、時代遅れとなりつつあった本格ミステリは、糸と針金の物理トリック、錯覚を利用した心理トリック、語りで読者を騙す叙述トリック等に加え、超常トリックなんてものを取り込みつつあるのかも。

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2019年09月26日

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ネタバレ

ミステリーというジャンルの幅をぐぐっと広げるようなアイディアで、素朴にすごいなと思います。読んでいて楽しい作品でした。

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2017年07月05日

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なんでも教えてくれる鏡やら、小人やらファンタジー要素がかなり強めのミステリ。
でもファンタジー要素はあってもちゃんとしっかりとしたミステリになってて凄い。
魔法の鏡をどう使えば効果的か、など展開はかなり論理的。

探偵の三途川理は前作よりだいぶゲスさに磨きがかかったように思う。
彼はかなり癖があるので好き嫌いが別れるだろうなぁ。
うわーゲスだなーとは思うけど…なんだろう…なぜか私は憎めない。
やってることを考えるとほんとに非道だから実際いたらもちろん絶対いやだけどキャラクターとしては癖があって好きかなぁ。

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2017年03月31日

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ネタバレ

魔法の鏡という,おきて破りのアイテムを登場させた本格ミステリ。この設定だけでも魅力的だが,襟音ママエやグランビー・イングラムといった登場人物のキャラクターも秀逸である。
更に,この本は,本としての構成も見事。第一部は,魔法の鏡を利用して襟音ママエが解決した事件が紹介されている。真相から逆算して推理をするという奇妙な設定と,襟音ママエのなんともいえないキャラクターの魅力もあり,この短編も,日常の謎系のミステリとして十分楽しめる。
この第一部を踏まえ,襟音ママエのキャラクターに愛着を持たせておいた上で,第二部には,こちらも強烈なキャラクターである三途川理を登場させている。
ある国の王位を継承するために,ダイナ・ジャバーウォック・ヴィルドゥンゲンから,襟音ママエの殺害依頼された三途川理は,魔法の鏡を利用したさまざまな襟音ママエ殺害計画を立て,実行に移す。三途川理と襟音ママエ…というより襟音ママエを守るイングラム陣営との対決。最終的には,もう一人の探偵である緋山燃の力もあり,三途川理の襟音ママエ殺害計画は失敗する。
ふしぎな国の法にのっとり,ダイナと三途川理はヒキガエルになる罰を受け,ママエは王位を継承するというハッピーエンド。読後感もよく,文句なしの★4つ。

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2015年09月06日

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ネタバレ

毎度おなじみジャケ買いの一冊。
タイトル通り、白雪姫をモチーフにしたカバーデザインで、ついつい手に取ってしまったのですが、これがまたなかなか面白かった。

第14回本格ミステリ大賞を受賞作。
モチーフになっている白雪姫から「7人のこびと」を持ってくるのはまだしも、「真実の鏡」をミステリ作品に持ってくるというとんでもない作品。

襟音ママエの探偵活動を描く第一部は3つの短編で構成。依頼人の相談に、お茶を替える振りをしてサクッと鏡に犯人とトリックを聞いて問題解決! 助手の小人・イングラムが「もうちょっと考えようよ」と言ってもどこ吹く顔のママエ。

なんや? これ?

ミステリとは思えない最初の作品に当惑しながら2つめの話に。
ママエの答えに納得しない依頼人に、依頼人が納得する言い訳をまたも鏡に考えさせるという……うーん、なんだろう? この激しい違和感は……答えが分かる鏡というアイテムがあったら、ついつい倒叙型の作品になりそうなもんだけど。

なんだか分からないまま読み進めていくと、3つめの物語ではとうとうママエのやり方に違和感を持つ他の探偵が現れて級地に陥れられて……と、言うところで第一部は終了。

第二部になると、鏡の出所やイングラムの存在を補強する舞台が登場。おとぎ話には付きものの「悪い王女」が現れて、第一部でママエを追い詰めた探偵・三途川と組んで、ママエを無きものにしようと襲いかかります。

ここからはこの小説の真骨頂、「真実の鏡がある」ことを前提にした虚々実々の駆け引きが繰り広げられ、最後にはストンと論理に基づいた推理が展開されます。
なるほど、これは面白い。

著者のデビュー作のキャットフードは「人狼ゲーム」の変形版との解説があったので、興味津々。次はそれを読んでみよう。

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2015年06月13日

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白雪姫に登場する真実を答えてくれる鏡。そんな誰でも知っているガジェットを物語の中心に据え、よくもまぁこんなひねくれたロジックを生み出せるものだと関心してしまう。そんなミステリー。

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2014年12月24日

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質問すれば事実をベースに答えを教えてくれる魔法の鏡を持つ探偵という設定のファンタジーミステリー。
いきなり事件の真相が分かり、真相に辿り着いた推理の過程を後付けで考えるという逆転の発想は面白いと思っていましたが、後半はその鏡の性質をどう上手く利用するかという方向に変わっていき、理屈のこねくり回し方がだんだん面倒になってきた。
探偵が中高生という無理な設定などは特定の若者層に向けた作品という印象で、三途川の捻じ曲がった性格が気持ち悪い。調べてみると彼を主人公にしたシリーズがあるようですが、読むことはないと思います。

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2023年07月28日

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なんでも教えてくれる魔法の鏡を使って事件解決!? 論理や証明は後回し、真相を先にどうぞ!!
そんな少女探偵の鏡と命を狙う輩たち、何でも分かる鏡VS何でも分かる鏡の結末は・・・?

白雪姫のモチーフを取り入れた軽い語り口のファンタジーミステリ、事件を解決する話ではなく鏡を持った相手に対してどう挑戦していくかが肝になっている物語。 短編気分で読めるライトミステリになっている。

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2023年03月02日

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特殊設定もここに極まれりみたいな、おとぎ話(?)ミステリ。とはいえ、作者さんのやりたいことは、尋ねれば犯人も犯行方法も教えてくれる反則アイテムがあっても、論理も名探偵も死なないということのようだ。極悪人名探偵の三途川が見せる、魔法の鏡のかっとんだ使い方はディズニーアニメなんかに環流したら面白そうな気がする。

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2022年08月05日

Posted by ブクログ

高密度のコンゲームは、特殊設定でありながら余計な描写や説明をしないこともありとてもページ・ターニングで夢中で読んだ。だが読み終えてみると、好きになれる・読者として共感できるキャラがいないのが惜しい。(キャラが立ってない、という意味ではなく)

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2019年11月19日

Posted by ブクログ

ディズニーの「魔法にかけられて」を思わせるつくりで、超常ルールを使った本格ミステリっぽい作品に仕上げている、新しもの好きの審査員先生方にはたまらない作品だろう。ケータイ・ネット世代には読み返してロジックやトリックを検証するような構成では読んでもらえない、と。それに対する解答が本作だという。まぁ何というか、自分の印象としては本格ミステリと言うのには難ありという印象。小説として嫌いではないが。6.5

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2016年05月27日

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ネタバレ

2016/1/28
何でもわかる鏡を持ってる探偵って探偵小説として成り立つの?と思いましたが後半はなるほど。
読みやすい割に敵役の三途川が虫唾が走るほど嫌な奴で、主人公ママエがあっさりやられてイライラした。

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2016年02月03日

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三途川理、ここまで嫌な奴に描かれてると逆に潔いですね。『探偵』が灰色の脳細胞を悪い方向に使うとどうなるのか的なテーマ作品みたいでしたな(笑)
ただ、後半、ミステリというよりコン・ゲーム小説になってるのであんまり私の好みではなかったという……。
つきつめると、普通の(?)事件も探偵と犯人の知恵比べではあるんですが、この作品はルールが定められた世界観の中での駆け引きだけで後出しジャンケン的な印象が強く、さらにあまり「魅力的な謎」がなかったせいかなぁ…。

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2015年05月12日

Posted by ブクログ

『キャットフード』の続編。
探偵シリーズなのだが、ダークヒーロー的な探偵とクールでかっこよい探偵が、第三者の利害を挟んで対決する、なんと名付ければよいか分からないシリーズ。
全体通して起承転結のテンポがしっくり来た分、一作目の方が好き。
ただし、ファンタジーな設定の下での論理戦は、今回のが隙がなく、徹底されていてよかった。
3+

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2015年04月25日

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前作キャットフードは微妙だったけど、本作は本格ミステリ大賞受賞ということで期待していました。
まあ期待通りといったところでしょうか。
前評判なしに読んでいれば、その飛躍っぷりに拍手を送ったことでしょう。
前作では設定を活かしきれていないように感じましたが、本作ではこれでもかと「真実の鏡」なるものが使い回されます。
ミステリ的に反則のようなツールではありますが、昨今の特殊設定ミステリブーム(?)から見れば出るべくして出た作品なのかな…
それと特筆すべきは、その読み易さ!
知り合いの方から「冬の寒い朝、布団から出たくない時に何となく読み始めたら、身体が温まってくる頃には読み終わってる本だよ」と言われたのですが、まさにそんな感じです。

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2015年01月28日

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ネタバレ

「魔法の鏡」というお題で抜群に頭の良いひとが小説を書くと、なるほどこんなミステリが出来上がるのか……。

「あちらの世界」では王家を継承する血を引くママエは、それとは知らず「こちらの世界」で世話役の小人イングラムとともに暮らす中学生。そのいっぽう、母の形見の「魔法の鏡」を密かに駆使して探偵業も営んでいる。そんなある日、とある依頼人の手引きでおなじ探偵業を営むふたりのクセもの、緋山燃、そして「我こそは名探偵」と公言してはばからない三途川理と引き合わされたママエは、「あちらの世界」の戴冠式に絡んだ陰謀から思わぬ事件に巻き込まれてしまう……

ミステリーながら、いきなり「魔法の鏡」「小人」といった飛び道具(?)の登場に面喰らうし、年齢的に仕方ないとはいえ、ママエの幼さ、身勝手さに共感できないのも読んでいてつらいところ。とはいえ、「魔法の鏡」を縦横無尽に使い倒す三途川の頭脳には舌を巻かずにいられない。とにかく、読者に息つく暇をも与えない矢継ぎ早のトリックは面白く、おとぎばなし的な舞台設定もさほど気にならなくなってしまうのだ。ラストの種明かしは……う〜ん……ひとひねりせずにはいられない作者の性格が出ている感じ?


【以下、ネタバレ】
…… 「白雪姫」的なオチというのは分からないでもないが、個人的には、とどめはママエ自身の手でお願いしたかったかな? オトナへの階段として。シリーズものらしいので、そのあたりの事情からママエのキャラは変えたくないかもしれないけれど。

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2015年01月15日

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