あらすじ
野崎は高校を卒業して一人暮らしを始めた。ある雨の日「Yuregi Detective Office」と看板がある部屋の前で、女の人が一人で煙草を吸っていた。「あの、もしかしてここの事務所の方ですか」「そうよ」「探偵さん……ということですか?」「そうなるわね」「すごいですねえ。あの。探偵さんってことは、推理とか、するんですか?」「まあね。あなた、もしかして最近、新しく靴を買ったんじゃない?」
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雨女で探偵の揺木茶々子が的確な推理を展開する物語だが、同じアパートに住む野崎圭人のからみか面白かった.「雨天決行」で連続放火事件現場に落ちていた口紅棒の意味を的確に推理する過程が良い.その他の4篇も、推理の展開が楽しめる.
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大学生の野崎と、同じアパートに住み事務所も構える揺木探偵が織りなす連作短編集。20代半ば(のようにみえる)の揺木探偵は雨女という設定なので、作中はほとんど雨模様。そしてどの事件でも雨が一役はたすことになります。陰惨な事件もあるのですが、筆致が軽やかなので、読んでいて暗い気分になりません。4つ目に収録されている『雪女探偵』が一番好きかも。
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大学入学のため一人暮らしを始めた野崎は同じ下宿先で探偵事務所を開く、揺木茶々子と出会う。
彼女と出会うときはいつも雨天。
彼女は雨女だったのだ。
いつの間にか助手となった野崎。
彼らの前に今日も雨の中、事件がおきる。
真実はどうなの?というモヤモヤがダメで、しばらく放置してしまった。
雨が降ったことで事件を解決する糸口が現れるのは面白いんだけど。
今日は最後までいっきに読む。
「なぜなら、雨が降ったから」
新幹線も止まるような大雨だったね。
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「なぜなら、雨が降ったから」
「ま、詩的にいうなら、宇宙のしわざね。私が探偵するときに雨が降るんじゃない。雨が降るときに私が探偵するんでもない。宇宙が雨を降らし、同時に、私に探偵させるのよ。突き詰めると、この世の中に許される主語はただ一つ、宇宙だけ。お分かり?」
「…これもまた、宇宙のしわざなの。宇宙が一つの大きな主語となり、何かをどうかさせる。そして、別の何かをどうかさせる。結果、人が死ぬこともあるわ」
「原因が同時に結果であり、結果が同時に原因。因果関係ではなく包括関係でもなく、相関関係ね。」
「たとえば、イコールのキーというものがあるわね、野崎君。電卓で計算をするのなら、あのキーを押すのは結果を導くための手続きになるんだけど、本当は違う。なぜなら、イコールはそもそも、方程式の中枢だからよ。方程式の左辺と右辺は、この世界に同時に現れて、同時に消える。どうかな、分かるかな?」
「それにしても、本当、子供は頭が柔らかいですね ー ぼくにはあんな方法、思いつきませんよ」
「そうね。それに比べて、『子供は頭が柔らかいですね』というステレオタイプないい回しは、いかにも、頭カチコチって感じがするわね。どうかしら」
「…雲から水滴が落ちるとき、人々は、雨だ雨だと騒ぐ。しかし水滴を落としている雲は、人々がうれしくて騒いでいるのか、悲しくて騒いでいるのか、分からないの。同じように人々は、水滴を落とすことが、雲にとってうれしいことなのか悲しいことなのか、どうやっても、分からないのね」
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森川作品を立て続けに買ってしまった。
買いすぎただけでなく、買いかぶり過ぎたかもしれない…
キャラで押すミステリなはずで、押しも弱くはないが、ミステリとの互換性がそこまで高くないように感じた。
少し無理している感が否めない。
面白くないわけではないが、『キャットフード』シリーズくらいの改心の出来を求める。
3-
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野崎くんの日常を見抜くところと雪女探偵の章は面白かったが、それ以外は可もなく不可もなくといった感じ。雨女探偵の設定は好きなので、上手いこと完成させて欲しかった。
Posted by ブクログ
20141212
表紙のイメージとなんだか違う…みたいな。
話は不可なく面白く読めた。
格別にこれー!というのはなかったけど、退屈しないので、のめり込む必要のないこのタッチは読みやすかった。
最後の狐の嫁入りが一番よかったな。
春夏秋冬春、という流れ。
雨女探偵
てるてる坊主
雨天決行
雪女探偵
狐の嫁入り