森川智喜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ〇 概要
益井探偵事務所に舞い込むさまざまな依頼を,23世紀からやってきた,元タイムパトロール隊員の芽原アドと益井丸太が捜査をする。未来から武村ロミというタイムパトロール員も加わり,未来犯罪者との対決をする。時空間SFミステリ
〇 総合評価 ★★★☆☆
タイムパラドックスもののSF。非常に軽い雰囲気の作品である。作中でも言及されているが,まるで1970年代のSFという雰囲気。もしかしたら,古きよき時代のSFをライトノベルという形で復刻させたかったのかもしれないが,古臭い雰囲気は否めない。タイムパラドックスものなんだから,タイムマシンの理屈やタイムパラドックスについての理屈をコチコチと書いてほしかったが,その部分は「気にしなくていい」で済まされている。これも,深く考えずに,気楽にエンターテイメントとして読書を楽しみたいのならいいのかもしれないが,SF好きとしては物足りない。森川智喜らしいロジックがあると思ったのだが,そういった部分はない。バックトゥザフューチャーや夏への扉ばりのアクション部分は,それなりに面白い。トータルで見ると…ぎりぎり★3かな。
〇 トリックなどのノート
● 201X年8月15日
ペットのアレックスが逃げた事件を解決
10月26日の飽本の捜査の結果として,タクシーをこの事件に持ってくる。それは歴史の一部だった。
● 201X年8月25日
宝石「天馬の目」が無くなった事件を解決
● 201X年9月15日
高校生の子どものおかしな行動の事件を,なかったことにして解決
→依頼がない日になる。
● 201X年10月21日
飽本と社長が会っている事件を見て,未来犯罪であることに気付くが,飽本が逃亡
● 201X年10月24日
カンニング疑惑事件を解決
本がたまたま五十音順に並んでいたというトリック
芽原アドの説明を,益井がきちんと聞いていなかったことが混乱の原因だった。
● 201X年10月26日
10月30日の事件の捜査で,飽本と社長がレストランにいることを知ったので,その捜査をする。
● 201X年10月30日
武村ロミが,歴史を変えるために,益井探偵事務所に訪れる。
ストーカー事件の捜査
自動販売機のオーナーが売上げ調査をしていたということがストーカー事件の真相
● 224X年5月15日
芽原アドの企画(中期物理学時代で探偵をする)が,試験段階で終わることが決まる。
→武村ロミの活躍により未来が変わり,芽原アドの企画が続けられることになる。
● 224X年5月16日
武村ロミが芽原アドの企画が終わるという歴史を変えるために中期物理学時代に行く。
〇 サプライズ ★☆☆☆☆
ミステリというよりライトなSF。サプライズは全くない。
〇 熱中度 ★★★☆☆
タイムパラドックスものかと思いきや,「因果相転移」,「因果エネルギー」,「中期物理学的に破たんするということと,以降の理論で整合性が取れるということは無矛盾」…「あまり気にしないでってこと」で済ませてしまう。もう少し,きっちりした理論で説明してほしいところ。理論の部分は別として,過去と現在を行き来して,事件を解決したり,事件をなかったことにするという展開はそれなりには面白かった。熱中度はそこそこ。
〇 インパクト ★★☆☆☆
薄い。せっかくSF的な設定にして,タイムパラドックスを使ったミステリなのに,事件がペット探しとか,宝石強盗とか,子どもの様子がおかしいとか…しょぼい。取り扱う事件がしょぼい上に,解決方法はタイムマシンを使うだけでワンパターン。ストーリーは,タイムパラドックスものらしい入り組んだ展開なのだが,どこかで見たことあるような展開。インパクトは薄いなぁ。
〇 キャラクター ★★★☆☆
主人公の芽原アド,探偵役の益井丸太,タイムパトロール隊員の武村ロミ,未来犯罪者の飽本など,キャラクターはそれなりに魅力的。というか,この作品は,キャラクターの魅力に頼った,ライトノベル的なSFというイメージ
〇 読後感 ★★★★☆
芽原アドの中期物理学時代で探偵をするという企画が続けられるという未来に変わっている。ハッピーエンドであり読後感はいい。作品全体に,ライトで楽し気な雰囲気があるのも好印象
〇 希少価値 ★★★☆☆
森川智喜の作品は,キャットフードやスノーホワイトはそれなりに売れてそうだけど,これは…。明らかに古臭い設定のSFのライトノベル。キャラクターもそれなりの魅力的だが,はやりのキャラクターというイメージでもない。きっと,将来的には手に入りにくくなると思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ極上のキャットフードを作りたい──化けネコ・プルートは人肉ミンチの生産に乗り出した。コテージに見せかけた人間カンヅメ工場におびき寄せられた四人の若者。が、その中に人間に化けた黒猫・ウィリーが混ざっていた。化けネコどうしの殺傷はご法度。一体どいつがネコなんだ?!食われたくないなら、頭を絞れ!……裏表紙あらすじより。
すっごく魅力的なあらすじでしょ?読んでみたくなるでしょ?
というわけで夜中まで読んじゃった。面白かった、頭使った。最後は、ん?どういうこと?って一瞬なるけどわかった瞬間ああ!って納得する。オチ、良かった。
…ただねー、思い出したんだけど、私が普段ミステリーを読まないのは、登場人物が死ぬからなんだよね!この本それはもうさっくり死んじゃうから、お、おう…ってなった…。
私は名探偵夢水清志郎シリーズがすきだよ…。笑 -
Posted by ブクログ
この作者さんは特殊設定下でのミステリが得意なわけですが、今作はそれが生かされておらず非常に残念。
今回の特殊設定は、江戸時代に現代の鑑識用具があったら岡っ引きがどう活用するか、ってところなんでしょうが、なまじ我々日本人は時代劇等でイメージが出来上がってる世界観の中に、そこを無理矢理放り込んでくるので違和感が半端ない。(さらに登場人物が微妙に設定時代にそぐわず、現代人に見えるときがある。会話とか描写がね。時代小説は向いてない感じ……)
おそらくこの設定を生かしたいなら、江戸の時代劇設定にせず、現代の発展途上国や架空のファンタジーの国、とかで良かったのではと思ってしまう。
それか、どうしても江戸時代設定にするなら、いっそのことリアルに妖怪も存在する世界にして、お星ちゃんが妖怪検知の能力に秀でており、舟彦は鑑識用具を活用し、二人でそれぞれ長所を生かして協力して事件解決とかね。
なんにせよ、この作家さんのアレンジ力を考えると、非常にもったいない。はっちゃけ度合いがもう一つ足りなくて損してる印象を受けてしまう……。