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「愛犬の行方を探してほしい」「息子が暴れて……」「大切な宝石が消えてしまった」。益井探偵事務所にはさまざまな依頼が舞い込む。彼の相棒は芽原アド、23世紀からやってきた元タイムパトロール隊員だ。携帯式時間移動装置を片手に、真相を探る二人のもとに、未来から武村ロミが加わって――。未来犯罪との対決の行方は? 本格ミステリ大賞受賞作家が贈る、時空間ミステリ誕生。
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Posted by ブクログ
未来探偵の事件解決へのアプローチの仕方がとても興味深かった。終盤の怒涛の展開も未来探偵ならではの部分が出ていて良かった。
ミステリーですが、タイムトラベルやタイムパラドックスを扱っている点ではSFとも言えます。事件の捜査や解決に時間移動を用いる、言ってみれば反則のそうなミステリーですが、それでもミステリーとして成立させているあたりは、よく考えられた作品だと思います。特に終盤の事件の2重3重に時間移動がある話だと、なかな...続きを読むかややこしくてよく考えないとこんがらがります。 タイムパラドックスについての割り切りについては、賛否両論ありそうですね。
タイムパラドックス?それがどうかした?とでも言わんばかりの時間移動のオンパレードのもと炸裂する最終話のインパクトがすごい。「23世紀になっても探偵小説はまだ伏線がどうのとかいってるのか……」「うっ」みたいなやりとりにも大いに笑った。
タイムマシンを使って依頼を解決していく話。慣れるまで読み進める気力があれば楽しめます。最初、急に未来人が3人出てくるので誰が誰だかわからなくなりました。正直始めの方はつまらないと思っていましたが、伏線(?)が沢山あるので、後半になるにつれて面白くなります。話自体が面白くなるというより、パズルが組み上...続きを読むがるような面白さですが…。話の盛り上がりは終始一定な感じです。好き嫌いが分かれるとは思いますが、個人的には可もなく不可もなく。よく考えられてるなあと思いました。 そういえば、警察署のミーティングルームの描写、「円型の壁、円型の窓、円型の扉、円型の窓」は何故窓が2回も出てくるのか。ミスなのかわざとなのか。わざとだとしたらどんな意味があるのか。これがどうしてもわかりませんでした。
二〇一X年の探偵である二十歳の益井が、二二四X年からやって来た元タイムパトロール隊員である相棒のアド、タイムパトロール隊員であるロミと共に依頼を解決し未来犯罪とも対決する。携帯式時間移動装置《タマテバコ》を駆使する様はややこしかったけれど、タイムスリップものならではの過去との繋がりを楽しんだ。
未来の探偵は、未来の自分に真相を乞う 「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」でタイムスリップした先は、2015年10月。中に浮かぶスケートボードは開発されなかったが、代わりにインターネットで世界中の人とコミュニケーションがとれるようになった。未来を予想するのは難しい。夢物語かもしれないタイムマシンも...続きを読む、未来がどうなるか分からない以上、絶対ないとは言えないかもしれない。 2200年代からやって来た未来の探偵は、タイムマシンを使い依頼をパパッと解決する。もちろんタイムパラドックスが発生しないよう、宇宙の因果だの相転移だのを計算に入れて行う必要があるようだし、予期せぬ邪魔も入る。それでも終始和やかで、テンポ良く話は進んでいく。さらっと読める王道の時空ミステリだった。 惜しかったのが、現代の探偵があまり活躍していなかったこと。未来探偵やパトロール隊員に敵わないのは致し方ないが、現代人ならではの視点やアドバイスによって事件を解決に導くような展開も欲しかった。
設定の面白さとそれぞれの事件で描かれるタイムパラドクス関連のアレコレを上手く咀嚼できず素直に楽しめないまま読み終えてしまった。時間を置いてまた読んでみたい。
201X年。私立探偵益井丸太は、23世紀からやってきた相棒芽原アドの実に気軽な時間移動で、今日も事件を解決したりなかったことにしたりするぜ! 時間移動技術が確立した未来においては、ある程度の因果相転移…タイムパラドクスによる歴史の書き換え…は気にしない、というのが面白かった。まじかよ。そういうもん?...続きを読む とりあえず読み終えて、ロミちゃんやったね!と思った。
タイムマシンを使った探偵って、もうミステリではない。何故なら過去へ行き、事件そのものすら無かった事にしてしまう。だったら探偵もいらない。 パラドックスについては問題にならないほどのレベルという事で片付けられる。 単純に面白かった。が飽きる。映像映えしそうなのでドラマ化出来そう。
タイムトラベル・ミステリ。と言っても、タイム・トラベルした先で事件が起きる訳ではなく、タイム・トラベルがミステリの核となる訳でもない。未来人のアドが現代(作中で言うと中期物理学時代)の益井探偵事務所にやって来て、事件をタイム・トラベルを使って解決するという次第。依頼が来ると、未来のアドがやって来て真...続きを読む相を教えてくれたり、過去に戻って現場を見に行ったり、事件そのものの発生をなくしたりと、つまりそういう事である。こうした話にありがちなタイム・パラドクスなどを因果ポテンシャルなる用語で捻じ伏せる説明は分かったようなわからないような。取り敢えずあまり気になることなく楽しむことはできる。前半までは「未来探偵」たる所以を小さなエピソードで重ねていった上で、後半以降にそれまでのエピソードを伏線として、時間を多層に重ねた形でストーリィを紡いでいく様は非常にユニーク。ミステリとしての面白さというよりはSFとしての面白さに近い感覚で、時間が前後するために今何してたんだっけという益井の感想に自身も飲み込まれる締め方は非常に興味深かった。
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未来探偵アドのネジれた事件簿―タイムパラドクスイリ―
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森川智喜
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