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大学の仲間たちと自主制作映画を撮る七沢。ある日、イタリアの蚤の市で買ったナイフを使っているとガボーニと名乗る霊が現れ、「このナイフで殺した命は、16時32分に生き返る」と言い、姿を消した。半信半疑の七沢だったが、ナイフを使って殺した蠅が、翌日の16時32分に蘇生するのを目の当たりにする。七沢はナイフの力を使い、緻密な“殺人”を繰り返すが……。予測不能な結末が待ち受ける、ノワール・ミステリの新境地!
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Posted by ブクログ
2019年31冊目。久しぶりの作品はシリーズ外だけど、殺したものが決まった時間になると生き返るナイフとかいう三途川理シリーズに出てきそうなアイテムが登場。主人公も徐々に壊れていったけど、女刑事のイカれっぷりも振りきれてて面白い。途中の殺人罪に問えるかどうかのくだりはなかなか興味深かった。落としどころ...続きを読むをどうするのか気になりながら読んだけど、オチはそうきたか、って感じで結構良かった。
『そのナイフでは殺せない』は、不思議な力を持つナイフを巡り、異なる信念を持つ二人の主人公が交錯する、スリリングなノワール・ミステリです。若き映画監督とシングルマザーの警部という対照的なキャラクターを通じて、物語は狂気と正義、破壊と秩序といったテーマを深く掘り下げていきます。 魅力的なキャラクターと...続きを読む緊張感のある物語 若き映画監督は、不思議なナイフを手に入れたことで、道徳観を見失い、殺人に手を染めます。その行動は冷徹かつ緻密でありながらも、いつしか狂気に満ちていきます。彼がなぜその道を選んだのか、その背景にある心の闇や不思議な力を手に入れた事による万能感により壊れていく過程は、読者の興味を強く引きつけます。 一方、シングルマザーの警部は、家庭と仕事の板挟みの中、正義感ゆえに孤立しながらも事件に立ち向かいます。彼女の葛藤や不器用ながらも強い意志が、現実感のあるヒューマンドラマとして物語を支える一方で、強すぎる正義感により暴走を始めます。二人の対立は、単なる善悪の対比ではなく、どちらが正しいのか、あるいはどちらも壊れていくのかという救いの無い緊張感を最後まで保っています。 ノワール・ミステリとファンタジーの融合 本作は、ミステリの要素に加えて、ノワール特有の人間の闇を描いています。特に、ナイフの「不思議な力」が現実と非現実の境界を曖昧にすることで、物語全体に独特の緊張感と不安定さを与えています。 また、結末に向けての展開は、読者の予想をことごとく裏切る巧妙さに驚かされます。 正義とは何か、狂気とは何か、そして人間の壊れやすさを問いかける物語は、単なるエンターテインメントにとどまりません。ノワールやミステリ好きの人におすすめの一冊です。
ノワールミステリー単行本。生物をあやめても24時間以内に蘇生する特殊ナイフを手にした平凡な大学生。その使い途とは…。人のモラルと狂気、法の境を突いた作品。少し酷な描写有。弱い方は気をつけて下さい。成程ネ、という結末も用意されています。
このナイフで殺しても、決まった時間に無傷で生き返る。生き返るから殺人罪にはならないし、傷害の証拠も残らないという警察側の苦悩が興味深い。だんだん調子づいてきた主人公へのしっぺ返しが衝撃。
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そのナイフでは殺せない
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森川智喜
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