御子柴善之のレビュー一覧
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『実践理性批判』の内容を、カント自身の議論の展開にそくしてていねいに読み説いている解説書です。
カント倫理学といえば、義務倫理学の代表的な思想として知られており、多くの倫理学の入門書にその解説があります。しかし著者は、「カント倫理学を義務論として理解することに誤りがあるわけではありませんが、どのような意味でカント倫理学が義務論なのかという説明が不十分なのです」といい、「理解されるべきなのは、カントの用いる「義務」とはどのような概念であり、その「義務」づけの構造がどのようになっているのかということです」と述べています。こうした問題意識にもとづいて、本書ではカント自身の議論をたどることで、その内 -
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カント哲学の入門の入門みたいな感じ
具体例ですごい分かりやすく説明してくれていてとても良かった!
カントの執筆順にその背景も踏まえて説明されていて、流れがすごく分かりやすくて納得できた
哲学初心者すぎるのですけれど、気持ちとか概念とか抽象的なものを、分類して命名し、論理的に説明しようとするのすごすぎて圧巻。
カント哲学本当に抜けが無くてすごいなと思いました。
これは?こういう場合は?ってところまで詰められていて、納得。
永遠平和のためにでは、まさしく現代において問題となっていることにも述べられていて、先見性に驚き。これが歴史に名を残す天才なのかー!と思いました。
かっこいい...哲学をし -
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カントについて、「『純粋理性批判』以降、どのようにその施策を展開したかを追体験」(p.191)しながら、自分で考えること、どのように考えるべきか、といったことが解説されている。具体的には「概念ののいう力である悟性(知性)のア・プリオリな規則を明らかに」(p.122)する『純粋理性批判』、「推理の能力である理性のア・プリオリな原則(道徳法則)を明らかにした」(同)『実践理性批判』、そしてその「概念論と推理論のあいだに位置する」(p.123)『判断力批判』という三批判書について、そして最高善が現実世界で実現するための「最高の政治的善」(p.167)について論じた『永遠平和のために』について、主に
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ネタバレ大人になるとは自分を取り巻く文脈を十分に理解していることであり、大人としてよりよく生きるとは、その文脈のなかで自分が持っている役割をよりよく果たせることだ。こんなふうに言う「大人」もいるかもしれません。そうだなあ、と納得する人もいるでしょう。この世界に産み落とされ、なんらかの文脈(地域、文化、言語)で育ってきたのだから、この文脈のなかに留まるかぎり、学ぶべきは自分が属している文脈と自分の役割なのだ、と。
他方、大人になるとは自分を取り巻く文脈から距離をとって自分自身で立ち、そうした文脈を配慮しつつも、自分を見失うことのない人だ。こんなふうに言う「大人」もいるかもしれません。大人と子どもの違 -
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カントの倫理に関する考え、その結論に至る純粋理性批判からの論理の流れが大体理解できました。
読んでる最中にロシアの戦争がはじまり、現状と重ね合わせながら読み進めました。
自分の行動が普遍的なものであり得るかを常に問い続けるべし、というのがカントが個々人に向けて示した道徳的に生きるための指針でした。
本の中では「ズルいことはするな」と説明されていましたが、これがとてもしっくりきました。
またカントは道徳に導く良心は人々の中に普遍的に存在すると考えていたのですが、ロシアでの抗議活動を見ればそれも納得できました。
最後に、「永続する平和は実現できないような気がするが、目指し続けなくてはいけない」 -
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『純粋理性批判』の内容を解説している本です。
著者はすでに『カント哲学の核心―『プロレゴーメナ』から読み解く』(2018年、NHKブックス)を刊行しており、そこでカントの理論哲学を概観していますが、本書はカントの主著である『純粋理性批判』を、その構成にしたがって詳細に読み解いています。「ですます」調で書かれていますが、700ページを超える大著であり、また著者自身が「〈カント哲学ってこうだよね〉とか、もっとひどい場合には〈カント的にはこうだよね〉という決めつけをするのでなく、つまり、目の前の引用文を離れて解説するのでなく、あくまで引用文に即した解説を試みました」と語っているように、『純粋理性批 -
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昨今、○分で読める名著やら100冊を1冊にまとめた本やら、深遠な知識を手軽に知りたいというニーズが高まっているようだ。難解さで有名なカント哲学について、さらっと知りたいと考える人も(私も含め)一定以上いるだろう。
本書は、ジュニア新書ということで中学生向けなのだが、カントの生い立ちからはじまり、純粋理性批判、実践理性批判そして(書名すら知らなかった)判断力批判についてその内容をカントの思想の流れにそって丁寧に解説。大人向けのカント入門も多々ある中、大人が中学生向けのこの本を選ぶのは勇気がいるものの、かみ砕いた説明は非常に分かりやすい。
ちゃんと勉強している人にとってどれくらい正確なのかは分 -
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「批判 (Kritik)」は現代的意味の批判ではなく「限界・境界を確定する」という意味なのだそうです。つまり,「理性の守備範囲の確定」というのが純粋理性批判の目指すところ。
ジュニア新書ということで,筆者の労は理解しているつもりですが,何を解決させようとする流れなのかを見失う,あるいは迷子になる感じがしました。
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私たちは,勉強が進み,さまざまな経験を重ねる中で,いろいろなことが<分かって>きます。なにかが<分かる>とは,それと他のものとを<分ける>ことができることでしょう。たとえば,ある漢字が分かるとは,それを他の漢字と見<分ける>ことができることでしょう。そうすると,私たち