【感想・ネタバレ】自分で考える勇気 カント哲学入門のレビュー

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自分に向かって「自己の完全性」と「他人の幸福」を追求しているだろうかと問う。
自分の中で1番しっくりきた。

大学生どころか、素人の大人の入門としても大変ありがたい本だと思った。分かりやすい。「分かる」という意味につけても、「分ける」ことができるという話はそういうことかと膝を叩いてしまった。

高校時代に倫理の授業を受け、その後もセンターでは倫理を選択するほど倫理が好きだった。中でも、カントの思想は当時から好きだった。ボランティアや人助けなど、理由などなくそれをしなければいけない。その考え方が潔すぎてカッコイイと思ってた。
純粋理性批判を図書室で借りたけど難しすぎて挫折した。でも、今でも読みたい気持ちはある。
そんな中でこの新書には本当に救われた。(永遠平和のためにを読んでたのも救いだった)

カントの考えは理想論かもしれない。
でもさ、理想に突き進んでく人間が一人くらいいてもいいじゃん。なんて、私は思った。

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2024年02月11日

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著者の名前が独特なので覚えていられるであろう。カントに関する本で最もわかりやすい本である。岩波ジュニア新書ではあるが、大学生向けの本として十分に読むに堪える本である。あるいはカントを読んで自分の考えを整理するためにもいいと思われる。小川のおすすめ本である。

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2022年11月29日

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ネタバレ

なぜ自分で考える「勇気」なのか。
なぜ考えることに「勇気」が必要なのか。
クリティカルシンキング
『イドラに取り憑かれるな』(F・ベーコン)

道徳的に生き、人間の内なる悪との闘いに勝たなければならない。

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2022年11月27日

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ネタバレ

かなりよかった
入門書の入門書 子供向け
それでやっと仰々しくなくわかりやすくなって
やっと意味わかった
カントいいな

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2018年11月20日

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カントの哲学を通して、自分で考えることの勇気とそこに開かれる展望を説く。
岩波ジュニア新書だが、大人が読んでも骨太で、かつ、批判3部作や『永遠平和のために』などの概要やつながりについてたいへんわかりやすい。
人間として善く生きるために「自己の完全性」と「他人の幸福」をめざすべきというカントの考え方は、人生のヒントになると感じた。
しかし、カントの「普遍的な道徳法則」や「最高善」のような考え方は、理解はできるけど納得はしがたい感がある。

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2022年08月03日

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御子柴善之(1961年~)氏は、早大第一文学部卒、同大大学院博士後期課程満期退学。ボン大学留学等を経て、早大文学学術院教授。専門は、カント哲学を中心とする西洋近現代哲学。
イマヌエル・カント(1724~1804年)は、プロイセンのケーニヒスベルク(現ロシアのカリーニングラード)に生まれた、近代哲学の祖ともいわれる哲学者である。『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』の三批判書で批判哲学を提唱して、認識論における、いわゆる「コペルニクス的転回」をもたらし、デカルト以来の大陸合理論(知性重視の概念分析/独断論)とロックらのイギリス経験論(経験重視の概念分析/懐疑論)の対立を調停したといわれる。その思想は、フィヒテ、シェリング、そしてヘーゲルへと続くドイツ古典主義哲学(ドイツ観念論)の基となり、カントによる超越論哲学の枠組みは、以後の西洋哲学全体に強い影響を及ぼしている。
本書は、難解といわれるカント哲学のエッセンスを、概ね以下のような流れでわかりやすく解説している。
1章:カントの生きた時代とカントの生涯
2章:『純粋理性批判』・・・人間の理性が<分かる>ことと<分からない>こととを「批判する(独語のKritik=分ける)」ことにより、人間の知の限界を確定する。人間の認識は、経験に依存する(ア・ポステリオリな)認識と、経験に依存しない(ア・プリオリな)認識に分けられる。ア・ポステリオリな認識は人間に分かるが、それは「(因果関係のある)自然」に限られる。
3章:『実践理性批判』・・・「自然」(人間に分かること)を超えて、人間が<すべき>ことと<すべきでない>ことを分ける、すなわち、<善>と<悪>を分ける必要がある。善と悪を分けるのは、それを行った人間の意志のあり方であり、その意志の形式がア・プリオリなものが普遍的な善である。人間は意志の「自由」(の可能性)を持っているが、善を行うときはその自由が実現し、悪を行うときはその自由は実現していないと考える。「道徳」と「幸福」が両立した状態を「最高善」というが、道徳は「自由」である一方、幸福は「自然」である。
4章:『判断力批判』・・・現実には人間・世界が多様である以上、道徳法則に関わる「自由」の世界と、自然法則に関わる「自然」の世界を結び付けて、普遍的な最高善を実現することが可能かという問題が残る。しかし、人間が「自由」な意志に基づいて決めたことは、それが行為として実現するのは「自然」の世界である。そして、目的論的自然観に基づけば、自然の目的は人間にあるのであり、更に、自然は人間が普遍的に共有する目的としての最高善のために存在するといえる。すなわち、「自由」と「自然」は人間を通して結びつき、両立し得ると考えられる。
5章:『永遠平和のために』を中心とした1790年代のカント・・・三批判書を踏まえて現実世界に目を向け、現実世界に生きる人びとが、ともに生きることによって<道徳的に善く生きることで幸福になること>という最高善を実現する方法を具体的に示している。
本書はジュニア向けの新書だが、大人こそカントの説く「自分で考える勇気」が必要なのであり、そのための一助となる有用な一冊と思う。
(2020年11月了)

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2020年11月17日

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高校生にも勧められる。かなり力業だ。高校倫理とかを勉強するうえで、カントは避けて通れない山の1つなので、こういう本があるのはとてもいいことですよね。

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2019年09月22日

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カントの入門書としても、自律的な(自分で考える)人間になる勇気を読者がもてるよう鼓舞してくれる書としても、優れた本である。

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2019年01月22日

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カント哲学の入門書として良い。平坦な言葉で分かり易く、難しいと言われて恐れていたカントだったが、身近に感じることができた。

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2016年08月09日

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原理と倫理を組み合わせて考える視点が、ジュニア新書らしい。また、新たなカントを見る視点が得られた。読書案内、年表もありがたい。

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2016年03月17日

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ネタバレ

 大人になるとは自分を取り巻く文脈を十分に理解していることであり、大人としてよりよく生きるとは、その文脈のなかで自分が持っている役割をよりよく果たせることだ。こんなふうに言う「大人」もいるかもしれません。そうだなあ、と納得する人もいるでしょう。この世界に産み落とされ、なんらかの文脈(地域、文化、言語)で育ってきたのだから、この文脈のなかに留まるかぎり、学ぶべきは自分が属している文脈と自分の役割なのだ、と。
 他方、大人になるとは自分を取り巻く文脈から距離をとって自分自身で立ち、そうした文脈を配慮しつつも、自分を見失うことのない人だ。こんなふうに言う「大人」もいるかもしれません。大人と子どもの違いは「自立」しているかどうかに、はっきり見て取れると考えるからです。
 どちらの立場も一面的です。前者については、文脈そのものがおかしなこともあるのだから、そんな文脈のなかで役割を担うことなんてしたくない、とつぶやく人もいるでしょう。そういう人は、自分の生き方が文脈だけによって決められるものとは思わず、自分も文脈のよしあしを判定する立場に立てると思っています。もっと言えば、そいういう人のなかには、自分こそがよりよい文脈のはじまりとなれるし、なるべきだ、と思う人もいるかもしれません。後者についても、大人の自立などまぼろしではないか、という疑問がわいてきます。自立して生きるためには、一般的には、働くことが必要だし、働くためには職場が必要で、その職場に就職するとは、そこに役割を見つけることなのです。大人だってなんらかの文脈に属してそれに依存しているのです。

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2022年11月03日

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カントがどんなところに生まれ、環境や歴史、そして著者の背景や生活から始まるこの書。

哲学とは「考える」そのものなんだと説いている。
指示待ち、教えられたことだけ、そんな言葉が聞こえる現代。
考えて照らし合わせ行動する実証する、カントの哲学から何かヒントがありそうだ。

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2022年07月06日

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カントの倫理に関する考え、その結論に至る純粋理性批判からの論理の流れが大体理解できました。
読んでる最中にロシアの戦争がはじまり、現状と重ね合わせながら読み進めました。

自分の行動が普遍的なものであり得るかを常に問い続けるべし、というのがカントが個々人に向けて示した道徳的に生きるための指針でした。
本の中では「ズルいことはするな」と説明されていましたが、これがとてもしっくりきました。
またカントは道徳に導く良心は人々の中に普遍的に存在すると考えていたのですが、ロシアでの抗議活動を見ればそれも納得できました。

最後に、「永続する平和は実現できないような気がするが、目指し続けなくてはいけない」というメッセージに共感しました。
そのために、自分にできることをやろうと思いました。

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2022年03月16日

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昨今、○分で読める名著やら100冊を1冊にまとめた本やら、深遠な知識を手軽に知りたいというニーズが高まっているようだ。難解さで有名なカント哲学について、さらっと知りたいと考える人も(私も含め)一定以上いるだろう。

本書は、ジュニア新書ということで中学生向けなのだが、カントの生い立ちからはじまり、純粋理性批判、実践理性批判そして(書名すら知らなかった)判断力批判についてその内容をカントの思想の流れにそって丁寧に解説。大人向けのカント入門も多々ある中、大人が中学生向けのこの本を選ぶのは勇気がいるものの、かみ砕いた説明は非常に分かりやすい。

ちゃんと勉強している人にとってどれくらい正確なのかは分からないが、初めて学ぶ人にはこれくらいがよいかも。

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2019年06月19日

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「批判 (Kritik)」は現代的意味の批判ではなく「限界・境界を確定する」という意味なのだそうです。つまり,「理性の守備範囲の確定」というのが純粋理性批判の目指すところ。

ジュニア新書ということで,筆者の労は理解しているつもりですが,何を解決させようとする流れなのかを見失う,あるいは迷子になる感じがしました。

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 私たちは,勉強が進み,さまざまな経験を重ねる中で,いろいろなことが<分かって>きます。なにかが<分かる>とは,それと他のものとを<分ける>ことができることでしょう。たとえば,ある漢字が分かるとは,それを他の漢字と見<分ける>ことができることでしょう。そうすると,私たちが最後に<分かりたい>ことは,なんでしょうか。それは,私たちになにが分かりなにが分からないかを<分ける>,その限界がどこにあるかではないでしょうか。この問いに答えるのが『純粋理性批判』です。(p.20)

…私たちの認識において,すべてが「経験」に由来するのではなく,その経験を可能にするア・プリオリな形式がつねに「ともに」働いているのです。(p.49)

意志をもった行動を「行為」と言いますが,行為の善と悪を分けるのは,意志のあり方なのです。(p.80)

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2022年11月15日

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 入門、ジュニア新書ということで、わかりやすいカント哲学入門と期待して読んだが、残念ながら、自分の頭には高級過ぎた。

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2015年09月23日

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カントを網羅的に、かなり噛み砕いて説明した本。やや「自由」の概念がわかりにくかったかなあ。
でもちょい背伸びした高校生が読むには充実した中身。

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2015年08月19日

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わりとカントべったり。わかりやすく説明していてえらいが、もう少しひねってもらってもよかったような。ジュニア向けなりにつっこみが入らないので広がりが足りない感じはある。

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2021年01月05日

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