金井真弓のレビュー一覧
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支援者の役割には3種類あり、支援者は、その時々の状況に応じて、それらの役割を選択しないといけない。
1) 専門家の役割; 必要に応じて専門的な情報やスキルを提供する
2) 医師の役割; 患者の状態を診断し、診断結果に応じた処方箋をつくる
3) プロセス・コンサルタント; プロセスに着目し、プロセスに働きかけることにより、クライアントが問題を解決していくことを支援する
専門家の役割がうまく機能するのは、クライアントの側が、どのような支援が必要なのかが分かっている場合。
医師の役割がうまくいくのは、クライアント、すなわち患者が診断結果に信頼を置いている場合。
そのような場合ではなく、例えば、ク -
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支援とは信頼のやり取り
効果的な支援の原則
・支援する側もされる側も用意ができている
・支援関係が公平なものだとみなされている
- 支援を必要とする側が「一段低い位置」にいることを忘れさせることが必要
- まず「控えめな問いかけ」によってお互いの無知を取り除き、立場上の格差を縮める
- どうすれば最高の支援ができるか必ず尋ねるべき
- クライアントは、なにが役に立ち、なにが役に立たないかというフィードバックをする機会を探すべき
・支援者が以下三つから適切な支援の形を選択し、その役割を果たしている
- 具体的知識やサービスを与える専門家
- 診断し、処方箋を -
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最初は翻訳のせいもあり、極めて読みにくく感じたが、先に読んだ知人の'第3章を過ぎたところから面白くなるよ'という言葉を信じて何とか読み進めたところ、確かにその通りだった。
この本のポイントは、第3章「成功する支援関係」に書かれている簡単な原理、「支援を求める立場は、心理的に一段低い位置(ワンダウン)に置かれ、支援を求められる立場は、逆に高い位置(ワンアップ)に立つ」ということだと感じた。一見簡単なことのようだが、この心理的な'あや'の部分をあえて言葉にして意識することが、スムーズに支援を進めていく上で極めて重要だという。
特に、支援を求める側はワンダ -
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この本でまず驚いたのは、どのページをめくっても文字でびっしりだったことだ。しかも、今出版されている多くの本よりも、文字は小さい感じがする。
シャラポワは、書かずにいられなかったのかもしれない。唐突にテニスをストップさせられて。
あのときのことは私も覚えている。
突然、シャラポワのテニスが見られなくなった。その処分は、とても重い(重すぎる)もののように私は感じた。
そして、この本を読み出したとき、彼女は全米オープンで戦っていた。チラッと見た試合には勝ったが、その次の試合には破れてしまった。
シャラポワは気になる選手だ。
その試合は、一試合だって最初から最後まで見たことはないけれど。
だから -
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「謙虚なコンサルティング」を読んで、著者の考えをもっと知りたくなり、読んだ本。
が、組織開発の権威である著者であるからこその理想を描いた本。なんとかお客を集めて稼がなければならない一般的なコンサルタント業は、私はすべてを知っている、という顔をしなければならない。
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自分が私人として生きていることと、経営コンサルタントであることは、今まで切り離して考えていたが、この本によってそれが統合された。
私は、クライアントに親切にしなければいけない。クライアントを助けなければいけない。
それは、必ず相手の望む成果を出す、という文脈において。
そのために、どのような態度が必要か、教えて -
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コーチングとか、コンサルティングとか、サーバント・リーダーシップとか、ビジネスにおいて人を支援するという概念が注目されているが、この本は、そういうことも含みつつ、そもそも「人を助けること」ということを、例えば道を尋ねる人に道を教える、というところまで戻って考える本。
という意味では、とても根源的である。
一見、分かりやすそうでありつつ、あまりにも日常的なシチュエーションで議論が進むので、かえって当たり前のことをいっているのか、深淵なことを言っているのか、分からなくなる印象。
「支援」という行為がなぜうまく行かないかということを徹底的に考えていて、大変勉強になる反面、そんなにいろいろ -
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支援を受ける側と支援を与える側の両面から価値のある支援のかたちを探る。本書で提案されるプロセスコンサルテーションはまさに自分自身の関心分野に近く明快に言語化された感覚である。
支援には役割が必要でありながら、相手の信頼を得られていない関係性では機能しない。専門家的な役割が決してダメなのではなく、適切な切り替えが必要である。相手が本質的に求めることを時間をかけて探る。などなど、多くの発見があった。
また対話型ファシリテーションの共有する価値観も多い。両者ともプロセスに視点を当て、相手の自己尊厳を高めたうえで、事実に基づいた問いを重ね、課題と解決策を自己発見させる。改めてこれまでの支援のあり方 -
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最近自分の「対話力」が低下しているのではないかとの危機感から、4年ぶりに再読。単なるディスカッションではなく、Win-Winを実現するための「対話」に必要なスキルとプロセスを解説した一冊。
人は自分が所属する社会・集団の中で身につけた「思考と感情」により、事実をありのままに見ているつもりでも無意識の「想定」を行っており、他人が異なる「想定」から述べた意見に対して「守り」の姿勢を取ってしまうことが、対話を阻む障壁となる。著者はその背後に、現代社会に浸透した「科学的思考」があり、人々が”唯一絶対の真実”を追求する姿勢が社会の「断片化」を招いたのだと指摘する。
これらの課題を克服して「対話」する