金井真弓のレビュー一覧
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デヴィッド・ボームは、アインシュタインと共に研究をしていた20世紀を代表する物理学者の一人ですが、そんな人が晩年に提唱したのが「On Dialogue」,「対話」でした。
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彼のいう「対話」をまとめてみると、参加する人々の背景に小川のように存在する「意味」の流れを汲み取りながら、「想定」(バイアスのようなもの)にとらわれずに、新たな意味をつくりあげる営み、という感じでしょうか。
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私は大学生の頃からファシリテーターのような役割を経験してきましたが、2013年頃にこの本を読んでから、姿勢が変わったように思います。なんというか、本当に、話し合いの場に参加するときには「小川」をイメージす -
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ネタバレシリア政府軍からの空爆を浴びたアレッポに住む7歳の少女、バナの回想とツイッターで発信したSOS、それに呼応したかのように実現したアレッポからの脱出行までが記された本。序盤の数節は平和だったころの生活が描かれ、それ以降は徐々に悪化していく彼女の周辺の状況が記されていく。7歳の少女が文章の基本的な内容を書いていることもあり(それでもだいぶ大人びているが)、下手に難しい修飾表現を使っていない分、むしろ戦争と爆撃の生々しさが伝わってくる。
途中、5回ほど母親から娘に宛てた文章が差し込まれており、母親の目線でこの戦争をどう捉えていたか、戦禍の中で生き抜く娘をどのように見守っていたのかを読み取ることがで -
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ネタバレp41 われわれの自尊心の基盤となるのは、礼を言われることにより、要求していたものが受け入れられ、肯定されたと、絶えず認識することだ。
p46 他人を信頼するとは、われわれがどんな考えや感情、あるいは意図を示そうとも、相手はこちらをけなしたり、顔を潰したり、自信を持って言ったことを利用したりしないと思うことだ。
p111 プロセスコンサルタントの役割の適用の前提
p119 自殺志望の患者にこう尋ねた。「あなたのすべてが自殺を願っているのですか。それれとも、あなたの中には自殺を望まない部分がいくらかあるのでしょうか。ちょっとでいいですから、自殺を望んでいないあなたの部分と話させてください」 -
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全編を通してシャラポアが勝気な性格であることが分かります。内容の割に長い本です、もう少し訳を工夫するべきかなと思いました。シャラポアが幼少の頃の話は興味深く読めます。活躍し始めたら、みなさんが知っている通りなので、そうだったかなぐらいで、他のテニス選手の自伝と同じようにプロの世界は非日常だと思わされます。ドーピングについて多く書かれています。辛い思いをしたことが分かります。最も盛り上がるところはディミトロフとの交際について語られているところです。但し、この箇所だけ読むのはもったいないです。最初から読んで、シャラポアの生い立ちやロシア人の気質を知ると、より楽しめます。誤字 224頁17行目 正:
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”著者が使命感をもって広めようとした「サーバントリーダーシップ」の論文集(マズローの『完全なる経営』のようなテイスト)。この時期に出会えてよかった!
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・リーダーがフォロワーに尽くすのがいちばん自然だとさらりと述べた。そして、「導くこと」と「奉仕すること」は両立する、と自信たっぷりに、これまたさらりと述べたのであった。(p.6 監訳者序文)
・ガンジー:われわれを破壊させる7つのもの→★*L
・労働なき富
・良心なき快楽
・人格なき学識
・道徳なきビジネス
・人間性なき科学
・献身なき信仰
・理念なき政治
(p.26 前書きに代えて by ステ -
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シャラポワが書いた自伝。シャラポアが、すごい境遇に育ったすごい選手であることがよくわかった。
「誰もがやめてしまったあとでさらに5分間動くプレーヤー、風がふきすさび、雨が降りしきる中で第3セットの後半まで辛抱し続けるプレーヤーが勝利する。それが私の才能だった。強さやスピードではない。スタミナだ。私は一度もテニスに飽きたことがなかった。何をやっていても、永遠にやり続けられる。そんなことが好きだった。ひとつひとつの課題に取り組み、きちんとできるようになるまでやめないのだ。子供のころですら、そんな課題や退屈な作業が勝利に役立つだろうとわたしはわかっていた。みんなを負かしてやりたいと思っていたのだ」 -
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女子テニス界有力選手のマリア・シャラポワが自らの幼少期からのテニスの関りから、プロデビューを経てトップ選手に至るまで、そしてドーピング疑惑の発覚の後にツアーに復帰するまでのまさに「波乱に満ちた人生」を語る自叙伝です。
「本当にシャラポワ自身が書いたのか?」と思うほどに表現や描写が豊かで、シャラポワの負けん気の強さやテニスに対する情熱が伝わってきます。
幼少期のテニストレーニングにおいて「退屈な課題や作業が勝利に役立つだろうということを理解していた。テニスに飽きたことがなかった」、プロデビュー直後のアカデミー時代、周囲の同年代の選手について「ほとんどが甘やかされたガキだった」、ツアーで活躍してか -
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組織が人々を「力」で「操る」のではなく、「奉仕」によって「導く」ことを通じて、社会により大きな価値を生み出すべきであると提言した、リーダーシップ論の古典。
組織が大規模化するにつれて官僚化・非人間化・凡庸化していくことに対し、著者は、傾聴や共感、直感を大切にしながら、謙虚に気づきや学びを求める「奉仕型」リーダーこそが、フォロワーの信頼を得て、有能な「トラスティ」(取締役会や理事会など)とも協調しつつ、よりフラットな組織を導くことにより、従来の「パワー型」リーダーが率いるピラミッド型組織よりも、社会にとって意義のある貢献ができると主張する。
原文は著者による1970年代に書かれた論文や講演録 -
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4年振りに再読。
医師やコンサルタントといった専門家による公式なものから、職場の同僚のちょっとした相談や手伝い、家庭での家事や介護など、人間関係のあらゆる場面で必要な「支援」を上手く行うことで、よりよい協力関係を築くための指南書。
往往にして支援が失敗する理由として、著者は支援者・被支援者それぞれに陥りがちな罠があると指摘し、特に支援者には、適切なコミュニケーションによって被支援者との間の認知的・感情的ギャップを克服し、相互理解と信頼関係を土台に、被支援者と共に考え、解決策を探求する「プロセス・コンサルタント」の役割が重要であると説き、その手法は組織のマネジメントにおいても有効であると主張す -