金井真弓のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
邦訳のサブタイトル『対立から共生へ、議論から対話へ』というのが、本書を平易なものだと勘違いさせる原因になっているのではないかと思います。
自身の知識と読解力の貧弱さを棚に上げて…というのは気恥ずかしいですが、それでもやっぱり生易しい内容の論文ではありません。
物理学者という背景が、文章を複雑にしているのでしょうか? 内容も、断片化や論理性の重視を否定する一方で、本論では対話の過程を細分化して論理的に考察しているようにも思えたり。
とにかくそんなことは置いておいたとしても、これは難解な一冊です。
全体の十分の一も理解できていないのではないか、と残念な気持ちです。
通常、目次を見れば大筋を把握 -
Posted by ブクログ
自分には難解すぎた。
本によると、以下の引用のように、
「思考」の機能がさまざまな対立の原因である。
『人が持っているさまざまな意見が、過去の思考の結果だという』
『思考は結果を生み出すが、そのあとで、自分はそんなことをしなかったという』
『人類の問題はすべて、思考に自己受容感覚がない事実が原因だ』
このような思考の弊害を避け、物事の真の意味を把握するため、
「対話」という手法を提案している。
しかも対話では、一般的な会議、議論とは違って、
問題意識や目的を持たないで行う必要がある。
もちろん、無意味におしゃべりをして時間を浪費するのでもない。
対話の後ろを流れている共通の意味を探るの -
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Posted by ブクログ
児童作家のアグネスと親友のポリーには、80年にわたる思い出、お互いに理解できない男たちへの愛憎、心の奥底で分かち合う秘密があった。そこへ若い女性編集者のモードが現れたとき、二人が長年沈黙し続けてきた、この岬で暮らす人々の過去が明らかになる。
アグネスは独身、ナンという少女を主人公にした児童小説というヒットシリーズを持っているが、実は別名で大人向けの小説も書いている。今回病気が発覚し、こちらも完結しなければならないが、どうにも最後が決まらない。自分で仕事を持っているので、自信家。他人を思いやらないわけではないが、ずばずばと物を言う。自然愛好家で人の好き嫌いが激しい。
一方のポリーはとい -
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集まって話し合いをするときや、何かを共同で行うとき、自由に耳を傾ける能力を「ブロック」 しているかすかな恐怖心や喜びを、一人ひとりが自覚できるだろうか? こうした自覚がなければ、話されたことすべてに耳を傾けろと命令したところで、何の意味もないだろう。しかし、コミュニケーションを実際に「ブロック」しているものに各自が充分に注意を払い、適切な態度で、 コミュニケートされている内容に参加すれば、何か新しいものを人々の間に創造できるかもしれない。個人や社会において、現在のところ未解決の問題に光明をもたらす、非常に意味あるものを作り出せるかもしれないのだ。
この「ダイアローグ」を「ディスカッショ -
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韓国の美容に対する意識がよくわかる本。
12-16歳の娘がいる韓国の母親の4人に1人が娘に美容整形をすすめたことがある、らしい。
韓国の女性が美しくあることは「must」なのだろう。生きづらそうである。
上記のように具体的な数字が出てきてへぇ〜となる。韓国は多くの人が日焼け止めをしっかり塗るので皮膚がんが滅多にいないため、皮膚科医はアメリカに勉強しにいく」みたいな記載もへぇ〜とは思った。(ただ、ネットで軽く調べると20年で7倍くらい増えているらしい)
上記のように韓国の美容についてはすごくよくわかるのだが、ちょいちょい挟んでくる著者自身のプライベートの記載の時系列がぐちゃぐちゃで少し読みづら -
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支援を人間関係の側面から再定義し、支援とは何かという問いに向き合う本。支援を大きく、①クライアントが必要としている具体的な知識や具体的なサービスという形で支援を与える専門家、②クライアントの状態を診断し、処方箋や専門的なサービスを与える医師、③実際に必要なものを判断するため、共同で調べることによってクライアントを参加させ、情報をすべて打ち明けてもらえるほどの信頼関係を築くプロセス・コンサルタント、に大別しており、状況に応じたこれらの使い分けが肝要としている。
最後に並べられているプロセスコンサルタントの10原則は定期的に見返したいキラーフレーズに満ちている。特に「問題と解決に向き合うのはあくま -
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愛されすぎたぬいぐるみたちの勇姿をみよ。
手も足も目もなくなり、原形がわからないほど、抱きしめられ、キスされ、なめられ、かじられ、投げられ、いくつもの打ち明け話を聴いてきたぬいぐるみたち。
大量生産品として生まれ、買われ、いつしか、誰かのたったひとりだけの存在になれた彼ら彼女らは、とても誇らしげな顔をしている。
子どもがぬいぐるみに夢中になる理由は、愛する母親以外に「自分のもの」となる存在をつくる第一歩とするため。(“移行対象”と言うらしい)
どんなに乱暴に扱おうとも、受け入れてくれるぬいぐるみに、安心感を得ながら、他者への適度な愛着を自分なりに調整していくのかもしれない。
ぬいぐる -
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ソウルに駐在した女性記者が語る韓国の整形事情。
韓国の小説を何冊か読んでいる人にとっては、そんなに目新しいことはないと思うが、小説の背景となっている事件や社会通念を知ることはできる。
何年も前、韓国旅行中に街中で赤ちゃんの整形広告を見てゾッとしたが、最近は日本でも小学生の整形に関するニュースを見かける。
価値判断の最上位に「見た目」がセットされた子どもたちは、これから成長してどんな世界をつくっていくのだろう。
本書のまとめ部分で紹介されている、ドクター・リンジィ・カイトの言葉に”「すべての女性が美しい、欠点も何もかも含めて!」というメッセージは「本当にすばらしいですが、問題の解決にはなりま -
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◾️人間の行動は背景が全て
人間という存在はかなり矛盾している。自分がいる状況や場所によって認識や判断はすっかり変わってしまうかもしれない。…
人間にとって、世界の認識は背景に影響されている。だから、人の行動に対する普遍的で背景に影響されない法則を作ろうとする合理的な試みは、ひどく絶望的なのかもしれない。
そんなわけで、もう一度尋ねよう――どうして人は列車で立たされることを嫌がるのか?だまされたように感じるせいか?なんといっても、列車の座席のために料金を払ったのだし、鉄道会社は金を取ったのに座席を提供してくれないわけだ。そうじゃないか?だとしたら、短距離の列車や地下鉄では座席なしの客 -
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Posted by ブクログ
「問いかける技術ー確かな人間関係と優れた組織をつくる」からの流れ、本著者の著作は2冊目だ。
なるほど、著者は「プロセス・コンサルテーション」を開発・実践してきた組織心理学の第一人者だ。
クライアントは一段低い位置(ワン・ダウン)にいて、支援者は一段高い位置(ワン・アップ)にいる。この力の不均衡がクライアントと支援者の双方の関係をうまくいかなくする。支援者は常にワン・ダウンすることを意識し、クラアントと対等な立場でクライアントに依存、信頼してもいいのだという安心感を与えることが望まれると。
そこで意識するといいのが「控えめな問いかけ」、クライアントに主導権をとってもらいながら能動的に解決