金井真弓のレビュー一覧
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とってもハートフルで、ちょっぴりセンチメンタル。(何かの宣伝文句みたい笑)
写真家の著者は「愛されすぎたぬいぐるみたち」という、使い古されたぬいぐるみを撮影していく企画を立ち上げる。それに応募・集結したぬいぐるみは、持ち主と過ごした時間やボロボロ具合に至るまでまちまち。
しかし愛情の深さだけは、どのぬいぐるみにもムラがなかった。
自分も昔からぬいぐるみloverであるが、ボロボロになるほど長く手元に置いている子はいない。実家の棚や箪笥に何体か置いてきたが、いずれも色や形状が保たれている。
我ながら「物持ちが良い」とも言えるが、「ボロボロになっても一緒にいたい」という彼らの関係がとても羨ましかったりする。
「彼はいつもそこにいたのだし、いつだって”彼”でした」(P 82/テディ)
「それにスポッティは忠実な友達なの ー 糸でできた唇はたくさんの秘密をしまいこんでいるし、ふわふわの前脚でそれは多くの涙をぬぐってきたわ」(P96/スポッティ)
「ボロボロであればあるほど望ましい」というのが、ぬいぐるみの選考基準。
新品みたく表情が読み取れる子から、ホラー映画顔負けの崩れよう…って子もいる。顔と胴体が一筋の生地だけで繋がっていたり、毛がハゲ切ったせいで顔が焦げているように見えたりと、第三者にとっては「ギョッ」とする瞬間の連続だった。
でも子供にとってのぬいぐるみは、かけがえのない存在。遊び相手であり、相談相手であり、魂を分けた相棒である。その感覚は成長しても離れず、気がつけば今も手元に置いている…。どんな形であっても、「彼/彼女」は「彼/彼女」なのだ。「自分のもとにもそんな子がいたら、同じ想いを抱いたのかな」と、ふと思う。
「自宅や移動先で無くしたけど奇跡的に見つかった」というケースも何組かあって、やっぱり彼らは運命的な強力なもので結ばれているんだと本気で信じざるを得なかった。(自分は凄い頻度で紛失していて、いずれも見つかることがなかったから余計…)
個人のぬいぐるみだけではない。
かの有名なテレビ番組『ミスター・ビーン』のテディちゃんも写真を撮られに来ていた!持ち主はミスター・ビーンを演じたローワン・アトキンソン氏と英テレビ制作会社の”Tiger Aspect Productions”!!彼らもまた、著者のラジオでの呼びかけに応募したのだろうか。
ミスター・ビーンもそこに登場するテディちゃんも大好きだったので、このお披露目には興奮しまくった笑 本文でも言及されている通り、確かにテディちゃんの目はエピソードごとに違っていて、ある時は金色の画びょうが刺されていた(!)
身体中が毛玉だらけなのを除いて、写真ではきれいに原型を留めている。それに思っていたよりも大きかったんだね。
これだけ認識されてるってことは、持ち主だけじゃなくて視聴者からも愛されすぎたクマちゃんだったってわけだ。
「純真な心を失った時も子どもの世界から大人の世界へ入ったときも秘密は絶対に守ってくれ見返りも求めずそばにいる」(P 7)
色褪せてすり減ったのち、最後に残るのは魂かもしれない。だったらやっぱり、最後まで一緒にいたいよね。 -
Posted by ブクログ
・関係の深さは、人が自らをさらけ出す中で、自分のために安心して要求できる価値の量という観点から定義されるのだ。
・より広範囲の専門知識を支援者に頼るようになると、クライアントは一層弱体化する。セールスやサービスを伴う関係では、容易に手を引くことができるため、クライアントはより高い地位にあり、権力を備えている。一方、クライアントが手ほどきを受けるような形式的な支援関係では、一層高い地位につき、権力を備えているのは支援者の方だ。
・クライアントの本当のモチベーションはなにか
・重要なのは、問題を前提とした質問で話を促さないことだ。それこそクライアントが否定従っていることかもしれないからである。質問は抽象的な内容を常に避け、抽象概念や一般的な事柄よりは、もっと詳しい例を求めよう。はじめのうちは、起きている事柄に集中すべきである。
・純粋な問いかけは、話によく耳を傾けることよりも効果的だ。
・活動的だが、控えめな質問のプロセスに取り組むことにより、支援関係における問題をはらんだダイナミクスもいくつか改善できる
クライアントに主導権を握らせ続け、自分のために問題を能動的に解決する立場を取り戻せるようにすること
ある程度まで自分のジレンマを自力で解決できるという自信を与えること
クライアントと支援者が協力できるように、なるべく多くのデータを明らかにすること
・4つのレベルの質問
純粋な問いかけークライアントの話だけに集中するもの
診断的な問いかけー感情や、原因分析、行動の代替案を引き出すもの
対決的な問いかけー現状について支援者自身の見解をもたらすもの
プロセス指向型の問いかけークライアントに支援者との即座の相互関係に専念させるもの
・議題には二種類のものー即座に注意を払わねばならない議題と、長期に渡る政策や戦略のように、もっと時間をかけてより深く議論しなければならない議題がある
・一段低い位置にクライアントが慢性的にいるなら、支援者はイニシアティブを取って支援を申し出るべきであり、絶えず頼み事を必要とするせいで、クライアントがあまり自尊心を失うことがないようにしなければならない。支援の行為に、自分の勝手でやるのだという理由付けをすることで、支援者はこの罪悪感を減らしてやれる
・支援者は自分の支援がもう必要なくなるのはいつか、助言して貰う必要がある
・フィードバックは、求められたものでない場合は有益とは言えない
・フィードバックは評価的なものより、説明的なもののほうが機能する。それによりクライアントも評価を行える
・適切な質問をすることによって支援関係を築ける
・組織であるクライアントと仕事するうえで最も難しい部分は、プロセスに関する専門的な意見や助言を与えながらも、質問者の役割にとどまり続けること
・支援しようという努力が快く受け入れられなくても、腹を立てないこと
・クライアントがあなたからの助言を執拗に求めたら、少なくとも2つの選択肢を与えなさい。そうすれば、クライアントはまだ選択しなければならないことになります
・組織行動論や支援学を学ぶ意味は、人との関係を生きる中で、心なき状態を、心ある状態に少しでも補正していく一助となることなのだ
・プロセス・コンサルテーション10の原則
絶えず人の役に立とうと心がける
今の自分が直面する現実から決して遊離しないようにする
自分の無知を実感する
あなたがどんなことを行っても、それは介入、もしくは揺さぶりになる
問題を自分の問題として用事者意識を持って受け止め、解決も自分なりの解決として編み出していくのは、あくまでクライアントだ
流れに沿って進む
タイミングがすごく大事
介入で対立が生じたときは、積極的に解決の機会と捉えよ
何もかもがデータだと心得よ。誤謬はいつも起こるし、誤謬は学習の重要な源泉だ
どうしていいかわからなくなったら問題を話し合おう -
Posted by ブクログ
本書は幸福度は数値化できるという前提のもと書かれている。
幸福度をアンケートのようなもので数値化。本書の中にアンケートがあるので、読むと測れる。
本書によれば、幸福度を決定する要因のうち、50%は生まれつき備わった遺伝子によって決定される。これは脳の仕組みが生まれつき幸福度を感じやすい人、鬱っぽく、不幸に感じやすい人がいると言うことを示唆している。
また幸福度を決定する要因の10%が.住んでいる場所や年収、容姿、家族や恋人の存在だとしている。いわゆる人間が幸せになるために必要だと考えるものがここにあたる。
残りの40%は、考え方や行動によって決定されるとしている。
どのような人種や環境に生まれるか、どのような仕事をして稼いでいるか、結婚しているかどうかは、幸福になれるかどうかを左右する要因の10%でしかない。
この40%に当てはまる考え方や行動をすることができれば、どんな人でも幸福になれると言うことを示唆している。
本書において重要だと感じたところは、2つある。
1つ目は一見、幸せそうに見える大企業の社長や芸能人でも、考え方や行動が適切でないならば、自分は不幸だと感じてイライラしながら生きていることも大いにあり得ると言うこと。この点は納得感があった。
2つ目は、幸福度には順応性というものがあると言う事。これは人間の持つ慣れと言う能力に関わる。
どんなに一時的に幸福だと思うことが起きたとしても、それが続く続いていくと幸福には感じなくなるし、逆に言えば、不幸だと感じることが起きても、それが続いていくうちに、本人にとっては最初ほどの不幸な感情が続かないと言う事。
そのため、お金をたくさん稼いで良い肉を食べたり、良い服を買ったりしても、そこから得られる幸福度はすぐになくなってしまうことを意味する。
一方で、そうした外的なものから得た幸福度に対して、自分の行動や考え方を変えることによって得られる幸福度には、そうした慣れが起きず、ずっと幸福を感じていられると言うデータがこの本では示されていた。
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ネタバレ幸せな人生をおくるには
極めて真っ当な内容になっている。
メモ
・12の行動習慣
感謝の気持ちを表す 感謝日記
楽観的になる 最高の自分像を書き出す
考えすぎない、人と比較しない
親切にする
人間関係を育む
ストレスや悩みに対処する
人を許す
熱中できる活動を増やす
人生の喜びを深く味わう
目標達成に全力を尽くす
内面的なものを大切にする
身体を大切にする 瞑想と運動
・意図的な行動が習慣として続くために
ポジティブ感情をより多く体験する
タイミングを測り、行動に変化を起こす
社会的なつながりを大切にする
動機努力コミットメント
行動は繰り返すことで習慣になる
・感謝はポジティブを感じることにつながる。自尊心や自信が強まる。ストレスやトラウマに対処する助けとなる。道徳的な行動につながる。社会的な絆につながる。快楽順応を防ぐ効果がある。
・最高の自分像、理想像を日々考えると、変える力が自分にあることに気づき自然と近づいていく
・楽観的になるとは世界をどう見るかという姿勢を学ぶこと
・考えすぎを止めるには
しがらみを捨てる 考えを他に向けてみる
・人を助けることで、誰かとつながりたい、感謝されたい、価値ある友情を得たいという基本的な人間の欲求が満たされる
・上手くいく結婚生活の秘訣は夫婦がたくさん話すこと
・ありふれた経験を楽しむ。他の人と一緒に思い出にふけること。 -
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世界的広告会社オグルヴィUKの副会長を務め、マーケティングとP&Rの最前線で人気を博してきた著者による本。「なぜ人は不合理な選択をしてしまうのか」を説明することが主題となっている。
本書は「心理学」「行動経済学」「心理物理学」をミックスさせたジャンルレスな本だと言える。それによって消費者がとる、アンロジカルな(サイコロジカルな)行動の原因を追求する。
この分野の本はこれまでに割と読んできたのでかなり知識はある方だと思っているが、知らない概念や用語も幾つかあった。
とはいえ、アカデミックに振り切っているというわけではなく、実際のケースや著者自身の経験に基づくエピソードも多く紹介されるので読みやすくて面白い。
ただし典型的な洋書らしく冗長なところもあるので興味のある部分だけを拾い読みするのが良いと思う。
特に興味深いと感じたところを数箇所まとめる。
・単に航空便の「遅延」を知らされるか、「70分の遅延」を知らされるかでは、感じる苛立ちの感情を区別できない。無力感と、時間厳守でないことへのいらだちを区別できない。
・明確な交換条件は好感を持たれる
「これは高いですが、間もなくそれだけの価値があることがわかります」というセールストークは、悪い面をひた隠しにするよりも強力な殺し文句となる。
・税金の大きな問題のひとつは、それがどのように使われているかを教えてくれないことだ。古代ローマでは、富裕税を払った人の名前は寄付した金の具体的な使い道とともに記念碑に書かれたので、裕福な人たちは喜んで支払った。
余分に税金を払った事実を示すために車に貼るステッカーを配布することにしたら、さらに多くの人がそうするはずだ。
人は必ずしも自分の気分や感情をロジカルにコントロールできるわけではない、多くの場合それを左右するのは不合理な仕組みである。
我々はそれを直すことを求められているのではない。それは不可能だ。しかし数%でもそれを自覚することで変わることもある。 -
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年月を経てぼろぼろになったけれど愛着のあるぬいぐるみを募集し、ポートレートと共にエピソードを紹介する写真集。
だいぶ前に原書を読んでいて、懐かしくなったので購入。他人の目にはちょっと可愛いと言えないレベルに形が崩れてしまっている子もいるのだが、添えられた思い出話を読むとそのクタクタな姿こそが特別なのだとわかる。原義のフェティッシュ=呪物崇拝の世界だ。
いくつか手作りのぬいもいるけれど、ほとんどは工業製品。だが、パーツを付け直し、布をツギハギされていくうちに、とても元はデパートに並んでいたとは信じられない風貌になっている。この唯一無二の佇まい。"表情"としか呼びようのないものが写真にうつっている。
イギリスにはぬいぐるみを学校に連れてきていい日があったり、パブリックスクールでもぬいと入寮するのが推奨されていたりすると聞いたことがあるけど、アイルランドもぬいと人との結びつきが強いのだろうか。ただ愛されてきただけではない、「人を支えてきた」という誇りに満ちた良い顔の揃った写真集である。 -
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1.自分の行っていることがしっかりと人の役に立っているのかを科学的視点から分析したくなったので読みました。
2.本書は組織心理学の祖として活躍している著者が「人を助けること」についてどのような考えなのかを述べています。
人を助ける=支援というキーワードを紐解きながら、日常でのシーンを事例にして役に立っているケースと経っていないケースを比較しています。
役に立っている状態には必ず7つの原則が守られており、それを保つために4つの問いかけの順番を守っています。本書ではその原理原則とともになぜ役に立たない支援が出てしまうのかも述べています。
3.日常を振り返ると「問いかけの数」が少ないことに気づきました。ほんの少しの質問で分かった気になる。事前調査であらかた理解した気になるということが往々にしてありました。調べることは当たり前ですが、当事者に直接話を聞いて検証するという行為をしっかり踏んでいかないといけないのだと感じました。
大切なのは自分が何を話すかではなく「何を問うか」だと思いました。 -
Posted by ブクログ
長年愛されてきたぬいぐるみのポートレートと、彼らにまつわるエピソードを収めた写真集。原題は『Much Loved』。
U2ボノが持ち主であるテディベアや、ミスター・ビーンのテディベアも収録されている。いちばん印象に残ったのは『ミスター・テッド/ジョニーのクマ』。ダウン症で生まれたジョニーの元にやってきて、彼が6歳になる数ヶ月前までを共に過ごし、その後も妹たちと遊んだ。自信に満ちた優しい表情に見えた。
写真・文:マーク・ニクソン、訳:金井真弓
著者による前書きの部分の、「ぬいぐるみを募集した際にほとんどが子どもであることを想定していたが、大人にも大いに受け、多くの大人もぬいぐるみを大事にしていることがわかった。ようやく自分にとってのぬいぐるみの意味を話す機会ができたといった感じだった」(要約)という部分と、「移行対象」という言葉(「ライナスの毛布」もこれ)が印象に残っている。
誰かをとっ捕まえて聞かせるほどではないけど、聞くというなら話したい事柄……
自分のこととしては、ぞうさんのぬいぐるみとドラえもんのぬいぐるみが記憶にある。ずいぶんと大事にしていたと思うけど、小学1年生に上がっていつの間にか手放してしまったと思う。
息子は、この写真集に登場してもいいぐらい、ずっとファミリアのファミちゃんのぬいぐるみを大事にしている。 -
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日本のインターネット広告費がテレビの広告費を抜いたのが2019年。アメリカでは2017年に抜き去っています。デジタル、デジタルと草木もなびく流れの中での本書です。著者はオグルヴィUKの副会長、出版されたのが2019年なので、最初はなんとなくレガシー系広告会社の「あがきの叫び」かな?と思ったのですが、一貫してクリエイティビティについての主張でした。それは「非合理のススメ」。もちろん,その中でデジタルマーケティングにも英国っぽい皮肉をカマしてしますが。たとえばP480「テレビコマーシャルをバナー広告と異なるものにしているものは何か?私には次の3点が考えられる。1.テレビコマーシャルの製作は高額で、放送枠の購入にも費用がかかることが知られている。2.テレビコマーシャルは大勢の人に向けて放送され、自分が見ているコマーシャルを他の多くの人も見ていることをみんなが理解している。3.自分のメッセージを見る相手を広告主がほぼ管理できないことが知られているー言い換えると、広告主は自分が約束する相手を選べない。もし、広告という活動が、ここにあげた3つのメカニズムを通して誰かを説得しているのならば、デジタル広告が効果的に見えるのに、現実には驚くほど効果がないことも、もっともだと思える。」しかし、著者はメディアの話をしているのではなく、論理的思考というものがいかに創造性を阻害しているのか!という主張です。人の心は、そして行動は決して理屈通りではない、と繰り返し事例を挙げつつ(その事例がまた面白い!)語ります。そのためのキーワードが「心理(サイコ)ロジック」。なので心理学とか行動経済学がばんばん援用されます。リチャード・セイラーやダン・アリエリーがどんどん出てきます。効率という呪文に苦しめられている今だからこそ、0→1の創造性の価値が上がっているのでしょう。それが、科学に滅ぼされた錬金術のにの前になるかどうかは、本書には触れられていないデータサイエンスという新しい科学との対峙の仕方によるのだと思います。テーマがテーマだけに、ロジカルな論考というより情熱的プレゼンテーションとして楽しみました。