藤原薫のレビュー一覧
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無料版購入済み
古いという意味ではなく、どことなく90年代から00年代前半の文学や映画的要素をあわせ持ったマンガの雰囲気があります。掲載紙がFEEL YOUNGと知り納得してしまうスタイリッシュさと唯一無二感です。
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Posted by ブクログ
ネタバレダークエロスな短編集。
本書がキッカケで、作者の虜になりました。
こちらに収録されている
「シュリ・リリィのすべて」
という物語が大好きです。
父親と、娘のクローンの お話。
愛娘の臓器スペアとして、監禁生活を送るクローン。
主人に愛されたいと願いながらも、
人間扱いされず、ただただ”スペア”として、在り続ける彼女。
そんな中、愛娘が事故にあい、
とうとうクローンは、命を捧げ、
本来の役目を果たす事になります。
そして、娘は助かります。
しかし、本来の目的を達成したのに、
なぜか父の心にはポッカリと穴が空いていました。
ただの予備であり、クローンではありましたが、
立派に一人の人 -
Posted by ブクログ
この本は今は亡きソニーマガジンズコミックス発行の絶版を、祥伝社から復刊させたものである。
この版の表紙画は、本編の画に比して、美的ではあるがやけに肉々しい印象を与えている。この版を表紙買いするのは、あまりお勧めしない。
ソニーマガジンズ版の表紙の方が本編の雰囲気をよく伝えている。もし機会があれば手に取ってみるといいかと思う。
中身は、初期の藤原薫氏の長編漫画である。
絵は蝸牛の薄い殻のような繊細さと硬質さをもち、そのホルベインのデッサン人形のごとき、ぎこちない軋みが物語によく合い、球体関節人形のごときタナトスとエロスが醸し出されていた。
物語は既存のバンパイア物のオマージュから羽ばたいて