藤原薫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
藤原さんの作品はどれも好きで選べないくらいなんですが、ヒロインの小泉環奈が憧れの「街でよく見かける人」に自分の名前を言うシーンを思うとせつなさにいつ思い出しても指がつめたく震えてしまいます。『街でよく見かけるあの人はきっと私のことなんか知らない。私もあの人の横顔しか知らない。それでもやっぱり人ごみの中にあの人を見つけると幸せな気分になってしまう。最近の私はずっとこんな感じ』こんなお姉さんのせつない熱い視線から始まる物語は儚い曲線を描いて私達の心に訴えます。恋に憧れるひと。恋をしているひと。恋が終ってしまったひと。恋するひとに生きていくための夢をみさせてくれます。
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すごく意味深な雰囲気が漂っています。絵も含めて退廃的な感じで、実際に何が起こっているのか、どうなっていくのかすごく興味がわきます。
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Posted by ブクログ
ネタバレ藤原薫の描くキャラの多くは、爆笑することがなければ激怒することも号泣することもないし、名前すらない。
大体主人公毎の性格の設定も特にない。
誰が経験してもいいと言うストーリーの作り方なんだろうけど。
その無機質な感じがいい。
だから『先に手を放したのは私の方だったのに』なんていうモノローグが余計感傷的に思える。
「楽園」第四話「ローズマリーの森」の、赤ずきんちゃんが驚いた顔に驚いたのも同じ理由。
(この人がビックリ顔描いたのがまずビックリだった)
「フィーリング」は切なかったなー。男女の幼なじみって実際こんな風に思ったりするんでしょうか。
単行本単位で言うと、「思考少年」が一番切なくて好