青木千鶴のレビュー一覧

  • 熊の皮
    おもしろかった。退屈な場面がなく、最後までワクワクしながら読めた。自然保護区で起こる奇妙な出来事。終わりかたも良く、続編のにおいも。
  • 熊の皮
    優れた自然描写と言えば、普通は優しく爽やかで癒される文章と考えてしまうところ、なんて汚くエゲツない風景が濃密に、しつこく殴りつけられていること…。

    嫌われていることなどお構いなしの爬虫類や、捕食動物たち。
    わをかけて不思議な行動の主人公。
    暴力の匂いを惜しげもなく露わにする登場人物たち。

    春を奏...続きを読む
  • 二流小説家
    異なるペンネームでポルノ雑誌のライター、SF小説、ヴァンパイア小説を手がけている中年の作家が主人公。キャラ設定は軟弱だが、中身はハードボイルド、サスペンス、謎解ミステリー要素がしっかり。更に作中には、主人公の数々の小説が挿入されているので散漫に読むと楽しめないかも。逆に集中するととんでもなく面白い。...続きを読む
  • エレベーター
    兄を射殺された主人公が生まれて初めて銃を握りしめ、復讐を遂げるためにエレベーターに乗りこむ。地上階に降りるまでの間に、主人公は思いもよらない人たちとの再会をしていく。著者は詩人でもあるそうで、詩と小説の中間みたいなスタイル。独特な文章の配置や改行で、深い余韻と意味のつまった余白がそこかしこにある。銃...続きを読む
  • 用心棒
    「いい夢を、ジョー」エレーナは言って、ウォッカのボトルを手にしたままベットに入り、頭を枕に載せた。その下にひそむベレッタの感触に、ほっと息を吐きだしながら。
    続編が楽しみだ。
  • 用心棒
     デイヴィッド・ゴードンと言えば、あの『二流小説家』で騒然たるデビューを果たした、あの作家。そう思っただけで、この本はポケミスであるにも関わらず、買い控えてしまっていた。当時はこの作家は、賛否両論で読者層を分断していたように思う。純文学への偏向が諸所に見られつつ、娯楽小説としても面白いということで、...続きを読む
  • 二流小説家
    半分で意外な展開、後半スピーディーだしどんでん返しもあって楽しめた。
    ハリーの愛すべき負け犬っぷりは好きじゃないけどヴァンパイアの話は読んでみたいと思ったよ。読書は旅。
  • 二流小説家
    ポルノやSF、伝奇小説等ジャンルを問わずに小説を書いていた売れない作家ハリーの元に1通の手紙が届く。差出人は4人を殺して死刑判決を受けたダリアンだった。その内容は自分の告白本を書いてほしいと言うことであった。
    その話にあまり乗り気ではなかったハリーだったが、マネージャを辞任する教え子の女子校生クレア...続きを読む
  • 二流小説家
    ミステリへの愛に溢れた秀作で、ゴードンの才気溢れる筆致が堪能できる。売れない小説家ハリーを主人公に一攫千金のチャンスを掴みながらも、一筋縄ではいかない壁をどう乗り越えるかという展開がとにかく読ませる。メインプロットとは直接関係ないものの、ハリーが創作したホラーやハードボイルド、SF小説を抜粋して挿入...続きを読む
  • 二流小説家
    海外物のミステリなんて読むのいつ以来かと思うくらい久しぶりに読みました。猟奇犯罪の犯人からの依頼を受けてから受難に塗れるお話でした。
    途中エログロがかなり出てきて僕好みでしたが、この辺毛嫌う人もいるかもしれませんね。
    でも、それ以上に物書きについて書かれていたのが良かったです。
    やっぱ書いて書いて書...続きを読む
  • カンパニー・マン(上)
    今のところサイキック・スチームパンク・ミステリーってジャンルをつけられそうな雰囲気です。感想は下巻で。
  • カンパニー・マン(上)
    SFのようなミステリーのような物語。ハードボイルドSFと言ってもいいのかもしれない。物語の舞台は現代から見れば過去なのだが、設定はあくまでも架空の場所。ある1つの会社が世界を牛耳っている世界での物語である。そんな舞台で、特殊な能力を持った主人公の男が、不思議な事象に出会い、物語の舞台となっている物事...続きを読む
  • カンパニー・マン(下)
    ディストピア?的なSF小説。なんだが、2001年宇宙の旅も入っていて、それでいて、体裁は私立探偵風だったりして、ちょっと不思議な小説。けっこう、最後は切なかったりして、あまり売れそうにないなと思いながら、気に入っていたりする小説。
  • ミステリガール
    めちゃ面白い!一日で読み終えた!

    ただ、中盤のSM映画やら、カニバリズム的な儀式?の映像やらは、怖かった。

    序盤、中盤、終盤で全く違った印象を受ける本。
  • 二流小説家
    殺人鬼ダリアンが、色んな面があって興味深い。
    主人公ハリーの違ったペンネームで書いている小説が、所々に挿入されるのも面白い。
    それにしてもハリーはモテるなあ。
    著者近影ってあんまり信じない方がいいのかな?
    スピード感があって好き。
  • 二流小説家
    久しぶりに、真っ当な人気海外ミステリを読みたくて選択。
    いつぞやの海外ミステリランキングを総ナメにした作品。
    面白かった。読んで損はない一作。ミステリちっくな、サイコちっくな、スプラッタちっくな内容が盛り沢山ながら、キャラクタの良さでまた違う雰囲気を出している、楽しめる作品。
    楽しんでよみ終わりつつ...続きを読む
  • 二流小説家
    この話はミステリーが主ではない。主人公の成長がたまたまミステリーという場に存在しただけで、別にスポ根ものであったり、宝探しの話でも良い。
    つまりは、積み重ねてきた過去は本人の意図する、しないに関わらず、裏切らないという訓戒だ。たとえそれがポルノ小説やSF、ヴァンパイアものであっても。
    小説家として二...続きを読む
  • 二流小説家
    煽り文句から、何か凄く新しい趣向があるのかも。。。と、思って読んでいたがそうではなかった。が、上質な推理小説!
  • ミステリガール
    第一作の「二流小説家」より、第二作のこちらの方が面白かった。

    でも、それは小説の出来がうんぬんではなくて、
    私の方が、映画や書籍に関する薀蓄の部分を
    流せるようになったからかも。

    メキシコの場面は破天荒で面白かった。
  • ミステリガール
     『二流小説家』はちなみに面白かったのか? とあなたはぼくに問われるかもしれない。でもぼくはあなたにきっと答えることができない。あるいはぼくはこう答えるかもしれない。ミステリとしてはどうかと思う。謎解き部分はあるけれどもそう秀逸な流れでページを繰る手が止まらないというスピード感覚があるわけでは全くな...続きを読む