青木千鶴のレビュー一覧

  • 二流小説家

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    久しぶりに、真っ当な人気海外ミステリを読みたくて選択。
    いつぞやの海外ミステリランキングを総ナメにした作品。
    面白かった。読んで損はない一作。ミステリちっくな、サイコちっくな、スプラッタちっくな内容が盛り沢山ながら、キャラクタの良さでまた違う雰囲気を出している、楽しめる作品。
    楽しんでよみ終わりつつも、もう一ひねり足りないなぁ、と思うのは贅沢か。ミステリ好きよりも、エンタメ好き(その定義は何?)のための一冊か。

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    2014年07月12日
  • ミステリガール

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    第一作の「二流小説家」より、第二作のこちらの方が面白かった。

    でも、それは小説の出来がうんぬんではなくて、
    私の方が、映画や書籍に関する薀蓄の部分を
    流せるようになったからかも。

    メキシコの場面は破天荒で面白かった。

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    2013年12月09日
  • ミステリガール

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     『二流小説家』はちなみに面白かったのか? とあなたはぼくに問われるかもしれない。でもぼくはあなたにきっと答えることができない。あるいはぼくはこう答えるかもしれない。ミステリとしてはどうかと思う。謎解き部分はあるけれどもそう秀逸な流れでページを繰る手が止まらないというスピード感覚があるわけでは全くない。むしろ忍耐を強いられると思うので、よほど本の好きな人、活字中毒者たちに対してしかぼくは正直なところ薦めたくないんだ。

     『ミステリガール』はどうだったのか? とあなたはぼくに問われるかもしれない。ぼくはきっとこう答えるしかないだろう。言葉は好きですか? あるいはあなたには本を読む時間を大切にで

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    2013年08月14日
  • 二流小説家

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    パッとしないゴーストライターの私(ハリー・ブロックという名前)のもとに、死刑囚が自身の犯した事件について告白する本を執筆してくれと依頼してきたが、いざ面会のために刑務所を訪問したところ、思わぬ事態に巻き込まれてしまったので、その一部始終を(関係者等の実名は変えて)サスペンスストーリーとして執筆してみました…という体裁のサスペンス。
    事件の謎解きは、どんでん返しが複数回あって面白いが、ところどころにある猥雑なシーンは必要なのかな…と首を捻らざるを得ないが、主人公のハリー・ブロックが「ポルノ雑誌に雑文を書いていたゴーストライター」という設定で、本書はハリーが執筆したという体裁のため、仕方がないとこ

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    2025年02月19日
  • 二流小説家

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    (⁠⌐⁠■⁠-⁠■⁠)読みやすくオチもまずまずだけんど、小説ウンチクが長えね

    ⊂|⊃
    [ಠ⁠_⁠ಠ]後半盛り上がるし良いだろ

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    2024年11月21日
  • ミセス・マーチの果てしない猜疑心

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    ネタバレ

    今や売れっ子作家となった夫を持つミセスマーチ。
    何もかも順風満帆の生活を送っていたが
    いつも行く店の店員に夫の新刊が
    奥さんをモデルにしてるんじゃないかという
    たった一言で壊れ始める。

    その新刊の主人公が醜い娼婦ということで
    みんなが自分をそう思っているんじゃないか
    夫は自分をそういう目でみてるんじゃないか
    そこから本当に果てしてない猜疑心に囚われる。

    原因は店員の一言だったが
    合間合間にミセスマーチの幼少期が描かれていて
    そこで母親の愛情を貰ってないのが窺える
    そのことでマーチの自己肯定感が極めて低くなってしまってるんじゃないかと思う。猜疑心に繋がってる。

    猜疑心は家の中にいるはずのな

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    2023年08月01日
  • 二流小説家

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    冴えない小説家が死刑囚から事件の全貌についての執筆を依頼される。そしてその条件として、自分を慕っている女性とのポルノ小説の執筆も依頼される。二流小説家から脱却するため主人公はそれらの女性にインタビューを行うと新たな事件が発生し、主人公は第一容疑者になってしまう
    本筋の物語は面白く、助手との会話もユーモラスで楽しいが間に挟まれる主人公の作品による劇中作や作者の小説のような部分は読み飛ばした。また作者がポルノ業界の出だからか性的な用語が頻繁に出てくるので人を選ぶと思う

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    2022年08月12日
  • エレベーター

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    この小説は、海外小説なだけあって日本の小説とはまた違った、雰囲気のある小説だった。でも、私の想像力がないせいか、場面を想像しながら読むのが難しかった。

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    2022年07月30日
  • 熊の皮

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    ネタバレ

    ウィリアム・K・クルーガー、C・J・ボックスにも通ずるところのある”大自然と犯罪”もの。
    異色なのは犯罪者と対峙する立場の主人公ライスがかつて麻薬の運び屋をしており、服役歴有。出所後はとある事情から自ら追われる身ともなっており、舞台であるヴァージニア州ターク山の財団所有地の管理人としての立場も本来の素性を隠しての生活を送っているいわくつきの男であること。

    ある日ライスの居住区に迷い込んだ”キノコ摘みの男”が森で熊が密猟にあっていることを伝える。
    その日から密猟者を捉えることに四苦八苦することになるのだが、追手からの追跡の恐怖や地元住民との不和、女性前任者に行われた暴行事件の犯人探しも相まって

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    2021年11月20日
  • 用心棒

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    ネタバレ

    対テロリストの警戒強化の折、手厳しく手入れを受けたストリップクラブの用心棒ジョー・ブロディー。
    手入れにより留置場で一晩を過ごした際、顔なじみから持ち掛けられたヤマに加わることに。

    件の計画は、タレ込みにより悲劇的な失敗に陥るのだが、そこから挽回を狙っていく中でとんでもないどつぼにはまっていくジョー。

    犯罪仲間、商売敵であるFBI捜査官との微妙な距離感の色恋模様、傭兵集団内の裏切り、裏で手を引く絶対悪vsアンチヒローと、どこかで聞いたことのある話がてんこ盛りで、ザ・ハリウッド的な一冊。

    さくさく読めるノンストップアクションノワールとしては良作ではある。
    ではあるのだが、やっぱり『二流小説

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    2021年10月03日
  • エレベーター

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    開きが普通の本と逆だなぁと思っていたら横書き小説だった。分厚いけれど各ページの情報量は少ないのでわりとサクサク読める。作者が願う通り悩める少年少女を照らす本になるのかな。

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    2021年09月27日
  • 続・用心棒

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    一作目が面白かったので二作目も読んでみた。前作で結果的にテロリストの野望を打ち砕いたため闇の世界の保安官に任命された主人公…というところで既に本作もかなり荒唐無稽な設定な訳だが本作では中東のテロリストが合衆国にヘロインを持ち込もうとしておりニューヨークの主だった犯罪組織が主人公にその対応を一任する、という話。そのために主人公は 1) 取引に必要となったダイヤモンドを調達する 2) 取引を行いヘロインを入手する 3) その上でテロリスト組織からダイヤを奪回しテロリストに打撃を与える という一連の難題に挑まざるを得なくなる…という前作にも増しての荒唐無稽さというかほぼコミックの世界。あとがきで指摘

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    2021年09月18日
  • 用心棒

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    ハーバードを中退し特殊部隊で活躍した後、ストリップクラブの用心棒をしているドストエフスキーを愛読する男が主人公、というおよそ現実味のない設定の作品。昔この作者の別の作品が面白かったこともあり大丈夫かと思いつつ手に取ってみた作品。結果的に非常に面白かった。ある晩、彼が勤めるクラブをFBIが急襲し豚箱に放り込まれた主人公。そこで旧知のチャイニーズ・マフィアの若者からある犯罪計画に誘われるのだがそこで予想外の事態となり…という話。FBIの捜査官が魅力的な女性で主人公とは敵対関係にある一方で互いに惹かれ合う、とか犯罪者仲間にはコンピュータやメカに強い黒人の青年とか、かなり魅力的なロシア女性がいたりとか

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    2021年09月18日
  • 熊の皮

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    CJボックス、クルーガー的な米国自然公園管理人小説。ただし主人公は根っからの自然愛好派じゃなくてメキシコ麻薬カルテルと関係した過去があるらしい…という思わせぶりな回想がちょこちょこ入る。リーダビリティありどんどん読み進むのだが、過去の話が面白くなりそうで今ひとつ盛り上がりにかけるのが勿体ない。長かった割には話の展開も一本調子だったなぁ。3.0

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    2021年08月07日
  • エレベーター

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    ジェイソン・レナルズ『エレベーター』早川書房

    『ベルリンは晴れているか』で大ファンになった深緑野分氏が推薦ということで全くの前知識無しに購入して読んでみました。てっきりクライムノベルかハードボイルドかと思っていましたが(おそらく翻訳の青木千鶴氏が『用心棒』も担当していたからそのイメージだと思いますが、なんなら『用心棒』を買ったつもりでいたかもしれない)、ページを繰ると良い意味で期待を裏切る驚き。

    なんと全編ポエトリースタイル。

    しかも下るエレベーターの中「だけ」という特殊設定。いるはずはない登場人物たち。非常にタイトな時間進行。

    かといってトリッキーかというと全くそんなこともなく、ピン

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    2021年07月14日
  • 続・用心棒

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     元陸軍特殊部隊のジョーは、友人でイタリア系マフィアのジオが経営するクラブの用心棒だ。今回は、ニューヨークに持ち込まれる400万ドル相当のヘロインをアルカイダのテロリスト売人と取引人を装い奪い取り、更に代金であるダイヤモンドも手に入れ、ニューヨークマフィアやギャング達のマーケットを守るのが仕事だ。

     まずは、代金のダイヤモンドを強奪する仕事に掛かる。金庫破りのエレーナ、ハッカーのジュノ、リーアム、ジョシュアの5人で見事にダイヤモンドを強奪した。

     いよいよ、ヘロインとの交換とダイヤモンドを奪い返す時が迫って来た。が、ジョーとエレーナに夫を殺された未亡人がこの取引を利用して復讐を画策していた

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    2021年06月14日
  • 熊の皮

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    アパラチア山脈の麓で自然保護管理の職を得たライスは、故郷から遠く離れ、穏やかな日々を送っていた。ところが、管理区域で胆嚢を切り取られた熊の死体が発見される。熊の内臓は闇市場で高値で取り引きされている。ライスは密猟者を追うが、地元民は非協力的で、前管理人で生物学者のサラを暴行した犯人もまだ見つかっていない。味方はサラと動物たちだけという孤立無援の状況で、さらに疎ましい過去の因縁―麻薬カルテルの暗殺者も迫りくる。

    自然描写が濃厚過ぎて、サスペンスは二の次になっている印象。

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    2021年05月30日
  • 熊の皮

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    ネタバレ

    あらすじは下の内容なんだけど、
    いまいち主人公のよって立つ処というか、なんでエイプリルなんかに惹かれたの?
    その前は何やってたの?そういうのは次巻なの?長い割に主人公の姿が見えてこない感じ。
    その割に結構なスーパーマンだったり無防備だったり、精神的な不安定さだったり、その落差の大きさに違和感を感じながら読んでいた。
    かといって読み口は悪くなく、ズンズンとのめり込んでしまう。でも読後感がなあ。いまいちスッキリしないというか。え?これで終わり?みたいな。

    内容(「BOOK」データベースより)
    アパラチア山脈の麓で自然保護管理の職を得たライスは、故郷から遠く離れ、穏やかな日々を送っていた。ところが

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    2021年05月24日
  • 用心棒

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     ニューヨークマフィアが経営するストリップクラブで用心棒をしているジョーが、アルバイトで密輸銃器を横取りする企みに加わったが偶然にもFBIの女性捜査官との遭遇で失敗に終わる。

     その企てた仲間から今度は、厳重な警備がされている弩級の香水を盗み100万ドルで売るという計画に乗る。

     ジョーの経歴は、詳らかでは無いが軍関係者であった事は間違いない。マフィアに雇われてはいるが良識?ある悪人だ。

     件の香水は、テロリストが100万ドルで強盗を依頼したウィルス兵器だった。
     ジョーとその取り巻きがたどり着いた結末は、、

     著者は、本作と同じポケミスで''二流小説家'

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    2021年04月25日
  • 用心棒

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    新鋭ゴードン、2018年発表の最新作。やや自分の色を出し過ぎて無骨さも目立った前作「ミステリガール」に比べて、構成が引き締まり、全体的にシャープになった印象。変化球を投げ込むオフビートな手法も熟れてきている。テンポ良く勢いのままに読ませる好編に仕上がっており、筆致には自信と余裕さえ感じる。

    ニューヨークのストリップクラブで働く用心棒ジョー・ブロディーは、FBIと市警察による一斉手入れの煽りを受けて職を失った。街に潜伏するテロリスト捕獲を狙ったものだったが、その界隈で〝営業〟する闇組織にとってはいい迷惑だった。店のオーナーでマフィアの親玉ジオ・カプリッジは、捜査を主管するFBIのドナ・ザモーラ

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    2021年03月10日