青木千鶴のレビュー一覧

  • ミセス・マーチの果てしない猜疑心
    今や売れっ子作家となった夫を持つミセスマーチ。
    何もかも順風満帆の生活を送っていたが
    いつも行く店の店員に夫の新刊が
    奥さんをモデルにしてるんじゃないかという
    たった一言で壊れ始める。

    その新刊の主人公が醜い娼婦ということで
    みんなが自分をそう思っているんじゃないか
    夫は自分をそういう目でみてるん...続きを読む
  • 二流小説家
    冴えない小説家が死刑囚から事件の全貌についての執筆を依頼される。そしてその条件として、自分を慕っている女性とのポルノ小説の執筆も依頼される。二流小説家から脱却するため主人公はそれらの女性にインタビューを行うと新たな事件が発生し、主人公は第一容疑者になってしまう
    本筋の物語は面白く、助手との会話もユー...続きを読む
  • エレベーター
    この小説は、海外小説なだけあって日本の小説とはまた違った、雰囲気のある小説だった。でも、私の想像力がないせいか、場面を想像しながら読むのが難しかった。
  • 熊の皮
    ウィリアム・K・クルーガー、C・J・ボックスにも通ずるところのある”大自然と犯罪”もの。
    異色なのは犯罪者と対峙する立場の主人公ライスがかつて麻薬の運び屋をしており、服役歴有。出所後はとある事情から自ら追われる身ともなっており、舞台であるヴァージニア州ターク山の財団所有地の管理人としての立場も本来の...続きを読む
  • 用心棒
    対テロリストの警戒強化の折、手厳しく手入れを受けたストリップクラブの用心棒ジョー・ブロディー。
    手入れにより留置場で一晩を過ごした際、顔なじみから持ち掛けられたヤマに加わることに。

    件の計画は、タレ込みにより悲劇的な失敗に陥るのだが、そこから挽回を狙っていく中でとんでもないどつぼにはまっていくジョ...続きを読む
  • 続・用心棒
    一作目が面白かったので二作目も読んでみた。前作で結果的にテロリストの野望を打ち砕いたため闇の世界の保安官に任命された主人公…というところで既に本作もかなり荒唐無稽な設定な訳だが本作では中東のテロリストが合衆国にヘロインを持ち込もうとしておりニューヨークの主だった犯罪組織が主人公にその対応を一任する、...続きを読む
  • 用心棒
    ハーバードを中退し特殊部隊で活躍した後、ストリップクラブの用心棒をしているドストエフスキーを愛読する男が主人公、というおよそ現実味のない設定の作品。昔この作者の別の作品が面白かったこともあり大丈夫かと思いつつ手に取ってみた作品。結果的に非常に面白かった。ある晩、彼が勤めるクラブをFBIが急襲し豚箱に...続きを読む
  • 熊の皮
    CJボックス、クルーガー的な米国自然公園管理人小説。ただし主人公は根っからの自然愛好派じゃなくてメキシコ麻薬カルテルと関係した過去があるらしい…という思わせぶりな回想がちょこちょこ入る。リーダビリティありどんどん読み進むのだが、過去の話が面白くなりそうで今ひとつ盛り上がりにかけるのが勿体ない。長かっ...続きを読む
  • エレベーター
    ジェイソン・レナルズ『エレベーター』早川書房

    『ベルリンは晴れているか』で大ファンになった深緑野分氏が推薦ということで全くの前知識無しに購入して読んでみました。てっきりクライムノベルかハードボイルドかと思っていましたが(おそらく翻訳の青木千鶴氏が『用心棒』も担当していたからそのイメージだと思います...続きを読む
  • 続・用心棒
     元陸軍特殊部隊のジョーは、友人でイタリア系マフィアのジオが経営するクラブの用心棒だ。今回は、ニューヨークに持ち込まれる400万ドル相当のヘロインをアルカイダのテロリスト売人と取引人を装い奪い取り、更に代金であるダイヤモンドも手に入れ、ニューヨークマフィアやギャング達のマーケットを守るのが仕事だ。
    ...続きを読む
  • 熊の皮
    アパラチア山脈の麓で自然保護管理の職を得たライスは、故郷から遠く離れ、穏やかな日々を送っていた。ところが、管理区域で胆嚢を切り取られた熊の死体が発見される。熊の内臓は闇市場で高値で取り引きされている。ライスは密猟者を追うが、地元民は非協力的で、前管理人で生物学者のサラを暴行した犯人もまだ見つかってい...続きを読む
  • 熊の皮
    あらすじは下の内容なんだけど、
    いまいち主人公のよって立つ処というか、なんでエイプリルなんかに惹かれたの?
    その前は何やってたの?そういうのは次巻なの?長い割に主人公の姿が見えてこない感じ。
    その割に結構なスーパーマンだったり無防備だったり、精神的な不安定さだったり、その落差の大きさに違和感を感じな...続きを読む
  • 用心棒
     ニューヨークマフィアが経営するストリップクラブで用心棒をしているジョーが、アルバイトで密輸銃器を横取りする企みに加わったが偶然にもFBIの女性捜査官との遭遇で失敗に終わる。

     その企てた仲間から今度は、厳重な警備がされている弩級の香水を盗み100万ドルで売るという計画に乗る。

     ジョーの経歴は...続きを読む
  • 用心棒
    新鋭ゴードン、2018年発表の最新作。やや自分の色を出し過ぎて無骨さも目立った前作「ミステリガール」に比べて、構成が引き締まり、全体的にシャープになった印象。変化球を投げ込むオフビートな手法も熟れてきている。テンポ良く勢いのままに読ませる好編に仕上がっており、筆致には自信と余裕さえ感じる。

    ニュー...続きを読む
  • エレベーター
    兄の復習を果たしに行く弟のエレベーターでの不思議体験。文章の書き方が独特だが、それがかえってわかりやすくてよかった。
  • エレベーター
    読み始めは翻訳やし、読みにくいかもーって思ってたがだんだんとエレベーターの中の世界に入り込んでいく。

    変わった作風で、どうも詩みたいな雰囲気。
    英語の原書を読めばなお良かったかなーと。

    銃社会のアメリカらしいというか、日本で生きてきた自分には、完全に理解や共感は出来ないなーと。

    最後の文章が良...続きを読む
  • ミステリガール
    地元米国よりも日本で評判になったという「二流小説家」でデビューを果たしたゴードン、第2作目となる2013年発表作。タイトルから洒脱なハードボイルドを想像していたが、過剰なデフォルメを施した〝くせ者〟らが繰り広げる物語は、どこまでもオフビートな展開で、読み手を煙に巻く。

    小説家を目指す若者サム・コー...続きを読む
  • エレベーター
    不思議な話だった。詩とも物語とも、どっちにもつかない話だった。悪い性質を持つ血統のせいなのか、性質を養った悪い環境のせいなのか。連鎖が少年を悩ませている。道を踏み外す少年たちにも、彼らなりのロジックがあるのかな。悪い連鎖が断ち切られることを祈る。
  • エレベーター
    兄を殺された弟の復讐譚かと思いきや話は意外な方向に。エレベーターが降りていくごとに話は進み、悲しみや切なさが深くなった。最後の問いかけに弟はどう答えたのだろう。まだ答えは出ていない。
  • エレベーター
    兄のショーンが銃で殺された。15歳のウィルは、ショーンの洋服タンスにあった銃をベルトにはさんでマンションの下りエレベーターに乗った。掟に従ってショーンを殺したやつを殺しに行くのだ。
    8階から乗ったエレベーターは、各階で止まる。そして誰かが乗ってくる。ウィルの知ってる人ばかりだが…

    銃社会がいまだに...続きを読む