【感想・ネタバレ】用心棒のレビュー

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Posted by ブクログ

続編の方が面白いという寸評をどこかで目にしてからまずは一作目と読み始めた経緯があるのであまり期待していなかったのだけれど、なんだよ面白いじゃんこれ、っていう読後感。躍動感にあふれる描写に裏打ちされたストーリーは言わずもがな、なによりも登場人物一人一人のキャラクターが際立っているので俳優たちが生で演じている映画を観ているようだった。

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2021年06月08日

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「いい夢を、ジョー」エレーナは言って、ウォッカのボトルを手にしたままベットに入り、頭を枕に載せた。その下にひそむベレッタの感触に、ほっと息を吐きだしながら。
続編が楽しみだ。

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2019年04月10日

Posted by ブクログ

 デイヴィッド・ゴードンと言えば、あの『二流小説家』で騒然たるデビューを果たした、あの作家。そう思っただけで、この本はポケミスであるにも関わらず、買い控えてしまっていた。当時はこの作家は、賛否両論で読者層を分断していたように思う。純文学への偏向が諸所に見られつつ、娯楽小説としても面白いということで、作品のミステリ部分だけが、何と日本で映画化された。ぼくはどちらも味わってみて、この手の小説は苦手なので、映画の方が面白かったかな、でもそちらも大したことはないか、などと正直うなされていたものだ。

 それでも性懲りもなく、第二作『ミステリガール』も読んでしまったが、これまた苦行と言うべき読書体験であった。果てしもなく長く、くどく、脱線を繰り返す作品を、よく途中で投げ出さなかったと自分を褒めたいくらいだった。だから、6年ぶりくらいにこの忘れていた作家が戻ってきた、と知った時も、見て見ぬようにしていたのが正直なところである。

 そして半年が経過して、ぼくはなぜかこの本を買っている。タイトルが『用心棒』と珍しいこと、そして300ページ程度の作品で、最近のポケミスにしては薄くて軽いということ、更に、どうやらデイヴィッド・ゴードンは悔い改めて出直したらしいぞ、ということ。我流で押し通すことをやめて、エンターテインメントに徹することにしたらしい、作風が全く変わった、新デイヴィッド・ゴードンだ、などの風評が聞こえてきたからだ。

 かくして、本作の主人公ジョー・ブロディとのご対面となる。作品名は、そう『用心棒』。ゴードンという作家は、実は大の日本映画好きで座頭市シリーズや東映マークが大好きなんだそうだ。クロサワの『用心棒』は、マカロニ・ウエスタンで『荒野の用心棒』に書き換えられたことで更に有名になった。主人公は、これが映画デビューとなるクリント・イーストウッド扮するジョー(姓は無し、その後のセルジオ・レオーネ+エンニオ・モリコーネ音楽コンビの『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン』併せた大ヒット3部作でもイーストウッドは常にジョーという名で通す)。まさに同名のジョー(但し姓はある、往年のプロレス・ファンなら亡きブルーザー・ブロディを想起するはずの姓が)。ヒーローが、ここに蘇る。それも、何とデイヴィッド・ゴードンによって。信じられるか?

 スピーディでバイオレンスな序盤の展開から、映画のような強奪シーン、裏切り、また裏切り、個性的な強盗チームとFBI、CIA、テロリスト、マフィア(チャイニーズ、アフロアフリカン等々何でもござれ)を巻き込んで、国際紛争の様相をも帯びてくるフルスケール感。火薬と硝煙と血煙(Waaoh! どうしたんだろう、この作家。別人? ではないよね)そんな混乱の中で、このB級娯楽映画的チープ感と、溢れんばかりのサービス精神は、間違いなく本物なのである。とにかく面白いし、ページを繰る手が止まらない。

 これほど一方の端からもう一方の端へと変貌した作家を、ぼくは知らない。しかも何と、このヒーローでの次作も用意されているようだ。でも、この作家の好みである純文学趣味は、ぎりぎりのところで残したようだ。主人公の設定である。ジョー・ブロディ。ハーバード大学を問題を起こして中退。特殊部隊をやはり問題を起こして除隊。愛読書はドストエフスキー。

 現在は、読み過ぎ、擦り切れた『白痴』を再読中。相棒のロシア系ヒロインのエリーナを、君はどこかナスターシャに似ていると言うが、彼女自身は、あなたこそ、どこかムイシュキン侯爵に似ているわね、でも私は『悪霊』が一番が好きだわ、スタヴローギンの虚無主義に共鳴しているわけではないけど、とのたまう。ぼくの中のドストエフスキー・フリークが思わず再燃する瞬間であった。ううむ。

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2019年03月20日

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ネタバレ

対テロリストの警戒強化の折、手厳しく手入れを受けたストリップクラブの用心棒ジョー・ブロディー。
手入れにより留置場で一晩を過ごした際、顔なじみから持ち掛けられたヤマに加わることに。

件の計画は、タレ込みにより悲劇的な失敗に陥るのだが、そこから挽回を狙っていく中でとんでもないどつぼにはまっていくジョー。

犯罪仲間、商売敵であるFBI捜査官との微妙な距離感の色恋模様、傭兵集団内の裏切り、裏で手を引く絶対悪vsアンチヒローと、どこかで聞いたことのある話がてんこ盛りで、ザ・ハリウッド的な一冊。

さくさく読めるノンストップアクションノワールとしては良作ではある。
ではあるのだが、やっぱり『二流小説家』の印象が強過ぎるせいか、う~んこちの路線ですかという感じでした。

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2021年10月03日

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ハーバードを中退し特殊部隊で活躍した後、ストリップクラブの用心棒をしているドストエフスキーを愛読する男が主人公、というおよそ現実味のない設定の作品。昔この作者の別の作品が面白かったこともあり大丈夫かと思いつつ手に取ってみた作品。結果的に非常に面白かった。ある晩、彼が勤めるクラブをFBIが急襲し豚箱に放り込まれた主人公。そこで旧知のチャイニーズ・マフィアの若者からある犯罪計画に誘われるのだがそこで予想外の事態となり…という話。FBIの捜査官が魅力的な女性で主人公とは敵対関係にある一方で互いに惹かれ合う、とか犯罪者仲間にはコンピュータやメカに強い黒人の青年とか、かなり魅力的なロシア女性がいたりとか、そもそも主人公が薬物で早く命を落とした両親に代わってペテンで世の中を渡ってきた祖母に育てられて今も同居しているとかとか…魅力的な登場人物と荒唐無稽な設定にルパン三世を彷彿させられた。かなりの強敵が最後はあっけなかったりとちょっと気になるところはあるけれどエンターテイメントとしてはかなり上出来の作品と思います。面白かった。

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2021年09月18日

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 ニューヨークマフィアが経営するストリップクラブで用心棒をしているジョーが、アルバイトで密輸銃器を横取りする企みに加わったが偶然にもFBIの女性捜査官との遭遇で失敗に終わる。

 その企てた仲間から今度は、厳重な警備がされている弩級の香水を盗み100万ドルで売るという計画に乗る。

 ジョーの経歴は、詳らかでは無いが軍関係者であった事は間違いない。マフィアに雇われてはいるが良識?ある悪人だ。

 件の香水は、テロリストが100万ドルで強盗を依頼したウィルス兵器だった。
 ジョーとその取り巻きがたどり着いた結末は、、

 著者は、本作と同じポケミスで''二流小説家''を上梓してますがこちら同様にテンポ良い内容で読み易く楽しめる内容でした。

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2021年04月25日

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新鋭ゴードン、2018年発表の最新作。やや自分の色を出し過ぎて無骨さも目立った前作「ミステリガール」に比べて、構成が引き締まり、全体的にシャープになった印象。変化球を投げ込むオフビートな手法も熟れてきている。テンポ良く勢いのままに読ませる好編に仕上がっており、筆致には自信と余裕さえ感じる。

ニューヨークのストリップクラブで働く用心棒ジョー・ブロディーは、FBIと市警察による一斉手入れの煽りを受けて職を失った。街に潜伏するテロリスト捕獲を狙ったものだったが、その界隈で〝営業〟する闇組織にとってはいい迷惑だった。店のオーナーでマフィアの親玉ジオ・カプリッジは、捜査を主管するFBIのドナ・ザモーラを訪ねて、テロリスト摘発に進んで協力することを申し出た。ジオは、一帯のギャング組織を束ねた上で、旧友でもあるジョーを役立てるつもりだった。一方、ジョーは、留置所で出会った旧知の小悪党から誘われ、武器強奪の仕事を請け負う。だが、事は容易には進まなかった。情報はFBIに洩れており、銃撃戦となって死人を出す。現場には捜査官ドナもおり、ジョーは口封じの機会があったにも関わらず、彼女を見逃した。犯罪者らは、何とか逃走する。襲撃時、武装強盗のプロであるクラレンスの命を助けたことから、ジョーは計画中の犯罪に加わるよう声を掛けられる。莫大なカネを手に出来る大仕事。武器の略奪は前哨戦に過ぎなかった。しかし、次こそ甘くはなかった。

「用心棒」というタイトルだが、主人公は犯罪グループの一員として行動することの方が多い。導入部では一種のヒーロー小説かと思わせ、一転してリチャード・スターク張りのクライムノベルへと移行する。終盤でさらに変転し、序盤での伏線となる対テロリストの闘いへと流れていく。

「悪党パーカーシリーズを手本にした」とゴードンが述べている通り、簡潔でリズミカルな文体によって臨場感溢れる活劇シーンを展開。犯罪者らの造形もB級テイストを貫いている。ただ、ハーバード大中退、ドストエフスキーを愛読する頭脳明晰な元特殊部隊員という主人公の設定は、存分に生かされているとはいえない。シリーズ化を意識していたらしく、レギュラーとなりそうな個性的人物を多数配置。FBI捜査官ドナとの関係など、次作に繋がるエピソードを散りばめている。気を衒うような〝遊び〟を盛り込んだデビュー時のインパクトがやや弱まったことは惜しいが、この先どこまで洗練されていくか楽しみではある。
どうやら、2021年4月に「続・用心棒」が翻訳出版されるらしい。

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2021年03月10日

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面白かったが、主人公以外の視点でのストーリーが多いせいで、主人公の影が薄まってしまっているように感じた。また、主人公の心理描写も少なかったので、私は感情移入しずらかった。巻末の「あらすじ」によると、続編が出るらしいとのこと。続編が更に面白くなることを期待したい。

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2019年06月26日

Posted by ブクログ

ジョー・ブロディーは異色の用心棒―ハーバード中退、元陸軍特殊部隊、愛読書はドストエフスキー。心優しいジョーだが、凄腕のその評判に偽りはない。ある晩、彼が勤務するストリップ・クラブをFBIが急襲する。理由も告げられずに逮捕されたジョーは、NYの名だたるならず者で溢れかえる留置場へ。一斉手入れがあったのだ。捜査機関はいったい誰を捜していたのか?ジョーはそこで再会した中国系マフィアから、あるヤマに誘われるが…。ミステリ・ランキング三冠『二流小説家』著者の新境地。

二作目と短編集はあいにく未読。軽いタッチのアクション小説。シリーズ化されるだろうな。

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2019年03月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

SL 2018.12.31-2019.1.8
これがシリーズになってもっと背景がわかってくるともっと面白くなると思う。

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2019年01月08日

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