河邉徹のレビュー一覧

  • 蛍と月の真ん中で

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    とても印象に残る一冊だった。
    大学を休学した匠海が長野県辰野町にやってきたのは蛍を撮るため。かつて父が撮影した場所で蛍を撮ることが彼の目的であり、そこで辰野に住む多くの人たちと出会っていく日々を描いていく。
    何か大きな出来事が起こる訳ではない。美しい景色やそこに住む人々との生き方に触れる中で、自信を持って自分だけの居場所を見つけていく。
    登場人物すべてのキャラが立っており、自分を支えてくれる他人の優しさ、温かさを感じる物語である。
    「何者にもなれていない自分を、恥ずかしがらなくていい」という正にあまり冒険せずに平凡な人生を歩んできた自分にとっては、とても印象深い言葉だった。

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    2022年03月15日
  • 流星コーリング

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    広島に、世界で初めて人工流星が降るという
    仲間と集まって、人工流星を観に行くことになったのだが
    その夜、止まっていたそれぞれの運命が大きく動き出す

    受け止められない事実はある
    でも
    それを受け止めないと前に進めない
    時間を巻き戻せればいいのに
    それは叶わない
    流星が立ち上がるためにそっと寄り添ってくれた

    WEAVERのドラムが著者
    小説をテーマにしたアルバムはそっと心にしみいる


    今年は実際に広島で人工流星のイベントがあるらしい
    この話を思い浮かべながら見たい

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    2020年02月02日
  • 流星コーリング

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    ネタバレ

    WEAVERドラマー河邉徹さんの2作目。青春ファンタジー作品。
    広島の高校の天文部に所属する男女4人。ある日世界初の人工流星が流れると知り、観に行くが、主人公・りょうは人工流星を観た日以降「明日」へ進めなくなってしまう。繰り返される「今日」。何故「明日」が来なくなってしまったのか?その理由がわかると心が震える。

    読み終わると「そうだったのか」と、もう一度読み返したくなった。
    小説をもとにWEAVERが同タイトルでアルバムを出しており、映画のサントラのよう。音楽と小説と合わせて堪能すると、より世界観が広がる!

    ループしてる間に、英語の授業で先生が話すwouldの用法が少しずつ変わっていて、それもこの流星コーリングの世界を表してるなと思った。アルバムに入ってるI would die for youという曲も好き。

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    2019年06月04日
  • 流星コーリング

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    普通の青春小説なのかな?って思って読んでたけど、最後に行くたびになるほどなーって思いました。
    映画とかに出来そうだなって思いました。

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    2019年05月06日
  • ひだまりのストリート・ピアノ

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    章ごとの話がちゃんと繋がっていたのはよかったです。話の出だしは結構重めで、それをピアノを通して少しずつ温かくしていく感じ。ただ、最初の重さが大きくて、ピアノの温かさだけではカバーしきれないなと感じました。終わり方はすごく温かくてよかったけど、全体的に少し話が薄く感じて、嫌なことがあったときに読んだこともあり、気持ちをすっきりさせるところまではいかなかったです。

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    2026年08月14日
  • ヒカリノオト

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    ネタバレ

    懐かしい音楽は、想い出を甦らせる。

    心を打つ音楽は、書道になったり動画のBGM になったり合唱にアレンジされたり、新たな創作の種になる。

    琴線に触れた音楽は、人の心の奥に刻まれてまた新たな想い出をつくる。

    音楽って素晴らしいなあ。

    音楽でつながる、人の巡り合わせや優しさの循環に心が満ち足りる。
    爽やかであたたかい、そんなお話だった。

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    2026年04月22日
  • パパたちの肖像

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    仕事だけでも大変なのに、当たり前のように家事・育児との両立が求められる令和のパパ。大変でないはずがない。

    女性活躍の必要性が叫ばれるようになり、日本型雇用慣行のもとで、女性が育児と両立しながら働き続けることの難しさは、広く認識されるようになってきた。だからこそ、女性が働き続けるためには男性の育児参画が不可欠だという流れは、ある意味で自然なものだと思う。

    一方で、男性にとっては前例のない大きな負荷が課されているにもかかわらず、それが「当然のこと」として求められている側面もある。(かくいう私自身も、夫にそれを求めている一人だ。)
    こうした本を通じて、「パパも大変なんだ」「それでも頑張っているんだ」という認識が、もう少し広がっていくといいと思う。

    あえて言うなら、長時間働いて疲れ切っている中で、家庭でも責められ、「自分だって頑張っている」と感じているパパ像が描かれたらもう少し共感が得られるのでは、とも思った。

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    2026年04月19日
  • パパたちの肖像

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    どの作品も令和のパパがリアルに描かれていて面白かったけど、中でも「俺の乳首からおっぱいは出ない」は読みながら何度も笑った。

    我が家の夫も子どもが乳児だった頃に、子どもを泣き止ませる事がお手上げになった時に、よくオッパイで解決することを頼まれたな…と懐かしくなる(笑)


    全てパパ目線のストーリーで、子育て中のパパに是非読んでほしい。

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    2026年04月10日
  • パパたちの肖像

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    パパ作家7人による家族の物語。
    著者たちも、日々こういうことを考えながら家庭と向き合って奮闘しているのかと思うととても興味深かった。

    当たり前だけど「父親」と言っても、いろんなタイプがいる。本作に登場するのも、妻の負担を軽減するためおっぱいを出そうと奮闘する父親から、息子が一人暮らしする家を用意周到に内見する超真面目な父親までさまざまだ。でもどの父親も一生懸命でかっこよかった。

    子育てでは母親の大変さがやはり前に出てきやすいし、それは事実だろうけど、父親も妻との家事育児分担や周りの余計な言葉、自分の仕事など、たくさんのものに追い詰められ追い込まれて、こりゃ大変だなぁと感じた。
    本当に他人の家庭のことに口出しして自分を正しいと信じて疑わない人っているよね〜!笑

    でもどの父親も、一番矛先が向きやすい妻を悪者にして終わらせずに、むしろ懐の大きい素敵な奥さんだと感じる終わり方でとてもよかった。

    私が特に好きなのは「髪を結ぶ」と「そういう家庭がそこにある」。男女問わず、子どもがいる人もいない人も全員に読んでほしい作品。

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    2026年02月19日
  • パパたちの肖像

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    子育てに関するパパ(ママも)の苦悩の短編集。
    「俺の乳首からはおっぱいは出ない」がお気に入り。上手く子供をあやす事が出来ない。筋肉を鍛えておっぱいを出すチャレンジ。物凄い馬鹿馬鹿しいけど、妙なリアリティがある。
    他もほぼハッピーエンドだし、面白く読めた。

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    2025年11月20日
  • パパたちの肖像

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    ネタバレ

    【収録作品】
    「ダディトラック」 外山薫 
    「俺の乳首からおっぱいは出ない」 行成薫 
    「連絡帳の父」 岩井圭也 
    「世界で一番ありふれた消失」 似鳥鶏 
    「息子の進学」 石持浅海 
    「髪を結ぶ」 河邉徹 
    「そういう家族がそこにある」 カツセマサヒコ

    それこそ多様性を認め合うことが大切だと思わされる。自分の意識も更新しないといけない。
    家族の形に正解はない。
    今うまくいっていても将来的に良い関係が続いているとは限らないし、どんなに大切に育てたつもりでも思うとおりに子どもが育つわけではない。
    せめて、今自分ができる最善と思うことを誠実にするしかないのだろう。

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    2025年10月08日
  • パパたちの肖像

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    共働き育児経験者なら昔の自分達夫婦を思い出し、未経験者にはこんなものなのかと思わせる小説。
    物語はかなりデフォルメされているが、子育てにおいて父親は母親には絶対的に敵わないという事は、当然のように再認識させてくれた一冊だった。
    軽く読むにはちょうど良いと思う。

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    2025年09月21日
  • パパたちの肖像

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    ネタバレ

    2025/08/20予約2
    母親はお腹の赤ちゃんと十月十日一緒に過ごすからこそ、だんだん母になっていく。その姿を見ているだけでは父親になれないんだな。この7人の父親は、その家族にとってのあるべき姿というより、ありたい姿を試行錯誤しながら進んでいく、とても今どきの夫婦だと感じた。
    最後の「そういう家族がそこにある」、これは2人で考え専業主婦を選んだ家族の話で、主人公のパパにいい友人がいて救われる。誰にも外から見えない悩み葛藤があるよね。
    面白い視点の本だった。

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    2025年09月15日
  • 蛍と月の真ん中で

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    ネタバレ

    *長野県辰野町が舞台。
    *カメラが好きな学生が、将来に迷い、金銭的にも1年間休学し、その間住む話。
    *恋愛話はめちゃくちゃ少なめ。
    *「レイチェル・カーソンの『沈黙の春』」を主人公が読む

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    2025年08月09日
  • 言葉のいらないラブソング

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    シンガーソングライターとアパレル店員のラブストーリー。映像化するときれいに仕上がりそうな感じ。結末も含め。

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    2025年01月22日
  • 蛍と月の真ん中で

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    ネタバレ

    バンドきっかけで読み始めたが、小学生でも読みやすい丁寧な心情描写で指定図書になったことに納得
    内容はあっさりしていて誰でも好きな時に読める
    御神渡り見てみたいと思った

    以下作中より抜粋
    「大切な人に迷惑をかける。それができるのって、本当は幸せなことだよ。お互いにね」 菜摘

    「進まなかった道だって、なくならないんじゃないかなって思うの。〜本当に違う方に行きたいって思う日が来たら、意思さえあれば選ぶことができるんじゃないかなって」明里

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    2025年01月17日
  • ヒカリノオト

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    メジャーデビューするも流行りに乗れない玄人好みの楽曲でブレイク出来ず音楽を諦めた染谷。でもそんな彼の曲がいく人かの人々を助け再生させる、そんな物語りだったと思います。個人的には少しだけ読み疲れる印象も残り星3つとしましたが、ありがちなワザとらしさがなく、取ってつけて感動させようという雰囲気もなく、全体好印象でした。
    「凪に溺れる」(青羽悠)と印象がかぶりました。

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    2025年01月15日
  • ヒカリノオト

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    王様のブランチの特集を見てこちらを読みました。
    やはり音楽をやっている人が書いた作品といったのがよく出ていた。全体的に爽やかさがありました。

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    2025年01月05日
  • ヒカリノオト

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    ネタバレ

    大ファンだったアーティストの担当になったものの、努力が結果に結び付かず苦悩する若手レコード会社社員、上司の期待に応えようとするあまり、知らないうちに心身を壊してしまった40代手前の女性、久しぶりの恋の予感にときめくカメラマン、合唱コンクールで伴奏と曲のアレンジを任された女子高生、海辺の町のリサイクルショップで壊れた物を修理し続ける男性。時に慰め、時に励まし、彼らの人生の岐路に寄り添っていた一つの音楽が、場所や時間を超えて広がっていく奇跡を、ミュージシャンとしての経験を持つ著者がみずみずしく描いた連作短編小説。
    誰かの為にしたことが、その誰かの心を救う。それは数珠のように繋がっていき、巡り巡って最後には自分を救うことになるんじゃないかと、この物語を読んで強く思った。 『コイのオト』だけ消化不良。いい感じにまとめられていたが、自分に好意を持っている男をキープして気持ちよくなってる浮気女にしか思えない。

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    2024年12月28日
  • 蛍と月の真ん中で

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    県内の同じような地域を重ねながら読んでいた。
    想定内のストーリーではあったが、人物も景色も良くてすらすら読めた。

    カメラが、難しすぎないけれど詳細に丁寧に書かれていて、とても素敵なものに思えた。
    光を集める。
    最高の瞬間を別の場所に運ぶことができる装置。

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    2024年12月07日