ダニエル・カーネマンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ# 意思決定の精度に関する秘孔を突いた一冊
## 面白かったところ
- 「狙った的が外れる」という事実は見る切り口を変えたらカテゴライズでき、「バイアス」と「ノイズ」で表現されていて膝を打った
- 「一晩寝かせるといいアイデアが浮かぶ」というアレの正体の根源が「群衆の叡智」であると力説していて面白い
## 微妙だったところ
- 正規分布や公式など、統計学を始めとした、大きな主語で言う「数学」の知見が多く散りばめられていて難しい
## 感想
組織が正しく前に進むための決断について興味があったため読み始めたが、かなり面白い。
人間という1単位で見た場合と、組織で見た場合では決断の際にバイアスがかかる。初めに発言した人間の意見が通りやすいのは、それ以外の人のシステム1が起動してしまうからと言う理屈も興味深い。
人はコンピュータのように様々なカテゴリの数値を分析することは難しいが、階層的にハンドリングしやすい数値で比較することは割りと得意という論も納得がいった。20種類のピザのランキングを付ける際も、闇雲に20種類レビューするんじゃなくて、「魚介系」「肉系」のようにカテゴライズして評価点をつけるほうがやりやすいのは自分でもわかった。
絶対評価ではなく相対評価のほうがマシ。ということである。これはストーリーポイントの概念にも通ずることがあるな。
書いてある内容や引用してある概念は簡単ではないが論じられている内容はかなり面白いため、下巻も楽しみである。 -
Posted by ブクログ
本書は、ノーベル経済学賞を受賞したダニエルカーネマンの著書で、人間の意思決定のばらつきを取り扱っています。
人間の意思決定は、ノイズ(ばらつき)とバイアスに影響されています。
バイアスについては、前著のファスト&スローで解説されており、本書では、ノイズについて解説されています。
私達の身の回りには、様々な判断のばらつきが転がっています。
人事評価、医師の判断、裁判の量刑‥同じような事案の裁判でも、裁判官により刑期が異なったり、同じ裁判官でも時間や天気により刑期が異なったりするそうです。
上巻では、どんな時にばらつきがあるのか、下巻ではばらつきの原因とその対策を解説してくれています。
判断のばらつきを抑えるには、
複数の独立した判断を統合する。
統計的に考える。
判断を構造化する。
評価基準を設ける。
等があるそうです☺
大事な判断には、バイアスもノイズも除いた正しい判断をしたいと思う一方、そこがまた人間味があるところなのかも、と思ったりも… -
Posted by ブクログ
ネタバレノイズを探せ
1)犯罪と刑罰
2)システムノイズ
3)1回限りの判断
好ましいノイズ:イノベーション、競争環境(多様性が大切)・・・市場の価値
好ましくないノイズ:組織などで起こるもの。認識されにくい。
ex)プロフェッショナルの判断、自分と他人など
1回限りの判断が必要な場合は『反実仮想の思考実験を行い、仮定を立ててみよう』
ノイズを測るものさしは?
4)判断を要する問題
5)エラーの計測
6)ノイズの分析
7)機会ノイズ
8)集団によるノイズの増幅
『判断』という言葉が使われるのは、『意見が一致すべきだ』と多くの人が考える課題・問題があるとき。
→不一致が一定の許容範囲内に収まることが期待されている。
判断の検証は多くはできない、が、『判断と実際の結果』『判断のプロセス』は検証できる。
バイアスとノイズは独立している。バイアスもノイズも同じくらい問題。
良い判断をしたい場合、『factと価値観』をわけるべきである。
情報→解析し、予測的判断→評価的判断
予測的判断にはノイズが入り得るが、これをできるだけ除去しよう。
予測→評価では価値観が入るが、その際、バイアスがかかる
★機会ノイズ:プロフェッショナルでも同じ事実に対して同じ判断はできない★
群衆の知恵を利用して、自分の中の群衆を作る(2回以上考える。時間を空ける。自分で反証する。強力な論拠の有無を調べる。弁証法的自助努力)
★多くの場合、『自分の中のあいまいな確率分布から、適当に抜き出した』ものにすぎない★
群衆の知恵←→集団のダイナミクス(情報カスケード、社会的圧力)
阻塞的判断のノイズ
9)人間の判断とモデル
10)ルールとノイズ
11)客観的無知
12)正常の谷
妥当性の錯覚
★『まれ』な事象を判断して、満足、得意になるのは、ノイズを増やす行為である★
ノイズを減らすには、情報を単純化、評価にルールを作る
『まれ』なことについては、決定的な情報があるなら、ルールから外れてもよいが、多くはルール通りがよい。
・人は、1回でもアルゴリズムが失敗すると、アルゴリズムを信じなくなり、『自分の判断』を優先してしまうものだ(しかし、ルール、アルゴリズムのほうが、人の判断よりは優れている)。
統計的思考と因果論的思考法
因果論的思考法:結果をみて、過去をふりかえり、もっともらしく考える。
因果関係と相関性
ノイズはなぜ起きるのか
13)ヒューリスティクス、バイアス、ノイズ
14)レベル合わせ
15)尺度
ヒューリスティクス、診断バイアス、利用可能性ヒューリスティック、結論バイアス(予断)、確証バイアス、感情ヒューリスティック、過剰な一過性 -
Posted by ブクログ
・どんな意思決定にも予測的判断がかかわってくる。予測的判断においては、正確性が唯一の目標であるべきだ。だからあなた個人の価値観は事実から切り離しておくように
・人間はご機嫌だとでたらめを受け入れやすくなり、また全般的に騙されやすくなる。つまり、つじつまの合わないところを探し出したり、嘘を見抜いたりする気がなくなってしまう
・カスケード効果:情報カスケードとは大勢の人が順番に前の人の選択情報を参照しながら判断する場合に、自分自身の持つに基づかず、多数派の選択肢を選ぶ傾向を指す
・機械学習アルゴリズムは、ほかのモデルが見落としてしまうような変数の組み合わせの中に重要なシグナルを見つける。データに隠れているある種の極めて稀なパターンがハイリスクと強く創刊しており、アルゴリズムはそれを発見できる
・結論バイアス:初めから特定の結論を目指して判断プロセスを開始すること
・過剰な一貫性:予断を持っているとき、それを裏付ける証拠ばかり探し矛盾する証拠は無視する各省バイアスも、後から出てきた重要な証拠を過小評価する点で似ている
・ノイズとは、各人に備わった「判断者としての性格あるいは個性」の副産物なのである
・優れた判断者は、自分の最初の考えに反するような情報も積極的に探し、そうした情報を冷静に分析し、自分自身の見方と客観的に比較考量して、当初の判断を変えることをいとわない人、いやむしろ、すすんで変えようとする人である。リーダーが決断力を発揮するのはプロセスの最後であって、最初ではないのだ
・人間の判断は、たとえば、怒りや怖れといった感情的要因にも左右される(機会ノイズ)。だから、可能であれば数日、数週間後にもう一度判断するのは良い習慣である。
・超予測者は、自分の当初の仮説に反するような情報や反対意見を積極的に探し、反対意見が正しく、自分の判断が間違いである可能性をいつでも認める用意があり、「自分と同じ意見の人より違う意見の人に耳を傾けるほうが有益だ、と考える。自分の予測を絶えずアップデートし、自己改善することこそが、超予測者の必須条件である
・判断を分解する、評価を独立に行う、総合判断は最後に行う
・初めから非構造化面接のようなものを行っていると、最後に下すべき結論のことが頭から離れず、すべての情報を常に最終目標に照らしてみてしまう。議論の最初から落としどころを探っていて、結局遅かれ早かれそこに到達する。集合知を生かせない
・分析チームのミッションは「最終決定においてこの項目がどのような重みづけがされるかはべつとして、この項目の評価に関する限り買収はイエスかノーか」というシンプルな問いに対する答えになる
・基準率と比較した相対的な統計的評価を入れる
・とりわけ重要な判断の場合には、大方の人が何らかのスキームや計算式に縛られることを嫌がるし、それを使って判断することに頑強に抵抗する。計算式を使わなければならないことが決まると、システム自体を都合よく捻じ曲げ、望みの結論に達するよう採点を変えてしまったりする。そのため、プロセスの最後までは独立して評価を行う必要がある
・創造性豊かな人間には、それを発揮する場を与えてやらなければならない。人間はロボットではないのだ。どんな職業でも、人間には判断の余地を与える価値がある。君を規則でがんじがらめにしたら、君はノイズを出さないだろう。だが、全然楽しくないから、独創的なアイデアも出てこなくなる
・不正行為を防ぎたいなら、ある程度のノイズは容認しなければならない、学生たちが、論文の盗用をしたらどんな罰を受けるかわからない状態にしておくほうがいいのだ。そうすれば盗用を慎むだろう、ノイズの形でいくらか不確実性を残しておくことが抑止効果を高める
・実効性のあるルールの策定に必要な情報を持ち合わせていないケースのほうが重大な問題
・プロジェクトマネジャーに適任なのは、会社の管理部門の幹部クラスである。社内の手続き上の面倒を避けられるメリットがあり、会社がノイズ検査に本気で取り組んでいるというメッセージを発信できる
・最近起きたとか、劇的であるとか、個人的に重要な意味があるといった理由から、あまり関係のない出来事や情報を過剰に重視していないか