ダニエル・カーネマンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
# ヒトの思考・判断プロセスに一石を投じた名著
## 面白かったところ
* `1 + 1` の解と `24 × 17` の解が導かれるまでの時間差異から、ヒトの思考には少なくとも2つ以上存在する。などの研究結果がとても興味を唆られた点
* ヒトの思考や判断には特徴があって、それを理解していた上で異なる行動を図ろうとしても並々ならぬ注意力が必要だと知れる点
## 微妙だったところ
* シンプルに、記述量が多く理解が難しい。これはまだ上巻で下巻も同程度の分量で存在する
## 感想
学生時代、後輩に勧められて購入した一冊。当時の自分の読書レベルでは到底太刀打ちできなかった苦い思い出から一念発起して再度読書に挑戦。
前半部分は、特に自分を通じてヒトの特徴的な癖を体感しながら学習することがでた。
後半部分では、もう少し俯瞰してヒトの思考・判断行動を観察。理解はできても納得は難しいヒトの行動を魁に、世の中の事象に切り込んでいく様子を垣間見ることができ、読み応えがあった。
下巻もとても楽しみである。 -
Posted by ブクログ
バカって言葉がこんなに散りばめられている本は未だかつて見たことない笑
それぞれの章、それぞれの人物が別々のテーマで「バカ」について論じているけれど、一貫して言えるのが、知識や知性のあるなしとバカであるということは関係ないということ。逆に言うと、誰でもバカになりうるということだ。
各テーマで、システム1とシステム2の思考スピードの違いが描かれているが、いま自分がどちらのフェーズで判断しようとしているか、また決めたことをどちらのフェーズで決めたのか、きちんと振り返ることが、もしかするとバカになることを防ぐ手段なのかもしれない。
この本に書いてあることが全く当てはまらない人なんていないと思うし自分もそうなので、自戒していきたい。 -
Posted by ブクログ
システム1とシステム2。速い思考と遅い思考。意思決定を行う際にわれわれは直感による速い思考を行っている。直感の出番がない場合には論理で考える。これが遅い思考である。直感は自動的に連想を働かして結論をだす。それは論理的思考でもないし統計的思考でもない。ただうまくストーリーができていればよい。われわれはそれを自信をもって正しいと思い込む。ちゃんと論理的思考の出番があれば間違わなかったはずの結論も直感を信じたために間違えた結論を下す。また思考には色々なバイアスがあり、それによって間違った結論を出してしまう。このようにわれわれの意思決定の仕組みを解き明かした心理学者にしてノーベル経済学賞受賞者の一般読者向けの著作。
プロスペクト理論:
参照点と損失回避
二項対立:
システム1とシステム2。エコン(合理的経済人)とヒューマン。経験する自己と記憶する自己。 -
Posted by ブクログ
一定の規則性が存在しない状況では、直感は信用できない
直感の妥当性は下記条件で満たされる
・十分に予見可能な規則性を備えた環境であること
・長期間にわたる訓練を通じてそうした規則性を学ぶ機会があること
計画の錯誤を減らすには
「多くの人は過去の分布に関する情報を軽視または無視しがちであり、この傾向がおそらく予測エラーの主因だと考えられる。したがって計画立案者は、入手可能なすべての分布情報が十分に活用できるように、予測問題の枠組みを整える努力をしなければならない」
死亡前死因分析は自信過剰に対して効果的
損失回避
損失は利得より強く感じられる
損失回避率はおおむね1.5〜2.5
悪は善より強し
安定した関係を維持するためには、楽しい会話と楽しくない会話の比率を少なくとも5対1にしなければならない
プロスペクト理論
四分割パターン
利得|損失
95%の確率で1万ドル貰える|95%の確率で1万ドル失う
高い確率 万一の落胆を恐れる |なんとか損を防ぎたい
確実性の効果 リスク回避 |リスク追求
不利な調停案も受け入れる|有利な調停案も却下する
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5%の確率で1万ドル貰える|5%の確率で1万ドル失う
低い確率 大きな利得を夢見る |大きな損を恐れる
確実性の効果 リスク追求 |リスク回避
有利な調停案も却下する|不利な調停案も受け入れる
左上欄はベルヌーイが論じた領域:リスク回避的
左下欄は可能性の効果が働く。宝くじが人気なのはこのため
右下欄は保険をかける状況
右上欄が驚きの領域で多くの不運な状況である、起死回生の一手を打とうとして大失敗をおかす
・狭いフレーミング:決定1と2は二つの単純な問題と考え、別々に処理する
・広いフレーミング:四つの選択肢のある一つの問題と考え、1回の決定で処理する
複数の決定を一つにまとめて扱える場合は、いつでもそうするほうがよい
小さく勝って小さく負けるが損失回避を防ぐ呪文
個人投資家は四半期に一度見直せば十分
広いフレーミングで考えるように努める
後悔をあまり重大視すべきではない、たとえ後悔するとしても、いま考えるほどひどくはないものだ
並列処理は単独評価より合理的な判断が下される
持続時間の無視とピーク・エンドmp法則
記憶する自己は経験する自己よりも独裁者
ハッピーになるいちばん簡単な方法は、時間の使い方を自分でコントロールすることだ。自分の好きなことをする時間を増やせばいい
幸福を感じる気質というものは身長や知能のように遺伝する
全体のテーマとしては認知的錯覚
システム1とシステム2
エコンとヒューマン
経験する自己と記憶する自己
資本主義は認知的錯覚の上に成り立っている -
Posted by ブクログ
第一部
井戸端会議において他人や最終的には自分自身について、判断や選択のエラーを突き止め理解する能力を高めるのが本書の目的
システム1(早い思考)とシステム2(遅い思考)
「注意を払う」とよく言うが、これはまさに当を得た表現である。というのも、注意は限度額の決まった予算のようなものだからだ。この予算はさまざまな活動に配分できるが、予算オーバーは失敗につながる。努力を要する作業の場合、多数の活動が互いに邪魔し合うという特徴があるため、同時にこなすのは難しく、ときには不可能である。
瞳孔は知的エネルギーの消費量を刻々と教えてくれる
認知心理学で重要な発見の一つに、あるタスクから別のタスクに切り替えるのは困難、とりわけ時間的余裕がないときに
セルフコントロールには注意と努力が必要、だから思考や行動にコントロールがシステム2の仕事になっている
自分がどんな気分のときも、つねにやさしく親切にしなさいという忠告はまことに当を得ている
見覚え、聞き覚えといった感覚は、単純だが強力な「過去性」という性質を帯びており、そのために、以前の経験が鏡に直接映し出されているように感じる
誰かに嘘を信じさせたいときの確実な方法は、何度も繰り返すことである。聞き慣れたことは真実と混同されやすいからだ
遠隔性連想検査は、認知容易性とポジティブな感情の関係について、さらに多くのことを教えてくれる
判断の独立性を保つ原則は、会議だと、前もって出席者全員に自分の意見を簡単にまとめて提出してもらうことだ
自分の見たものが全てだ(WYSIATI)(what you see is all there is)
システム1の特徴
・印象、感覚、傾向を形成する。システム2に承認されれば、これらは確信、態度、意志となる。
・自動的かつ高速に機能する。努力はほとんど伴わない。主体的にコントロールする感覚はない。
・特定のパターンが感知(探索)されたときに注意するよう、システム2によってプログラム可能である。
・適切な訓練を積めば、専門技能を磨き、それに基づく反応や直感を形成できる。
・連想記憶で活性化された観念の整合的なパターンを形成する。
・認知が容易なとき、真実だと錯覚し、心地よく感じ、警戒を解く。
・驚きの感覚を抱くことで、通常と異常を識別する。
・因果関係や意志の存在を推定したり発明したりする。
・両義性を無視したり、疑いを排除したりする。
・信じたことを裏付けしようとするバイアスがある(確証バイアス)。
・感情的な印象ですべてを評価しようとする(ハロー効果)。
・手元の情報だけを重視し、手元にないものを無視する(「自分の見たものがすべて」WTSIATI)。
・いくつかの項目について日常モニタリングを行う。
・セットとプロトタイプでカテゴリーを代表する。平均はできるが合計はできない。
・異なる単位のレベル合わせができる(たとえば、大きさを音量で表す)。
・意図する以上の情報処理を自動的に行う(メンタル・ショットガン)。
・難しい質問を簡単な質問に置き換えることがある(ヒューリスティック質問)。
・状態よりも変化に敏感である(プロスペクト理論)。
・低い確率に過大な重みをつける。
・感応度の逓減を示す(心理物理学)。
・利得より損失に強く反応する(損失回避)。
・関連する意識決定問題を狭くフレームし、個別に扱う。
第二部
私たちは、人生で遭遇する大半のことをランダムであるという事実を、どうしても認めたくないのである
ある未知の数値を見積もる前に何らかの特定の数値を示されると、その数値の近くにとどまる。この効果をアンカリング効果という
交渉におけるアンカリング効果に対抗する方法として、反対のことを考える。
リスクを定義することは権力を行使することにほかならない
第三部
予測は可能だとする錯覚はいっこうに消え去る気配がない
均等重みづけ方式は重回帰式を上回る
「アナタはなぜチェックリストを使わないのか?ー重大な局面で”正しい決断”をする方法」アトゥール・ガワンデ
「小さな本」ポール・ミール -
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「ファスト&スロー-あなたの意志はどのように決まるか?-」の読書会
日付:2013/12/16 作成者:とことこ(大塚 拓)
〇この本を一言で表すと?
人間のいい加減かつ複雑な意思決定方法を実例を交えてわかりやすく説明した本
〇全体の感想・その他
・システム1(早い思考)とシステム2(遅い思考)に分けて考えるの画期的でわかりやすい。意志力や思考力が無限である・有限であるとの議論の矛盾点がこのファスト&スローで説明できるのではないか。
・人は現状から悪くなる点はなかなか受け入れられない。この原理が便利になったが豊かさが失われていく社会なのかと思った。
・画期的な理論であることに間違いないが、本書で辛辣に説明しているベルヌーイやビジョナリー・カンパニー、マルコム・グラットウェルほど売れる本にはならないと思われる。
→人はいい加減でも経験から納得できる因果関係の説明のほうが好まれるのではないか
〇よかった点
・説明の仕方や実例もとてもわかりやすい。各章の具体例がとても腑に落ちるし、面白い。
・プロスペクト理論の欠陥(下84)(落胆や失望の勘定)を認識し、説明しているところが潔くてよい
→これも理論的に納得のできる解明がされるときが楽しみ
・直感とは認識以上でも以下でもない(下12)。記憶や経験の豊富さが大事でこれから積上げていきたい
・平均以上か以下かは簡単か難しいかで変わる(下46)。対人関係が苦手な人が多いことが納得
・誉めることと叱ることの士官からの反論について的当てでの説明はすごく納得させられた。(上259)→一方で少しひっかかる点もある。誉める叱るについて、参照点の考慮や個人の特性の考慮はされないのかなど。
〇突っ込みどころ・気になる点
・統計学者の権威を騙せたことを喜んで理論の正しさを説明(上219)しているが、その一人の統計学者が騙せなかったらどうするつもりだったのか?ちなみに生徒の騙された割合はそっくりと記述だけ
・作者のストーリーが多く、冗長になっている感がある。ただし、それが行動経済理論に訴えかけた説明なのかもしれない。
〇実践してみようと思うこと
・会議が始める前に先に参加者の意見をまとめておくこと。(上127)(自由討論だと最初の発言者の意見に寄った考えになるというのはすごく納得)
・プロの投資評論家の意見は鵜呑みにしない。(上312)(プロに巻き上げられないように)
・過ぎたるは及ばざるがごとし。(上236)(並列比較と単品比較の例はわかりやすい)
・同じ意味でも損失より利益という言葉(下211)を多く使っていこうと思う
・説明する順番(上124)とピーク・エンドの法則(下218)は常に意識しようと思う。プレゼンでも
〇みんなで議論したいこと
・下126 四分割のパターン リスク追及とリスク回避のみんなの意見
・上258 誉めると叱る、それぞれの効用や効果について