ダニエル・カーネマンのレビュー一覧

  • ファスト&スロー (下)
    下巻では2つの人種と2つの自己が語られる。2つの人種とは、理論の世界に住む、経済学に登場する合理的な存在のエコンと現実の世界に住む、行動経済学に登場する合理的ではない存在のヒューマン。2つの自己とは、現実を生きる「経験する自己」と記録をとり選択をする「記憶する自己」。
    直感や計画の錯誤、楽観主義によ...続きを読む
  • ファスト&スロー (下)
    「エコン」と「ヒューマン」についてはあまり興味を抱かなかったが、「二つの自己」はストライクだった。経験と記憶がどのように相互関係にあるのか、その特徴がよくわかる。
    巻末の論文の資料価値も高い。

    〈スキル習得の基本条件〉
    ①十分に予見可能な規則性を備えた環境であること
    ②長期間にわたる訓練を通じてそ...続きを読む
  • ファスト&スロー (下)
    システム1とシステム2
    エコンとヒューマン
    経験する自己と体験する自己
    人間ってのは間違えてしまうこともあるとのこと。それでうまく行ってる(資本主義の柱の一つの株の売買ってのはどちらの予想が間違えてないとなりたたない)らしい。
    即断即決せずにゆっくり考えるとシステム2が働いて、システム1のうっかり間...続きを読む
  • ファスト&スロー (下)
    「テロは、利用可能性の連鎖を引き起こすのである。」

    認識としての直感は、たとえば消防士がなんとなく危険だと思う場所を避けた次の瞬間に爆発した、というようなものである。これは奇跡的に分かったのではなく、今までの経験と新しい現場に向かう最中の思考実験によって認識されたものであるので、奇跡ではない。

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  • ファスト&スロー (下)
    上巻では、システム1と2という2つの脳の働き(キャラクター)の違いと、それによる錯誤のメカニズムについて書かれていました。下巻では、さらに2種類の対比するキャラクターが出てきます。経済学で前提される合理的な人間(エコン)と、現実の間違いも犯す人間(ヒューマン)。経験する自己と記憶する自己。
    これらの...続きを読む
  • ファスト&スロー (下)
    下巻では、まず行動経済学として知られることになった人間の選択行動について論じられている。さらに、二つの自己として、経験する自己と記憶する自己の違い、苦痛や幸福の評価軸の違い、について論じられている。双方とも興味深いテーマである。

    第四部は経済的合理人である「エコン」に対して、系統的に誤る「ヒューマ...続きを読む
  • ファスト&スロー (下)
    結論部のリバタリアン・パターナリズムの議論は特に興味深かった。
    多くの人が抱いているであろう「合理的な経済主体」という考え方がいかに現実とそぐわないか、本書を読めばよく理解できる。これは個々人の生活から政策決定レベルまで広く影響を及ぼすような、かなり驚くべき事実だと思う。
  • ファスト&スロー (下)
    下巻はとことん、経済合理性で説明できない意思決定の解明へ。本書の専門用語を用いれば「プロスペクト理論と損失回避性」という事だが、〝損失や期待値が幾らなら賭けに乗るか“という事をアンケートから徹底的に追求し、数値化した点は素晴らしい。人間は、得をしなくても良いから、それ以上に損をしたくない生き物だ。
    ...続きを読む
  • ファスト&スロー (上)
    ダニエル・カーネマンの本作は楽しみにしていたのだが、読むのが遅く、実際読み始めると、既に聞いたような話ばかり。流行り過ぎて、日本の新書で引用されまくったせいだ。著者に罪は無い。また、原典の良さもある。しかし、大部分ネタバレしている。それでも楽しんで読む。

    脳の思考回路について。システム1は自動操縦...続きを読む
  • NOISE上 組織はなぜ判断を誤るのか?
    # 意思決定の精度に関する秘孔を突いた一冊

    ## 面白かったところ

    - 「狙った的が外れる」という事実は見る切り口を変えたらカテゴライズでき、「バイアス」と「ノイズ」で表現されていて膝を打った

    - 「一晩寝かせるといいアイデアが浮かぶ」というアレの正体の根源が「群衆の叡智」であると力説していて...続きを読む
  • NOISE下 組織はなぜ判断を誤るのか?
    普段の生活に存在するノイズを具体例を用いて説明してくれているのですごく分かりやすかった。
    ノイズを防ぐためにどうすればいいのか、また、ノイズをなくしていくことでどういったことが起きるのかをよく理解できた。
    きっちりとした成果を出していくためには、ノイズが生じにくい環境作りが大切。しかし、ノイズが皆無...続きを読む
  • NOISE上 組織はなぜ判断を誤るのか?
    面白かった。
    ファースト&スローも良かったが、人間の判断の曖昧さ、将来の予測、ノイズやバイアスなどは、自分が判断する時に気をつけなければならない。
    最初の発言者に、意見が引っ張られると言うことは、経験的にある。
    尺度ノイズについてはもっと勉強しないといけない。
  • 「バカ」の研究
  • ファスト&スロー (下)
    読みやすいけど、腑に落ちる感覚があまりない。

    人間の思考について書かれているが、応用先が思いつかなかった。

    上下巻共に読むのに時間をかけすぎた。
    一気に読破すると見えてくるものがあるかもしれない。

    とりあえず寝かせて、数年後にでも戻ってきたい。
  • 「バカ」の研究
  • NOISE下 組織はなぜ判断を誤るのか?
    ノイズが思った以上に多く、これを少なくすることは簡単ではない。
    人間に首尾一貫した判断が苦手であり、やはりガイドラインのようなものでかなり判断の振れ幅を抑えてやる事が必要だとよくわかる。
    このガチガチのガイドラインは、日本人にはかなり好まれる傾向にあるとは思うが、融通の効かない社会は息苦しい。
    筆者...続きを読む
  • NOISE上 組織はなぜ判断を誤るのか?
    本書は、ノーベル経済学賞を受賞したダニエルカーネマンの著書で、人間の意思決定のばらつきを取り扱っています。

    人間の意思決定は、ノイズ(ばらつき)とバイアスに影響されています。
    バイアスについては、前著のファスト&スローで解説されており、本書では、ノイズについて解説されています。

    私達の身の回りに...続きを読む
  • NOISE上 組織はなぜ判断を誤るのか?
    ノイズを探せ
    1)犯罪と刑罰
    2)システムノイズ
    3)1回限りの判断
    好ましいノイズ:イノベーション、競争環境(多様性が大切)・・・市場の価値
    好ましくないノイズ:組織などで起こるもの。認識されにくい。
     ex)プロフェッショナルの判断、自分と他人など
    1回限りの判断が必要な場合は『反実仮想の思考実...続きを読む
  • NOISE上 組織はなぜ判断を誤るのか?
    とても面白いです。
    人間の判断の雑さについて気にしていた時期なので、人間の弱さがよくよく理解できました。
    自分もシステム2や外部の視点をしっかり意識して使っていきたい。
    下巻も読みます。
  • NOISE下 組織はなぜ判断を誤るのか?
    ノイズの事例や著者の例えが分かりやすく終始読みやすかった。バイアスとノイズの関係性やノイズの分析はプロフェッショナルのみならず活かせるものがあると思う。
    あと、「人間の不合理」という話題は尽きない。自分の気持ち良さを優先してしまう愛すべき人間だなぁと。