ダニエル・カーネマンのレビュー一覧

  • ファスト&スロー (下)

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    エコン(合理的経済人)とヒューマン。
    80%の確率で100万円•20%は0円と、確実に46万円もらえるのとどっちがいい?という時、エコンは期待値が高い前者を選び、ヒューマンは後者を選ぶ。
    前提が違うのは、経済学と心理学という分野の違いだと思うけど、学生の時はエコンに固執していたなあ。ヒューマンという考え方でもう一度あの題材を取り扱ってみたい。

    また、公正性に対して参照点があるというのも興味深い。10ドルのスコップが売っていて、大雪の日に需要が上がるから15ドルにした。エコンは正しいと考えるが、ヒューマンは不公正と考える。
    さらに、10ドルで雇っていたバイトの給料を、失業者がたくさん出た際に7

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    2014年08月23日
  • ファスト&スロー (下)

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    かなりの良書。読めば、人生を二倍豊かにする事ができます。
    それと同時に、人間の思考の限界とそれをどうする事もできない事を、これでもかと教えてくれる本。
    具体例がこれでもかと出てくるので、イチイチ再認識しながら読め、理解も深まります。
    統計や確率が絡んだ時、確実にあなたの直感は間違っています。

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    2014年05月25日
  • ファスト&スロー (下)

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    下巻では2つの人種と2つの自己が語られる。2つの人種とは、理論の世界に住む、経済学に登場する合理的な存在のエコンと現実の世界に住む、行動経済学に登場する合理的ではない存在のヒューマン。2つの自己とは、現実を生きる「経験する自己」と記録をとり選択をする「記憶する自己」。
    直感や計画の錯誤、楽観主義によって、大抵予測は外れる。この話は上巻の、システム1,2の続きだ。
    そこから、従来の経済学よりも現実に則したプロスペクト理論が説明される。効用は参照点からの変化に影響され、さらに損失は利得より強く感じられる。保有効果や損失回避、単独評価と並列評価が不一致する選好の逆転などにより、人間はエコンのように合

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    2014年03月29日
  • ファスト&スロー (下)

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    「エコン」と「ヒューマン」についてはあまり興味を抱かなかったが、「二つの自己」はストライクだった。経験と記憶がどのように相互関係にあるのか、その特徴がよくわかる。
    巻末の論文の資料価値も高い。

    〈スキル習得の基本条件〉
    ①十分に予見可能な規則性を備えた環境であること
    ②長期間にわたる訓練を通じてそうした規則性を学ぶ機会があること
    →この二つがあれば直感はスキルとして習得可能である。まず規則性を見いだすこと、その上でその規則性を学ぶコンテンツを作成することが重要だ。

    楽観バイアスは、認知バイアスの最も顕著なもの。人は自分の立てた目標は実際以上に達成可能だと思い込む。

    行動して生み出された結

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    2014年01月19日
  • ファスト&スロー (下)

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    システム1とシステム2
    エコンとヒューマン
    経験する自己と体験する自己
    人間ってのは間違えてしまうこともあるとのこと。それでうまく行ってる(資本主義の柱の一つの株の売買ってのはどちらの予想が間違えてないとなりたたない)らしい。
    即断即決せずにゆっくり考えるとシステム2が働いて、システム1のうっかり間違えはなくせるとのことなので、じっくり考えましょう。

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    2013年12月24日
  • ファスト&スロー (下)

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    「テロは、利用可能性の連鎖を引き起こすのである。」

    認識としての直感は、たとえば消防士がなんとなく危険だと思う場所を避けた次の瞬間に爆発した、というようなものである。これは奇跡的に分かったのではなく、今までの経験と新しい現場に向かう最中の思考実験によって認識されたものであるので、奇跡ではない。

    分母の無視:確率で事象を現すように、何人中何人が、と表すことで低い確率のものをより深刻に考えさせることができる。

    貧しければみじめ:貧しい人は裕福な人よりも生活に満足を感じていない(=幸福度が低い)、しかし、ある程度の裕福度に達すると、そこから先はより幸福になれるわけではない。換言すれば、幸福はあ

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    2013年12月17日
  • ファスト&スロー (下)

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    上巻では、システム1と2という2つの脳の働き(キャラクター)の違いと、それによる錯誤のメカニズムについて書かれていました。下巻では、さらに2種類の対比するキャラクターが出てきます。経済学で前提される合理的な人間(エコン)と、現実の間違いも犯す人間(ヒューマン)。経験する自己と記憶する自己。
    これらのキャラクターの説明を通して、人間が何故、時として重大な間違いを犯すのかが書かれています。
    最後にその間違いを重大なものに発展させない、政策や意思決定の可能性があるということ。それは個人では不可能に近いが、組織で行えば比較的可能であることが提案されています。
    「なんでこんなことをしたのか?」という他人

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    2013年10月18日
  • ファスト&スロー (下)

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    下巻では、まず行動経済学として知られることになった人間の選択行動について論じられている。さらに、二つの自己として、経験する自己と記憶する自己の違い、苦痛や幸福の評価軸の違い、について論じられている。双方とも興味深いテーマである。

    第四部は経済的合理人である「エコン」に対して、系統的に誤る「ヒューマン」を対峙させる。この議論が、行動経済学の名で知られる意志決定に関する理論である。プロスペクト理論という名前でも有名で、S字を描く価値関数のグラフで知られている。人の選択において「参照点」「感応度逓減性」「損失回避」の特性を考慮すべきとされている。いったん保有するとその価値以上に手放すことを忌避する

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    2014年01月01日
  • ファスト&スロー (下)

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    結論部のリバタリアン・パターナリズムの議論は特に興味深かった。
    多くの人が抱いているであろう「合理的な経済主体」という考え方がいかに現実とそぐわないか、本書を読めばよく理解できる。これは個々人の生活から政策決定レベルまで広く影響を及ぼすような、かなり驚くべき事実だと思う。

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    2013年06月30日
  • NOISE上 組織はなぜ判断を誤るのか?

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    人間の判断がバイアスだけでなく、ノイズにも左右されることがよくわかる。自分の中では、バイアスもノイズも混ざった概念だったので、少しすっきりした。

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    2025年08月27日
  • 「バカ」の研究

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    ネタバレ

    『バカ』の定義自体があれこれで、いろいろな人を当てはめてしまったり、自分自身がそうかもと思ったり。
    自分の言動でこれは『バカ』かも、だから気をつけよう、こうしなくちゃと思えるようにならなくてはというのが教訓。
    そして『バカ』であっても『愚か』にはならないようにしなくては。

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    2025年08月05日
  • ファスト&スロー (上)

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    残念ながら、ある会社の将来性を評価するスキルだけでは、株取引で成功するには十分ではない。なぜなら、株取引における重要な問題は、その会社に関する情報がすでに株価に織り込まれているかどうかを見極めることだから!

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    2024年06月13日
  • ファスト&スロー (上)

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    行動心理学の先駆け的な本らしい。訳本の読みづらさはある。正しく判断するためには人間が陥りやすいバイアスを学ばなきゃだめ。

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    2024年05月25日
  • ファスト&スロー (下)

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    下巻はとことん、経済合理性で説明できない意思決定の解明へ。本書の専門用語を用いれば「プロスペクト理論と損失回避性」という事だが、〝損失や期待値が幾らなら賭けに乗るか“という事をアンケートから徹底的に追求し、数値化した点は素晴らしい。人間は、得をしなくても良いから、それ以上に損をしたくない生き物だ。

    ー 損失回避というコンセプトは、心理学から行動経済学への貢献の中で、おそらく最も重要なものだ。また脳は単に象徴的な危険に対しても敏感に反応する。感情的な言葉はすぐに注意を引きつけるし、戦争や犯罪といった危険を払う言葉は、幸福に満ちた言葉よりも早く注意を喚起する。

    死ねば終わり、という事を無意識に

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    2024年05月03日
  • ファスト&スロー (上)

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    ダニエル・カーネマンの本作は楽しみにしていたのだが、読むのが遅く、実際読み始めると、既に聞いたような話ばかり。流行り過ぎて、日本の新書で引用されまくったせいだ。著者に罪は無い。また、原典の良さもある。しかし、大部分ネタバレしている。それでも楽しんで読む。

    脳の思考回路について。システム1は自動操縦モード。システム2は熟慮モード。ヒューリスティックで直感的、かつ低コストで判断が必要なため、通常システム1で物事を考える。しかし、騙されないように慎重にシステム2を作動する。印象論で人を査定する1に対し、客観性や比較により冷静に判断する2。

    人間は生まれた時から、因果関係の印象を受けやすくできてい

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    2024年05月02日
  • NOISE上 組織はなぜ判断を誤るのか?

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    ネタバレ

    # 意思決定の精度に関する秘孔を突いた一冊

    ## 面白かったところ

    - 「狙った的が外れる」という事実は見る切り口を変えたらカテゴライズでき、「バイアス」と「ノイズ」で表現されていて膝を打った

    - 「一晩寝かせるといいアイデアが浮かぶ」というアレの正体の根源が「群衆の叡智」であると力説していて面白い

    ## 微妙だったところ

    - 正規分布や公式など、統計学を始めとした、大きな主語で言う「数学」の知見が多く散りばめられていて難しい

    ## 感想

    組織が正しく前に進むための決断について興味があったため読み始めたが、かなり面白い。

    人間という1単位で見た場合と、組織で見た場合では決断の際

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    2023年10月25日
  • NOISE下 組織はなぜ判断を誤るのか?

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    普段の生活に存在するノイズを具体例を用いて説明してくれているのですごく分かりやすかった。
    ノイズを防ぐためにどうすればいいのか、また、ノイズをなくしていくことでどういったことが起きるのかをよく理解できた。
    きっちりとした成果を出していくためには、ノイズが生じにくい環境作りが大切。しかし、ノイズが皆無であれば、システムが崩壊する可能性もあると思った。
    いいバランスでノイズを削減していくことが重要である。

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    2023年06月20日
  • NOISE上 組織はなぜ判断を誤るのか?

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    面白かった。
    ファースト&スローも良かったが、人間の判断の曖昧さ、将来の予測、ノイズやバイアスなどは、自分が判断する時に気をつけなければならない。
    最初の発言者に、意見が引っ張られると言うことは、経験的にある。
    尺度ノイズについてはもっと勉強しないといけない。

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    2023年05月29日
  • 「バカ」の研究

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    面白い。
    著名な学者達によるバカに関する意見・研究を真面目に集めた一冊。
    身に覚えがあったりすると冷や汗ものだが…

    まだまだ半分くらい読んだだけ。
    ゆっくりとバカを楽しませて頂く予定です。

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    2023年05月04日
  • ファスト&スロー (下)

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    読みやすいけど、腑に落ちる感覚があまりない。

    人間の思考について書かれているが、応用先が思いつかなかった。

    上下巻共に読むのに時間をかけすぎた。
    一気に読破すると見えてくるものがあるかもしれない。

    とりあえず寝かせて、数年後にでも戻ってきたい。

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    2023年04月11日