ダニエル・カーネマンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
行動経済学という学問をまさしく一般に普及させた立役者の一人といえば、『ファスト&スロー』等の著作で知られるダニエル・カーネマンであろう。彼が、ナッジ理論の理論的中枢もであるキャス・R・サンスティーンらと記した新作にあたり、行動経済学の新たな世界が開けた、といっても過言ではない面白さに満ち溢れている(私はこの本をコロナワクチン3回目接種の副反応で寝込んだベッドの中で読み通してしまった。そのくらい面白い)。
行動経済学の定義は幾つかあると思うが、オーソドックスな定義の一つは”人間の不合理な行動やエラーというのはなぜ起きるのかを解き明かす学問”であるというものではないか。その際によく言及されるのが -
Posted by ブクログ
上巻の方では、ノイズとは何かについて紙幅が割かれていた。
今回の下巻の方では、ノイズを防ぐ方法について言及されている。
本書(上下両巻)を読んでいくと「ノイズは厄介だ!良い判断をするためにも、全ての意思決定プロセスを厳しく取り決めよう!」という発想に陥りやすい。たしかに、筆者たちは「判断ある所にノイズあり」と繰り返し訴えている。ノイズが意思決定において好ましくない存在であることはその通りなのだ。その領域が、医療業界など、専門性の高い分野なら尚更のことである。
しかし、全ての判断をアルゴリズムやAIに委ねることも危険だと筆者らは言う。結局のところ、最終的な判断は人によって下されることが望ましい。 -
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Posted by ブクログ
行動経済学に興味がある人ならきっと聞いたことのある本であるし、そうでなくとも、出てくる話や実験をどこかで耳にしたことがある人は少なくないはず。
でも、そんなことは抜きにぜひ読んでほしい一冊。掛け値なしに面白い。
直感や熟考といった私たちの様々な思考の形態が、実際のところどんな働きをしているのか。
数々のユーモアあふれる実験結果とともに、筆者が紐解いてくれる。
読み進めるうちに、自分の身近な例で思い当たることも色々と出てきて、より引き込まれるだろう。
余談だが、上下巻としてもかなりのページ数と文章量があり、正直なところ物理的にそれなりに重い。
比較的平易な翻訳がされているので、手段があるなら -
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ジャン゠フランソワ・マルミオン / セルジュ・シコッティ / イヴ゠アレクサンドル・タルマン / ブリジット・アクセルラッド / アーロン・ジェームズ / エヴァ・ドロツダ゠サンコウスカ / ダニエル・カーネマン / ニコラ・ゴーヴリ / パトリック・モロー / アントニオ・ダマシオ / ジャン・コトロー / ライアン・ホリデイ / フランソワ・ジョスト / ハワード・ガードナー / セバスチャン・ディエゲス / クローディ・ベール / ダン・アリエリー / ジャン゠フランソワ・ドルティエ / ローラン・ベーグ / アリソン・ゴプニック / デルフィーヌ・ウディエット / ジャン゠クロード・カリエール / ステイシー・キャラハン / トビ・ナタン / 田中裕子3.7 (26)
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ジャン゠フランソワ・マルミオン / セルジュ・シコッティ / イヴ゠アレクサンドル・タルマン / ブリジット・アクセルラッド / アーロン・ジェームズ / エヴァ・ドロツダ゠サンコウスカ / ダニエル・カーネマン / ニコラ・ゴーヴリ / パトリック・モロー / アントニオ・ダマシオ / ジャン・コトロー / ライアン・ホリデイ / フランソワ・ジョスト / ハワード・ガードナー / セバスチャン・ディエゲス / クローディ・ベール / ダン・アリエリー / ジャン゠フランソワ・ドルティエ / ローラン・ベーグ / アリソン・ゴプニック / デルフィーヌ・ウディエット / ジャン゠クロード・カリエール / ステイシー・キャラハン / トビ・ナタン / 田中裕子3.7 (26)
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ジャン゠フランソワ・マルミオン / セルジュ・シコッティ / イヴ゠アレクサンドル・タルマン / ブリジット・アクセルラッド / アーロン・ジェームズ / エヴァ・ドロツダ゠サンコウスカ / ダニエル・カーネマン / ニコラ・ゴーヴリ / パトリック・モロー / アントニオ・ダマシオ / ジャン・コトロー / ライアン・ホリデイ / フランソワ・ジョスト / ハワード・ガードナー / セバスチャン・ディエゲス / クローディ・ベール / ダン・アリエリー / ジャン゠フランソワ・ドルティエ / ローラン・ベーグ / アリソン・ゴプニック / デルフィーヌ・ウディエット / ジャン゠クロード・カリエール / ステイシー・キャラハン / トビ・ナタン / 田中裕子3.7 (26)
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Posted by ブクログ
システム1とシステム2。速い思考と遅い思考。意思決定を行う際にわれわれは直感による速い思考を行っている。直感の出番がない場合には論理で考える。これが遅い思考である。直感は自動的に連想を働かして結論をだす。それは論理的思考でもないし統計的思考でもない。ただうまくストーリーができていればよい。われわれはそれを自信をもって正しいと思い込む。ちゃんと論理的思考の出番があれば間違わなかったはずの結論も直感を信じたために間違えた結論を下す。また思考には色々なバイアスがあり、それによって間違った結論を出してしまう。このようにわれわれの意思決定の仕組みを解き明かした心理学者にしてノーベル経済学賞受賞者の一般読
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Posted by ブクログ
マイケルルイスの本の主人公であるダニエル・カーネマンによる人間の意思決定の研究を解説した本である。
マイケルルイスの本を読んだ後だけに、すんなりと読むことができた。実際、ルイス本は、本書の抜粋ではないかと思うくらいだ。
人間の意思決定は、直感的で感情的なファースト思考のシステム1と、意識的で論理的だが怠惰なロー思考のシステム2から成ると説いている。そこから本書の題名が来ている。
様々な例を挙げてそれを説明するが、自身でも心当たりのあるケースもあり、十分説得力がある。なにしろノーベル賞を受賞しているのだ。
もっと本書を読み込んで、自分の行動や思考を分析し、難しいかもしれないが自分を変え -
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Posted by ブクログ
下巻では、上巻で述べられた認知バイアスのフレームを受けてさらに議論が進み、一般的傾向としての「自信過剰」の問題と、実はそれが資本主義の原動力になっていることや、計画の錯誤、保有効果、稀少確率の過大評価、メンタル・アカウンティング、感情フレーミング、「経験する自己」と「記憶する自己」の2つの自己、物語として記憶される人生、幸福の基準などなど、どれをとっても興味深い話題がてんこ盛り。おもしろくて最後まで一気に読み通しましたが、読み流して終えてしまうにはもったいない深い話ばかりでした。
この手の話題は、年齢を重ね、経験を経るに連れて一層理解が深まるように思いますし、いずれ時間を経てぜひまた読み返して -
Posted by ブクログ
元々行動経済学は非常に興味を持っていた分野で、その創設者でノーベル経済学賞受賞者のカーネマン自身の書いた本ということで、非常に期待を持って読み始めましたが、期待に違わぬ面白さ。長い本でしたが、一気に読み通しました。上巻の第1章では、この本の表題になっている「速い思考」(直感)と「遅い思考」(熟考)の特性や意思決定における役割などが述べられていましたが、これは行動経済学の文脈ではこれまであまり聞いたことがなく、興味深く読みました。
第2章のヒューリスティクスとバイアスはこれまでたっぷり読んできた話でしたが、これまであまり知らなかった例や考え方も豊富に取り上げられており、こちらも勉強になりました。 -
Posted by ブクログ
著者ダニエル・カールマンは2002年のノーベル経済学賞を受賞した心理学者である。
本書は氏の研究業績が上下2冊に収められており、下巻は「自信過剰」「選択」「二つの自己」の3テーマからなる。いずれも、経済学が想定する合理的な「エコン」と現実の「ヒューマン」がとる行動の違いを解き明かしている。
「エコン」は自信過剰にならないし、矛盾する選択もしないし、自己は一つである。すなわち、エコンは一貫性がある。
だがヒューマンは一貫性をもたない。どういった場合に一貫性が損なわれやすくなるのかを、本書は様々な実験結果を踏まえて解説する。
・自信過剰が起こるのは、不都合な要因の過小評価・手持ちの情報の過大評 -
Posted by ブクログ
著者のノーベル賞に繋がったプロスペクト理論についても登場する下巻。下巻は特に意思決定におけるバイアスの除去について重要な知見を与えてくれます。経営者、実業家、会社の幹部の人たちは当然知っておくべき知識だと思いますが、あまり浸透していないのかな。
逆に広告代理店や弁護士、代議士なんかは、この辺りの知識を巧みに使って商売してるのだから、世の中ちょっと怖いな、と思いました。つまり、バイアスを避けるためではなく、意図的にバイアスの罠にハメるような応用しかされていない。ちょっと表現を変えるだけで、一般人の判断を麻痺させる事ができるわけだから、ちょっとした殺戮器官ですよね。
それこそ義務教育で主要科目 -