林昌宏のレビュー一覧
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これからの教育
500ページ近い本書の内容は歴史的背景も含め世界の「教育」に関する盛り沢山の情報書だ。また、後半では近未来の教育の姿、予測など「第3のシナリオ」など実に興味深いものがある。その中で興味を持ったのはデジタル化・電子化による急変する教育環境だ。特にネット社会が生み出す「学校」が様変わりする予測(仮想現実の在宅教育)、それも思考能力、創造力等を育む反転反復授業など年齢問わず受講し、伝達(生徒であり教師なる)できる仕組みなど教育の世界は変貌するのは間違いない。現実「プロゲーマー」は既に職業として位置を確立しており、そこに博士号などの学位が必要だろうか。現在この競技人口は世界に1億3千万 -
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2024/09/19「教育の超・人類史」Jacques Attali ☆☆
「人類の教育史」500頁の超大作。日本では生まれない壮大な試み。
教育の全てが世界レベルで語られるスケールの大きさに圧倒されるとともに、人類にとって「教育」は権力者の支配を支える道具であり、「いつも未完の制度」という深刻な状況にある指摘に驚かされた。
1.教育=知識は権力・権威の基盤
①軍事・宗教・政治
②専門プロフェッショナル 医療・法律
③職人 組合ギルドで結束
④女性は家事 出産・育児も
動物にも教育はある 狩り・防衛 +本能 文字はない
2.「知の体系化
(1)かって権力者は知を独占・統制「教育の暗黒時代-15 -
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経済学=希少なモノの生産、所有、交換、管理の学問 未来に役に立たない
偽りのノーベル賞=経済学賞 経済学≠「世界の取扱説明書」
世界を形成するのは 慣行(常識)と歴史
11世紀~ 帝国秩序から商秩序へ 9の「形態」と「心臓」
1.ブルッヘ 1250‐
すべての「心臓」(中心都市)は欠乏の産物である
2.ヴェネツィア 1348-
権力を確約してくれる軍隊を維持する資金を工面できなくなると心臓は疲弊する
3.アントウェルペン 1453-
心臓はエネルギー、コミュニケーションのイノベーションで権力を把握する
4.ジェノヴァ 1550-
心臓になるには金融 -
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利他主義の定義が日本ではややこしいことになってきた(中島岳志の参入で)ので、アタリのいう「合理的利他主義」をきちんと知っておこうと本書を購入。少し前の出版なので書店で探した。
斎藤幸平の「人新生の資本論」を読んでからというもの、気候変動がそこまで深刻なのか、社会の仕組み自体を変革しなければいけないのか、と、近未来を予想した本を何冊か立て続けに読んだ。
ここに書かれているものとほぼ変わらない。というか、2016年にフランスで出版され、しかもアタリの著書なので、これが元本といっていいのかもしれない。
で、希望は無い。
しかも、2016年に書かれた予想が、ことごとく当たっていることもまた、希望を -
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フランスの思想家で、サルコジ大統領の諮問委員会通称「アタリ政策委員会」の委員長を務め、オランド大統領への政策提言や、何よりアタリ政策委員会を通してフランス政治に大きな影響を持つジャック・アタリ。本書は、世の中への警鐘を鳴らすために、最近としては珍しく世界に対して悲観的な近未来予測をたらふく書いている。
原題の”Vivement après-demain”は、「明後日が待ち遠しい」といった意味なのだが、それは、きれいごとも含めてこの本の最後にフランスおよび世界に対して提言を行っていて、われわれならできるとこの本は締められているからだ。2016年にフランスで出版されているので、およそそこから15年 -
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2016年にフランスで出版され翌年日本で出版、2020年に読み始めたため、内容に少しギャップを感じるところもあったが、文中に幾度もウイルスによる世界的ダメージが発生する可能性を示唆しており、それが正に進行している中で読み進めていたため、驚かされることとなった。
この書籍は「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」で書かれていたように、様々な数値を元に書かれていることと合わせて、人それぞれ、民族それぞれがもちあわせる、それぞれの歴史的な流れなどからどのように思考すし、どのように判断が行われるかが書かれている。
よって、今後の世界情勢については楽観視ではなく、か -
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ジャック・アタリさんは新しいウィルスによるパンデミックを警告し続けてきた。そこへ今年2020年のコロナ・パンデミックが到来し、未曾有の社会的混乱が引き起こされた。
本書は都市封鎖による自宅待機のあいだに書かれ、6月にフランスで出版されたものに、恐らく7月に加筆されたものを和訳し、10月にプレジデント社から出版されたものである。まさに風雲急を告げる渦中に執筆されたわけで、世界中でのパンデミックの事態はその後も刻々と変化してきているため、こんな早期にコロナ禍に関する著書を出してしまってよいものかどうか、アタリさんも迷ったようだが、すぐにでも公開したいメッセージがあったと思われる。
世界各国に -
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欧州最高峰の知性などと呼ばれている作者のことは恥ずかしながら名前だけ聞いたことがある、程度だったのだけど凄い人なんですな…「政治・経済・文化に精通することから、ソ連の崩壊、金融危機の勃発やテロの脅威などを予測し、2016年の米大統領選挙におけるトランプの勝利など的中させた」んだそうで欧州のエリートって桁違いだったりするしね。そんな人が語る食の歴史はいかなるものか、という興味だったのだけど…確かに食の歴史、については語っているがそれは前置きに過ぎず極論すればいろんな歴史家の言ってることをサマライズしただけであって本当に作者が言いたいことは後半の三分の一くらいにある。つまりこのままでは人類の食は保