林昌宏のレビュー一覧

  • スマホ・デトックスの時代:「金魚」をすくうデジタル文明論

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    「スマホを捨てよ(、町へ出よう)」を、フランス人らしいエスプリ(=黙示録的にもって回った大仰な表現)でプラットフォーム運営者・スマホユーザ双方に訴えるのだけど、前者が自らに規制などかけるはずもなく、後者の圧倒的多数は映画「マトリックス」のサイファーだろう。進んで仮想現実=培養槽にとどまるのか、自らの時間を大資本に養分として啜られていることに気付いてレジスタントを始めるのか、青い薬と赤い薬が差し出されている。

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    2024年08月02日
  • 世界の取扱説明書――理解する/予測する/行動する/保護する

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    壮大なタイトルがイメージするほど、難しくもなく分量もコンパクトにまとめられているが、一ページ毎に読み応えのある内容が散りばめられている。とりわけ、2050年に向けての致命的な脅威として、気候、超戦争、人口化をあげており、これらの脅威にどう向かうかあらゆるコミュニティで議論すべきだと言う。自分毎として考えてみると、日々のニュースの見方も変わるだろう。面白い本だった。

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    2024年06月09日
  • 世界の取扱説明書――理解する/予測する/行動する/保護する

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    経済学=希少なモノの生産、所有、交換、管理の学問  未来に役に立たない
     偽りのノーベル賞=経済学賞  経済学≠「世界の取扱説明書」 
     世界を形成するのは 慣行(常識)と歴史

    11世紀~ 帝国秩序から商秩序へ 9の「形態」と「心臓」
    1.ブルッヘ     1250‐
     すべての「心臓」(中心都市)は欠乏の産物である
    2.ヴェネツィア   1348-
     権力を確約してくれる軍隊を維持する資金を工面できなくなると心臓は疲弊する
    3.アントウェルペン 1453-
     心臓はエネルギー、コミュニケーションのイノベーションで権力を把握する
    4.ジェノヴァ    1550-
     心臓になるには金融

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    2024年01月29日
  • 世界の取扱説明書――理解する/予測する/行動する/保護する

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    サステナ的な話はよく聞くが、こんなことになってるのか、、、と衝撃を受けた
    分かっていても自己都合を優先してしまい滅びの道へ向かってしまうんだろーなと感じつつ、ブロックチェーン等のテクノロジーを活用して環境に配慮した行動を正しく評価し、矯正していくしかないのかなと感じた

    あと、最初に定義される言葉がずっと後半に出てくるが、その言葉の定義が難しい

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    2023年12月17日
  • 命の経済――パンデミック後、新しい世界が始まる

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    パンデミック流行の直後にここまでのことを書ける頭脳に素直に驚く。さすが知の巨人。

    歴史や世界の他の事例に学び、問題の本質は何かを突き止め、戦略を描いて対処することの重要性と、それができていない政治が多すぎると素直に感じた。

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    2023年02月23日
  • 2030年ジャック・アタリの未来予測―不確実な世の中をサバイブせよ!

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    利他主義の定義が日本ではややこしいことになってきた(中島岳志の参入で)ので、アタリのいう「合理的利他主義」をきちんと知っておこうと本書を購入。少し前の出版なので書店で探した。

    斎藤幸平の「人新生の資本論」を読んでからというもの、気候変動がそこまで深刻なのか、社会の仕組み自体を変革しなければいけないのか、と、近未来を予想した本を何冊か立て続けに読んだ。
    ここに書かれているものとほぼ変わらない。というか、2016年にフランスで出版され、しかもアタリの著書なので、これが元本といっていいのかもしれない。

    で、希望は無い。
    しかも、2016年に書かれた予想が、ことごとく当たっていることもまた、希望を

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    2023年01月03日
  • メディアの未来――歴史を学ぶことで、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、SNSの未来は導き出せる

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    メディアの歴史を、先史時代まで遡り大観した上で、来るべき未来像、およびこれに対してどう対処すべきかを提言する。
    大半が歴史に関する叙事的な記述であるため、正直退屈さは否めないものの、最後の2〜3章におけるメディアの本質を抉り出す論考、未来予測を紡ぎ出す慧眼は、圧巻の一言。前書きにあるように、退屈で挫折するくらいであれば、ぱらぱら見出しだけでも読み進めていって、最後の数章のみ精読する読み方が正解かも。

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    2021年12月31日
  • メディアの未来――歴史を学ぶことで、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、SNSの未来は導き出せる

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    メディアを限定した遍歴が示した本。
    技術進歩で概念が変化してきた事実を再認識できた。「今の当たり前が将来の当たり前ではなくなる」といった認識を常に持っておきたい。
    また、各世代でどんなメディアに触れていたかで集団的な価値観が形成されてきたのだといった認識も持てた。

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    2021年11月15日
  • 命の経済――パンデミック後、新しい世界が始まる

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    パンデミックをあらゆる方面から俯瞰し、浮き上がってきた様々な課題を明らかにする。未来のために思い切って空想しながら備えをすることの大切さがわかってくる。命を大切に将来世代の利益のために何をなすべきか考えさせられる。                              

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    2021年10月09日
  • 海の歴史

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    海に関するあらゆることを掻き集めた力作。地球誕生から現在並びに未来予測。
    改めて日本は世界的視野で問題解決、特に環境保全に対する本気度が不足していると痛感。不甲斐ない。
    フランス人の視点を学ぶのは新鮮でとても有意義。

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    2021年08月18日
  • 命の経済――パンデミック後、新しい世界が始まる

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    パンデミックによって空間的にも精神的にも閉じ込められた結果、自由より安全が優先されるようになり、エゴイズムの台頭と格差の拡大を招きあちこちで全体主義の萌芽が…将来世代の行末に思いを馳せて行動することが大事!「自然への敬意、他者が健康であることは自分たちの利益に。動物の健康なくして人類の健康もない。消耗した民主主義」いろいろ考えさせられる。

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    2021年08月08日
  • 海の歴史

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    海洋を軸とする地球の歴史、人類の歴史。
    フランスの7回の挑戦失敗。後半は海の環境問題、海運、漁業経済の考察、気候変動や生物多様性問題などに関する提言。

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    2021年01月03日
  • 2030年ジャック・アタリの未来予測―不確実な世の中をサバイブせよ!

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    フランスの思想家で、サルコジ大統領の諮問委員会通称「アタリ政策委員会」の委員長を務め、オランド大統領への政策提言や、何よりアタリ政策委員会を通してフランス政治に大きな影響を持つジャック・アタリ。本書は、世の中への警鐘を鳴らすために、最近としては珍しく世界に対して悲観的な近未来予測をたらふく書いている。
    原題の”Vivement après-demain”は、「明後日が待ち遠しい」といった意味なのだが、それは、きれいごとも含めてこの本の最後にフランスおよび世界に対して提言を行っていて、われわれならできるとこの本は締められているからだ。2016年にフランスで出版されているので、およそそこから15年

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    2021年01月03日
  • 2030年ジャック・アタリの未来予測―不確実な世の中をサバイブせよ!

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    2016年にフランスで出版され翌年日本で出版、2020年に読み始めたため、内容に少しギャップを感じるところもあったが、文中に幾度もウイルスによる世界的ダメージが発生する可能性を示唆しており、それが正に進行している中で読み進めていたため、驚かされることとなった。

    この書籍は「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」で書かれていたように、様々な数値を元に書かれていることと合わせて、人それぞれ、民族それぞれがもちあわせる、それぞれの歴史的な流れなどからどのように思考すし、どのように判断が行われるかが書かれている。

    よって、今後の世界情勢については楽観視ではなく、か

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    2021年01月02日
  • 命の経済――パンデミック後、新しい世界が始まる

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     ジャック・アタリさんは新しいウィルスによるパンデミックを警告し続けてきた。そこへ今年2020年のコロナ・パンデミックが到来し、未曾有の社会的混乱が引き起こされた。
     本書は都市封鎖による自宅待機のあいだに書かれ、6月にフランスで出版されたものに、恐らく7月に加筆されたものを和訳し、10月にプレジデント社から出版されたものである。まさに風雲急を告げる渦中に執筆されたわけで、世界中でのパンデミックの事態はその後も刻々と変化してきているため、こんな早期にコロナ禍に関する著書を出してしまってよいものかどうか、アタリさんも迷ったようだが、すぐにでも公開したいメッセージがあったと思われる。
     世界各国に

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    2020年12月12日
  • 食の歴史――人類はこれまで何を食べてきたのか

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    #flier
    世界の人が栄養のある食事をとれるためにはどのようにすればよいか…
    アフリカの人々は、肥満の人が多いが、栄養不足の食べ物を多くとっているからときいたことがある

    今後の世界の重要なテーマだと思う

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    2020年12月06日
  • 食の歴史――人類はこれまで何を食べてきたのか

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    欧州最高峰の知性などと呼ばれている作者のことは恥ずかしながら名前だけ聞いたことがある、程度だったのだけど凄い人なんですな…「政治・経済・文化に精通することから、ソ連の崩壊、金融危機の勃発やテロの脅威などを予測し、2016年の米大統領選挙におけるトランプの勝利など的中させた」んだそうで欧州のエリートって桁違いだったりするしね。そんな人が語る食の歴史はいかなるものか、という興味だったのだけど…確かに食の歴史、については語っているがそれは前置きに過ぎず極論すればいろんな歴史家の言ってることをサマライズしただけであって本当に作者が言いたいことは後半の三分の一くらいにある。つまりこのままでは人類の食は保

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    2020年11月16日
  • 2030年ジャック・アタリの未来予測―不確実な世の中をサバイブせよ!

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    《アタリはアタる》

    というのが、以前から私がなんとなく感じていたことだった。
    以前に読んだ本には、近い将来世界的なパンデミックが起こるとあったが(『危機とサバイバル』)、すでに新型ウィルスが世界を席巻したのは周知の事実である。

    そんなこともあり、2030年まであと10年となった今、ジャック・アタリはこれからの10年をどのように見るだろうかというのは興味のあるところであった。

    本書の後半へ読み進むにつれて暗雲垂れ込め、第三章に至って愕然とした。
    えええええ!!!、、、世界はそんなことになっちゃうの!?
    という話が次々出てきて圧倒されたからだ。にわかに信じがたいストーリーを前に、こんなものは

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    2020年09月21日
  • 2030年ジャック・アタリの未来予測―不確実な世の中をサバイブせよ!

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    表紙の袖に書かれている『「起きるわけがない」と決めつけても、どんなことだって起こりうる。そうした最悪の事態を予測することこそが、最悪を回避する最善の手段なのだ』という言葉が全てを物語っている。
    随所に先見性が見られて参考になる。が、数字での解説が多いので把握しずらい。

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    2020年07月31日
  • 2030年ジャック・アタリの未来予測―不確実な世の中をサバイブせよ!

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    現代版ノストラダムスの大予言。ただ、ちゃんと統計データに基づいている。利他的に生きること。これは、企業も大事。

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    2019年07月03日