ジャック・ケッチャムのレビュー一覧

  • 冬の子 ジャック・ケッチャム短篇傑作選

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    スティーブン・キング好きならとオススメされた初ケッチャム。ホラーやバイオレンス、ゾンビ、サスペンス、ミステリーなどいろんなジャンルの作品集が19もあるので感情が忙しかった。一番のミステリーは、著者のポストカードが特典?で入っていたこと。

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    2025年03月19日
  • 冬の子 ジャック・ケッチャム短篇傑作選

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    これだけ旺盛に短篇も仕上げていたのだから本国には当然、我々の目に触れていない未邦訳の作品もたくさんあるのだろう。中には結末で首を傾げるような作品もあるが、目につくのはオフビートな日常に突然起こる暴力と、気づくと地獄にいるような展開である。表題作はそれが特に際立っている。
    死後、皆がケッチャムの事を忘れない(忘れられない)のはその作品が強烈なまでの存在感を発揮しているからだ。改めて、惜しい人を亡くしたのだと悲しくなった。

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    2025年02月02日
  • 黒い夏

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    何年かぶりに再読したが、しんどい作品である。
    銃撃事件の被害者が死亡し、中年刑事が犯人と目していた若者に圧力をかけていくが。
    この事件の加害者が暴力と性を衝動的にしか解消出来ず、圧力をかけられた事で狂気をさらに加速させていく様がじわりと怖い。言ってしまえば、感情と衝動、暴力だけが人の皮を来て歩いているだけの人間なのだ。
    歴史的事件とオーバーラップさせて事件の陰惨さを描く手法も見事で背筋が凍りつく。これぞケッチャム。残酷小説の星である。

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    2024年07月21日
  • 隣の家の少女

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    嫌悪感、不快感、胸くそ悪さ、吐き気を欲しければケッチャムを読むべし!


    メグとスーザン姉妹は両親を交通事故で亡くし、三人の息子を女手ひとつで育てているルースに引き取られる
    両親を亡くした姉妹はそこで心の傷を癒やし幸せな生活を送る、、、





    はずがあるかーい!!!


    だって、この物語を書いているのはケッチャムですよ!
    ケッチャムがそんな心温まる話を書くはずがあるかい!


    なぜ!?なぜ!?なぜーーーーっ!?
    メグが一体何をしたの!?
    なぜこうなるの!?


    可哀そう、、、
    耐えられない、、、
    とかいうレベルの話でないです


    監禁、虐待、暴行のオンパレード
    少女の身も心もボロボロになっ

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    2024年04月23日
  • 隣の家の少女

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    ネタバレ

    かなり壮絶で、でもこういった酷い事件は日本にもあるし、身近な事でもあると思わされる小説でした。大人ですら心から信用してる人達の行動には知らず知らず同調してしまい、自分に言い訳をしたりして目が覚めるのが遅れることはあると痛感しているので、デイビットの気持ちも凄くリアルに感じました。心に残りました。

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    2024年03月09日
  • 隣の家の少女

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    ネタバレ

    お勧めされて読んだ本。
    非常に後味が悪く、生理的嫌悪と恐怖に顔を顰めつつも、一気に読んでしまった。
    アメリカの片田舎の平和な日常の描写から始まった物語は徐々に不穏さが滲み出ていき、「誰にも言ってはならない」というキーワードをもとに際限なくエスカレートしていく。
    暴走した列車のようにどこまでも行き着くところまで行ってしまった恐怖と、ヤンチャだが気のいい仲間だと信じていた仲間たちが止まらない怪物だったときの絶望、傍観者として一部始終を眺めたデイヴィッドに対する嫌悪と憐憫。

    残虐で後味の悪い作品だが、臨場感がすごく非常に読ませる力のある作品だった。

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    2024年02月03日
  • 隣の家の少女

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    一部で非常に有名な本作。文庫で400ページほどありますが、悪いことにすらすら読めてしまう。
    語り手であるデイヴィッドが「いったいぜんたい、わたしはいつ堕落したのだろう?」と言った瞬間、最初っからだよ!と悪態をつきたくなるくらいには登場人物みんな嫌いになること請け合い。終盤あたりに「ママはこのごろ、ちょっとおかしいんだ」とドニーが言ったときなどどうしてやろうかと思いました。酷い描写は勿論、些細な会話も胸糞具合が秀逸です。

    そして訳者あとがき。「読者が共感できる人物」としてメグ、スーザン、デイヴィッド!の名前を出し「善が悪に必死の対抗を試みる」と。
    胸糞界隈では、あんなことをして最高にぞくぞくし

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    2024年01月25日
  • ザ・ウーマン

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    ネタバレ

    これこれこれーーー!!
    エログロスプラッターの最高峰「オフシーズン」、その続編「襲撃者の夜」、そしてシリーズ第3作となる本書、私が敬愛するケッチャム大先生の作品、This is ケッチャム!!

    ここ最近、休日の度に天空図書室へ通い、空を眺め、美しい写真集等を手にしてきました。

    でも、でもですね、私の中にはしっかりと存在し続けているんです。
    人混みに紛れ、静かな空間でひっそりと息を潜めていたブラックヒボが(笑)
    ヒィーッヒッヒッヒッヒーーーーッ(`✧∀✧´)キラーン!

    本書は本筋となる「ザ・ウーマン」とその後を描いた短編「カウ」の2部構成。

    「ザ・ウーマン」はホラー映画の鬼才ラッキー・マ

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    2023年11月14日
  • 隣の家の少女

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    気持ち悪いけど先に進まないと気が済まないような感じで一気に読んだ。読んだ後ずっと嫌な気分になるから人には勧められない。
    人を助けるのは簡単じゃない、まして子どもなら。
    恐怖を感じながらも読み進めてしまうのは、自分もそうなる可能性があるから。普通に起こることだから。みんなディビットになるし、ルースにさえなる。

    読むんじゃなかったと書いてる人多い。激しく同意。なんで読んだんだろ。

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    2023年07月30日
  • 隣の家の少女

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    ネタバレ

    衝撃的。

    時代とお国柄の違いがあるため、違和感を覚える箇所もありますが、人が狂っていく様を見事にストーリー化していると思いました。

    『ゲーム』と称して虐待がエスカレートしていく様子、思考停止状態の傍観者、コントロールしているはずのルースがもともと精神を病んでいるため、歯止めがきかなくなる様子…

    ノンフィクションかと思うほど、説得力がありました。

    主人公は最後に自我を取り戻せてよかったと思いますが、消えない心に傷はずっとずっと残ります。

    ルースも結局は自分自身の問題をメグに押し付けてしまっていました。事件後に生きていたら、どんな運命を辿るのか気になりましたが、幸か不幸か裁かれることなく

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    2023年06月25日
  • 隣の家の少女

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    なんだこれ。狂騒とスリルがのしかかってきて、体が重圧を受ける。けれど、読む手を止められなかった。
    強烈なパワーが渦巻く一冊だった。久しぶりの感覚に陥った読書体験だった。えげつない。

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    2023年04月13日
  • オンリー・チャイルド

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    ネタバレ

    久々のケッチャム作品。

    相変わらず胸糞悪い。

    なのに手にしてしまう。

    ナゼか?

    私が頭の狂ったサイコパス、シリアルキラー物が好きだからであり、本作がケッチャム作品だから。

    以前読み終えた同じくジャック・ケッチャム著「隣の家の少女」を彷彿させられました。






    説明
    内容(「BOOK」データベースより)
    アーサーとリディア。二人が出会わなければ、こんなことには…。1953年、アーサーはこの世に生を受けた。母親からの虐待を受けながら育ったアーサーは、狡猾な悪ガキへと成長していった。大人になってからも、アーサーは邪悪な感情を秘めたままだった。その後、内気な女性リディアと知り合い、彼女

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    2023年02月14日
  • 隣の家の少女

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    ネタバレ

    これは本当に読むのがしんどくて、途中までは数ページずつ細切れにしか読むことができなかった。
    文章が難しいわけではなく、逆に文章は読みやすく、クリアに状況がイメージできてしまうからこそ、辛くてしんどくて読み続けることができなかったのだ。

    語り手は12歳の少年。
    自然に囲まれた郊外で、近所に住む友達と毎日遊び戯れることが日課だったデイヴィッド。
    彼の隣の家に、両親を交通事故で亡くしたメグとスーザン姉妹が引き取られてきた。
    3歳年上の美しくて勇敢なメグにデイヴィッドはすぐに惹かれたのだけど。

    隣と言っても日本の家のように建物が密集しているわけではないので、家は一種の密室になる。
    隣の家には夫に逃

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    2022年04月25日
  • 隣の家の少女

    購入済み

    誤字、脱字があまりに多すぎる。

    全体的に割と良くできていて、リョナ耐性が備わってさえいればそこそこ楽しめる作品です。主人公の計画力の無さや登場人物のモラルの欠如具合等、設定があまい部分は作中所々見受けられますが、ギリギリ読み手の自己解釈で何とかなる程度なので、作品を楽しむ上では邪魔にならないです。しかし…誤字脱字、翻訳ミス等があまりにも多く、感情移入の妨げになります。エディターは本当に仕事をしているのでしょうか?どうであれ、読んでいて気持ちの良い物では無いので、早く直す事をお勧めします。

    #切ない #ダーク #ドキドキハラハラ

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    2022年03月28日
  • 隣の家の少女

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    ネタバレ

    こんな衝撃的な本を読んだのは初めてです。
    デイヴィッドを通して事細かに語られる物語は、実話なのかと思うほど生々しく痛々しく、顔を顰めながら読んでしまうほどでした。

    日に日に残虐さを増していくメグへの虐待を見ることから逃げ出したい・助け出したい気持ちと見ることを辞めたくない気持ちが葛藤して、全てが終わった現在では人生で1番後悔し懺悔しているデイヴィッド。

    私たち読者も文章を通してデイヴィッドと同じように、日に日に残虐になっていく虐待の様子を少しずつ読み進め、終わったときには後味の悪さ、時には読んだことへの後悔が残るかもしれません。


    とにかく残虐でグロテスクで吐き気を催す描写も少なくなく、

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    2022年02月23日
  • 黒い夏

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    やっと終わったって感じです
    約600ページの作品
    過去の殺人を犯した男
    当時の被害者で生き残った一人の女性も4年後の
    現在死んでしまう
    あとは刑事が男をどのように追い詰めるかの
    展開なのかなと思ったがそうではなかった
    終盤の展開はやっぱケッチャム でした

    にしても読むのに長くかかってしまいました

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    2021年09月11日
  • 老人と犬

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    ホラー小説界の異端児ケッチャムは、稀代の問題作「隣の家の少女」(1989)で精神的加虐性を極限まで抉り出し、読み手の度肝を抜いた異能の作家だ。1995年発表の本作は、そのイメージを引き摺ると肩透かしを食らう。結論から述べれば、実に余韻の深いノワール・タッチの小説で、この作家の底知れなさに驚嘆した。他の作品で顕著な不快感を煽る過激且つ過剰なサディズム嗜好は抑えられており、暗流にあった屈折した抒情性をストレートに表出している。私見だが、これこそケッチャムの本質なのではないかと感じた。

    老いた男は、町外れの川で釣りを楽しんでいた。傍には長年連れ添った愛犬。そこへ見知らぬ少年三人が近付く。最年長と

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    2021年05月19日
  • 隣の家の少女

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    後味悪い本で検索して出会った本でした。もうこれは何とも言えません…。とてもじゃないけど、私は一気読みできませんでした。これ程までに読んでいて痛々しい本はありません。

    実話に基づいてるとの情報も聞き、その事件についても調べるキッカケとなりました。被害者の気持ちを思うと言葉が出ません。ですが、このような事件が世の中に起こっていたという歴史を知ることができた点では、この本に出会えてよかったと思っています。でも、私にはもう読めないかもしれません…(笑)

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    2022年06月25日
  • オフシーズン

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    スプラッター映画や食人族などのカニバリズムが好きな人なら楽しめる小説。しかし、内容が内容だし変態と思われる可能性も大いにあるので大きな声でお薦めなどはしにくい小説でもある。またこの手の表現に慣れていない人が読むにはハードすぎる。

    作者自身があとがきで70年代のホラー映画の影響を受けてると語っている通り若者が旅行先で襲われるアメリカ映画にありがちな設定。序盤は状況説明などが続くので若干退屈に感じた。中盤以降は前半は何だったのかと言わんばかりに一気に話が進む、いやむしろ展開が早すぎて戸惑う。しかも、まさかの主役だと思われたカーラの早すぎる退場、ここの描写で一気に世界観が加速する。グロすぎる表現に

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    2020年12月26日
  • 隣の家の少女

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    なかなか手に取る機会が無く積読化されていましたがとうとう読んでしまった....。

    メグの美しさと逞しさ、完璧過ぎない姉妹愛。
    そして邪悪に反抗出来ない、抗いもしない少年達と邪悪にひたすら支配されているルース夫人。
    物語の尺は短い物の、徐々に形を生してゆく残酷さはとてもテンポが良く終始ダークなどんよりとした雰囲気なのに常に先が気になる指筋泣かせの恐ろしい作品だった。

    海外サスペンスならではのベースが狂人。そしてそれがとてもリアルに感じる恐怖。どうして彼等は狂人なのか、なんてどうでも良いのだ。ひたすらこれから起こる悲劇を待ち受ける読者。これぞエンターテインメント。

    ー残酷なのに、どこか切なく

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    2022年03月02日