ジャック・ケッチャムのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
圧倒的に過去一胸糞悪い作品だった。
胸糞悪いで有名な本作だが、噂以上に想像を遥かに超えてきた。
ひっどい話だよ…これは。。。
読んでてここまで救いがなく、胸糞悪い読書体験は初めてだった。目も当てられない仕打ち……
暴力描写、精神攻撃、拷問、脅迫などなどの、ありとあらゆる残虐非道な行為が読み進めるたびにエスカレートしていく。読みやすいが故にスルスルと内容が頭に入ってきて読むに耐えない。。。
1958年の夏。わたし(デイヴィッド)は隣の家に引っ越してきた美しい少女メグと出会う。両親を亡くしたメグとその妹は叔母のルースの家に預けられる。しかし、次第にルースによる残虐な虐待が始まり、それはどんどんエスカレートしていく一方で……。
ルースを軸にその取り巻きの登場人物全員に不快感を覚える。当の主人公はメグに対する同情を覚えつつも、ルースの支配下の中では集団心理が働き、事態は一向におさまらない。傍観しているようで、加担してしまっているような状態があまりにも自然でリアルすぎる。
罪から逃れてるようで、"傍観"という行為もどれだけ罪が大きいのかを思い知らされた。
実際にあった事件をベースにしており、この世界のどこかであったり、過去に起こった有名な事件の背景には、今作のように残虐な行為が行われていたのだと思うと、読後に深く考えさせられた。。。
軽い気持ちで人にはお勧めできないが、間違いなく実際に起こっている事でもあるため、鬱耐性がある人は読んでみるべきだろう。
しばらく読後の喪失感が消えない、、、
名作ではあると思うが、もう二度と読みたくない!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ強く強く心に残ったけれど、名作だと思うけど、もう読み返したくない。
ヒロインを虐待するチャンドラー一家も少年達も、ほとんどが(一人の悪ガキを除いて)「おかしくなってしまった、普通だった人たち」なのだということをしっかり描かれてるのがまた怖い。
理解不能なサイコパスたちの凶行じゃなくて、今まで普通の一家&そこに集まる友達グループだった人たちが、ほんのちょっとの「ムカつく」「生意気」って感情から道を踏み外していく様子を、まさに一緒に道を踏み外しかねない少年の視点で見る胸糞悪さ。
助けたいけれど堂々と立ち向かっていくことはできない、虐待されるメグを見ることを心のどこかで楽しんでしまう……っていう主人公の行動にはイライラするけど、果たして自分が主人公の立場だったら勇敢に立ち向かえるのか?私だったらきっと、怖くて堂々と戦えないと思う(さすがに虐待を楽しむとかは、ありえないと思いたい……)
「主人公がヒーローの精神を持っている」ということ自体がお話に都合のいい奇跡で、そんな奇跡はこの作品の中では起こらないのだということを見せつけられた。 -
Posted by ブクログ
ケッチャムのいろんな面をたっぷりと味わえる短編集。
一話一話は短いのに長編と変わらないずっしりした読後感。
ケッチャムを読むのは我慢大会か耐久レースに似ていて、なんでわざわざお金払ってメンタル痛めつけてるんだろう、と首を捻ることもあるのですが、この本も読み終わるのにすんごい時間がかかった。
ジャンルを超えた多種多様な物語が満載で、ケッチャム世界の奥行きの深さに恐れ入る。
読み終わって改めて本当にすごい作家だったんだなぁと感嘆。まだまだ新作読みたかったなぁ…(合掌)
以下、自分の忘備録のための読書メモ。
・冬の子
「オフシーズン」と「襲撃者の夜」の間に当たる話だそうな。「オフシーズン」大好き。
・オリヴィア:独白
日々耳にする殺人事件のニュースの向こう側には、こんな恐怖と絶望が存在するのか、と想像したらめっちゃ怖くなった。
・歳月
残酷とやさしさがきれいに混ぜ合わされたお話。ハッピーエンドでよかった。
・未見
これ、コメディだよね?
・帰還
動物飼っている人ならババ泣きするの間違いなし。なんでそんなクソみたいな女と付き合っていたんだよ(怒)
・箱
…の中身はなんじゃな。キング(バックマン名義)の「痩せ行く男」のように、アップルパイでも入っていたのかな…(そういえば昔これ読んで無性にアップルパイ食べたくなった)
・「二番エリア」「暴虐」
どちらもケッチャムっぽいお話。
・行方知れず
これも、ああケッチャムだなあと思うお話。読み終わって胸が痛くなった…相変わらず残酷。
・母と娘
最後の波は呪縛に対する暗喩なのか、それともただの偶然か。本当に恐ろしいのはこういう状況に陥っている母娘が結構現実にもいるってことかもしれない。映像で観たらまた違ったダメージくらいそう。
・永遠
”死と腐敗こそが命を生み出す”このワンフレーズで、Endマークの後の展開が想像できる気がします。切ない…。
(これを読んでいる途中でなぜかケン・リュウの「円弧」が無性に読みたくなった。どちらもテーマが永遠の命についてだから?)
・見舞い
どんな切ないゾンビ話だよ!!!
・蛇
こんな話も書くんだ~(驚)ちょっとキングっぽい印象。
・炎の舞
最後の最後まで不穏な空気が抜けなくてびくびくして読んだ。多分ケッチャムだから…っていうイメージのせい。こういうオチもありなのか!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ2018年に物故したジャック・ケッチャムの短篇集3冊(未訳)から、翻訳者の金子浩氏が19篇をセレクトした日本オリジナルの傑作選。暴力や死、オフビートなお馴染みの作品世界はもちろんのこと、超自然的要素や幻想味に満ちたものなど、この作家の違った顔も堪能することができる。
大雪の続いた2月の夜、父子の住む家のドアをノックした少女は口が利けなかった……という表題作は、ケッチャムの代表的長編『オフシーズン』とその続編『襲撃者の夜』との間に起きたエピソード―ということで、何れかを読んだ人間ならばその後の展開も凡その察しは付くだろう。
その他、不治の病に罹った女流作家が死後も自作を生かすために行なったある凄まじい依頼(「作品」)、レズビアンのカップルがキャンプ中に男につきまとわれる。実際の事件を題材にした掌編「オリヴィア-独白」、コールガールと客の男との会話が意外な展開を見せる「聞いてくれ」、レストランで起きたある事件の数十分前からの人間模様を描写した「二番エリア」、妻との関係悪化を零す男の話を聴くセラピストは、患者の夢の話に不安を覚える(「八方ふさがり」)、西部開拓時代、その日の馬車襲撃に失敗した強盗団は火を囲み"ツキのない奴"について語り合う(「運のつき」)、老教授が語る暴君のような父親と、母の死の謎(「暴虐」)、SF同好会の定例会に講演で招かれたホラー作家の受難(「三十人の集い」)、骨肉腫を患った妻と夫、そして猫との最後の日々(「永遠に」)、ハリケーンが去った後、蛇恐怖症の女性の庭に現れた大蛇(「蛇」)など、暴力や不条理、唐突な死、そして苛酷な状況に抗おうとする人間―特に女性―の姿を描写するのは、他のケッチャム作品でも馴染み深い。
その一方で、見知らぬ男性のプレゼントの箱の中を覗いたことで息子に、そして家族に起こる悪夢(「箱」)と、ある事件から子供を避けていた女性が、初めてハロウィンで子供たちを迎えようとする「行方知れず」のブラム・ストーカー賞短編賞受賞の2作をはじめ、事故死した男が自堕落な生活を続ける妻を幽霊となって叱咤するが、男が戻って来た本当の理由とは(「帰還」)、話題のホラー映画が映画館でもビデオでもどうしても観ることができない男の運命(「未見」)、年を取らなくなった女性が恋人に語った数奇な人生(「歳月」)、ゾンビが跋扈する世界、男は妻の死後も妻が寝ていた病院の同じベッドを見舞い続ける(「見舞い」)など、既刊の長編では殆んどない超自然的要素や幻想に満ちたもの、"奇妙な味"と呼べる作品もあって、代表作の印象が強烈なケッチャムという作家のイメージが心地よく裏切られる。とはいえ、唐突に登場する暴力や死、そこに併存する静謐さや物悲しさは紛うことなきケッチャムの作品世界ではあるのだが。
400㌻強で19篇収録ということで作品はどれも短め(4㌻の掌編と言える作品もある)で、既刊で長編(中編集も出ていたが)に読み慣れた人からは「物足りない」「ケッチャムはやはり長編がいい」とのレビューも見かけるが、個人的には―あの悪名高い代表作2編の凶悪な印象で二の足を踏んでいる―ケッチャム未経験の読者には、最初に手に取るには格好の1冊なんじゃないかと思うし、「以前に他の作品は読んだけどケッチャムは苦手」という人でも、この傑作選はそれなりに愉しめるのではないかと思えるのだが。
特に掉尾を飾る、プレスリーのゴスペルソングからイメージを得たという「炎の舞」の幻想的な静謐さは、ケッチャムの従来作品からのイメージを確実に上書きするのではないだろうか。
これが刊行されたの機に、現在絶版気味になっているケッチャムの過去作品が再版される流れになったら、より嬉しい。 -
Posted by ブクログ
子どもの頃に親から虐待を受けた人は、大人になると我が子にも同じことをしてしまうのだろうか?
また、その受けた虐待が異常な性格を作り上げてしまうのだろうか?
母親からの虐待を受けながら育ったアーサーは、暴力、異常な言動や性的行為にとり憑かれた男に成長する
そのような衝動を抑えきれない人間だが、それを巧みに操作する冷静さと頭脳を持ち合わせている
イッちゃってるのに頭がいい厄介な野郎だ!
そんなイッちゃってる野郎の表面的な人柄の魅力に惹かれて結婚したリディア
アーサーの異常な言動や変態プレイの強要に疑いを抱きつつも、拒否することでアーサーが息子のロバートに悪い影響を与えたらと思うと不安で仕方なく拒絶することができないでいた
アーサーに抑圧された中で、リディアは息子に愛情を注ぐのだがその息子もアーサーから性的虐待を受けていることに気づく
それを知ったリディアは自身と息子を守るためにアーサーのもとを離れ、全面的に対決するのだが、「法」というものはなんて酷いものなんだと思わされた
息子のためにと想う言動が「法」によって上手くいかないもどかしさ!
この胸くそ悪さに不快感、決してハーピーエンドという終わり方にしないケッチャムもイッちゃてるーーー⤴⤴⤴
ケッチャム作品はまだ二作目ですがケッチャムの虜になりつつあります…
そんな私もイッちゃてるのか!? -
Posted by ブクログ
ネタバレ「オフシーズン」の続編。あの凶行が再び。
今回の人肉レシピも吐き気がするほど。
しかしオフシーズンよりは恐怖感が薄かった。オフシーズンに続けて読んだので、あの空気に慣れてしまったのか。
また食人族が襲ってくるのだが、狩の仕方はオフシーズンよりさらに手が込んでいる。
食人族はもう、かけ離れすぎて同じ人間とは思えないのだけれど、狩のやり方を読んでいると知性を感じてぞっとしてしまうのである。いっそ、知性のまったくない、野獣として狩をしてくれたほうがよっぽどマシだった。
そういう意味では恐ろしかったのに、全体的に見ると「あれ、前ほど怖くないな」という感想。
後味の悪さもオフシーズンのほうが上だった。