ジャック・ケッチャムのレビュー一覧

  • 襲撃者の夜

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    オフシーズンの続編。

    前作は「文明人」対食人族の戦いを通じ、人間の根幹について考えさせるお話だったのに対して、今回は母対女族長。

    言わば、ミサエ(クレしん)対フネ(サザエさん)。核家族化はコミュニティの一員という自覚を欠きうんぬん。という話ではたぶんない。

    食人族の長は前作唯一の生き残りで、子供を盗んで子孫を増やそうとしていた。一族の再生を目指す彼女は母でもあり、赤ん坊という存在に霊的な力を感じているらしい。「地下室の箱」にも語られた、力強くどこか不気味な誕生のエネルギーになにかを感じているようだった。ウーマンの出産についても読んでみたかったなぁ。

    全体的に、人物像が丁寧に描かれていた

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    2012年10月06日
  • 地下室の箱

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    ネタバレ

    忌まわしい「隣の家の少女」に続いて、著者が“監禁・虐待”テーマに挑戦した……ってことで、読む前からかなりブルーになっていた(ってこれは、この作者に関する限り「ガッカリ」とはやや意味が異なるんだが)。
    愛人の子供を身ごもった主人公のサラ。中絶することを決めた日、産婦人科医院の目の前で男女二人組に拉致される。彼女は地下室に監禁され、箱のようなものを被される。待っていたのは暴行の嵐だった……。

    訳者による後書きにもあるが、この作品、「隣の家の少女」「オフ・シーズン」と同様に実際にあった事件を材に取って書かれたらしい。とは言え、似ているのはその状況のみで、人物の性格や事件の経過等は異なっており、単な

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    2012年03月14日
  • 地下室の箱

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    ネタバレ

    懐かしのジャックケッチャムを読んでみた。
    「隣の家の少女」の衝撃が根強いせいで、ちょっと食い足りないかんじだった。いや、えぐい話なんだけど。
    これ、結局生まれてくる子供が一番可哀想なんだよなぁ。こんな惨劇がなければ中絶されるはずだったメーガン。
    今後の母子の人生こそが読んでみたかった。

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    2012年02月20日
  • 地下室の箱

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    中絶を決意した女の人が拉致監禁されてぼっこぼこにされる話。なんというか、先に”隣の家の少女”を読んでしまったからインパクトにかけたけど十分えぐい。
    ただ隣の家の少女の圧倒的絶望感に比べたらまだマシ。中途半端とも言うけどw

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    2011年05月15日
  • ロード・キル

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    ネタバレ

    もう、狂ったようにジャック・ケッチャムを読み漁った時期があります。一冊手を出したが最後(確か「閉店時間」から)、間を空けたくない。「手元にケッチャムの物語がない夜なんて、過ごせない!これはどうしたことだろう!」なんてぐらい。病んでますね。

    ケッチャムの魅力といえば、実際にあった事件を元にした陰惨な物語に読者をぐいぐいとひきずりこんでしまうパワフルさと、読んでいて「あー分かる」と感じてしまう自分が嫌になるような人間描写だと思っています。
    冷え切って何も感じない心のウェインくんが恋人と嫌々セックス、そのさなかに「もう・・・さー、なんてかさ」と首を絞めにかかり、ここから物語もじわじわとウェインくん

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    2011年01月23日
  • 黒い夏

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    自分にとってケッチャム作品はこれが2作目。
    構えていたよりも鬼畜度は抑え目で、どちらかと
    いうと人間の内面がジワジワと崩壊していく様を
    かなり冷淡に根気強く描いた、ある意味陰湿な
    作品のような気がします。

    もともとイカれていた? 主人公の「レイ」のある夏の
    殺人事件の冒頭から入る今作ですが、そもそも、
    その「レイ」が人格破綻者に至る経緯も一切なく
    どこの都市にも普通にこういったヤツは普通に
    暮らしているんだぜ...的な描き方が恐い。

    鬱屈して行き場のない若者の苛立ち。
    その冒頭の事件の犯人である「レイ」にたどり着きながらも
    決定的な証拠を挙げれずに放置させている刑事の
    鬱屈。このネガティヴ

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    2010年11月08日
  • 襲撃者の夜

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    曰くつきで語られるデビュー作「オフシーズン」の続編で、その11年後に起った事件が描かれている。ただただ異常で陰惨という印象の強い前作に比べて、ある意味アク抜きされているようにも思え、“文字を追う目を背けたくなるような”ケッチャム節も控え目に感じられる(この著者には珍しく、救いの用意されたラストもその理由かも)。この著者の他作品のような味わいを愉しみにしている読者には少々物足りなく感じるかもしれない。
    とはいっても息が詰まりそうな緊迫感と、読後の疲労感と解放感は、間違いなくこの著者ならではのものだろう。

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    2010年04月26日
  • 地下室の箱

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    妊婦が理不尽に監禁される話。「隣の家の少女」と同レベルの救いのなさを期待していただけにちょっと期待はずれ。

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    2010年01月22日
  • 襲撃者の夜

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     あの衝撃の事件から11年。警官を引退したピーターズは、早朝にある事件が起こったことで警察から助言を求められる。
    二人の女性が惨殺された。そして死体の一部と一緒に居たはずの赤ん坊も、持ち去られていた。11年前の「彼ら」の生き残りが起こしたと思われる事件。
    あの時、混乱した現場で、被害者を「彼ら」と勘違いし射殺していたピーターズは、あの忌まわしい現場へ他の警官を引き連れてゆく。

    「オフシーズン」の続編は、ある女性が帰宅しベビーシッターが惨殺された現場を眼にしたところから始まる。
    いつものケッチャムのように、彼女が生と死の狭間でもがく事すらも許さない。彼女の意識と命はあっという間に断ち切られる。

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    2009年11月30日
  • 襲撃者の夜

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    「オフシーズン」の続編。

    また食人族に襲われる話。今回もなかなかな血みどろ具合いでよろしい。
    前作より評判が落ちてるのは、ラストがケッチャムらしくないからか。
    彼の作品を読み終えた後は、確実に体重が減ってる気がする(ケッチャムダイエット)。文面のところどころに太字が混ざっていたが、なんなんだそのサービスは。

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    2009年10月04日
  • オンリー・チャイルド

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    父親に虐待される子供、子供を守ろうとする母親。内容が重い上ラストがラストので読後感はよくない。けれど、面白いと思う。

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    2009年10月04日
  • ロード・キル

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    シリアルキラー。
    今回の殺人鬼は淡々と冷静に無差別に殺していき猟奇的な要素はない。
    ロードムービー系は嫌いだけどケッチャムだから許せる。
    オフビート感覚っていわれてるけど、テンポが良かったのは最後の方だけだし展開も読めちゃったんだけどな。

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    2009年10月04日
  • オンリー・チャイルド

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    暴力的で変質的で殺人犯の夫から息子を守るために闘う妻。
    児童虐待が大きなテーマになってて、法廷の辛気臭ささにイライラさせられた。
    今回もまた読者を裏切りつづけてくれる作品だったので満足。

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    2009年10月04日
  • 地下室の箱

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    妊婦を監禁して虐待する話。
    妊婦が題材なので相当鬼畜だろうと覚悟していたが、「隣りの家の少女」よりマシだった。
    あんなことやこんなことやそんなことまでするのだろーな、と緊張と期待で読み進めたが
    そこまではしなかった。

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    2009年10月04日
  • 黒い夏

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    高校生が殺人を犯していく話。
    ケッチャム作品の中で一番の長編というから、さぞかし猟奇的なことが詰まってるのだろうと期待してたが、“シチュエーションを丁寧に描いている”というだけでソフトな仕上がりだった。
    「隣の家の少女」は越えれませんねぇ。

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    2009年10月04日
  • オンリー・チャイルド

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    自分に子供ができても、こういう風になったらと考えると吐ける。虐待のおはなしと言われているが違うと感じた。

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    2009年10月04日
  • ロード・キル

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    こっちは『隣の家の少女』に比べるとまとも(?)なサイコパスノベル。

    個人的にはイマイチ。ドキドキ感があんましなかった。
    じっとりした迫るような恐怖がない。
    逆に言えば、意味もなく人を殺しまくるのに乾いた文章が味なのかな。
    それが、犯人の殺人に対するなんの感慨もないところを表しているのかも。
    犯人の恋人と途中に出てくる女子大生がもっと活躍して欲しかったかな。

    期待してたけど、なんかあっさり終わった。
    『隣の家の少女』を最初に読んだのが失敗だったか?

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    2009年10月04日
  • 地下室の箱

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    うーん、最後に来てちょい期待はずれ(何を期待してんだか)。
    題名もあらすじもかなりそそられたのに、なんかあんまり面白くなかった。

    主人公が出産するまでの10ヶ月間をひたすら陰湿に描き続けるものだと思ってたら、なーんか、あっさり終わる。
    ページ数も少ないんだけどさ。ラストも普通の小説っぽいし。
    ケッチャム体験版としてはいいかも。

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    2009年10月04日