チママンダ・ンゴズィ・アディーチェのレビュー一覧

  • 半分のぼった黄色い太陽

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    1960年代に起きたナイジェリア内のピアラフ戦争を題材とした作品。タイトルの「半分のぼった黄色い太陽」は旧ビアラフ共和国の国旗の絵柄。
    戦争に伴う民族紛争や虐殺の悲惨さを描きながらも、本来的テーマは家族や恋人や姉妹のドラマである。なので戦争部分はファクトベースながらフィクションを織り交ぜる。後半は生々しい残酷な描写が続くものの、アフリカの独特な文化背景と米国留学経験の長い著者の欧米的感覚が絶妙なバランスとなり、小気味よいリズミカルな文章を生み出している。
    日常的な出来事に対する心の脆さと戦争という異常事態のなかでのカイネネやウグウの強さや適応性という矛盾を違和感なく両立させ、人間そのものを巧く

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    2025年12月10日
  • なにかが首のまわりに

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    ナイジェリアの女性たちを主題にした短編集。表題と同じ短編では、完璧なアメリカ人の恋人(すごくいい人)とのちょっとしたやりとりに、「オレは君と君のバックグラウンドを理解しているしそんな君をそのまま受け入れてるよ」が透けて見えてしまい、違和感とかすかな苛立ちを覚えるあたりにとても共感。どんなに素晴らしい人でも、「わかってる」感を出した途端にちょっとムッとくるよね。彼だってまだ若くて未熟だし、今現在の彼の背景を考えれば、十分過ぎるほど寄り添ってくれてるのに、どうしてもひっかかってしまうのが切ない。全編に渡って、言語化できない思いや感情を、そのままの空気を吸い込むように感じさせる話運びが素晴らしい。最

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    2025年11月08日
  • なにかが首のまわりに

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    ナイジェリアの女性作家の短編集。様々な世代、立場のアフリカ人(イボ人)女性の心理、アメリカとアフリカの対比がわかりやすく描かれているので、現代アフリカ文学の入門としてオススメ。
    ストーリーの作り方がうまい。アフリカの人名に慣れていないせいで、出だしは入りにくいけれど、最後は「この先が読みたい」(しかし短編なので終わってしまう)と思う作品が多い。

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    2025年06月08日
  • なにかが首のまわりに

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    ナイジェリアで生まれ育った著者が、男女、民族、貧富、宗教など異なる世界を持つ人が交わるときに生まれるささやかな違和感を穏やかに描いた短編12編。


    自分たちの国を民族を文化をまったく理解していない人に人生の舵を取られる屈辱。『象牙製品のようにエキゾチックな戦利品のように品定めされる』感覚。傲慢な西欧化の波にさらわれる戸惑い。

    アフリカが辿ってきた歴史を思うととても同列に語ることなんてできないけれど、女性として、アジア人として、少し心当たりのある感覚でもあります。

    自分の中にある無知と傲慢について考える機会になりました。出会えてよかった本。
    「なにかが首のまわりに」
    チママンダ・ンゴズィ・

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    2025年01月21日
  • なにかが首のまわりに

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    この感想を書いてるのは読んでから1年以上経ってからのことです。
    12の短編全てを思い出すことは出来ないので12タイトルは他の方の読書感想からコピペしてきた。
    おそらく多くの方のベストは「ジャンピングモンキーヒル」か表題の「なにかが首のまわりに」もしくは「震え」とかでしょうか。
    私も読んだ直後はそうだったかも知れない。でも思い出せない。
    今は「イミテーション」のあらすじだけが残ってる。
    不思議。

    セル・ワン
    イミテーション
    ひそかな経験
    ゴースト
    先週の月曜日に
    ジャンピング・モンキー・ヒル
    なにかが首のまわりに
    アメリカ大使館
    震え
    結婚の世話人
    明日は遠すぎて
    がんこな歴史家

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    2024年05月12日
  • アメリカーナ 下

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    ナイジェリアに住んでいるイフェメルとオビンゼの夢は、英米に留学すること。そんな二人は高校生時代からの恋人同士だが、イフェメルだけがアメリカに留学することになると二人の中にも溝ができて…。イフェメルはアメリカに留学してからというもの日々カルチャーショックに見舞われていく。その最大とも言えるのが、人種のるつぼとも言えるアメリカで自分が「黒人」であるということを発見していくことだった。やがてイフェメルは「非アメリカ系」黒人として、自分の思いをブログに綴っていく。オビンゼとの関係も断絶し、恋人もでき、順風満帆に見えた時、イフェメルは突然恋人を捨てナイジェリアに帰る決意をする。昔の恋人オビンゼに会うため

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    2024年04月12日
  • なにかが首のまわりに

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    読んでて私は、異邦人の女の人の話が好きだと思った
    国を出た、居場所がない、親しい男、家族になじめない等の、現在の自分のいる場所に違和感を持つ女たち。とても自立しているようで寂しい人。

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    2023年11月13日
  • なにかが首のまわりに

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    アフリカ関係の本は、滝田明日香さん以来。(そうえいばキリマンジャロ登山の本とバッタの本は読んだ!)
    滝田さんが繰り広げるエピソードは、私の知らない世界であり、わくわくしながら読んだことを覚えている。

    本書の、チママンダさんは、世界的に活動されている。
    本の評価が高いことは知っていたけれど、活動拠点はアフリカではなくアメリカ。来日もしていて、松たか子さんが朗読???
    なんとも驚くものがある。

    アフリカに私は行ったことなく、はっきり言って知らない世界である。
    それをいいことにアフリカのイメージが作られてきた感がある。
    それを証明するものが、FACTFULNESSのチンパンジーアンケートである。

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    2023年10月02日
  • パープル・ハイビスカス

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    「発掘王への道#5」はチママンダ・ンゴズィ・アディーチェの『パープル・ハイビスカス』です

    海外作品も発掘します
    王ってそういうことですから
    苦手分野ないのが王ですから

    まずは作者紹介から!
    訳者あとがきから抜粋!(一部省略)
    1977年生まれ。ナイジェリア南部のエヌグで、イボ人(ナイジェリアの民族の一つ)の両親の六人の子どもの五番目として生まれた。父親はナイジェリア初の統計学教授でナイジェリア大学の副学長を務めた人。
    ナイジェリア大学で薬学と医学を学び始めたが、十九歳で米国にわたり、コミュニケーション学と政治学を学び、その頃から作品を書き始めました
    本作は作者の第一長編で、ハーストン/ライ

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    2023年09月16日
  • なにかが首のまわりに

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    アメリカーナが面白かったので、こちらも読んでみた。
    一つ一つがとても短い話なのに、一話終わるたびに感じる余韻がすごい。本書で描かれている、ナイジェリアとアメリカの空気、それぞれの女性たちの感受性や生きる力などに触れ、視界が開けるように感じた。世界は広い。

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    2023年04月02日
  • パープル・ハイビスカス

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    ナイジェリア南部の町エヌグの大きな屋敷に住む、15歳の少女・カンビリ視点で描かれる物語。
    物語、と読んでいいのか悩むほどに生々しい部分もある。
    身一つで会社を起こし、世間では敬われているカンビリの父は、敬虔すぎるまでのカトリック教徒であり、腐敗したナイジェリア政権を批判し立て直すべく、政権批判の新聞社にも多大な協力をする人だ。
    しかし尊敬される反面、過度に偏った思想と信仰心を持つ父親は、カンビリやカンビリの兄ジャジャには常に学校で一番でいることや、敬虔なカトリック教徒であることを強要し、家族が罪を犯したと認識した時には母親や子どもたちに酷い暴力と暴言を何度も何度も振るった。
    異教徒である実の父

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    2022年10月02日
  • パープル・ハイビスカス

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    ネタバレ

    遥か遠いナイジェリア
    少女が語る物語に悲壮感はない
    家長であるパパ、敬虔な信者で、今の自分を確立した礎になっている大事な信仰が故、愛するが故の過ちへの断罪は容赦なく、言葉にならない
    心を明らかにできず、苛立ちにうまく対処できない彼も悲しいけれど、それを差し引いても、どれだけ愛があったとしても
    はやく大人になって
    何も知らない子供たちには憐憫の念しかない

    「パープルハイビスカス」
    タイトルの意味は重い

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    2022年08月04日
  • なにかが首のまわりに

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    読書の醍醐味、
    知らない世界を知る、
    そんな作品でした。

    自分もアフリカやアメリカの地に居合わせたような
    そんな感覚を抱かせるシーンが山ほど。

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    2022年08月02日
  • パープル・ハイビスカス

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    ネタバレ

    それがですね、しんどいんですよ。国の情勢も、父親の支配も、読んでいてつらい。従順に暮らしてきた15歳のカンビリが、イフェオマおばさんの家に行って初めて知る、賑やかな食事の時間やおしゃべり。圧倒されながらも、そりゃ引きつけられるだろうなあ。

    しんどいながらも、最後のほうには力強さも感じる。それが何なのかを少し考えてみたいと思う。

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    2022年06月06日
  • なにかが首のまわりに

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    セル・ワン
    イミテーション
    ひそかな経験
    ゴースト
    先週の月曜日に
    ジャンピング・モンキー・ヒル
    なにかが首のまわりに
    アメリカ大使館
    震え
    結婚の世話人
    明日は遠すぎて
    がんこな歴史家

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    2022年05月24日
  • 半分のぼった黄色い太陽

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    「アフリカ」と大雑把に語ることの無意味さを改めて反省。自らの無知と偏見をいくつも自覚させられ、非常に勉強になった。

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    2022年04月24日
  • なにかが首のまわりに

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    アフリカ/ナイジェリアのさまざまステレオタイプにまつわる短編集。
    人種、ジェンダー、植民地支配の歴史、内戦、宗教/文化、移民などさまざまな観点でストーリーが描かれていてこまめに読みやすい作品。
    とても豊かな表現で海外著独特の表現があり、海外図書不慣れな私にとってはやや理解に時間がかかる部分もあったが、地域や時代、文化が異なるなかでも共感できる点があり、面白かった。

    個人的には訳者あとがきで著者の背景や活動を知ることでさらに内容を深められた

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    2022年03月03日
  • なにかが首のまわりに

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    アフリカ世界だけど(ナイジェリア)、フェミニズムな内容も含まれている。遠い世界だけど、この屈辱わかる、と共感を覚えることが多い。

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    2021年12月26日
  • アメリカーナ 下

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    ネタバレ

    愛の物語であるとともに、
    主人公の成長、
    すなわちアイデンティティの確立が語られる物語。

    なぜ二人は外国に行かなければならなかったのか。
    純粋に愛し合い、魂も美しいというのに。
    それは、国内にいたままでは
    自分で立つことができるほどの力はなく、
    やがてナイジェリアに飲み込まれてしまうことになっただろうから。
    それぞれが異文化の中で生きることで、
    外国の醜さを感じつつも、
    アメリカやイギリスという「個人」で生きることに触れて、彼らの魂も「自分自身」を形作っていくのだ。
    やがて彼らは母国へと帰ることになるのだが、
    それは敗北や逃避、あるいはただの郷愁ではない。
    なぜなら帰国しても違和感を覚え続け

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    2021年11月10日
  • なにかが首のまわりに

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    まだ数本しか読んでいないけれどこれまでに読んだことのない感覚の本。
    文体も独特だしそこはかとない不安を漂わせたまま終わる物語も。
    この一冊だけでなく何冊か読んでみたい著者。

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    2020年11月23日