【感想・ネタバレ】男も女もみんなフェミニストでなきゃのレビュー

あらすじ

わたしはハッピー・フェミニスト!ビヨンセを始め全米が称賛したTEDスピーチ、待望の邦訳!ディオールのパリコレでも同名ロゴTシャツが登場、話題沸騰中。あたらしいジェンダーについて最適の1冊

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Posted by ブクログ

フェミニズムを理解する第一歩にぴったりの一冊。読みやすい!
「フェミニストという言葉がネガティブな重荷を背負わされている、、、」 と書いてたけど、確かに。
世間では 「女性らしさを求められることに怒る人」みたいなイメージになってそう。。ネット上だけかなあ?笑
女とか男ではなく、人間としての個性を尊重しようってことが本来のフェミニズムかなと思う。

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2025年12月29日

Posted by ブクログ

「わたし自身の、フェミニストの定義は、男性であれ女性であれ、『そう、ジェンダーについては今日だって問題があるよね、だから改善しなきゃね、もっと良くしなきゃ』という人です」という言葉。「女」というジェンダーに偏らず、どんな人でも、いろんな人が呼吸を楽に生きられるよう考えていきたいよね?という、緩くてポジティブなバイブレーションを感じる。しみじみ、よいスピーチ。読めてよかった。

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2023年11月05日

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わたし自身の、フェミニストの定義は、男性であれ女性であれ、「そう、ジェンダーについては今日だって問題があるよ」、だから改善しなきゃね、もっと良くしなきゃ」という人です。
女も男も、私たち「みんな」で良くしなければいけないのですから。
ー本文より引用

著者はアフリカ人小説家。彼女の著者で私が読んだことがあるのはパープルハイビスカスだけだが、その本が良かったので、また著書を事前に読んで受け取ったメッセージから、本書の本題「フェミニスト」を彼女がどのように取り上げて語るのか。興味があったので読んだのです。
とても読みやすい!明朗快活に自身のフェミニストとしてのあり方を語っている。
「男嫌いではなく、男性のためではなくて自分のためにリップグロスを塗ってハイヒールを履く、ハッピーなアフリカ的フェミニスト」
皮肉をこめつつチャーミングに自身をそう語る。
改めて、フェミニストという言葉の本質を教えてくれる本だと感じた。
短くて読みやすいので、気になる方はぜひ読んでみてほしい。
私は彼女の他の本もまた読んでみたくなった。

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2023年06月19日

Posted by ブクログ

やわらかな言葉で、わたしたちの透明人間化してしまうもやもやを明確に言語化してくれる本。
男も女も、盲目になってしまっている前提をきちんと見れば、社会の産物、文化はこれからも変えていけるはず。

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2022年02月13日

Posted by ブクログ

ブロガーさんが勧めていて興味を持ち購入。
私はフェミニストなのだと思うけど、きちんと調べたこともないし勉強もしてない、世の動きやニュースを見てそうなのかなと思っていたので、知るところからはじめようと手を出しました。

TEDトークを文に起こしたものなので、大変読みやすく、著者の実体験に基づいたエピソードも多く理解しやすかった気がします。
気がするのは、すんなり読んだだけなので、自分から同じようにアウトプットできるかというとそこまではまだ到達出来ません。

日本のSNSのフェミニズムムーブを見ると、
フェミニストを侮辱する人、フェミニズムを誤解してフェミニズムを推そうとする自称フェミニスト、フェミニズムを毛嫌いして攻撃的な人を見かけうんざりすること多しです。
正しくフェミニズムとは、フェミニストとはを日本の中で発信して、享受できる雰囲気も体勢もないままに野放しになっているからでしょうか。
性教育も遅れていますし、日本が心配になります。

世界中が注目するオリンピックというイベントに関して、日本の悪しき男性優位思考や体勢が暴かれたことは恥ではあるけれど不幸中の幸いだと思っています。
悔しいし、苛立つし、悲しくもなるけれど、急に状況は好転しないので地道に自分にできることとして勉強すること、情報発信を受け賛同していくこと、選挙には必ず行くこと、など努めていきたいと思います。

遠い道のりだろうけれど、諦めてはいけません。

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2021年03月22日

Posted by ブクログ

いろんな人に勧めたい本
著者や著者の周りの女性の体験が、自分の体験と重なり悔しい気持ちを思い出した。
本も読みやすい文体でもちろんいいけど、YouTubeに上がっているTEDでの実際のスピーチも素晴らしかった。
決して攻撃的な語り口ではなく、それでいて見事に本質をつく。
著者の小説も読みたい。

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2021年02月25日

Posted by ブクログ

ずっと読みたいとは思ってたけど見たことがなくて。実際に見てみたら予想の数倍小さくて読み易くて、よかった!!
冒頭の、周りがフェミニストとは〇〇の意味だ」というマイナスイメージを彼女に突きつけていくたびに、「わたしは『男嫌いでなく、男性のためではなくて自分のためにリップグロスを塗ってハイヒールを履く、ハッピーなフェミニスト』」ということになっていくくだりが面白くて、笑ってしまった。
フェミニズム本は時として難しい言葉遣いで性被害の体験を語ったりするものもあって読みにくい物もあるが、これは量も少なく分かり易い言葉で、また被害体験を想起させるような描写も無かったためストレスなく読めた。
ものすごく初歩的な本だと思う。万人にお勧めしたい。

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2020年01月14日

Posted by ブクログ

フェミニズムの本ってすごく考えるし自分の経験や考え方と向き合うし疲れちゃう時もあるけど、これはTedでの実際のトークに加筆したものだからサクッと読めて良い!フェミニストはアンハッピーだとか非アフリカ的だとか散々言われた結果「男嫌いではなく、男性のためではなくて自分のためにリップグロスを塗ってハイヒールを履く、ハッピーなアフリカ的フェミニスト」になっちゃったところが諦めが悪くて(もちろんいい意味)大好きだなって思った!

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2026年03月22日

Posted by ブクログ

アフリカのジェンダー問題について詳しく書かれており、日本も似たような思想は今でも残っているように感じた。ここ数年でジェンダーレスだのLGBTQだの色々と発信があり男女間格差のようなものが少なくなってきたように感じるがまだ根底ではしっかりと区別されていると思う。難しい問題だなと感じる。

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2026年03月08日

Posted by ブクログ

煌めく陽光に向かって掌をまっすぐに伸ばしたときのような。 清々しい風のそよぎを胸いっぱいに吸い込んで深く呼吸したときのような。
アディーチェの軽やかな言葉に鼓舞されて、心が晴れやかになってくる。


フェミニズム論における「男性の特権や無自覚な加害性」を、僕は認めざるを得ない。
それは単純に、男として利益を享受していることに身に覚えがあるから。
それと同時に、ジェンダー論の「男性であることの生き辛さや期待される男らしさからの解放」についても、ちゃっかりと都合よく支持している。
残念ながら「フェミニスト」と名乗れるかと問われても、言ってしまえばレディーファーストであろうとする自分や、妻に日々感謝する良き夫であろうと努める自分を意識するぐらいが関の山、といったところだ。
(それだって30点くらいだけどね、という妻の声が聞こえてきそうだ)。

もっと僕は歴史的・文化的側面としての「フェミニズム」を学んでいく必要はあるけれど、まずはこのシンプルでナチュラルな言葉で顔を洗ってスッキリしたい。
頭でこねくり回して難しくするより、日々の前向きな心がけを大事にしてフレッシュにいたい。
世界の断絶を嘆くよりも、きっとよくできるよねって言う声に素直に頷きたい。
読んでいてそう思った。

ーー
フェミニズムもいいけど、すべての人の人権が大事じゃない?
フェミニズムよりも、貧困などの階級こそが問題じゃない?
そんなごもっともな意見にも、問題をごまかして見えなくしないでね!と切り返す歯切れ良さ。

生物学的視点からの反論に対する、私たちは猿ではないのですというユーモア。

文化が人々や民族を作るのではありません、人々や民族が文化を作るのです、という力強さ!!

これまでの慣習に囚われるのはなく、これからどうしてゆくべきかかを語るアディーチェの、どこまでも屈託ない明るさとポジティブなエールがほんとうに素晴らしい。

本の帯にあった、西加奈子さんの推薦文も併せて書き留めておきたい。
 “あらゆるボーダーを越えて皆の心にするりと入り込み、皆を心から笑わせ、くつろがせ、でも絶対に核心となる言葉を逃さず、皆に「心から考える」ことを促すことができる彼女に、私は10代の少女みたいに夢中になった。”

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2025年05月04日

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「そう、ジェンダーについてつらい思いをしてる人いるよね。だから良くしなきゃ」
そう思ってる人はみんなフェミニストだと、私も思う。
言葉のリセット、賛成です。

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2024年03月12日

Posted by ブクログ

男性優位の世界を見てここがおかしいと言う本。女性差別あるあるだよね、ということが穏やかな口調で満遍なく書かれているのでフェミニズムに目覚めていない人向け。
「ジェンダーについて話すのは居心地の悪いこと。現状改革は面倒だから。なんでフェミニストって語を使うの?という話もあるが、それは「人権」という大きい言葉ではごまかしになるから。」
私も、わざわざ嫌われる言葉を使わなくていいんじゃないかと思っていた。でもそれはずっと長い間無視されてきた女性の人権を無視することとあった。自省。

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2023年07月04日

Posted by ブクログ

読みやすい!
語りベースだからなのかもしれないけど、とっつきにくくない
めちゃくちゃいい言葉たくさんあって、あとで読み返したい

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2023年04月05日

Posted by ブクログ

文化的な背景知識などがないためにやはり一部わかりにくい表現や理解しきれていないと感じる場面があったのが残念だった(完全に個人の問題)

アフリカでは(日本とはまた違う)フェミニズムもその他の人権問題もまだまだ山積みで、一見フェミニズムはそれらよりも軽んじられている印象があったけれど、それはアフリカでなくどこの国や地域でも同じだと改めて感じた(フェミニズムはしばしば後回しにされがち、もしくはもはや改善されたと思われがち)

話者の語る様々な場面での男尊女卑を実感するシーンは、詳細さえ違えどきっと世界のどこでも起こっているものばかりで、身に覚えのあるようなものも多かった。

人間としてではなく、なぜ女性としてその問題をあげるのか、と質問をされた話者の、
〝もちろんわたしは人間ですが、この世界にはわたしが女性であるがゆえに起きる個別の出来事がある〟という視点がまさに的を得ていてその通りだと思ったし、『だからこそ』フェミニズムという考え、立場、支援が必要なのだと感じた。

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2022年11月23日

Posted by ブクログ

広いフェミニストの定義を教えてくれる。あ、私もフェミニストかも、そんな発見がある。
私は、ジェンダーフリー
の立場で男性、女性気にしないでやっていこうぜ
と考えることが多かったけど、その姿勢じゃ女性であることで発生している問題を覆い隠すことになると再認識させられた。
そうなった時に男性とは何か。女性とは何か。仮にその判断が性自認に委ねられるとき、人は何をもって男性であると認識し、女性であると認識するのか。もしくは認識しないのか。
そんな問いや気づきをくれた1冊です。
文量等から人によっては物足りないかもしれません。

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2022年10月06日

Posted by ブクログ

そうとは知らずに読んだが前に見たことがある「シングルストーリーの危険性」のTEDのアディーチェさんだった。

断定的ではなく、それぞれ意見があるテーマだと思うが、寄り添う礼儀正しい筆者の姿勢のおかけで気持ちよく読むことができて、面白かった。

なにより自分の意見を文字にしてここまで人を動かせたり、共感させたりすることができる彼女の着眼点と才能は本当にすごい。

男も女もフェミニストであること、両性が平等であるとみんなが信じるようになったらなんて素敵だろう。

ただ今は社会のスキームが、両性が不平等でない人が作ったものになってしまってるから難しいなあと。まっさらな何もない状況でみんながそれぞれ平等だと信じて一から始めるのではあれば問題ないけれど、
不平等があるなかで平等に戻すためにはアクションが必要になる。(大学入試や就活で男女半数にこだわることで女性の方が入りやすいとか。たしかに東工大の推薦入試とかは圧倒的に女の子の方が入りやすいと思う)
男女を半々にして平等を実現しようとするとその時点で不平等が発生しているんじゃないかという議論があるのは事実だと思う。

両生が平等であってほしいとはおもうけど、違いがあるのも事実。医学部で女の子が落とされてたことが問題になったけれど、私がもしも会社の社長だったら、妊娠で仕事を休む可能性が高い女性を雇うよりも、体力も比較的多くて休むリスクが少ない男性を雇う方が経済的だなと思う。

今は女性を雇用することによって企業側にメリットがある(D&Iとか)ようにも変わってきてるからこの意味で、改善されていくとは思う。

必要なのは「やりたいと思ったことを性別に関わらず出来ること」だとおもうけれど、実際女性と男性の生物学的違いはあるから、難しいよなあと、
女性専用車の椅子に座っている私は思うのです。

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2022年08月05日

Posted by ブクログ

フェミニストであるということと「フェミニスト」という言葉にいかに多くのマイナスイメージが背負わされているかについて考えた。翻訳は少し読みにくいので原書でも読みたい。後で動画も他の著作も見たり読んだりしたい。

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2022年06月09日

Posted by ブクログ

本が苦手でもスイスイ読めます。
フェミニストというと主張が強くて過激というネガティブなイメージを抱いていましたが、そういう人ばかりじゃないんですね。

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2022年04月08日

Posted by ブクログ

男にも女にも知っておいてほしいことが、わかりやすく書いてある。例えば、著者の祖母の話。彼女はフェミニストという言葉を知らなくても、性別に拘らず男女が平等に扱われることが大切であると直感で知っていて、それを行動に移した。他にも、一歳差の男女の兄妹は、妹だけが母親に「兄にラーメンを作ってあげてね」と言われたという。しかし、料理のスキルを身につけることは、性別にかかわらず生きていくうえで重要となるスキルだ。なぜ、女だからという理由だけで料理の担当を強いられるのか。これは私も同じ立場でずっと疑問に思っていたことだったので、非常に共感できた。

フェミニストは何も、女だけがなるものではない。そもそもフェミニストとは「すべての性が平等な権利を持つと信じる者」を指す。ただ、ウェブで検索すると「女性解放論者」や「女性の権利を尊重し、女性に対する不平等の解消を唱える人」と表示される。このことが、フェミニスト=女がなるべきもの、だと認識されている所以なのではないか。

女も男もフェミニストであるべきだ。女が“女らしさ”であることから解放されるとき、それは男が“男らしさ”から解放されることも示している。「なぜ?」を議論し合い、互いに手を取り合うことが重要だ。

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2021年08月22日

Posted by ブクログ

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ。「なにかが首のまわりに」で初めて知った、舌を噛むようなこの名前。今はアディーチェさんと気楽に言える。

現代の世界文学界のスター的な「女性」作家です。2013年に『アメリカーナ』で全米批評家協会賞を受賞。1977年生まれだから現在は未だ43歳か。これは2012年のTEDの講演記録。

非常に短くて直ぐに読めるが、ジェンダー問題の核心を突いて説得力がある。この講演があったから『82年生まれ、キム・ジヨン』が生まれたのか?と思えるくらい日常のさりげない性差別をキチンと突いている。

「何かをくり返しやっているうちに、それは当たり前のことになります。何かをくり返し見ているうちに、それは当たり前のことになります」(21p)

確かに文明生活が始まって以降、男性が権力の中心に座ることが普通になっていた。
「これは千年前ならうなずけます」とアディーチェは言う。
「当時、人類は身体が強靭であることこそ生き延びるための最重要特質とする世界に生きていたから」。
現代は?
「指導力のある人とは必ずしも身体的に強い人では「なく」て、むしろより知的で、知識が豊富で、より創造的で、より革新的な人です。こういった特性にホルモンは関係がありません。男性も女性も同じように知的で、革新的で、想像的です。私たちは進化したのです。ところがジェンダーをめぐる考えはそれほど進化していません」(29p)

アメリカとアルジェリアを往復し、格差と貧困、戦争と平和、黒人と白人、男と女、多くの問題で、彼女は積極的に発言をしていると言う。言っていることと、やっていることの統一性は、おそらく保たれているのだろう。1人の女性の中に、人類の多様性が存在しているように思える。ずっと注目していきたい作家である。

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2020年12月18日

Posted by ブクログ

筆者の口から語られる言葉たちは決して過激なものでも、排他的なものでもない。フェミニズムという言葉の過激なイメージだけが先行してしまっている日本だけれど、本来フェミニズムが目指すものってそれじゃない。
男も女も関係なくみんなで目の前で起きていることについて考えていこうよ、私たちの文化ってそうやって自分たちで作り上げていくものでしょう。私たち人間って、そういう社会的な存在でしょう、って改めて語りかけてくれてるみたいで、すごく優しかった。
スピーチの加筆版なのでとても読みやすく分かりやすいのでその点でもおすすめ。

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2020年11月19日

Posted by ブクログ

フェミニズムを語る人は正直苦手でした。

たまたま自分の目に触れた人だけかもしれないけど、テレビや新聞でフェミニズムを語る人は、どこか攻撃的だったり、ヒステリックな印象が強く、ネットはもっとひどい。で、そのフェミニズムに異を唱えるネット上の意見も、大概はフェミニズムを嘲ったりバカにしたようなニュアンスが入っているから、もうどうしようもない。

言っていることは分かるけど、言い方や議論の仕方がどうしても受け付けなくて、とりあえず距離を置く。それが自分のフェミニズムやジェンダー論に対するスタンスでした。

それが変わってきたのが、たぶん昨年にチママンダ・ンゴズィ・アディーチェという作家の作品を読んでからだった気がします。ジェンダーだけでなく人種、国、家族、様々な差別や、ステレオタイプな思い込みに関する違和を、ヒステリックに叫ぶでなく、物語に織り込ませることで、何かがおかしい、何かが間違っていることをそっと気づかせてくれる。

ジェンダーをはじめ様々な差別が、現在進行形の問題なのだと、改めて気づかせてくれました。

そんなアディーチェの2012年のフェミニズムに関するスピーチを、書籍化したのがこの『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』
ページ数は100ページほどで、文字も詰まっておらずゆったりとしたスペース、フォントや大きさで書かれているので、すぐに読めます。

アディーチェの小説で描かれる差別というものは、とてもエピソードが具体的で想像しやすいのだけど、このスピーチもそれは健在。

具体的な話を織り交ぜつつ、平易な言葉で。感情を込めつつも、落ち着いた瑞々しくしなやかな語りで、社会に埋め込まれた女性に対する思い込みを、さらには男性観も社会に既定されていることを明らかにしていきます。

『フェミニストとは、社会的、政治的、経済的に両性が平等だと信じる者』
アディーチェの引いた辞書にはこう書かれていたそう。そしてアディーチェ自身はフェミニストを『男性であれ、女性であれ、「そう、ジェンダーについては今日だって問題があるよね、だから改善しなきゃね、もっと良くしなきゃ」という人』と定義します。

この本を読んで、今までのフェミニズムやジェンダーに関する言説の、違和感の正体が分かった気がします。それはたぶん女性の権利や搾取、社会的限界ばかりが強調されて、両性の平等の概念が無かったこと。だからそこから出てくる言説は攻撃的だし、ヒステリックに見えてしまったのだと思います。

女性が歴史的にも不利な位置にいたというのは間違いなく事実だし、それが今も続いているのも事実だし、確かにそれは正されないといけない。でもその先にあるのは、女らしさ、男らしさを越えて、それぞれが本当にやりたいことをして、真の自分を解放することが許される社会なのだと思います。

だから女性がフェミニズムを語るのはもちろん、男性も語らないといけない。なぜならフェミニストは、女性の息苦しさだけでなく、男性の息苦しさをも取り除き、社会に新たな可能性を与えるかもしれないからです。女性であれ男性であれ、規定された文化からの解放を目指す人が、真のフェミニストなのだと思います。

最近、二項対立が多すぎて嫌になります。政治を語れば左翼か右翼かとすぐに敵認定され、アメリカは白人・黒人の人種問題で揺れ、国際関係はどこもかしこもきな臭い。宗教は主流から外れた過激派が暴力で語り、環境問題ですら、温暖化はデマ・たいしたことない派とそうでない派で争っている。

人と意見が違えば、すぐに敵と認定されまともな話し合いが出来なくなる。そんな状況だから中立的な立場から物事を考えたい人や、穏やかに問題を語りたい人は、声すら上げられず、議論の場から去って行く。残るのは結局過激な意見ばかり。自分がジェンダー論やフェミニストに背を向けたのもそのせいです。

アディーチェの言葉を借りれば「改善しなきゃね、もっと良くしなきゃ」という気持ちはあるはずなのに、なんでこんな争いばかりなのか、本当に嫌になる。

この本を読むときも、実は少しだけ緊張しました。小説を読む限りは大丈夫だとは思っていたけど、もしアディーチェも今まで自分が見てきたような、「フェミニスト」だったら、素晴らしいと思った彼女の小説の見方が、変わってしまうと思ったからです。でも、アディーチェは間違いなくアディーチェでした。本当によかった……

アディーチェのこの本での姿勢には、救われた気がします。「フェミニズムは女性観だけでない、男性観にも問題がある。だからみんなで考えないといけない」この姿勢です。

きっと大事なのはどちらの立場にも、何か問題点があり、それを互いに一緒に解決しようという気持ちなのだと思います。世界もそして自分ももっと穏やかに、そして大人にならないといけないのだと、この本を読んで考えました。

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2020年09月15日

Posted by ブクログ

『わたし自身の、フェミニストの定義は、男性であれ女性であれ、「そう、ジェンダーについては今日だって問題があるよね、だから改善しなきゃね、もっと良くしなきゃ」という人です。』
本の袖にあるこの一節を、この先もずっと忘れないでいようと思った。

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2020年08月02日

Posted by ブクログ

女性から「女性らしさ」を引きはがすのではなく、フェミニンなものが好きなら、ありのままの自分の好みを表現できる世界を作ることがジェンダーギャップを埋める一歩になるのかな?文章がやわらかく、フェミニズム・ジェンダーになじみがなくても理解しやすい。

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2023年03月11日

Posted by ブクログ

フェミニストをテロリストと同じようなニュアンスで扱う男性を何人か知っている。そしてその話題には触れまいとする女性が多くいるのも知っているし、私自身今でもそのように振る舞ってしまう場面がある。
自分のことはフェミニストだと思ってはいるし、未来の女性のために声を上げ行動したいという意思はあるのに、どうしても目の前の人によく思われたい、波風を立てたく無いという気持ちを優先してしまう。

男性へ無意識に押し付けている役割(男の子がなぜ親の財布からお金を盗むか、という問題には頭を向けたことすらなかった)も解消していくべきだと思う反面、
妊娠出産を担う女性が、男性と平等に扱われることは根本的に不可能では無いか、と思うことが増えてきている。
私自身は、妊娠中は初期から悪阻で入院し、全く仕事ができなかった。産後、完全に元の自分の感覚を取り戻せたと思ったのは8〜9ヶ月程度経ってから。
その間、男性と経済的格差が産まれること、女性の社会的地位が変わり得ることについて、自分の中でどう思うかが纏まらない。

自分の思考の立ち位置を整理できる良い機会だった。

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2022年12月05日

Posted by ブクログ

★3.5

フェミニストのとっかかりにはわかりやすく15分程で読める本。
ナイジェリア人でフェミニストである著者のTEDスピーチを翻訳したもの。
いかに歴史が(特に祖国ナイジェリア)我々に刷り込みをしてきたか、痛感する。

女性のほうが遺伝子的に料理をするのが得意なのかも?に対しては、ではどうして今トップにいる名だたるシェフは男性が多いの?
と返すし、
女性にまつわる問題提起ではなくむしろジェンダーや人権問題だと言うべきでは?に対しては、
それはその議論をしたくない人の逃げ道。ジェンダーの問題とした瞬間にぼんやりとしてしまう。女性ならではで起きてるおかしなことがたくさんあるのに!
と返す。

とても軽快で、フェミニズムのいう言葉から安易に連想されやすい、女性の権利を!というよりは、タイトルのとおり、男女平等の権利をうたうものなのだと、すっと腑に落ちる。

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2022年09月19日

Posted by ブクログ

トーク(2012年TED=アフリカのことに焦点をあてる会議)をまとめたもので、読みやすかったです。
千年前、人類が生き延びるために身体的に強靱な男性が指導者になるのはわかるけど、今日まったく異なる世界になっても、ジェンダーをめぐる問題は進化していない!
「ジェンダーについての問題は解決しなきゃ、良くしなきゃ」と思える人は、男性でも女性でもフェミニスト!

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2021年08月10日

Posted by ブクログ

TEDトークに加筆したもの。
すぐ読めるんだけど、分かりやすく大事なことが書いてある。
英語でも読みたい。

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2021年06月11日

Posted by ブクログ

『何かが首の周りに』は読みたい本。

作者が2012年にTED❌Eustonで行ったスピーチに加筆したもの。

女であることの困難は国を越える。
どれほど他者に好かれるかを気にして育てられているか気づくことからかな。

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2021年02月02日

Posted by ブクログ

TEDのスピーチを書籍化したもの。
すごくわかりやすく、うん、うん、そうだよねとすぐ読み通せた。
フェミニストについてよく知らなかったけど、これだけでいいのかしら。
ハードカバーの装丁もスタイリッシュで良いと思います。でも、この程度の分量なら無駄を省いてZINEみたいな冊子にしてワンコインくらいで売ってほしいかな。

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2020年01月16日

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