チママンダ・ンゴズィ・アディーチェのレビュー一覧

  • パープル・ハイビスカス

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    ナイジェリア南部の町エヌグの大きな屋敷に住む、15歳の少女・カンビリ視点で描かれる物語。
    物語、と読んでいいのか悩むほどに生々しい部分もある。
    身一つで会社を起こし、世間では敬われているカンビリの父は、敬虔すぎるまでのカトリック教徒であり、腐敗したナイジェリア政権を批判し立て直すべく、政権批判の新聞社にも多大な協力をする人だ。
    しかし尊敬される反面、過度に偏った思想と信仰心を持つ父親は、カンビリやカンビリの兄ジャジャには常に学校で一番でいることや、敬虔なカトリック教徒であることを強要し、家族が罪を犯したと認識した時には母親や子どもたちに酷い暴力と暴言を何度も何度も振るった。
    異教徒である実の父

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    2022年10月02日
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ

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    そうとは知らずに読んだが前に見たことがある「シングルストーリーの危険性」のTEDのアディーチェさんだった。

    断定的ではなく、それぞれ意見があるテーマだと思うが、寄り添う礼儀正しい筆者の姿勢のおかけで気持ちよく読むことができて、面白かった。

    なにより自分の意見を文字にしてここまで人を動かせたり、共感させたりすることができる彼女の着眼点と才能は本当にすごい。

    男も女もフェミニストであること、両性が平等であるとみんなが信じるようになったらなんて素敵だろう。

    ただ今は社会のスキームが、両性が不平等でない人が作ったものになってしまってるから難しいなあと。まっさらな何もない状況でみんながそれぞれ平

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    2022年08月05日
  • パープル・ハイビスカス

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    ネタバレ

    遥か遠いナイジェリア
    少女が語る物語に悲壮感はない
    家長であるパパ、敬虔な信者で、今の自分を確立した礎になっている大事な信仰が故、愛するが故の過ちへの断罪は容赦なく、言葉にならない
    心を明らかにできず、苛立ちにうまく対処できない彼も悲しいけれど、それを差し引いても、どれだけ愛があったとしても
    はやく大人になって
    何も知らない子供たちには憐憫の念しかない

    「パープルハイビスカス」
    タイトルの意味は重い

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    2022年08月04日
  • なにかが首のまわりに

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    読書の醍醐味、
    知らない世界を知る、
    そんな作品でした。

    自分もアフリカやアメリカの地に居合わせたような
    そんな感覚を抱かせるシーンが山ほど。

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    2022年08月02日
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ

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    フェミニストであるということと「フェミニスト」という言葉にいかに多くのマイナスイメージが背負わされているかについて考えた。翻訳は少し読みにくいので原書でも読みたい。後で動画も他の著作も見たり読んだりしたい。

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    2022年06月09日
  • パープル・ハイビスカス

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    ネタバレ

    それがですね、しんどいんですよ。国の情勢も、父親の支配も、読んでいてつらい。従順に暮らしてきた15歳のカンビリが、イフェオマおばさんの家に行って初めて知る、賑やかな食事の時間やおしゃべり。圧倒されながらも、そりゃ引きつけられるだろうなあ。

    しんどいながらも、最後のほうには力強さも感じる。それが何なのかを少し考えてみたいと思う。

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    2022年06月06日
  • なにかが首のまわりに

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    セル・ワン
    イミテーション
    ひそかな経験
    ゴースト
    先週の月曜日に
    ジャンピング・モンキー・ヒル
    なにかが首のまわりに
    アメリカ大使館
    震え
    結婚の世話人
    明日は遠すぎて
    がんこな歴史家

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    2022年05月24日
  • 半分のぼった黄色い太陽

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    「アフリカ」と大雑把に語ることの無意味さを改めて反省。自らの無知と偏見をいくつも自覚させられ、非常に勉強になった。

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    2022年04月24日
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ

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    本が苦手でもスイスイ読めます。
    フェミニストというと主張が強くて過激というネガティブなイメージを抱いていましたが、そういう人ばかりじゃないんですね。

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    2022年04月08日
  • なにかが首のまわりに

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    アフリカ/ナイジェリアのさまざまステレオタイプにまつわる短編集。
    人種、ジェンダー、植民地支配の歴史、内戦、宗教/文化、移民などさまざまな観点でストーリーが描かれていてこまめに読みやすい作品。
    とても豊かな表現で海外著独特の表現があり、海外図書不慣れな私にとってはやや理解に時間がかかる部分もあったが、地域や時代、文化が異なるなかでも共感できる点があり、面白かった。

    個人的には訳者あとがきで著者の背景や活動を知ることでさらに内容を深められた

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    2022年03月03日
  • なにかが首のまわりに

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    アフリカ世界だけど(ナイジェリア)、フェミニズムな内容も含まれている。遠い世界だけど、この屈辱わかる、と共感を覚えることが多い。

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    2021年12月26日
  • アメリカーナ 下

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    ネタバレ

    愛の物語であるとともに、
    主人公の成長、
    すなわちアイデンティティの確立が語られる物語。

    なぜ二人は外国に行かなければならなかったのか。
    純粋に愛し合い、魂も美しいというのに。
    それは、国内にいたままでは
    自分で立つことができるほどの力はなく、
    やがてナイジェリアに飲み込まれてしまうことになっただろうから。
    それぞれが異文化の中で生きることで、
    外国の醜さを感じつつも、
    アメリカやイギリスという「個人」で生きることに触れて、彼らの魂も「自分自身」を形作っていくのだ。
    やがて彼らは母国へと帰ることになるのだが、
    それは敗北や逃避、あるいはただの郷愁ではない。
    なぜなら帰国しても違和感を覚え続け

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    2021年11月10日
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ

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    男にも女にも知っておいてほしいことが、わかりやすく書いてある。例えば、著者の祖母の話。彼女はフェミニストという言葉を知らなくても、性別に拘らず男女が平等に扱われることが大切であると直感で知っていて、それを行動に移した。他にも、一歳差の男女の兄妹は、妹だけが母親に「兄にラーメンを作ってあげてね」と言われたという。しかし、料理のスキルを身につけることは、性別にかかわらず生きていくうえで重要となるスキルだ。なぜ、女だからという理由だけで料理の担当を強いられるのか。これは私も同じ立場でずっと疑問に思っていたことだったので、非常に共感できた。

    フェミニストは何も、女だけがなるものではない。そもそもフェ

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    2021年08月22日
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ

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    チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ。「なにかが首のまわりに」で初めて知った、舌を噛むようなこの名前。今はアディーチェさんと気楽に言える。

    現代の世界文学界のスター的な「女性」作家です。2013年に『アメリカーナ』で全米批評家協会賞を受賞。1977年生まれだから現在は未だ43歳か。これは2012年のTEDの講演記録。

    非常に短くて直ぐに読めるが、ジェンダー問題の核心を突いて説得力がある。この講演があったから『82年生まれ、キム・ジヨン』が生まれたのか?と思えるくらい日常のさりげない性差別をキチンと突いている。

    「何かをくり返しやっているうちに、それは当たり前のことになります。何かをくり返し

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    2020年12月18日
  • なにかが首のまわりに

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    まだ数本しか読んでいないけれどこれまでに読んだことのない感覚の本。
    文体も独特だしそこはかとない不安を漂わせたまま終わる物語も。
    この一冊だけでなく何冊か読んでみたい著者。

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    2020年11月23日
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ

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    筆者の口から語られる言葉たちは決して過激なものでも、排他的なものでもない。フェミニズムという言葉の過激なイメージだけが先行してしまっている日本だけれど、本来フェミニズムが目指すものってそれじゃない。
    男も女も関係なくみんなで目の前で起きていることについて考えていこうよ、私たちの文化ってそうやって自分たちで作り上げていくものでしょう。私たち人間って、そういう社会的な存在でしょう、って改めて語りかけてくれてるみたいで、すごく優しかった。
    スピーチの加筆版なのでとても読みやすく分かりやすいのでその点でもおすすめ。

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    2020年11月19日
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ

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    フェミニズムを語る人は正直苦手でした。

    たまたま自分の目に触れた人だけかもしれないけど、テレビや新聞でフェミニズムを語る人は、どこか攻撃的だったり、ヒステリックな印象が強く、ネットはもっとひどい。で、そのフェミニズムに異を唱えるネット上の意見も、大概はフェミニズムを嘲ったりバカにしたようなニュアンスが入っているから、もうどうしようもない。

    言っていることは分かるけど、言い方や議論の仕方がどうしても受け付けなくて、とりあえず距離を置く。それが自分のフェミニズムやジェンダー論に対するスタンスでした。

    それが変わってきたのが、たぶん昨年にチママンダ・ンゴズィ・アディーチェという作家の作品を読ん

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    2020年09月15日
  • 半分のぼった黄色い太陽

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    まるで目の前にアフリカナイジェリアの暮らしがあるような生き生きとしたストーリーテリングの果てにたどり着く、圧倒的な戦争の虚しさと喪失感よ。

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    2020年08月23日
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ

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    『わたし自身の、フェミニストの定義は、男性であれ女性であれ、「そう、ジェンダーについては今日だって問題があるよね、だから改善しなきゃね、もっと良くしなきゃ」という人です。』
    本の袖にあるこの一節を、この先もずっと忘れないでいようと思った。

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    2020年08月02日
  • なにかが首のまわりに

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    ナイジェリア出身の作家で、近年では『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』などのスピーチでオピニオンリーダーとしても注目されているチママンダ・ンゴズィ・アディーチェの短編集。

    軽やかなユーモアとペーソスを交えながら、描かれているのは人種、歴史、ジェンダーをめぐる問題で、なかなか打ちのめされる迫力です。

    私のほとんど知らないアフリカの政治的混乱、植民地としての歴史。それゆえの貧困。アメリカに暮らすアフリカ人としての違和感。

    「アフリカ」ってひとことで言ってしまってますが、ジャマイカ人だと思われたり、サファリに行ってみたいと言われた経験が作品の中に出てきて、それがひとつの人種差別であることも感

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    2020年07月19日