エドガー・アラン・ポーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ポーの傑作選は岩波少年文庫から出ているものを読んだことがありますが、某有名カードゲームの元ネタである『早すぎた埋葬』が読みたくて購入。
既読の作品も多かったので、訳の違いも楽しみながら読み進めました。
うーん、やっぱり『赤き死の仮面』と『アッシャー家の崩壊』が大好きなんですよね〜。このゴリゴリのゴシック調の雰囲気、たまりません。
楽しみにしていた『早すぎた埋葬』はというと、本書の中で唯一(?)笑ってしまう話で、なんだか意外でした。いや本人は真剣だから笑っては悪いのですが……。
でも、当時普通にあった”早すぎた埋葬”を防ぐための「安全棺」や「生き埋め防止協会」が出てくると、どうしても、ね( ˊᵕˋ ;)
しかし、なすすべもなく生き埋めにされてしまうことの絶望感、恐怖、無力感への衝撃がそれだけ大きかったということですよね。たしか『ボーン・コレクター』でも埋められそうになってたなぁ……。
本書にはポーの詩人としての一面も堪能できる作品もいくつか収められています。
もちろん原語は英語なのですが、訳者である河合祥一郎氏の並々ならぬ努力とこだわりを感じることができました。
ポーを一躍時の人とした『大鴉』なんて、実際は英語で発音するからこそ凄さがわかるだろうに、日本語でもそれを追体験できるのだからすごい。さらに、巻末の解説ではオススメの音源まで紹介してくださっています。
そう、本書の特徴は河合氏による80ページに及ぶ”ポー解説”といっても過言ではないと思います。
ポーが何にインスピレーションを受けてそれぞれの作品を生み出したのか、そして彼自身の数奇としか呼べない人生……。実に読み応えがありました。
角川からは「怪奇ミステリー編」と題した続刊も出版されていますので、これも機会を捉えて読んでみたいなと思います。
怖い話は苦手だけど、ゴシックホラーにはなぜか惹かれるんですよね、ふしぎ。 -
Posted by ブクログ
エドガー・アラン・ポーの代表作の黒猫、アッシャー家の崩壊が収録されているホラー系の短編集。
この2つよりも僕は、赤き死の仮面と落とし穴と振り子が面白かったです。
赤き死は、疫病が蔓延した世界で、王様が様々な人々を城に招待し、外界から隔離し王達は仮面舞踏会を開催される。
その舞踏会に血まみれの衣装を着て、死後硬直の顔になっている仮面を付けた道化師が現れて事件が起きていく所が怖かったです。
赤き死の設定が、コロナ禍で生きている僕達みたいで、道化師がコロナウィルスな感じがして不気味に感じました。
道化師の仮面も犬神家の一族に出てくるスケキヨに似ているなーと感じました。
落とし穴と振り子は、ある所に幽閉された犯罪者が、落とし穴に落ちそうになり、貼り付けにされそこに近づいていく振り子に斬られそうになるストーリーがスリリングで怖いと思いました。
この短編集もゴシック風で、アランポーらしいかんじの文体で怖さが凄く伝わってきた作品だと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレエドガー・アラン・ポーの「黒猫」は、ゴシック文学の中でも特に傑出した作品です。この物語は、酒に溺れた男が愛猫を殺害し、その後、罪悪感と恐怖に苛まれる様子を描いており、ポー特有の暗く、緊張感あふれる筆致が色濃く出ています。
物語はかつて優しかった男が酒乱となり、愛猫プルートに暴力を振るうところから始まります。彼の行動は次第にエスカレートし、最終的には猫を殺してしまいますが、その行為が彼の運命を狂わせることになります。新たに現れた黒猫は、前の猫とそっくりでありながら、一つ違いがありました。その猫は胸に白い斑点を持っていたのです。
この物語を読む際、私は、主人公の精神の崩壊を目の当たりにして、彼の心理に深く引き込まれてしまいました。彼の罪悪感と恐怖が、まるで自分自身のものであるかのように感じられます。ポーは、心理に巧みに訴えかけることで、恐怖を増幅させる術を見せつけます。そして、その恐怖はただの外的なものではなく、内面から湧き上がるものであることを教えてくれます。
本作の作風は、人間の心理を深く掘り下げ、罪と罰、そして自己欺瞞のテーマを探求しており、単なる恐怖小説以上のものです。ポーは主人公の行動を通じて、私たち自身の内面に潜む暗黒面に光を当てます。そして私たちがどのように自己正当化を図り、真実から目を背けるかを描いているのです。 -
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズから、エドガー・アラン・ポーさんとまくらくらまさんのコラボ作品『黒猫』です。噂どおりストーリーも怖いけれど、まくらくらまさんのイラストでより一層重厚な恐怖感(なんか、変な言い回しだけれど汗)を味わうことができますよ!
主人公の男性が酒におぼれ、飼っていた黒猫のプルートを残虐極まりない方法で手にかけます。それを悔いて、酒場でみかけた別の黒猫を飼うことになるんですが…。変わらず酒に飲まれ、黒猫を疎ましく思い、そんな男性をみて妻は黒猫をかばおうとします。そんな妻を殺害してしまい…途方にくれた男性が思いついたのは…。
まくらくらまさんのイラストは、本当に美しいんです!!同じ乙女の本棚シリーズの『詩集『山羊の歌』より』で、飾っておきたいと思ったくらいなんです。だけどこの『黒猫』は、飾るのには怖すぎて抵抗を感じます(汗)。乙女の本棚シリーズを読んできて一番怖かったのがこの作品です。私は、乙女じゃないから読めたけれど現役乙女世代がこの作品手にしたら…平常心では居られないかもです。