エドガー・アラン・ポーのレビュー一覧

  • 赤い死の舞踏会 付・覚書(マルジナリア)
    収録作中9編は創元推理文庫『ポオ小説全集』で既読だが、
    訳が違うので新鮮な感動を味わう。
    吉田健一セレクトの短編集+
    ポオの覚え書き「マルジナリア」収録。

    ■ベレニイス(Berenice,1835)
     青年エギアスは従妹ベレニイスと共に育ち、
     長じて彼女を愛するようになったが、
     その美貌は病に...続きを読む
  • 赤い死の舞踏会 付・覚書(マルジナリア)
    短篇作品はもちろんどれも味わい深いですが、「覚書(マルジナリア)」が、ポーの随筆・文学論・人生論的断片が集められた感じで、芥川龍之介の「侏儒の言葉」に近いノリで楽しめました。
  • 黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集I ゴシック編―
    はじめてポーの作品に触れた。
    私が愛してやまない夢水清志郎事件ノートシリーズの著者である はやみねかおる先生に影響を与えた作家。
    夢水清志郎事件ノートを読んでいると、ポーの作品を彷彿とさせる描写がいくつか見られ、今回そのルーツを辿ったわけである。漠然とした感想だが、幼い頃に訳もわからずとりあえず暗記...続きを読む
  • 大渦巻への落下・灯台―ポー短編集III SF&ファンタジー編―
    ポーのSF物短編7作。他の短編集に比べ、SFだけ、好みの分かれるところ。一文が長く難解で、読みづらいものもあった。2020.11.17
  • モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集II ミステリ編―
    ミステリー物六篇。著名な「モルグ街の殺人」「黄金虫」が良かった。19世紀前半の作品であり、元奴隷の黒人従僕が登場したり当時の時代背景を窺える。今日ではさらに複雑な事件解決を図るものが出ているが、推理小説の端緒とみれば興味深い。2020.9.30
  • 黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集I ゴシック編―
    「アッシャー家の崩壊」構成がすばらしい。精神錯乱の心的表現は真に迫って、自分で感覚を得たことがあるかのようだ。「ウィリアム・ウィルソン」ドッペルゲンガー。ドストエフスキーの「二重人格」を彷彿とさせるが、発表はこちらの方が先のようだ。「黒猫」黒猫で象徴される古くからの不気味なイメージが盛り込まれている...続きを読む
  • モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集II ミステリ編―
     ポーの作品は、言わずと知れた推理小説の嚆矢。アッシャー家の崩壊や黒猫など恐怖小説の著作でも有名だが、本短編集は推理小説6作から成る。
     「モルグ街の殺人」は史上初の推理小説だとされているが、本文中に“わたしがひとつの超自然現象について詳述しているだとか、伝奇小説を執筆しているのだとか思ってもらって...続きを読む
  • ポー詩集
    以前、映画でポーが亡くなる前の数日間を画いた作品を観た。そのときからポーの謎の残る死と、ポーの心を現しているだろう詩に興味を持っていた。

    今回はポーの詩の中でも特に読んでみたかった、「大鴉」「アナベル・リイ」の含まれた本書を読んでみた。
    18篇の詩と、「詩の真の目的」という短い文章の載った一冊。
    ...続きを読む
  • 大渦巻への落下・灯台―ポー短編集III SF&ファンタジー編―
    ◇ 大渦巻への落下
    地球空洞説を背景にして、極地でのアドベンチャー。

    ◇ 使い切った男
    あの人はね……っ、というところで毎回話題が変わって。
    実はサイボーグだった、というオチ。
    コメディみたい。

    ◇ タール博士とフェザー教授の療法
    精神病棟における、管理者と患者の交代劇。
    中井英夫みたいだなぁ。...続きを読む
  • ポー詩集
    大別してふたつ。
    死んだ恋人への哀惜。
    死と退廃。

    大鴉
    夢の夢
    ヘレンに
    海中の都市
    死美人
    レノア
    不安の谷間
    円形戯場
    ヅァンテ島の歌
    幽鬼の宮
    勝利のうじ虫
    幻の郷
    ユウラリイ
    ユラリウム
    ヘレンに贈る
    黄金郷
    アナベル・リイ
    鈴の歌
    詩の真の目的
  • モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集II ミステリ編―
    「モルグ街の殺人」
    小中学生だった私の脳裏に犯人は@@@@@@@という強烈な印象を叩き込んだ。
    いま読み返してみて、死体の陰惨な状況に驚く。好み。

     *「マリー・ロジェの謎」を敢えて省略する編集にはがっかり。

    「盗まれた手紙」
    真相は本当にしょうもない。
    が、そこに至るまでの迂遠や衒学や雰囲気づ...続きを読む
  • 大渦巻への落下・灯台―ポー短編集III SF&ファンタジー編―
    19世紀アメリカの作家ポー(1809-1849)の短編集。ミステリやSFというジャンルの源流とされる彼の想像力は、その時代社会の中でどこから産まれどのように育っていったのか。扱われている素材は、大渦巻、美容整形・サイボーグ、精神病院、人工知能、未来予測、人工楽園・・・。

    「大渦巻への落下」

    十代...続きを読む
  • 黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集I ゴシック編―
    黒猫・アッシャー家の崩壊

    エドガーアランポーを初めて読んだが、ゴシック編というだけあって中世的であったり神話的であったりする作品が集まっているように思う。象徴物が人間の精神を蝕んでいく奇妙な話や、分身の話、永遠の美女の話、地獄の話などなど。ウィリアム・ウィルソンは古典的な分身の話であるが、まさに映...続きを読む
  • モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集II ミステリ編―
    エドガー・アラン・ポー 巽孝之訳
    ポー短編集Ⅱミステリー編
    モルグ街の殺人
    盗まれた手紙
    群衆の人
    おまえが犯人だ
    ホップフロッグ
    黄金虫
    古臭さを覚悟して読み始めたが、読みやすい本になっているが、光文社新訳文庫も読んで見たくなりました。
  • ポー詩集
    名探偵デュパンが活躍する"モルグ街の殺人"やゴシック小説を代表する"アッシャー家の崩壊"で知られるEdgar Allan Poeは詩人としても有名です。本書には、"大鴉"、"幽霊宮殿"や"アナベル・リー"など代表的な詩作を収録しています。けっこう難解なのですが、ゴシックな雰囲気を味わいたいのであれば...続きを読む
  • 黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集I ゴシック編―
     江戸川乱歩からそのペンネームの由来のポーへ。「アッシャー家の崩壊」は名前だけ聞いたことがあった。ゴシック作品がまとめられており、どの作品にも暗く、妖しい雰囲気がある。現代は映像などで怖い話が溢れているので、この本の話で恐怖を覚えるということは無かったが、当時の人びとは背筋を凍らせたであろうことは想...続きを読む
  • モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集II ミステリ編―
    推理小説の元祖が読みたくて読破。
    推理小説という枠に収めるには惜しい小説だった。
    トリック自体はおそらく現代のほうが優れてるであろうが、小説としては傑作であると思う。
  • 黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集I ゴシック編―
    全体的におどろおどろしい作品。「黒猫」は猫がかわいそう…と思って読んでいたけど、不吉の象徴と考えればなるほどね。「赤き死の仮面」「ウィリアム・ウィルソン」は似ているけど、主観的なのか客観的なのかとういう視点で面白い作品でした。「アッシャー家の崩壊」はまさにゴシックホラーですね。
    どの作品もこの時代に...続きを読む
  • モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集II ミステリ編―
    名探偵と助手のスタイルのさきがけ「モルグ街の殺人」トリックどうこうでなく、古典文学として素晴らしいかな?犯人が意外すぎて「うそー」って感じです。
    「黄金虫」は本当に宝探しものだったことに驚いてしまいました。てっきり友人は幻覚でも見ているのか??と思っていたので、私のなかでそこがどんでん返しでした。そ...続きを読む
  • モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集II ミステリ編―
    とても有名ではあるが、推理小説の元祖でこんな犯人⁉︎をもってくるなんて後の世作家の選択肢をいきなり狭めているんじゃないw
    でも、やはり始祖だけにあまり複雑なヒネリなく素直に読めました。