古川薫のレビュー一覧

  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)

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    吉田松陰が死の前日に書いた遺書であり、自らの魂を受け継がせる塾生に宛てた手紙である。
    留魂録を読み、死ぬこととはどういうことか、その日まで自分の命をどう使うか、その死生観を考えさせられ、30歳の若者が死の前日にここまで落ち着いた文章で、自分の人生を総括できるものなのかと驚嘆する。
    松陰の死生観と至誠をもっと学んでみたい。

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    2022年07月31日
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)

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    全訳されているため、意味は現代語で理解できる

    自身の誠を持って話せばわかってくれると
    最後まで信じていた吉田松陰が死を前に
    門下生を焚きつけた文章。
     →間部詮勝暗殺計画を自ら口走ってしまった
    人には何歳で人生が終わるとしても四季がある
     →その中でどんな実を結び、次の種をつくるのか
    飛耳長目、外に目を向けることに重きを置いていた

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    2022年06月22日
  • 松下村塾

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    ネタバレ

    松下村塾でどのような教育が行われ、どんな生徒が集まり、吉田松陰は何を教えたのかが分かる本でした。吉田松陰は身分や年齢にかかわらず共に学ぶことを第一として、「学びなさい」と学生に伝えたという。志を立てること、行動すること、自分で問を立て考えることを教え、後に討幕を起こす志士を何人も輩出した。僕もこの時代に生きていたら吉田松陰に学びたいと思った。松下村塾で寝起きし、共に生活しながら議論し学んでいく環境がとてもうらやましい。今の自分にできるのは本を読んで、自分の頭で考えて、文章に起こしたり行動することだけだが、がんばってみよう。

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    2020年06月26日
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)

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    ネタバレ

    吉田松陰の残した言葉そのものを知りたく読んでみました。
    留魂録は松陰が処刑される前日に書きあげられたもので、松下村塾で共に学んだ弟子に対しての最後のメッセージがかかれています。人間は10歳には10歳の、30歳には30歳の、70歳には70歳のそれぞれの人生の四季があるという死生観は印象的でした。「身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留置まし大和魂」という留魂録冒頭の句には、松陰の死に対する覚悟と、攘夷を未来に託す志が表れていると思います。
    吉田松陰かっこいい~

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    2020年06月15日
  • 君死に給ふことなかれ 神風特攻龍虎隊

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    あまりに不平等な人生

    ドキュメンタリー風の小説。作者自身の体験がベースになっている。自分が最後に整備し、
    メッセージを残した練習機が特攻に使われたことを知り、本作がなかばライフワークの
    ような存在になったというが、たしかに行間に作者の気迫のようなものがが感じられた。
    ちょっとした偶然や行き違いがもとで、運命的な出会いや別れを体験するというのは
    よくある話。まして戦時中ともなれば、ワンタッチの差で生死が分かれてしまうことだ
    ってざらにある。生き残れるかどうかはまさに運次第。
    前途ある若者が、上層部の理不尽な命令一本で出撃を命じられ、あっけなく散っていく。
    一方で無謀な作戦を立案し、大勢の若者を死なせた指

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    2020年05月02日
  • 秘剣「出撃」

    購入済み

    炸裂!大森流居合術

    腕の立つ旅姿の浪人が、行く先々でバッタバッタと悪人退治。主人公の深田清兵衛に思わず三船敏郎を連想してしまった。剣戟シーンの描写が巧みで、臨場感満載。三日で読了。

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    2020年04月27日
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)

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    吉田松陰
    処刑前日に書き終えた遺書「留魂録」

    身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬとも
    留め置かまし 大和魂

    無念のうちに散ったの思える松陰も
    留魂録の中ではこう言っている。

    人それぞれの人生には四季がある。
    10代で死ぬ者も、その人生の中には四季があると。自分の29年という人生も、実は身を結んでいるのだと。
    年数ではなく、その与えられた人生を如何に生きたかにこそ価値があると。


    吉田松陰が教育者として当時の中で一線を画していたのは、
    身分制度を越えた横の関係で、塾生と繋がっていたことだろう。
    身分に関係なく師と生徒が互いに学び合う。

    身分制度の束縛が強すぎると藩に松陰が提言したほどの封建

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    2019年10月06日
  • 花冠の志士 小説久坂玄瑞

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    幕末と言えば!な本を久しぶりに読んでみた
    なんかビジネス書とか神格化されがちだな~と
    前からちょっと毛嫌いしていた久坂玄瑞。
    だけど読んでみたらスッキリ。
    こういう人間臭さがとても良い(良くも悪くも)
    幕末の世に25年の生涯を華々しく散ったといえば聞こえはいいが
    吉田松陰とのやりとりが一番面白かった
    でも見込まれたから結果的に、吉田松陰の妹と結婚したしとかも思うけど…
    それはさておき。
    今の吉田松陰の神格化も、たぶん久坂玄瑞がいなかったらここまでなかったと思う
    そして最後まで意思を受け継いで行ったのであろうとも。
    相当なキレ者だと思うし、これは久坂玄瑞様様じゃないかと
    NHK大河ドラマ「花燃ゆ

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    2019年09月30日
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)

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    たかだか五千字程度に著された人生の深淵。
    死ぬ事とは何か、至誠とは何か。
    暗中模索で駆け抜けるその姿はまさに自ずから咲き誇る花なり。

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    2019年07月01日
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)

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    吉田松陰の偉大さと、非凡なまでの無垢なところが良く分かる。維新ファンならずとも読む価値があります。松蔭の心の叫びを心して聞いてください。

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    2018年10月23日
  • 松下村塾

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    松陰先生の松下村塾について、先生の略歴も交えて解説している書。

    タイトルが松下村塾なので、基本的には村塾周辺を解説していますが、松陰先生のこともわかります。

    松下村塾からは新生明治日本を作った傑物が何人も出ていますが、彼らが何をどのように学び、活かしたのかが簡潔にわかります。

    どちらかといえば事績に関する部分が多いので、松陰先生の考え方が知りたくなったら留魂録なども併読するとより深く理解できると思います。

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    2016年11月05日
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)

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    「留魂録」は、幕末の長州藩において、維新回天の原動力となった志士を幾人も育てた吉田松陰の遺書です。この訳は大変読みやすく、後半は松陰史伝も載っているのでオススメです。

    中身は門下生に宛てた後事を託す内容になっています。刑死するに至る顛末のほか、死前の獄中生活において出会った有志の士の紹介、そして死に臨んでの松陰の辿り着いた人生というものの境地などがまさにありのままに書かれています。

    全編松陰の思いが刻み込まれていて感慨深いものがありましたが、特に深く感銘を覚える箇所がありました。その一つが有名な「人生の四季」を述べるところです。

    「四季について」は、「どんなことをしようとも、人は生まれて

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    2016年02月23日
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)

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    まず疑問に思ったこと。留魂録は果たして遺書か?それとも遺言か?どちらでとらえるかで、松陰の伝えたかったメッセージの意味が違って見えてくる。著者は遺書ととらえている。死生観を綴っているところは特にその印象が強い。しかし私はこれを遺言ととらえた。なぜなら、松下村塾の門下生はその意思を受け継いだからだ。松陰の攘夷論、教育観、人生観には非常に感銘を受ける。しかし、伝えるのは「生きること」と「教育」の2つであってほしかった。討幕や暗殺といった過激な思想まで伝え、そして自ら大獄に死してしまったがために、死が美化され、門下生の大半も死に至り、代わりに「維新=暗殺」という観念だけが、昭和初期まで生き残ってしま

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    2015年08月24日
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)

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    ネタバレ

    『身はたとひ 武蔵の野辺に朽ぬとも 留置まし大和魂』

    この歌から始まる「留魂録」は、吉田松陰が江戸小伝馬上町の牢内で書き上げた遺書である。
    門下生に宛てた、最後の言葉たちが述べられている。

    その中ではやはり、死生観を四季に例えて語った部分が印象的であった。
    『今日死を決するの安心は四時(四季)の順環(循環)に於て得る所あり』

    自分自身の生き方を考えさせられる一冊であった。

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    2015年02月25日
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)

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    吉田松陰が死の直前に書いた弟子達への遺言。松陰先生は素晴らしい思想家・人格者・教育者であった。
    僕が何を書いても、ただただ恥ずかしいばかり。
    感じ取り恐れ入るしかない。
    この恥ずかしさが将来いつか行動へと昇華されることを願う。

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    2013年08月18日
  • 桂 小五郎(上)

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    桂小五郎・・・はどんな人だったのかというと、 いわゆる伝奇小説に描かれているような“怜悧さ” “俊敏さ” “先見の明” は、・・まぁ あるにはあった。 が
    現実の桂さんってもっと失敗もしたし、周囲の人がドン引きするようなこともやったりしていたし後世の人々からみて批判されるようなことだってしてた。(維新後の、キリシタン弾圧とか)

    それに、多くの作品で知られるような 攘夷運動(幕府に対するテロル行為等)はほとんどやってなかった。ていうか、そーゆうことやってたのは若手長州人たちで、桂さんはというと彼ら後輩の暴発行為を兄貴然としてたしなめたり、説教したり、説教しすぎて高杉晋作や伊藤俊輔からちょっと敬

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    2012年04月10日
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)

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    ネタバレ

    人は、本から学び、旅先の土地から学び、歴史から学び、人との議論から学ぶのだと思った。そして、どんな人生であろうと、その人生に意味をつけるのは後世の人であり、自分ではない。である以上、自分は自分が納得し、悔いを残さないように生きるべきだと感じた。
    幕末と現代では、社会が抱えている問題は大きく異なるけど、松陰先生が言っていることは普遍なのだろう。だからこそ、読んでいて、心に染み渡る感覚が生まれる、そう感じさせてくれる作品。
    自然と一つ一つの言葉を、ノートへ書き写していく自分がいた。
    萩、もう1回行こうかな。。

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    2012年03月17日
  • 斜陽に立つ

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    「自敬に徹したこの最後のサムライにとって、世上の毀誉褒貶は無縁のざわめきでしかなかった。」

    古川さんの昨年出版された最近刊。
    乃木希典を描いた小説かと思い読み始めましたが、評伝のような作品でした。
    明治を生きた性格と境遇の対照的な二人の軍人、乃木希典と児玉源太郎を多くの史資料を参考にして読み解いています。
    乃木希典を描いた『軍神』、児玉源太郎を描いた『天辺の椅子』の著書をもつ古川さんにとっては得意分野です。

    司馬遼太郎氏の『殉死』を読み
    ―これでは乃木さんがあまりにも可哀そうだ。
    という衝動から出発し、乃木に関する記事の誤謬をただそうとこの作品を書き上げられたそうです。
    「長州ぎらい」とい

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    2010年10月10日
  • 暗殺の森

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    直木賞作家、古川薫さんの中山忠光暗殺について書かれた作品です。
    来月、このあたりに行くかもしれないので再読してみましたが、つくづく、歴史って面白い!ということを再確認しました。

    中山忠光は明治天皇の叔父にあたり、攘夷過激派の公卿として知られ、尊攘派の志士と交わり活動していました。
    後に天誅組の首領となり文久三年(1863)大和で挙兵しますが、戦いに敗れ長州藩へ亡命。
    しかし、八・一八の政変で長州を頭とする尊攘過激派が京より一掃されると長州藩内でも俗論党が台頭してくるにおよび、もてあました長府藩により暗殺されてしまいました。
    ちなみに、潜伏中に側女として仕えた恩地登美子との間にできた女児が後に

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    2010年09月29日
  • 君死に給ふことなかれ 神風特攻龍虎隊

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    2014年に山口新聞に連載された古川薫氏の小説。最後の特攻となった「神風特別攻撃隊第三竜虎隊」とこの特攻に使用された練習機を整備した深田隆平の物語です。本書の主人公である深田隆平は古川薫本人であり、実際にあった出来事をベースにしているようです。太平洋戦争をテーマにした作品はたくさんありますが、終戦間近の雰囲気をここまで強く感じる作品も少ないと思います。第一章に登場する宮古島で出会ったタクシー運転手の気持ちも痛いほど伝わりました。戦後80年経った現在の私たちは平和を努力して維持しないといけないと感じました。

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    2025年10月09日