古川薫のレビュー一覧

  • 影武者

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    先に読んだ「花冠の志士」が良かったので、もう一冊。今度は短編集です。
    悪くは有りません。標準点以上と言えるでしょう。でも余り突出したものは感じませんでした。ひょっとしたら長編作家さんなのだろうか。
    ところで、このなかの「奇謀の島」は毛利元就が雄飛するきっかけとなった陶晴賢との厳島の戦いを描いています。厳島(安芸の宮島)を目の前に見る私の住んでいる町や聞きなれた地名が数多く出てきます。なかなか不思議な感じがしました。

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    2017年11月08日
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)

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    『留魂録』は、吉田松陰が1859年10月27日に死刑判決を受けて即日処刑された、その前日に江戸小伝馬町の牢獄で書き上げた遺書である。本書には、『留魂録』本文のほか、解題、史伝が含まれ、松陰の生涯と時代背景についても詳しく解説されている。
    松陰は、同じ遺書を二通書き、一通は萩の高杉晋作、久坂玄瑞らに届けられたが、その後所在不明になり、今日その正確な全文が伝わっているのは、牢名主であった男が自分が出獄した後、1876年に元長州藩士の元に届けた、もう一通によるものである。
    『留魂録』の中で最も心に残るのは、穀物の収穫に例えて死生観を語った第8章、「(現代語訳)今日、私が死を目前にして、平静な心境でいるのは、春夏秋冬の四季の循環ということを考えたからである。・・・十歳にして死ぬ者には、その十歳の中におのずから四季がある。二十歳にはおのずから二十歳の四季が、三十歳にはおのずから三十歳の四季が、五十、百歳にもおのずからの四季がある。・・・私は三十歳、四季はすでに備わっており、花を咲かせ、実をつけているはずである。それが単なるモミガラなのか、成熟した粟の実であるのかは私の知るところではない。もし同志の諸君に中に、私のささやかな真心を憐み、それを受け継いでやろうという人がいるなら、それはまかれた種子が絶えずに、穀物が年々実っていくのと同じで、収穫のあった年に恥じないことになろう。」の件であろう。
    また、高杉晋作の「男子の死すべきところは」という問いに対する、「死は好むべきものではなく、また憎むべきものでもない。世の中には生きながらえながら心の死んでいる者がいるかと思えば、その身は滅んでも魂の存する者もいる。・・・人間というものは、生死を度外視して、要するになすべきことをなす心構えこそが大切なのだ」という返信も印象的である。
    明治維新の精神的指導者の熱い思いが伝わってくる。
    (2010年9月了)

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    2016年01月11日
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)

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    ネタバレ

    文章で読んでいるだけでも教育者としての凄さが伝わってくる。諄々と諭すような講義を面と向かって学んだときの感化力は相当大きいのだろうなあと思った。ただ、松陰先生は行動に関しては粗忽なくらいに機を見ずにやっちゃう人だったのか?友人の仇討旅行につきあう約束をしたけど藩からの手形が間に合わなくて脱藩したり、黒船に乗せてもらおうと小舟で近づいたり、門下生に檄文飛ばして皆から諌められて錯乱したり、あげくに幕府が気づいていない計画倒れに終わったことを披露して死罪になった。革命の種子を蒔く人は、キレキレの頭の良さと、同じくらいにキレた行動をする人なのだろうなあ。

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    2014年12月13日
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)

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    ネタバレ

    偉人であるとの先入観を持って読んだため、
    若干肩すかしに感じた部分があった。
    (現在の日本に与えた影響は計り知れないとわかりつつ)
    しかし、松陰とのやり取りで、今も昔も、お役所ってこんな感じだったのねと思った。
    100年後もおそらく同じなんだろうな。

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    2013年10月27日
  • 斜陽に立つ

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    司馬遼太郎が乃木希典を貶している由だが,本書はそれに対する反論だ.同郷であることもあって,著者の論説に共感する所が多い.日露戦争で確かに多くの兵士を殺した将官であるのは事実だが,大本営の無策もある.児玉源太郎については希典との出世競争の形で書いている.全般的に淡々と進む記述に好感が持てた.

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    2011年11月07日
  • 雪に舞う剣

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    江戸末期から明治にかけての短編歴史小説集。

    「春雪の門」 愛した人と刃を交えることになった姉妹のお話。
    「玉かんざし」 不世出の剣士、島田虎之助の最期。
    「夜叉と名君」 薩摩の名君、島津斉彬の夜叉の顔とは。
    「冬の花」 長府藩に殺害された中山忠光と下関の豪商・白石正一郎との縁とは。
    「青梅」 高杉晋作をとりまく正妻・雅子、おうの、望東尼について。
    「春雨の笛」 福岡脱藩、平野国臣と白石正一郎について。
    「歳月の鏡」 明治末年まで店を構えていた京屋と幕末の剣客・野々村勘九郎のつながりとは?

    この中の「夜叉と名君」は薩摩のお話。古川さんの薩摩モノは初めて読みましたのでちょっと驚きました。
    薩摩藩の財政改革をやりとげた調所広郷の腹心であった海老原雍斎が、明治になって島津斉彬とお由羅騒動について語るといった内容。
    「だれしも二つの顔を持つもの、見る位置によって、菩薩にも夜叉にもなる」
    というセリフがでてきますが、歴史についてもそのままがいえると思いました。
    四方から客観的に歴史をみようとする著者の姿勢の表れのような言葉でした。

    「冬の花」は『暗殺の森』と対を成す作品。そういえば忠光卿は白石邸にも滞在していたのでした。

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    2010年09月30日
  • 桂 小五郎(下)

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    と言っても下巻は木戸さんになってからがメイン。
    著者自身が「木戸時代になってからは魅力失せる」思いを抱いているのですが、内容は木戸さんに同情的。

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    2009年10月04日