野中モモのレビュー一覧
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すごい一冊でした
おおよそアーティストの音楽本とは思えない、膨大な資料による、世に初めて音楽が生まれた時代から現在のストリーミング時代まで、いかにして人は音楽を消費してきたかが、そりゃあもう小難しく書かれているわけです
あまりに難解で読み終えるのに1か月くらいかかっちゃいましたが、自ら印税の税率や制作コストなど全てを開示し、アーティストとお金の仕組みを細か〜く教えてくれます
そうは言っても表現を優先してきたアーティストなので、パッケージの変遷と共にそのジレンマは相当なものなんだろうなと想像出来ます
唯一、CBGBへの愛情だけはお茶目で可愛いデヴィッド・バーンでした -
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80年代を代表するバンド、Talking Headsのフロントマンであり、近年は音楽映画『American Utopia』で素晴らしいショーを見せてくれたDavid Byrneが2012年に出版した音楽論考がついに邦訳。
レコードからストリーミングに至る音楽メディアの変遷について、レコーディングスタジオで実際に何が起きているのか、音楽ビジネスを巡るカネの話など、テーマは広範に渡るが、いずれも一般論だけではなく、彼自身の実際の活動におけるエピソードがふんだんに盛り込まれていて、膝を打ちながら読み進めた。
白眉はやはりレコーディングスタジオでのトピックであり、ここではBrian Enoとのコラボレーションがどうであったか、コード進行を持つポップス的な作曲から、ワンコードでひたすらリズムテイクを録音してそれをテープコラージュしながら曲を作っていくというTalking Headsの傑作『Remain in Light』の時期のレコーディング術などは、彼の音楽を長年愛してきた自身としてワクワクするネタばかり。
また、カネの話に関しては、ここまでミュージシャンが内実を晒すことは滅多にないのでは?、と思うくらいのレアな一次情報に溢れている。それは、彼の数枚のソロアルバムについて、発生した経費の総額・内訳、売上の総額・内訳(地域別、CD・配信などのメディア別)までが何と円グラフで示されているからである。
そうした自己開示も含めて、音楽を志す若いミュージシャンへの応援とも、自身は受け止めた。 -
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世界初のコンピュータ・プログラマー「エイダ・ラヴレス」に興味を持ってWikipediaを読んでいたら、参考文献に載ってたのが本書でした。
50人の女性科学者についてイラスト付きの見開き2ページで説明していくというスタイルの本。
正直なところ惹かれる文章ではなかったので、こういう人たちがいるんだなーといった雑な感想を抱いたくらい。COBOLを作ったのがグレース・ホッパーさんという女性の方だったのが、興味深いと思った。まさか、日本でここまで忌み嫌われることになるとは思ってなかっただろうな。。
あとアメリカ人が書いた本だからかも知れないけど、日本人が1人も出てこないのが寂しい。 -
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映画「ドリーム」に感銘を受けて喜んでいた頃、夫が買ってくれた本、だったかな。私と、やがて産まれる娘のために。
元々伝記を読むのが好きだったけど、それはそれはエクストリームなゴリッゴリのバリッバリのバリキャリ達が数々登場して、勇気が出る。私の困難はまだまだ大したものではないし、私の苦しみは取るに足らないものだし、それでいて、成した事はまだ少ない。もっとやるべきだという気に、させてくれる。
この本の年表を見ていて思ったけど、女性を取り巻く問題は社会的な問題でありながら、女性への評価は寧ろ社会科学界より自然科学界で先に認められてきたのだなと思う。それはまあ、考えてみれば、ラジウムを発見した人に「発見してない」と言い放つことは難しいので、当然そうなるといえばそうなんだけども。
ただ、逆を言えば、余程尋常でない貢献を分かりやすく掲げてこなければ、不利な状況を打開してこれないものだなとも思う。そして、自然科学界の女性の貢献が、女性全体の地位向上に多大なる寄与をしてきたのだらうとも思う。有難い。
物知りな人、北米文化圏の人だと常識な人物ばかりなのかもしれないけど、自分程度の人間だと、知らない人物が多かったので、周りへの薦めやすさという意味で星を一つ留保したけど、方向性と、内容はとても良い本。
無理強いしたくないので、娘に強く勧めることはしないかもしれないけど、いつか自然と手に取ってくれると良いな。
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歴史の陰に科学あり。その科学の陰に女性科学者あり。
本書は偉大な功績を残しつつ、あまり注目を浴びてこなかった50人の女性科学者にスポットライトを当てる。
著者のレイチェル・イグノトフスキーはイラストレーター。教育や科学リテラシーに深い関心を持ち、わかりやすいイラストで情報を伝えようと試みている。本書は、米国でビジュアルブックとして出版されて20万部を突破、世界19カ国で翻訳されたという注目の1冊である。
50人の女性科学者の業績を、彼女たちの似顔絵と略歴、印象的なエピソードやひとことで綴る。
目次をざっと見ても、知らない人物が多いことに驚く。
古代の天文学者・数学者ヒュパティア、化石コレクターのメアリー・アニング、ラジウムのマリー・キュリー、『沈黙の春』のレイチェル・カーソン、『二重らせん』のワトソン・クリックの陰に隠れたロザリンド・フランクリン、霊長類研究のジェーン・グドールなど、比較的有名な人物も取り上げられていることはいるが、大半は知らない名前がならぶ。
だが業績を見ると綺羅星のごとくである。
科学・技術・工学・数学(STEM)の分野で活躍した50人。理論物理学者、細胞遺伝学者、コンピュータ科学者、神経科医、薬理学者、プログラマー、宇宙飛行士。
人物によっては著者の筆がいささか前のめりに感じられ、実際には評価の分かれそうな例もある。とはいえ、いずれも後世に与えた影響の大きい、マイルストーン的な成果を残した人たちである。この本をきっかけに名前を知り、より深く調べる端緒となればそれもまたよしということだろう。
驚くのは、時代によっては、そもそも女性が学ぶこと自体が困難で、男子学生と机を並べることも許されなかった場合があることである。さらには女性であることに加え、ユダヤ人として迫害されていたり、貧困に苦しんでいたり、マイノリティとして抑圧されていたりした人物が少なくない。
障害や障壁を乗り越え、彼女たちを先へと進めたのは、「知りたい」という欲求だったのだ。
映画女優である上に発明家であるとか、植物学者で女性参政権活動家であるとか、業績が多岐にわたる人物も多い。そのバイタリティに勇気づけられる人もいるだろう。
イラストはポップだが、細密で、背景を相当調べて描き込んでいることが感じられる。
作りからして、「女の子」向けではあるのだろうが、高い壁に負けずに「その先」を目指すさまざまな人に元気を与えてくれる1冊だろう。 -
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ネタバレ歴史を揺るがした50回の衝撃と、未来を彩る教育的アート――『世界を変えた50人の女性科学者たち』を読んで
2018年4月に刊行された『世界を変えた50人の女性科学者たち』は、少し大きめのビジュアルブックである。ページを開いた瞬間、そのおしゃれでユーモラスな挿絵にまず目を奪われるが、そこに描かれているのは単なるポップな伝記ではない。文章とビジュアルの奥に潜んでいるのは、強烈なエネルギーと、社会の分厚い壁を覆してきた情熱の歴史である。
本書が描き出すのは、科学・技術・工学・数学(STEM)の分野において、歴史の陰に追いやられがちだった女性たちの足跡だ。彼女たちが生きた時代は、そもそも女性が学問を深めたり、仕事で活躍したりすること自体が極めて困難であった。徹底した男性優位の社会構造や、人種差別という理不尽な壁が立ちはだかるなかで、彼女たちはそれらを乗り越え、自らの手で塗り替えながら世界に多大な貢献を果たしてきた。本書は、そうした「女性の活躍の場が切り拓かれていった歴史」を、50人の生涯を通じて鮮明に映し出している。
読んでいて最も胸を打たれたのは、この本に登場する50人が、ただ「優れた業績を残した人」にとどまらず、「世界に衝撃を与えまくった人たち」だという事実である。50人の女性科学者が紹介されているということは、言い換えれば「世界を力強く叩き、揺るがした出来事が50回も記されている」ということだ。既存の偏見や常識をすべて巻き返し、たった一発でとてつもない偉業を成し遂げた彼女たちの軌跡は、純粋に面白いと同時に圧倒される。その事実を前にすると、「自分にも何かできるのではないか」「もっと頑張ってみよう」という活力が内側から湧き上がってくるのを感じた。
さらに本作の魅力は、内容の深さだけでなく、著者のレイチェル・イグノトフスキー自身の哲学にある。彼女について調べてみると、アメリカで生まれ育ち、「教育的なアート作品を創作すること」に心血を注いでいる人物だという。彼女にとって、勉強や教育、リテラシーといったものを、独自のイラストと文章を通じて世に広める行為そのものが、ひとつの「アート」として位置づけられているのだ。このアプローチには深く感銘を受けた。難解な専門書としてではなく、ビジュアルという直感的なメディアを通して知識を伝えることで、読者の心にダイレクトに火をつけることができる。
現に、この本を読んで触発される人が世界中にいて、その人たちがまた新たな歴史を動かし、世界はどんどん回っていくのだと想像すると、たまらなくワクワクした。日本ではこれまで女性科学者のロールモデルを知る機会が少なかったとも言われるが、こうした本が次世代の手に渡る意義は計り知れない。
家に一冊置いてあるだけで、本棚が、そして日常がパッと華やぐ。そんなパワーを持った素晴らしい本だった。世界を揺らした彼女たちの物語は、これからを生きる私たちに対して「あなたも世界を揺らせるかもしれない」と静かに、しかし力強く語りかけている。
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19人各人のフェミニズムがどこから始まったのかを綴ったリレーエッセイ。
フェミニズムが様々な差別を社会構造の問題として認識しているということを初めて知って、目からウロコの気分。
女性と男性、マジョリティとマイノリティ、そんな対立構造や、個人としての問題と考えていたが、この本で見方が変わった。
これまで味わった対応に理不尽だと感じても言語化できていなかったものが、フェミニズムという言葉を理解したことによって言語化できた。
時代が変われば立場も変わる。
誰であれ、自分が他者の権利を不当に奪っていないか?を考え続ける必要があると思う。
もっとフェミニズムについて知りたいと思った。 -
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様々な分野の19人のフェミニストによるエッセイ。自分がフェミニズムに目覚めたきっかけについて語っています。
はっきりとコレ!というきっかけがあるひともいれば、子どもの頃からなんとなく世界に違和感があった…という人まで、きっかけは様々だ。
自分には理解が及ばないような苦しみからフェミニズムに辿り着いた方もいれば、自分の感覚と近くて分かる分かる!と思いながら読んだ方もいるのですが、鴻巣麻里香さんのエッセイは特に自分の感覚を言語化してくれたような感覚になりました。
若いときは「女性として抑圧を受けているという文脈が内面化されていなかった」という鴻上さんが、子どもを産んで仕事をしているときに、子育てに専念したらどうかと諭されて、これって私が「女だから」言われたのだと、男性優位主義の現実に気づいたとき「それは生まれてはじめて眼鏡をかけたときの感覚に似ていた。こんなによく見える!という驚きに勝る「今までほとんど見えていなかった」ことに気づいた衝撃」と書いていますが、自分自身の経験とも重なりました。
バックラッシュもあるし、一部のフェミニストたちがトランス差別をしていたり、落ち込むことも多いですが、フェミニズムは社会を良くするものだと信じていますし、同じように思っている人たちがこんなに沢山いることが心強い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分の無意識さ、に気付かされた本だった。無意識とも言えるし、考えてもどうせ何も変わらないし、と諦めというか、考えようともしていなかったんなあと。フェミニズムって女性の不平等をなくそうっていうことだろうという浅い知識だけだったけれど、そうではなく、男性やあらゆるマイノリティの人も含め全ての社会の問題なんだなあと思った。男とか女とか、いろんなラベリングで人を評価したり判断せずに、ただの人間、として個人が見られる社会だったらいちばんいいけど。果たして自分はそれが出来ているか?他人を色んな物差しで測っていないか?偏見はないか?と問われたら自信がない。でもちょっと意識を持つだけでも、それだけで何か変わる気がする。