ジョージ秋山のレビュー一覧

  • 浮浪雲(はぐれぐも) 1

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    人生の極意、ここにあり

    むなしいむなしいと言うけれど、それは自分で自分の世話がやけなくなったときに出る言葉だよ。
    そんなこっちゃあんた、犬も飼えやしないよ。

    #癒やされる #深い

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    2025年12月03日
  • 浮浪雲(はぐれぐも) 112

    ネタバレ 購入済み

    遂に完結

    ジョージ秋山、天才、奇才漫画家!
    人の心の中を抉り出し、見たくない欲望を曝け出してくれる。
    最終巻ははぐれ雲とオカメさんの最後の物語。
    醜いものを曝け出し老いていく。老いても人間は生きていく。
    醜いままに老いていく。若い人達に是非読んで欲しい。
    現在の漫画では描き切れない人間の欲望、醜さ、素晴らしさを表現した作品です。
    読むのに辛くなる事もありますが。

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    2022年05月15日
  • ザ・ムーン (2)

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    隠れた名作

    「銭ゲバ」と「ゴミムシくん」の間の頃のジョージ秋山氏の作品ですが、いつか読みたいと思っていたものが今回初めて拝読できたので、感激もひとしおです。登場人物の熱量が素晴らしく、その意味では作者の他の作品とは少し異なる味わいがあるのですが、それでも独特の人間観・社会観・世界観が貫かれていて、是非とも氏の有名な作品群と並べて読んで頂きたい隠れた名作だと思います。

    #ドキドキハラハラ #アツい #深い

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    2021年04月28日
  • アシュラ(上)

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    人間を知る良き機会

    人間の業の中で「飢餓」が一番恐ろしいと感じた良い機会であった。古今東西、極限の飢えが人が人を食べるという史実を生み、またそれを防ぐために叡智を絞ってきたとも言えると思う。アシュラは言葉を知る前に本能的に人喰いを覚え、そのために人殺しを覚える。しかし母のぬくもりを求めるのもまた本能。つくづく深みのある作品だと思う。

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    2020年06月08日
  • アシュラ(上)

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    ネタバレ

    1970ー1971週刊少年マガジン掲載、同時期、週刊少年サンデーに連載された代表作『銭ゲバ』のアナザー・ストーリー、根源ともいえる鬼才・ジョージ秋山による衝撃作。




    「人はなぜ生きるか」という極限下での思考実験。
    歴史というフィルターを通して、あり得たかもしれない境遇の主人公を登場させ、徹底的に非・人道的な性質を与える。地獄絵図を見せながら、読み手に人生の選択を迫る。ジョージ秋山の真骨頂であり、高度経済成長〜一億総中流の意識が形成される時代にあって、こうした問題作を投げかけてきた意義は計り知れない。





    まれに発見されて話題になるが、“動物として育った人間”が、ことばを獲得し、人間

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    2018年06月01日
  • 捨てがたき人々(下)

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    息子との断絶場面を読んで、子どもの頃お袋と手をつなぐのが嫌だった自分を思い出した。自分の容姿に対するコンプレックスと同時に自分の親に対するコンプレックスってあったよなぁ〜重かったよなぁ〜と感じた。東京に出てきて、いろいろな「家庭」に出会いテレビドラマ以外の現実の世界で「親密な親子関係」ってのがホントに存在んだって知って衝撃を受けたことも思い出した。

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    2015年02月01日
  • 捨てがたき人々(上)

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    週刊アスキーの書評をきっかけに読みましたが、この本も自分の鏡を見せつけられているようでメゲました。自分も容姿に対するコンプレックスって強かったですが、20代に出会ったある活動を通じて自分の存在をやっと肯定できるようになって初めて容姿以外の自分を見つめられるようになった気がします。それでも頭の中は結局いつも主人公と同じだよなぁ〜と思います。

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    2015年02月01日
  • アシュラ(上)

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    画力がすごい。愛などなにも知らぬ、なにをしてあげても甲斐がない野生児かと思ったが、母性には執着するんだなぁ。

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    2014年07月21日
  • 銭ゲバ(下)

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    幸福は金なのか、愛なのか。主人公が到達した人の善悪の真理に圧倒される。罪を犯し続ける人間という生き物の魂をここまで追求しえた娯楽作品が他にいくつあるだろうか。多彩で深く、世界で評価される日本のマンガが今日あることの底力は、70年代にこういう作品が表現され、受け入れられていたという経験を経ているからだな、と改めてその表現力とテーマ性に感嘆。憎しみと哀しみを左右のペルソナに持つ主人公の顔!

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    2014年07月17日
  • 銭ゲバ(上)

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    主人公が金のために行う非道の数々の描写は、今読んでもここまで描くかというくらいすさまじいが、作者が描こうとしているものは、主人公を狂言回しとした、もっと本質的な人にとっての善悪のありようを剥き出すことだろう。そしてみると主人公の行動は偽悪的ですらある。ちなみに現代の銭ゲバたちは、自らも上手にシステムの中で役目を引き受けているかのようにセルフマインドコントールし、罪の意識を麻痺させながら、見た眼もシュッとしてきちんとした生活を送っているものだ。

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    2014年07月06日
  • アシュラ(下)

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    すさまじい

    経験し得ない状況を脳裏に焼きつけてくれる。論理でなく魂を感じれる作品。

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    2013年10月14日
  • 銭ゲバ(下)

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    本の薬臭さが相まってすごくメランコリーだ(´ω`)しばらくは「世の中銭ズラ!」が口癖になりそう(´ω`)

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    2012年07月05日
  • アシュラ(上)

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    良い話だ。
    「何のために生きるのか」とかいう薄っぺらい問いが通用しなくなるくらいの妙な生々しさに満ちている。

    母親に食われかけた主人公は、やがて食べるために人を襲うようになっていく。さすがに生命力が強すぎるような気もするが、それを突っ込むのは無粋というものか。
    アシュラは人間にとっての禁忌であるところの人食をはじめとして、多くの常識や掟を越えて行く。だから、むしろ浮き彫りになるのはその他大勢の人々の常識であり掟だったりする。いっそ道徳の教科書にでも使えば良いのにな。

    ところで、舞台は平安時代っぽいのに、登場人物が「労働条件」とかいうフレーズを用いていたのが笑えました。なんつうか、書

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    2011年07月27日
  • アシュラ(下)

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    「グワッギ」とかばっかり言っていた主人公も言葉を覚え(早過ぎ)、自分を慕う少年達が着いてきたりして、父母と再会し、人食いをやめて「ケダモノ」から「人間」デビューへ至るまでの軌跡。
    法師から「人間」であると認められた後、最初にやったことがとても印象深い。

    「食べるため」でない目的で人を殺す。
    これはとても人間的な行為ということだろうか。

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    2011年07月27日
  • 銭ゲバ(下)

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    ありとあらゆる手段で成り上がった『銭ゲバ』こと蒲郡風太郎。この本で彼は政界に進出するために金を使ってあらゆる手段を尽くすのですがその果てに彼を待っているものは…。壮絶なラストにはショックを受けました。

    全てを手に入れたかに見えた『銭ゲバ』こと蒲郡風太郎。この下巻ではついに政界にも進出しています。しかし、栄華を極めながらもことあるごとに引用されているものがあります。それは、旧約聖書の『ヨブ記』の一節である

    『なにゆえ、ひざが、わたしを受けたのか。なにゆえ、乳ぶさがあって、わたしはそれを吸ったのか。そうしなかったならば、わたしは伏して休み、眠ったであろう。そうすればわたしは安んじており、 自分

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    2011年07月23日
  • 銭ゲバ(上)

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    ジョージ秋山による問題作。松山ケンイチにが主人公でドラマ化されましたが、マンガ版のほうが数段エグいです。上巻では貧困で母親を失った蒲郡風太郎があらゆる手段を駆使して成り上がっていくまでが描かれます。

    僕がこの作品を知ったのは、今から5、6年くらい前だと思う。この本を初めて読んだときははっきり言って衝撃的だった。何年か前に松山ケンイチ主演でドラマ化もされたので(原作そのまんまではありませんが)内容はよくご存知なのかもしれませんが、原作となったこのマンガのほうが数段内容はエグいです。あらすじは貧困で母親を病気で失った蒲郡風太郎が『銭ズラ!!』と獣のように吼え狂いながら殺人を皮切りにありとあらゆる

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    2011年07月23日
  • 銭ゲバ(上)

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    「世の中銭ズラ!」という言葉が、自分の中で流行りました。荒唐無稽なストーリーなのに、圧倒的な迫力で読ませる一冊。

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    2011年05月14日
  • 銭ゲバ(下)

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    風太郎が順調に昇りつめ、やがて政治家として売って出るプロセス、そして突然の破滅を描く後篇。
    あらゆる人間を踏み台にし、殺しも厭わずにやってのけ、ついに金のみならず権力も名声も手にした風太郎。彼に訪れるあまりに唐突な、しかし完璧なラストには度肝を抜かれます。
    多忙のせいか、かなり絵は荒れている部分もありますし、アバンギャルドな表現も多々見られて付いていくのがやっとという場面もありますが、この疾走感に引きずられ、一気に読ませます。
    風太郎の顔のアシンメトリーというのは、見た目の醜さの分かりやすい表現なのですが、これがよく効いている。
    右側を見ると不敵でワルそのものの顔、しかし左側を見ると、悲しさに

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    2010年10月17日
  • 銭ゲバ(下)

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    人間をやめられなかったDIOの話。

    不運にも毒の沼に生まれてしまった子供は、どうすればいいのか?
    消えてしまえ、死んでしまえと言えるなら、言えばいい。わたしは言えないけど。だから、そんな人たちを悪だとは言えないけど。でも、言える人は言えばいい。そして消すなり殺すなりできるならしてみればいい。
    わたしには、できないけど。

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    2010年09月07日
  • アシュラ(上)

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    何かを描く資格、というようなものはない。しかしそれが分かっていても、『アシュラ』を描いたジョージ秋山には、やはり「涙」を描く資格があったのだと思う。アシュラを初め登場人物たちが流す涙には、人間の生の、なにか言い切れない部分が溶かされている。泣いている目の絵からしか伝達されないそれを、なぜか多くの読み手が確かに受け取ることができる。そして受け取れるということ、それ自体がとても素晴らしいことのように思う。

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    2010年02月06日