【感想・ネタバレ】銭ゲバ(上)のレビュー

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Posted by ブクログ 2014年07月06日

主人公が金のために行う非道の数々の描写は、今読んでもここまで描くかというくらいすさまじいが、作者が描こうとしているものは、主人公を狂言回しとした、もっと本質的な人にとっての善悪のありようを剥き出すことだろう。そしてみると主人公の行動は偽悪的ですらある。ちなみに現代の銭ゲバたちは、自らも上手にシステム...続きを読むの中で役目を引き受けているかのようにセルフマインドコントールし、罪の意識を麻痺させながら、見た眼もシュッとしてきちんとした生活を送っているものだ。

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Posted by ブクログ 2011年07月23日

ジョージ秋山による問題作。松山ケンイチにが主人公でドラマ化されましたが、マンガ版のほうが数段エグいです。上巻では貧困で母親を失った蒲郡風太郎があらゆる手段を駆使して成り上がっていくまでが描かれます。

僕がこの作品を知ったのは、今から5、6年くらい前だと思う。この本を初めて読んだときははっきり言って...続きを読む衝撃的だった。何年か前に松山ケンイチ主演でドラマ化もされたので(原作そのまんまではありませんが)内容はよくご存知なのかもしれませんが、原作となったこのマンガのほうが数段内容はエグいです。あらすじは貧困で母親を病気で失った蒲郡風太郎が『銭ズラ!!』と獣のように吼え狂いながら殺人を皮切りにありとあらゆる犯罪を犯して成り上がっていったその果てにあるものは…?という程度にとどめます。

ドラマ版では派遣労働者などの問題が絡めて描かれていましたが、マンガ版は公害問題です。最も、蒲郡風太郎は自分の会社の工場から出る排水のせいで水俣病に酷似した公害病を引き起こしても
『そんなの関係ねぇ!!』
とある意味すがすがしいまでのふてぶてしい姿に『悪の魅力』を感じるのは僕だけでしょうか?僕が

あれを読んでここにこうしてあげたのは、やっぱり僕の中にも少なからず『蒲郡風太郎』が棲みついているからなのかもしれません。

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Posted by ブクログ 2011年05月14日

「世の中銭ズラ!」という言葉が、自分の中で流行りました。荒唐無稽なストーリーなのに、圧倒的な迫力で読ませる一冊。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

■あらすじ(ネタバレ注意!結末まで書いてます)

 長野県松本市に生まれた蒲郡風太郎。幼少時代に父は家庭を捨て、女と家を出て行き、残された母と風太郎は極貧生活を送る。母が病気になっても医者に払う金がなく、ついに風太郎をおいて逝ってしまう。銭があれば、母を助けられたと思った風太郎は、金こそが力であり、...続きを読む正義だと思うようになる。
 風太郎は盗みを繰り返し、人を裏切り、大事な人をも殺める。何も失うものがなくなった風太郎は、金を手に入れるために大手会社社長の車に前に飛び出し、社長に取り入っていく。社長には二人の娘がいた。美しい長女に惚れるが、風太郎に想いを寄せる醜い次女と結婚し、社長を殺害してその地位を手に入れる。最終的には、姉妹二人も、自分の子供をも殺し、孤独の蟻地獄から抜けられない。周りにいる者はみな不幸になり、死んでいく。政界に進出し、金も権力も手に入れた風太郎だったが、「幸せとはなにか?」という質問を前に、自殺する。

■感想
 
 松ケン主演のドラマを見ていたので、だいたいのストーリーは知っていたが、ドラマとは違う漫画の独特の世界に圧倒された。銭がなければ、まともな生活も送れず、幸せを感じる余裕などないのは、貧乏を一度でも味わったことがある人なら、わかるのではないか。
 風太郎の小学校の担任教師が、遅刻の罰金に五円を持ってくるようにいうシーンがあるが、家庭訪問した教師に母親はこう言う。「その五円がない家もあるんです」(すみません、手元にないので不確か)。このセリフにはいたく共感した。
 だが金だけ追いかけると、心がすさむのもまた真実。相手から金をまきあげる商売などすると、相手からいくら絞れるか、自分にいくらの価値があるのか、損得でしか考えなくなるものだ。今もその後遺症は残る。
 この暗い社会性の漫画が少年サンデーで連載されていたというのが、すごい。当時の少年たちはこの漫画をどう受け止めたのか。人格形成の時期に読みたかった漫画だ(でも、影響を受けすぎて、銭ゲバをかっこいいと思いそうだから、今でよかったかも)。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

殺伐としていながらもなかなか重たい感じ
絵の汚さとか展開の異常な早さとか、空気感に惹かれます

下巻のラストにやられました

ドラマはいまいち好きになれません

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Posted by ブクログ 2019年03月30日

40年前と違って、現在では国民医療保険があって、生活保護者の医療は取りはぐれが無いから歓迎されるとまで言われ、かつては高額で治療断念する者もいた腎透析も公費負担となった。弱者の人権=生きる権利回復(あるいは獲得?)には、このマンガにあるような弱者からの反撃が行われる恐怖もある。マルクスの“宗教は阿片...続きを読むだ”という言葉は少々誤解されていて、宗教は気休めぐらいならなる(阿片は鎮痛剤として常用されていた)の意、らしいが、現代は《ドラッグあれば宗教要らない》の思潮と言える。末期患者の苦痛をやわらげるには鎮痛剤

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Posted by ブクログ 2012年11月08日

最初から最後まで疾走感あり。
途中、具体的な説明を端折り、絵と流れのみで読者に察しさせる箇所が多々。
この漫画が芸術的だと言われる所以はこれですね。
下手に言葉がないほうが、かえっていいのかもしれない・・・

セリフと相反する、風太郎の悲しみが伝わってきてツライ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年08月15日

金が人生を狂わせる
愛と欲の先に金が見え隠れする。
全てを失った風太郎が金をもつズラ!


うんこ!

いけしゃあしゃあ!

要所要所で爆笑ポイントあり。

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Posted by ブクログ 2010年10月17日

母一人子一人の貧しい少年、蒲郡風太郎。
容貌醜く、さりとて愛嬌も可愛げもない彼に周囲は冷たかったが、一人だけ親身になってくれる青年がいた。
母の病気が重くなり、金のために風太郎は、たった一人の理解者である彼を殺してしまう。その時「銭ゲバ」は誕生した。
無一物で故郷から逃亡し、あらゆる人間を利用し、踏...続きを読むみにじり、殺すことも厭わず、次第に立場と富を手にしていく風太郎。以前には考えられぬほどの高みに昇りながらも、なおも彼は飽く事を知らずに、「銭と力」を求め続けていく。
「アシュラ」と並び称される名作。
絵的に整っていない部分もあり、またストーリーの重さ、ピカレスクロマンと呼ぶにしても露悪的な内容にリタイアする向きもあるだろうが、是非後篇も読んで欲しい。

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Posted by ブクログ 2010年07月25日

「銭のためににいちゃんを殺してしまったズラ。もう銭しかないズラ。銭のためならなんでもするズラ」「銭を見てると心が落ちつくズラ」「私は銭で人を動かす奴隷商人ズラ!」

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Posted by ブクログ 2018年04月22日

列車は走る悪への片道キップ…その名は蒲郡風太郎あるいは、銭ゲバ… 長野県松本市で起こった事件だ 水俣病 有機水銀中毒 栃木県足利市を流れる渡良瀬川 この世に真実というものがあれば…命を懸けて追い求めるズラ。 私は銭の奴隷にはならんズラ。銭で奴隷を買う奴隷商人ズラ!

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Posted by ブクログ 2014年12月29日

1979年生まれの私が生まれる前に、こんなドギツイ漫画が連載されていたことに驚愕します。果たしてマンガの表現は進歩しているのでしょうか?疑問に思ってしまいます。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

5をつけたい気もするんだけど…。漫画としては、え?あの話おいてけぼり?? みたいなところもあるしなー。でもモンクなしに面白い。

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