【感想・ネタバレ】アシュラ(下)のレビュー

あらすじ

そこは地獄だった。アシュラを非難した人々も、やがて飢餓の極限で人肉を貪り食うようになっていく……。平和な時代には人々の心の奥に隠れ、眠り続けていたケダモノがついに目を醒ます!アシュラの凄惨な行動を通して、ジョージ秋山が問いかける根源的生。命の重さとは?生きる価値とは?漫画史上空前の話題を呼んだ衝撃的傑作、完結!!

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すさまじい

経験し得ない状況を脳裏に焼きつけてくれる。論理でなく魂を感じれる作品。

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2013年10月14日

Posted by ブクログ

「グワッギ」とかばっかり言っていた主人公も言葉を覚え(早過ぎ)、自分を慕う少年達が着いてきたりして、父母と再会し、人食いをやめて「ケダモノ」から「人間」デビューへ至るまでの軌跡。
法師から「人間」であると認められた後、最初にやったことがとても印象深い。

「食べるため」でない目的で人を殺す。
これはとても人間的な行為ということだろうか。

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2011年07月27日

Posted by ブクログ

『生まれてこなければよかったぎゃあ!!!』 これがキッカケで、狂ったようにジョージ秋山を集め始めましたが、やっぱりこれが1番最高。 

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「銭ゲバ」と同時期に連載。なんと。
ギャグ漫画からの脱却をこんな鮮烈な形で行うとは。
wikipediaによれば、
>第1話が掲載された『週刊少年マガジン』は各自治体で有害図書指定され社会問題に発展した最大の問題作
>今後の主人公が宗教的世界に目覚め人生のよりどころを確立することが説明されていたが、結局、描かれないまま最終話をむかえた。しかし、『週刊少年ジャンプ』(集英社)1981年26号に読み切りで完結編が掲載されその結末では実現している。
が、
>完結編は、ジョージ秋山捨てがたき選集 第2巻『銭ゲバの娘プーコ アシュラ 完結編』(青林工藝舎)に収録。
とあるので、この文庫版はブツ切りの状態なのだ。
うーん、これはこれで凄いのは凄いので、完結編を見たいような見たくないような。
なんと、
>2012年、フルCGでアニメ映画化された
が、手掛けた監督が「TIGER & BUNNY」のさとうけいいち、というのは興味深い。

さらに、登場人物のアシュラの項目に、
>本来の構想ではもう少し連載を続けた後で法師から「命」という名前を授かる予定だった。この名前は秋山の息子の名前としても使われた[1]。
ジョージ先生、とことん全力な人なんだな……。

ちなみに手塚治虫「どろろ」は1967年~、本作は1971年~なので、影響はあるだろう。
にしても倫理的に凄まじい……というか、手塚治虫すら劇画の波に影響されていたわけで、「まんが道」で寺田ヒロオが劇画ブームに憂慮して執筆すら辞めたのも、ゆえなきことではないな、と本作で判った。
あるいは漫画業界全体が狂騒的な方向に向かった、ということなのかも。

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2024年06月18日

Posted by ブクログ

地獄みたいな作品だった。生まれなければ良かったのにってどんな気持ちなんだろう。人間の卑しさ、醜さ、残酷さを一度にぶちまけられたみたいだ。そうさせてしまう時代が悪いのかもしれない。でも飢えのために人を食らってしまうことこそが哀れさなのかもしれない

追い詰められた人間は獣になる。でもそれでも生きていくのが人間なのかもしれない

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2015年08月17日

Posted by ブクログ

生まれたのは親と言うものがいたからかもしれない、だが、アシュラが生き延びたのはアシュラ自身の生命力の強さであり、アシュラには親の手を借りたと言う事実がない。親がきちんと自分を育てようとしてくれていれば、アシュラは阿修羅となって生き延びる必要がなかった。愛されないと生まれて来ただけでな人間にはなれないんだなぁ…父親に叫ぶアシュラの「なんで生んだ」言葉は正当なんだよ…。アシュラが自分の力で生き延びたからこそ、親を許せ、許さないとお前が辛い、と言う事も言える時が訪れている…アシュラが一人で生き延びた事に対して、誰かが彼に償わずして、アシュラに人間らしく許してやれ、と言うのは酷だ。
「にくい」と言いながらそれでもアシュラは「強い」が為に苦悩する。お前の方に許してやれる権利がある、と言う様に…偽善だ、そんな事を言うだけなら誰にでも言える、と思う先に法師がいる。アシュラに解らせる為に、考えさせる為に、法師はアシュラにも解る方法で示す。
飢えに接した事のない現在社会の人間が如何に色んな事を複雑にして、それによって人間の根本を見失っていると言うのが自分の身に置き替えてもよく解った作品だった。
あとがきに同作者の『博愛の人』と言う作品があり、ここで終わった本作を掘り下げた作品になっていると言うから、こちらも読んでみたい。

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2013年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ケダモノ同然に生きてきたアシュラが、坊主から『人間とは何か』を説かれるあたりから少しずつ人間になっていく軌跡。
最後には母親の死体に花を供えるまでに人間らしくなったアシュラの涙には色々考えさせられる。

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2012年11月21日

Posted by ブクログ

 さてさて、2/17のご褒美本は予告通り「アシュラ下巻」。
 この本のテーマは「人肉食」。人は極限にあれば人の肉も食べる。それは人の本能なのか。延々とそれをあまたの登場人物達に問い続ける作品。
 結局私はアシュラの繰り返す「生まれてこない方がよかったのに」という言葉に明確な答えを見付けられず読み終えました。
 生まれてきて良かったなと思うことは多々あります。可愛い雑貨を見付けたときにだって感じるし、美味しいものを食べているときにも、好きな人と一緒にいるときにも。でもそんな楽しみがあるから生まれてきたというわけではなく。生まれてきたからそういう喜びを味わえるわけで。
 私の焦点はどうしても、どうすれば生き残れるのか、どうすればもっと生きられるのか、より良く生きるためにはどうすれば良いのか、に絞られていく。生ぬるい所で生きているのかなとも思いますが、これが私の今の正直なところの現実です。 

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

アシュラが苦悩する場面はいいが、「生まれてこなければよかったのに」
という感情で一貫し、終わっている。
物語なんだから、なにかしらの感情や環境の進展を見せて欲しかった。

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2012年10月04日

Posted by ブクログ

人間の良くも悪くも人間らしさが描かれた歴史(ではないかもしれない)っぽい漫画。着物だったのでおそらく日本的などこかが舞台。ファンタジーかもしれないが、それにしてはだいぶ生々しい。
人食についてから話は始まり、初っ端から展開が凄まじいし主人公アシュラの行いも凄まじいが、描写は意外に淡白?なので、そこまでグロテスクではない…かも?
アシュラに“人間とは何か”を説く法師やちょいちょい出てくる琵琶法師(?)、何だかんだラストまで登場したアシュラの母など、キャラクターがいい味出してる。
水木しげる先生の漫画が好きな方は読んでみるといいかも。
「すごく面白い!」っていうよりは「何度か読み返すと深い」と気づかされるお話だった。

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2012年09月19日

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