あらすじ
そこは地獄だった。アシュラを非難した人々も、やがて飢餓の極限で人肉を貪り食うようになっていく……。平和な時代には人々の心の奥に隠れ、眠り続けていたケダモノがついに目を醒ます!アシュラの凄惨な行動を通して、ジョージ秋山が問いかける根源的生。命の重さとは?生きる価値とは?漫画史上空前の話題を呼んだ衝撃的傑作、完結!!
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Posted by ブクログ
「銭ゲバ」と同時期に連載。なんと。
ギャグ漫画からの脱却をこんな鮮烈な形で行うとは。
wikipediaによれば、
>第1話が掲載された『週刊少年マガジン』は各自治体で有害図書指定され社会問題に発展した最大の問題作
>今後の主人公が宗教的世界に目覚め人生のよりどころを確立することが説明されていたが、結局、描かれないまま最終話をむかえた。しかし、『週刊少年ジャンプ』(集英社)1981年26号に読み切りで完結編が掲載されその結末では実現している。
が、
>完結編は、ジョージ秋山捨てがたき選集 第2巻『銭ゲバの娘プーコ アシュラ 完結編』(青林工藝舎)に収録。
とあるので、この文庫版はブツ切りの状態なのだ。
うーん、これはこれで凄いのは凄いので、完結編を見たいような見たくないような。
なんと、
>2012年、フルCGでアニメ映画化された
が、手掛けた監督が「TIGER & BUNNY」のさとうけいいち、というのは興味深い。
さらに、登場人物のアシュラの項目に、
>本来の構想ではもう少し連載を続けた後で法師から「命」という名前を授かる予定だった。この名前は秋山の息子の名前としても使われた[1]。
ジョージ先生、とことん全力な人なんだな……。
ちなみに手塚治虫「どろろ」は1967年~、本作は1971年~なので、影響はあるだろう。
にしても倫理的に凄まじい……というか、手塚治虫すら劇画の波に影響されていたわけで、「まんが道」で寺田ヒロオが劇画ブームに憂慮して執筆すら辞めたのも、ゆえなきことではないな、と本作で判った。
あるいは漫画業界全体が狂騒的な方向に向かった、ということなのかも。