無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
人間を知る良き機会
人間の業の中で「飢餓」が一番恐ろしいと感じた良い機会であった。古今東西、極限の飢えが人が人を食べるという史実を生み、またそれを防ぐために叡智を絞ってきたとも言えると思う。アシュラは言葉を知る前に本能的に人喰いを覚え、そのために人殺しを覚える。しかし母のぬくもりを求めるのもまた本能。つくづく深みのある作品だと思う。
Posted by ブクログ
良い話だ。
「何のために生きるのか」とかいう薄っぺらい問いが通用しなくなるくらいの妙な生々しさに満ちている。
母親に食われかけた主人公は、やがて食べるために人を襲うようになっていく。さすがに生命力が強すぎるような気もするが、それを突っ込むのは無粋というものか。
アシュラは人間にとっての禁忌であるところの人食をはじめとして、多くの常識や掟を越えて行く。だから、むしろ浮き彫りになるのはその他大勢の人々の常識であり掟だったりする。いっそ道徳の教科書にでも使えば良いのにな。
ところで、舞台は平安時代っぽいのに、登場人物が「労働条件」とかいうフレーズを用いていたのが笑えました。なんつうか、書かれた時代の影響なんだろうなぁと思うこと頻り。
Posted by ブクログ
木原音瀬の『WELL』を読んだ時、生き延びる事で世界が好転する可能性があるのなら、人肉を食べてでも自分が生き延びる価値はあると感じた。また、一緒に生き延びたいと思う人間がいるのならなおさらタブーを犯す理由があるな、と。
コーマック・マッカーシーの『ザ・ロード』を読んだ時、人肉食いでしか命を繋げられない様な極限の世界に居ながら息子を生かす為に人肉を食べずに頑なに生きようとした父親、彼はきっと、この崩壊した世界で人類が生き延びるのは難しいと考え、それならば人肉を食べずに出来得る限り生きて、獣ではなく人間の心のままで死ぬことを選んでいたのだと思う。人間の理性を残したままで出来得る限りの命の限界まで。
自分がもしそう言う世界に放り出されたらどうするだろう、と言う事をずっと考えていて、もし家族なりなんなり、自分が生き延びる事で誰かを生かす事が出来る間は食べれるものはなんでも食べるかもしれないと思った。誰も居なくなった時には、生きたまま殺されて食われるのは嫌なので、もう何もなくなったと思った瞬間に、自分の命は手放すだろうな、と言う気がする。人の肉を食べてまで生き延びたいと思うのは、とても難しいだろうな、と。
人を食うと言う極限の選択に対して、どう言う答えがあるのだろう、と思ってずっと読みたかった作品。
アシュラは、生まれた瞬間に感じた飢えに動物の本能で反応しただけで、罪悪感などあろう筈もない。彼は生まれた時から誰の為にも生きていないので、人間性など皆無持ち合わせられる筈がない。飢えに苦しんだ事のない人間が理屈で考えるような範疇ではなく、アシュラは生きたいと言う本能だけで生きている。そこには逆に善も悪もない。善悪は人間の世界の中の観念なんだなぁ…
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。