ジョージ秋山のレビュー一覧

  • 捨てがたき人々(下)
    息子との断絶場面を読んで、子どもの頃お袋と手をつなぐのが嫌だった自分を思い出した。自分の容姿に対するコンプレックスと同時に自分の親に対するコンプレックスってあったよなぁ〜重かったよなぁ〜と感じた。東京に出てきて、いろいろな「家庭」に出会いテレビドラマ以外の現実の世界で「親密な親子関係」ってのがホント...続きを読む
  • 捨てがたき人々(上)
    週刊アスキーの書評をきっかけに読みましたが、この本も自分の鏡を見せつけられているようでメゲました。自分も容姿に対するコンプレックスって強かったですが、20代に出会ったある活動を通じて自分の存在をやっと肯定できるようになって初めて容姿以外の自分を見つめられるようになった気がします。それでも頭の中は結局...続きを読む
  • アシュラ(上)
    画力がすごい。愛などなにも知らぬ、なにをしてあげても甲斐がない野生児かと思ったが、母性には執着するんだなぁ。
  • 銭ゲバ(上)
    主人公が金のために行う非道の数々の描写は、今読んでもここまで描くかというくらいすさまじいが、作者が描こうとしているものは、主人公を狂言回しとした、もっと本質的な人にとっての善悪のありようを剥き出すことだろう。そしてみると主人公の行動は偽悪的ですらある。ちなみに現代の銭ゲバたちは、自らも上手にシステム...続きを読む
  • 銭ゲバ(下)
    幸福は金なのか、愛なのか。主人公が到達した人の善悪の真理に圧倒される。罪を犯し続ける人間という生き物の魂をここまで追求しえた娯楽作品が他にいくつあるだろうか。多彩で深く、世界で評価される日本のマンガが今日あることの底力は、70年代にこういう作品が表現され、受け入れられていたという経験を経ているからだ...続きを読む
  • アシュラ(下)

    すさまじい

    経験し得ない状況を脳裏に焼きつけてくれる。論理でなく魂を感じれる作品。
  • 銭ゲバ(下)
    本の薬臭さが相まってすごくメランコリーだ(´ω`)しばらくは「世の中銭ズラ!」が口癖になりそう(´ω`)
  • アシュラ(上)
    良い話だ。
    「何のために生きるのか」とかいう薄っぺらい問いが通用しなくなるくらいの妙な生々しさに満ちている。

    母親に食われかけた主人公は、やがて食べるために人を襲うようになっていく。さすがに生命力が強すぎるような気もするが、それを突っ込むのは無粋というものか。
    アシュラは人間にとっての禁忌で...続きを読む
  • アシュラ(下)
    「グワッギ」とかばっかり言っていた主人公も言葉を覚え(早過ぎ)、自分を慕う少年達が着いてきたりして、父母と再会し、人食いをやめて「ケダモノ」から「人間」デビューへ至るまでの軌跡。
    法師から「人間」であると認められた後、最初にやったことがとても印象深い。

    「食べるため」でない目的で人を殺す。
    ...続きを読む
  • 銭ゲバ(下)
    ありとあらゆる手段で成り上がった『銭ゲバ』こと蒲郡風太郎。この本で彼は政界に進出するために金を使ってあらゆる手段を尽くすのですがその果てに彼を待っているものは…。壮絶なラストにはショックを受けました。

    全てを手に入れたかに見えた『銭ゲバ』こと蒲郡風太郎。この下巻ではついに政界にも進出しています。し...続きを読む
  • 銭ゲバ(上)
    ジョージ秋山による問題作。松山ケンイチにが主人公でドラマ化されましたが、マンガ版のほうが数段エグいです。上巻では貧困で母親を失った蒲郡風太郎があらゆる手段を駆使して成り上がっていくまでが描かれます。

    僕がこの作品を知ったのは、今から5、6年くらい前だと思う。この本を初めて読んだときははっきり言って...続きを読む
  • 銭ゲバ(上)
    「世の中銭ズラ!」という言葉が、自分の中で流行りました。荒唐無稽なストーリーなのに、圧倒的な迫力で読ませる一冊。
  • 銭ゲバ(下)
    風太郎が順調に昇りつめ、やがて政治家として売って出るプロセス、そして突然の破滅を描く後篇。
    あらゆる人間を踏み台にし、殺しも厭わずにやってのけ、ついに金のみならず権力も名声も手にした風太郎。彼に訪れるあまりに唐突な、しかし完璧なラストには度肝を抜かれます。
    多忙のせいか、かなり絵は荒れている部分もあ...続きを読む
  • 銭ゲバ(下)
    人間をやめられなかったDIOの話。

    不運にも毒の沼に生まれてしまった子供は、どうすればいいのか?
    消えてしまえ、死んでしまえと言えるなら、言えばいい。わたしは言えないけど。だから、そんな人たちを悪だとは言えないけど。でも、言える人は言えばいい。そして消すなり殺すなりできるならしてみればいい。
    わた...続きを読む
  • アシュラ(上)
    何かを描く資格、というようなものはない。しかしそれが分かっていても、『アシュラ』を描いたジョージ秋山には、やはり「涙」を描く資格があったのだと思う。アシュラを初め登場人物たちが流す涙には、人間の生の、なにか言い切れない部分が溶かされている。泣いている目の絵からしか伝達されないそれを、なぜか多くの読み...続きを読む
  • 銭ゲバ(上)
    ■あらすじ(ネタバレ注意!結末まで書いてます)

     長野県松本市に生まれた蒲郡風太郎。幼少時代に父は家庭を捨て、女と家を出て行き、残された母と風太郎は極貧生活を送る。母が病気になっても医者に払う金がなく、ついに風太郎をおいて逝ってしまう。銭があれば、母を助けられたと思った風太郎は、金こそが力であり、...続きを読む
  • アシュラ(上)
    これはすごい
    一回読んだだけじゃ消化しきれないけど、なんか凄まじい何かを突きつけられているのかも知らない
  • 銭ゲバ(下)
    読み終わって色んな意味でとてもかわいそうな人の一生を見たような気がした。
    風太郎に同情はできないけれど、何とも言えない悲しさが残る。
    ここまで極端でなくても(殺人とか)、他人に絶望して人生を送っている人は多いのではないだろうか。
    すべて手に入れて、さて、幸せとは何ぞやと考えた時に原稿用紙の上に出てき...続きを読む
  • 銭ゲバ(上)
    殺伐としていながらもなかなか重たい感じ
    絵の汚さとか展開の異常な早さとか、空気感に惹かれます

    下巻のラストにやられました

    ドラマはいまいち好きになれません
  • アシュラ(上)
    とてもひどいマンガです。人が死にまくります。しかし、その描写によって伝えたいメッセージが汲み取れます。
    「虐殺」「人肉食」などマンガにしかできない設定で、いつの時代も変化しない人間の倫理感を伝える作者は鬼才だと思います。ワールドイズマインに近いものを感じました。