ベルナール・ミニエのレビュー一覧
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面白い。
が、前作ほどでは無かったか…。
しかし、連作を読んで改めて思うのだが、作者は一作目とは比べものにならない程の成熟を果たした様だ。
作品は相変わらず長編だが、一作目では顕著だった『これいる?』と言った余計が省かれ、長いなりにも削ぎ落とされ、まとまった感じに仕上がっている。
ただ、相変わらず主人公は冴えないし、率直に格好悪い、事件捜査って本来そういうものなのかも知れないが、主体性に欠けるというかピンボールの球みたいにあちこちで弾かれてしまう。なんとか正気を保っている胆力は大したものだが、頼りないのだ。
まぁ、それが魅力と言えなくもないが、私には好みでは無かった。
対して彼の敵について -
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セルヴァズシリーズ第3弾。冒頭からなかなかヘヴィーな内容で始まる今作。セルヴァズが主人公だけれどしばらくはクリスティーヌという女性の物語。手紙を受け取った日から毎日がよくない方向へ。どんどん不安が増し、混乱し誰にも信じてもらえない苛立ち、追い詰められていく心。それに圧倒されてしまう。警察を休職中のセルヴァズがある捜査を始めてから徐々に動き出す。二転三転しつつ見えてくる罠、人を貶める行為の卑劣さ。人の心に恐怖を植え付けること、残虐さ。そういう怖さが読んでいても迫ってくる。犯罪自体の怖さはもちろんだけれど人の中に悪意を持って入ってくる怖さもある。怖いけど面白かった。
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ベルナール・ミニエ『氷結(下)』ハーパーBOOKS 。上巻の後半に描かれた15年前の忌まわしい事件を引きずる形で下巻では新たな展開を見せる。水力発電所のサラブレッドの惨殺死体、橋から吊るされた男の惨殺死体のいずれからも猟奇殺人鬼・ハルトマンのDNAが見付かる。マルタン・セルヴァズ警部はヴァルニエ精神医療研究所に収監されているハルトマンから事件の鍵になる15年前の忌まわしい事件の存在を知らされる。そして、セルヴァズの目の前で起きた第三の殺人。謎が謎を呼ぶ。予想外の展開が待ち受け、ミステリーとしては上手くまとまっているが、今一つインパクトに欠けるように思う。
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ベルナール・ミニエ『氷結(上)』ハーパーBOOKS 。フレンチ・ミステリー。物語はピレネー山脈の水力発電所で発見されたサラブレッドの惨殺死体という突拍子もない幕開けから始まる。しかも、現場から見付かったDNAはヴァルニエ精神医療研究所に収監されている猟奇殺人鬼・ハルトマンのものだった。そして、次に起きた殺人事件の現場からもハルトマンのDNA が発見される。マルタン・セルヴァズ警部による捜査とヴァルニエ精神医療研究所にスイスから赴任して来た心理学者・ディアーヌ・ベルクの二人の視点で物語は展開していく。衝撃的な事件の割りにはストーリーはゆっくりとしたペースで進んでいく。恐らくはヴァルニエ精神医療研
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フランスの作家ベルナール・ミニエ、2011年発表のミステリー小説。とても面白いです。
フランス南部、スペインとの国境近くのピレネー山麓の町を舞台にした警察小説。
中年バツイチの男性警部が主人公。フランス有数の富豪実業家の愛馬が惨殺される事件に端を発し、陰惨な連続殺人事件が起こります。近くの凶悪な犯罪を犯した精神病患者を収容する施設も絡んできて、事件は混迷の度を深め・・・。
状況に振り回されながらも着実に事件の核心に迫って行くタフな主人公がとても清々しく良いです。陰惨な事件を扱っているものの過度の暴力描写はないし、けれど充分スリリングで、登場人物は皆魅力的、ストーリー展開も巧みで最後まで一気に -
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ネタバレ・あらすじ
ミステリー作品になぞらえて殺された美人姉妹。
新米刑事セルヴァスは事件担当になるが事件は思わぬ形での幕引きとなる。
しかし25年後に再び同じミステリー作家の作品と同様の殺人事件がおこる。
・感想
シリーズものなのに間違ってこの巻から買ってしまったけど事件の大筋を理解するのには問題無しだった。
主人公の過去が結構悲惨で、そのせいなのか結構陰キャな主人公だった。
セルヴァスが昔の上司に会いに行くシーンはやけに恐怖を煽る演出で、その演出の意図が意味不明だったのとラストが納得行かないっていうか「なんでそんな行動を…?」と謎だったかな…