吉田奈保子のレビュー一覧
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ネタバレ7作目。手厚い社会保障が充実していると言われるデンマークだが、悪用する人たちがいる。特捜部Qが過去の事件を追ううちに、不正受給者の事件に巻き込まれる。
※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。
連続殺人事件が起きる。
福祉事務所に勤めるアネリ(アネ=リーネ・スヴェンスン)は、みすみす不正受給だと判りながら、あれこれと理由をつける担当の女たちに我慢ならなかった。
義務の職業訓練も受けず、紹介した職場にも不満を言って勤めず、男のところで同棲しながら厚かましく住宅補助を持っていく。
アネリは定期的な面談のたびに積もるストレスに耐えて来た。
検診で癌までが見つかった。将来を棒に振っても、生意気な怠け者たちを始末しなくてはならない。アネリは運命の道連れにしようと周到に計画を立てて準備する。
まず一番の的は不正給付を受けることを恥だと思わない、自堕落な怠け者の三人組だ。
一度目の狙いは未遂に終わるが、それでも次々にリストにあげた受給者を殺していく。
最初のリストに載った女たち(デニス、ミッシェル、ジャスミン)は、福祉事務者で知り合った。
三人は死んだデニスの祖母のアパートに入り込んで同居を始めた。
デニスは死んだ祖父の拳銃とナイフを見つけて、クラブを襲う計画を立てる。
成功して大金を得るが、ミッシェルが逃げ出し、狙っていたアネリに殺される。
この長い話には、三人の女が殺されていく様子がアネリの行動の描写でわかる。
彼女は担当している男に好条件を餌にしてしリボルバーを手に入れ。それに細工をしてサイレンサーに変える。
アネリがロトにあたったという噂を信じて強盗目的で訪ねて来たデニスを殺し、命拾いをする。
帰らないデニスを待っていたジャスミンは金を詰めたバッグを持って逃げだす。
入院していたローセが精神状態がまだ最悪にもかかわらず退院して行方が分からなくなった、特捜部Qのメンバーは 手を尽くし探しあぐねていた。
手にいれたローセのノートには、意味不明な心の悲鳴が呪いのような言葉で書き綴られていた。
ローセの部屋にたどり着き彼女の遺書を見つける。臓器提供の申請書まであった。献体を申請した本人が行方不明ということがあるだろうか、二人は腑に落ちない。
カールとアサドはローセを探す。ローセを愛するゴードンは細身の体がますますやせ細っていく。
ローセは偶然、殺されたデニスの祖母の隣の部屋に住んでいた。誰もいないはずの隣の部屋から話声がする。ローセは不審に思った。
ドアがノックされドアを開けたロースはデニスとジャスミンに捕まった。バスルームの椅子に縛られ時々水を与えられるだけで、時々目覚めて女たちの会話を聞いた。
アネリは金目当てにたずねて来たデニスを射殺したあと、逃げ出したジャスミンを待ち伏せし背に向かって車をスタートさせた。アネリは正義に酔っていた。
アネリはデニスの死体を載せたまま交差点で男の子が運転する黒いゴルフに突っ込んだ。ゴルフのボンネットにデニスの死体が乗っているのが見えた。
未解決事件と似ているという情報をくれたかつての課長からのヒントで、デニスの祖母の撲殺事件が解決した。
アネリが逃げようとするところをアサドと二人で逮捕した。アネリの起こした連続殺人事件も幕を閉じた。
集中治療室にいるローセはまだ回復しないが、彼女が苦しん来た根の深い原因が解明した。分裂した人格を取り戻すには時間がかかるかもしれないが、幸い彼女は命を取り留めた。
反目しあっていた捜査課長のビャアンともわずかに細い糸がつながった気がする。
今回は犯人や被害者の背景になっている人々の過去と現在が長かった。
時間にするとデニスの父親と祖父の戦争体験から、ローセのトラウマになった父親が、圧延工場でローセの眼前で圧死する、その上父親の言葉での虐待は死ぬまで続いていた。そして現在彼女はまだ苦しんでいる。
複雑に絡んだそれぞれの不幸な生き方が追い詰められていく様子など、ファンでなければ読むのがつらいかもしれない。
作者は国家特有の歪みをあぶりだしながら、制度を悪用して犯罪だとも思わない人々がいることを、怒り(粛清すると思っている)のためには手段を粗ばない独りの女の心理とともに描き出す。
遠い出来事になったような戦争の傷跡がまだ癒えていない人達までも登場させて、社会への関心が一段と深まった作品になっている。
手の付けられないほど人格の崩れた女たち。「自撮り」は現在のあるがままな自分に満足している女たちの自画像かもしれない。
檻の中の女
キジ殺し
pからのメッセージ
カルテ番号64
知りすぎたマルコ
吊るされた少女 -
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ネタバレデンマークの作家、ユッシ・エーズラ・オールスンの特捜部Qシリーズ第一弾。そろそろシリーズもひと段落しそうなため十数年ぶりに再読。
銃撃事件により同僚を亡くしたカール。折よく組織再編の流れで、未詳事件だけを取り扱う特命部署、特捜部Qの立ち上げを任される。奇妙なシリア人助手アサドと共に、まずは5年前の女性政治家失踪事件を調べるのだが。。。
監禁シーンが非常に息苦しく辛いが、事件を追うカールとアサドのキャラも立っており、再読でも全く問題なく面白い。
シリーズ全体の謎もありつつ、課長をはじめ魅力的なサブキャラたちも多い。完結までには追いつけるよう、ゆっくりと読み進めたい。 -
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▼オモシロい、という評判だったので買ってみた一冊。はじめちょっと読みづらいかと思いましたが、のって来たらナルホド、よくできたミステリでした。パチパチ。このシリーズ、しばらく読んでみようと思います。
▼デンマークなんです。北欧の。いわゆる北欧ミステリですね。それでもって、バリバリ現代です。スマホです。主人公は現場たたき上げの腕っこき刑事マークです。仲間の刑事が撃たれる現場に居合わせたりして、心に癒やされぬ傷を負っているし、妻とは離婚済み。仕事にもやる気がむらがある。ここまではよくある刑事物設定です。
このシリーズはバディものなんです。このバディが、アサドという名前の、中東系の男性なんです。これが秀逸。しかもこのアサドさんは刑事ではない。言ってみれば警察が雇っている「事務スタッフ」なんですね。日本的にいうと、派遣とか業務委託の。で、どうもまだデンマークに慣れていないし、なんだか不法移民の匂いもして怪しい。なんだけどけっこう、ネアカであっけらかんとしていて、ユーモアに溢れている。
▼このふたりが、ふたりきりで、「特捜部Q」という、過去の迷宮事件を捜査することに。いろいろ事情があって予算獲得のための部署で、あんまり期待はされてないし、まともな部下は充ててくれない。
▼このアサドさんが、
・めちゃくちゃ実は頭脳明晰。
・なんだけど運転とかは下手くそで危険。
・そして終盤でわかる、アサドさんは格闘も戦闘も経験している。
・修羅場くぐってる。すごい過去がありそう。
・そして絶対、不法移民っぽい(笑)。パスポートとか偽造して入ってきたんじゃないかという・・・。
▼マークさんがアサドさんのことを、先入観で見下していたのが、徐々に見方を変えていく。このふたりの関係が秀逸で、むちゃくちゃにおもしろいですね。
▼さらには、現代のデンマークですから、どうやらLGBTQ的なこととか、女性の社会進出とか、結婚制度のうんぬんとか、そういうことが大変に(日本と比較すると)先進的で根付いている。さらにはアサドさんみたいな人もいる、というグローバル性がある。そういうことが普通に社会の背景としてあるのも、興味深いです。
▼当然ながら事件そのものよりも、主人公たちのキャラクターが読ませどころなんですが、事件そのものでいうと、
○過去のいたましい事故から
○めぐまれぬ人生を歩んだ家族がいて
○その長男が社会や、関係者への恨みで殺人を繰り返す知能犯になっており
○復讐として女性政治家を誘拐して監禁していた
という話。どうしても現代物だから、犯罪そのものはけっこうぞっとするものが多いんだろうなあ。まあでも、<カールとアサド>の活躍が読めるなら、ありです。 -
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「俺たち三人で見つけたんだ」
はいQチーム(あ!)の物語は今回も面白かった!
使い古されたストーリー展開なんですが、ベタ展開好きなので問題ないです
いわゆる読者には見えてるけど登場人物には見えてないという奴です
核心のすぐ近くを行ったり来たりする主人公たち、でも気付かない
もうめっちゃやきもきするやつ
アサド!錯覚じゃないよ踏み込んじゃって!
カール!その扉開けるんだってば!
志村!後ろ後ろ!って奴よね
いや志村出てなかったわ
志村はチームQじゃなくてチームDだったわ
そしてボンクラ野郎だったゴードンがなんだか急成長
ちょっとうれしい
結局さー、惚れた女にいいとこ見せたいってのが男を一番成長させるのよね -
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さあ、デンマークのコペンハーゲンで、ドラマが始まります。
「特捜部Q」は「ミレニアム」とともに北欧ミステリーの代表ともいえるシリーズ
ともに映像化され、北欧の深い森と霧、過酷で静寂な自然とは相反する壮絶な事件の物語。
『檻の中の女』はその第一作
荒削りなストーリーで突っ込みどころ満載でも、こんなにオモシロイと感じるのは、やはり主人公となるカールやその相棒、その他の登場人物の魅力に尽きる。
事件は2007年と2002年の出来事が並行して語られて、徐々に一つの点へ進んでいく……とてもドラマティックな演出で、読み進めるとどんどん映像化が進んでいく。
シリーズを通して主な登場人物となる刑事カールやアシスタントのアサドが、さっそく個性を振りまきながら事件にぶつかっていく。
さあ、特捜部Qの始まりです! -
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鬼★5 数年前に発生した女性政治家の失踪、厄介者刑事が再捜査を始めると… #特捜部Q #檻の中の女
■きっと読みたくなるレビュー
強烈な警察小説、これは面白い★5
名作シリーズとは知ってましたが、控えめに言ってやっぱり凄かった。
まずプロットが出来すぎ。
鬱屈とした事件だし、全編通して暗く寒いイメージで物語が展開していく。しかも刑事同志の醜い争いや、政治の駆け引き描写も多く、まぁ読んでてストレスがたまるんですよ。
しかしながら、少しずつ事件のほころびが見えてきたり、敵を言い負かしたり、犯人に近づいていく展開がたまらなすぎ! 特に後半の怒涛の展開は、マジで徹夜で読むことになりかねない。
そしてなんといってもキャラクターが濃すぎ。
人間性、関係性、過去の出来事や背景、人種、性別、社会性、宗教などなど。これでもかっていうくらいキャラの完成度が高くて濃密なんです。
特に主人公カールなんかは、今にも匂ってきそう。
刑事の信念や拘りがあり、やたら他人を信じない偏屈者、美女に弱いという下衆っぷりもイイ。相棒のアサドも怪しさと切れ者っぷりが満点だし最高。
サスペンスの描写も良く書けてるんですよ。
被害者の不安な心情、必死さ、諦めが手に取るように伝わってくるんですよ…これは強烈だし、めっちゃ怖い。
読み応えたっぷりの警察小説ですね。ミステリー好きは絶対読んでおきたいシリーズだと思いました!
■推しポイント
人生、どんなきっかけで、どんなことが起こるか分からない。
それでも自身ができる環境で、自身ができることだけでいいから、精一杯の努力をするようにしたいですね。
大切な人はそんなあなたを見てくれていて、最後には微笑んでくれるでしょう。
人生、辛いことも多いですが、前向きに歩いていきたいですね。 -
Posted by ブクログ
この『特捜部Q』シリーズは、どこかしらオカルトというか、猟奇的というか、そういう雰囲気を漂わせていた印象があるんですが、この作品においては、その印象は一掃されています。
この作品では、謎だったアサドの過去が明らかになるというのが大きなテーマ。なるほどね。そういう過去があるのならば、これまでのアサドの活躍も頷けます。
それともう一つ。欧州を悩ませている中東難民問題が、この作品でも描かれています。日本では、もう、あまり報道されることもなくなりましたが、中東難民問題はいま、どうなっているんですかね?
『特捜部Q』シリーズは、10作で予定されているそうで、本作品はそのうちの第8作目。残りはあと2作。どういうシリーズの完結になるのか・・・ -
Posted by ブクログ
「ユッシ・エーズラ・オールスン」の長篇ミステリー作品『特捜部Q ―檻の中の女― (原題:Kvinden i buret、英題:The Keeper of Lost Causes)』を読みました。
「サラ・ブレーデル」に続きデンマークの作家… 北欧ミステリが続いています。
-----story-------------
捜査への情熱をすっかり失っていたコペンハーゲン警察のはみ出し刑事「カール・マーク」は新設部署の統率を命じられた。
とはいってもオフィスは窓もない地下室、部下はシリア系の変人「アサド」の一人だけだったが。
未解決の重大事件を専門に扱う「特捜部Q」は、こうして誕生した。
まずは自殺と片付けられていた女性議員失踪事件の再調査に着手したが、次々と驚きの新事実が明らかに!
デンマーク発の警察小説シリーズ第一弾。
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未解決の重大事件を専門に扱うコペンハーゲン警察「特捜部Q」シリーズの第1作、、、
期待して読んだのですが、期待を超える面白さ… 600ページ近いボリュームでしたが、愉しく読めたので、一気に読み終わっちゃいました。
コペンハーゲン警察の「カール・マーク警部補」は、2か月前の捜査中に部下一人を亡くし、もう一人は半身不随となり、自らも銃弾に倒れて入院… 復帰を果たしたものの職務に対する情熱を失い、その反抗的な態度が職場で煙たがられていた、、、
そんな中、過去に未解決のまま放置されている重大事件を専門に扱う「特捜部Q」が設立されることになり、厄介払いとして「カール」が責任者役を押し付けられる… 警察内部にとって「特捜部Q」は、殺人捜査課全体の予算を拡充するための目的でもあり、体よく「カール」を左遷する先でもあった。
暗い地下室で事務所を構え、捜査員は「カール」と助手の「アサド」だけ… しかも「カール」は警官ではなく、デンマーク語すら怪しいシリア系の奇人変人だった、、、
二人とも、謎の過去を持っており不透明な性格なのですが、これがまたまた魅力的… しかも、頭の回転が良く、コンビの相性も意外と良くて、二人が協力して地道に真相に近付く展開が愉しめましたね。
当初、全くやる気のない「カール」でしたが、、、
「カール」が与えたヒントから、「アサド」が調査・推理を進め、当時判明していなかった新事実が明らかになるにつれて、徐々に事件解決に向けて興味を感じ… いつの間にか情熱を傾けて事件解決にあたる展開も、テンポが良くて好感が持てました。
そして、並行して登場する女性議員「ミレーデ・ルンゴー」の過去から現在に至る物語、、、
少女時代に交通事故で両親を失い、弟「ウフェ」は障害を抱え、「ウフェ」との生活を続けながら、議員として成功を手にしようとした矢先に失踪… 自殺か事故死と思われたが、謎の人物(家族)に特殊な方法で長年に亘り監禁されていた。
監禁された動機が判明したときは、衝撃的でしたねぇ… しかし、それにしても、その報復方法は残忍極まりない、、、
その事件の捜査を進め、徐々に核心に近付く「カール」と「アサド」… 二つの物語が交差したとき、これまでの伏線が全て繋がり事実が判明しますが、「ミレーデ」を救出するには、特殊技術を使用した救出方法が必要だった。
結果的には「カール」と「アサド」の事件解決に向けた執念と知識、経験、機転が活かされ、無事に救出できたのですが、、、
終盤はドキドキハラハラが続き、一気読みになりましたね… そして、「ミレーデ」と「ウフェ」が再会するエンディングは、なかなか感動的でした。
この物語の魅力のひとつは、個性的な脇役ですね、、、
特に「カール」を取り巻く面々は印象的… 「カール」と別居中の妻「ヴィガ」は、職務中にも関わらず迷惑な電話をかけてくるし、一緒に生活している義理の息子「イェスパ」とは、なかなか心が通じないし、「カール」の家に同居している料理上手の「モーデン・ホラン」がイイ味を出しているし、「カール」の元部下で半身不随で入院している「ハーディ・ヘニングスン」は、自分を殺して欲しいと言いながらも捜査(推理)に協力してくれるし、美人の心理学者「モーナ・イプスン」には心を奪われそうになるし、上司の「マークス・ヤコプスン」は意外とイイ奴で好感が持てるし と、作品に彩を加えています。
スピーディーな展開に豊富なアクション、気になる今後の「カール」の私生活の展開、そして謎だらけのアラブ人「アサド」の正体は、、、
いやぁ… 今後も目が離せない魅力的なシリーズになりましたね。
こんなに愉しめたのは「スティーグ・ラーソン」の『ミレニアム』シリーズ以来だと思いますね… 次作以降も早く読みたいな。
以下、主な登場人物です。
「カール・マーク」
コペンハーゲン警察殺人捜査課警部補。特捜部Qの責任者
「ハーフェズ・エル・アサド」
カールのアシスタント
「ヴィガ」
カールの妻
「イェスパ」
カールの義理の息子
「モーデン・ホラン」
カールの同居人
「ハーディ・ヘニングスン」
カールの元部下
「アンカー・ホイア」
カールの元部下
「マークス・ヤコプスン」
コペンハーゲン警察殺人捜査課課長
「ラース・ビャアン」
コペンハーゲン警察殺人捜査課副課長
「ボーウ・バク」
コペンハーゲン警察殺人捜査課刑事係の警部補
「モーナ・イプスン」
心理学者
「ミレーデ・ルンゴー」
民主党副党首
「ウフェ」
ミレーデの弟
「マーリオン・コック」
ミレーデの秘書
「スス・ノーロプ」
ミレーデの秘書
「ヘレ・アンデルスン」
ルンゴー家の家政婦
「テーイ・バゲスン」
急進中央党の交通政策広報官
「ビレ・アントヴォースコウ」
陳情団の代表。大富豪
「ダニエル・ヘイル」
陳情団の一員。研究者
「カーアン・モーデンスン」
ソーシャルワーカー -
Posted by ブクログ
大好きな北欧ミステリ映画の原作を遂に。好きな世界です。面白かった。。
カール!ア、アサド…!?
1番驚いたのがバディの凸凹です。得体の知れない、過去を抱えつつ陽気なシリア人アサドが自由にやってしまうのを寧ろカールがフォローしているだと…?それにアサドは警官じゃなくて、カールが頼んでた人にどうしても仕事が欲しいと付き纏ってた人だったとは。
でもフォローの鬼で有能な片鱗はうかがえます。優しいし。謎パイが気になります。
カールもあまり朴念仁じゃない。有能すぎるのと言葉を選ばないとで敵は多いけど、カールが有能なのはコペンハーゲン警察もよくわかってる…だからこそムカつく、みたいなんかも。カールの皮肉の語彙センスが好きです。イギリス人を思わせられましたがデンマーク人もこんな感じなのかな。。
事件は映画で観ていたとはいえ、あれコンパクトに纏まってたんだなと思うくらい詳細でキツかったです。何年も与圧室に監禁して気圧をじわじわ下げていって体内細胞を変化させていって、一気に気圧上げて……という復讐は心にも身体にもダメージ大きい。それだけ憎悪してるんだろうけど。
「カールの強烈な奥さん出てきますよ!」と言われた通り、強烈な奥さんでした。カールの駐車場でいつもバーベキューしてるご近所さんもなんだか好きです。 -
Posted by ブクログ
スウェーデンを中心とする北欧ミステリだが、デンマーク発のミステリと言えば、このシリーズだろう。第3作までは映画化されたものをWOWOWで観ているが、第四作『カルテ番号64』は今年になっての上映。映画化されたものに比べて、作品はカール・マークの独白による描写が多く、リズミカルでコミカルで明るいイメージが強い。息詰まるような暗い犯罪を解決する捜査官としては、このくらい明るくなくてはやってられない、ような気がする。
そして、特捜部Qシリーズも、いよいよその第七作に突入。全10作で完結するという本シリーズ。宿題もいっぱい抱えている。第一作の最初に起こった事件の捜査途上で、当時、銃撃され生死が危ぶまれ意識不明に陥っていた元部下のハーディは巻の進むごとに回復しているものの、事件そのものは暗礁に乗り上げたまま。
そもそもその正体が不明である部下などいるわけもないと思うのに、アサドとローセはまさに正体不明の部下である。アサドは、どこかイスラム圏の政府機関にいたことがあるようにも思えるほど、時に国際社会の闇に精通している様子を垣間見せるが、たいていは言葉の間違いや、イスラムの風習で笑わせてくれる明るい存在だ。
最も心配なのが、ローセ。これまで姉と妹の双子役を演じ、多重人格を疑わせてきたローセは、本作でまた新たな人格を纏って職場に現れる。さらに彼女の精神状態が重篤化し、過去に抱えてきた心の闇が徐々に露わになることを思えば、本書はシリーズの中でも重要な作品と言えるかもしれない。
さてシリーズとしての役割はともかく、本作も、デンマークの社会問題の闇に迫る一作となっている。北欧諸国が世界に誇る福祉政策の裏側で、福祉され受給する似非(えせ)弱者たちの問題である。失業保険を過度に受給する若く美しい女たちが一向に真面目に働かず、華美な衣装に身を包んでいることに、切れてしまう福祉局職員の犯罪、という少し考えにくい想定でありながら、いつもの通り、物語は想像を遥かに超える怖い場所にまで
読者をいざなってゆく。徐々に壊れる心と、狂気の怖さは、事件当時者の側にも、捜査側のローセにも同時並行的に膨らんでゆくのである。
いつもの緊迫感に欠けはするものの、じわじわと迫ってくる物語の深さと恐怖を味わいつつ、特捜部Qは新たな救済に向けてまた一作進んできたことをも伺わせる。あと三作ですべての宿題がきれいに片付いてくれることを願うばかりだ。 -
Posted by ブクログ
「特捜部Q」もシリーズ7作目。
デンマークの大人気ミステリです。
地下の特捜部に追いやられているカール・マーク警部。
部下はほぼ警官ですらないメンバーで回しているが、事件の解決率はかなりのもの。
今回は秘書のローセに焦点が当てられています。
福祉国家として知られる北欧のデンマーク。
福祉事務所には給付を望む市民が詰めかけ、中には働く意志がなくなんとか言い訳してお金だけは貰おうという根性の人間も。
相手をする係員もストレスを抱えているのでした。
そんな状況で出会った気まぐれな若い娘たちが意気投合、思わぬことから犯罪に‥?
背景には、歴史を背負って破綻した家族たちの重いものも含まれるのですが。
おしゃれだけはする若いコたちの身勝手な言い草が情けないやら哀しいやら。
さらに、真面目な官吏のはずの担当者の切れっぷりのほうがすごくて、笑えてくるほど、ぶっ飛ばします。
ローセは有能だけど変わり者。というのはわかっていましたが、これほど壊れてしまうとは‥
鬼気迫る描写の後に、過去のつらい状況が明らかに。
現在の事件とも運悪く絡み合い‥
救いようがないと思われたいきさつがあっても、時とともにじわりと事態は動きます。
ローセを救おうと懸命に突き進むカール、アサド、ゴードンたち。
ラストに光が差し、泣かされます。
ローセのために★1つ追加で。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今作は良かった。始め、これらがどんなふうに収束するのか不安だったけど最後はそれぞれの事件が一応落ち着いた。
ローセの父親殺しの犯人達はいきなりカールが詰め寄って自白させて解決。これはいきなりすぎた。元々見当はついていたけどローセの状態が悪くなったので切羽詰まって、というところだろうか。
ローセの父親の同僚5人くらいが共謀して、作業中に事故に見せかけて電力をストップ。電磁石が止まって、金属の塊がローセの父親に落下。目の前でそれを目撃していたローセは心の傷を負う。
ローセは親しくしていたリーモアの死にもショックを受けたし、自撮り二人組に監禁されたこともショックで、巻末に少し回復への希望があったけど…。
ローセの父親はずっとローセに精神的虐待をしていた。
ジェームズの自白でリーモア殺しが解決。ここもジェームズにたどり着いたのは立派だがうーむ…
ビアギトを追い詰めて自白、ゴンダスン殺しが解決。動機とかがいまいちよくわからないけど…
最後に手榴弾が暴発?して犯人の暴走ソーシャルワーカーが吹っ飛ぶというのはあっけない。
アサドがとっても頼もしくなってカールもアサドを今以上に信頼してる。ゴードンも頼もしくなって、特捜部Qの結束力がめっちゃ高まった作品。ローセの家族背景がわかったのは前進だけどローセの状態が心配。
アサドの特殊能力の背景、ハーディの具合が良くなってきたこと、マークスも登場、盛りだくさんで楽しい回だった。
2016年に本国デンマークで、2017年にドイツ。次回作はいつになるのか