吉田奈保子のレビュー一覧
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ネタバレ今作は良かった。始め、これらがどんなふうに収束するのか不安だったけど最後はそれぞれの事件が一応落ち着いた。
ローセの父親殺しの犯人達はいきなりカールが詰め寄って自白させて解決。これはいきなりすぎた。元々見当はついていたけどローセの状態が悪くなったので切羽詰まって、というところだろうか。
ローセの父親の同僚5人くらいが共謀して、作業中に事故に見せかけて電力をストップ。電磁石が止まって、金属の塊がローセの父親に落下。目の前でそれを目撃していたローセは心の傷を負う。
ローセは親しくしていたリーモアの死にもショックを受けたし、自撮り二人組に監禁されたこともショックで、巻末に少し回復への希望があったけど -
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デンマークのミステリシリーズ第6弾。
常に同じ品質ではなく、時とともに変わりゆく関係性が、なんとも切ない。
相変わらず読ませる。
この物語には、一人の魅力的な男性が登場する。
彼について、他者からどれだけ彼が魅力的か、は語られるのだけれども、ついぞ彼が本当に何を考えていたのかは示されない。いや、示されているともいえるんだけど、主人公らが彼と語り合う機会は与えられない。
そのことにより、物語を読み進めながら「この人はどんな人なんだろう」とずーっと考えさせられてしまい、その結果、彼がとてつもなく魅力的に見えるという不思議なことになった。
語らず想像させるってすごい。 -
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ネタバレ本『特捜部Q』シリーズを読むたびに思うのだけれど、この作家は冒険小説の書き手としての色合いが強いのではないだろうか。物語の各所に個性的な人間たちを配することにより生まれる劇的効果を狙うのがとても巧い作家ではないのだろうか。だからこそ、警察という組織の人間を主人公にしていながら、およそ警察機構とは相容れないような主人子と、これまた同様の部下二人、そして何よりも事件の中核となる副主人公を物語ごとに造形し特捜部Qと対峙させ、交錯させ、緊張で蓄えた力を大団円で一気に爆発させてゆく手法が活きているように思える。まさに血沸き肉躍る冒険小説みたいに。
それを強く感じさせてくれたのが本書である。交通事故 -
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ネタバレ映画が面白かったので原作読んでみようと思いました(*´ω`*)
購入したのは映画を見た頃。もう、7年も経ってんだ・・・
お蔭様で、良い感じに忘れてます。
読んでるうちに、大筋は思い出したけどね!(←言い訳)
かなり陰惨な事件です。
なぜ、誘拐・監禁されたのか?
理由もわからないまま、5年もの間、あんな環境で、良く耐えたな・・・
確かに過去のあの事故は、ひどい事故ではあったけれども、そこまでするか・・・
被害者、救い出せて良かったよ・・・
5年前の事件を再捜査するのって、大変ですよね・・・
とにかく、バクは、報告書に大事な事書かなさすぎ。
新しい、名前だけ立派な部署に追いやって、運営費だ -
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購入済み
先が読めなく最後まで楽しめた
殺し方や、犯行の動機が変わっていてラストまで先が読めず一気に読んでしまった。主人公のキャラは最初不快だったが、読み終える頃には好きになっていた。シリーズ化してるようなので、さっそく次の『特捜部Q』を読もうと思う。
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デンマーク発の警察小説シリーズ。
M・W・クレイヴンのワシントン・ポーシリーズを一気読みし、ポーロスに陥っていたところ、こちらの小説に出会いました。
捜査への情熱を失っていた刑事マークと、シリア系の変人アサドが、未解決事件の再調査を行うというストーリー。事件の内容はなかなか重たい内容でしたが、被害に遭ったミレーデと、捜査をするカール視点で描かれており、徐々に二つの視点が重なっていく過程が面白かったです。
今回の事件で、被害者が助かることがその後の被害者にとって本当に良いことなのか、問われる内容となっていましたが、カール自身が抱えていたその悩みに対する一つの答えが提示されており、最後は感動的でし -
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ネタバレ【2025年101冊目】
事件に巻き込まれ、怪我を負った警察官のマークが復帰後に配属されたのは「特捜部Q」と呼ばれる未解決事件を専門に扱う新部署だった。明らかに予算獲得のためだけに設置されたお飾り部署に配属されたのはカールの他にはアサドという中東人のみ。二人は自殺したと思われる女性議員の事件に取り組み始めるが——特捜部Qシリーズ第一弾!
アマプラで映画をながら見して面白かったので、キャストが変わる前までシリーズを全部みてからの原作でした。おかげでマークもアサドもイメージの中でしっかり動いてくれて楽しく読めました。映画の話を先にすると、しっかり原作を大事にして作ったんだなということがわかりまし -
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新たに手を出したシリーズもの。
こちらはデンマーク産。
自らのチームが事件の最中銃撃を受け、
1人が死亡、もう1人は一命は取り留めたものの
体が麻痺状態に。
トラウマから立ち直れない主人公は
通常業務から外され、特捜部Qと言う部署へ移動。
窓際族のような状態に。
特捜部唯一のメンバーは謎のアラブ人、アサド。
この人がすごく良い!
癒し系?すっとぼけ系?いや、実は切れ者?
この方がいれる甘ーいお茶、飲んでみたい。
まだまだ謎だらけなので、この先明かされる真実に期待。
事件の方はかなり狂気に満ち溢れてる。
「檻」に閉じ込められた女性の章と
カールとアサドが地道に捜査をする章が交互に綴られ
徐 -
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ネタバレ2002年と2007年と場面が変わるうち、これはきっと現在進行形の事件に違いないと戦慄させられ、祈るような気持ちで読み進めていった。事件がこんなふうに繋がるなんて想像もできなくてスリリングな体験ができた。
ミレーデの監禁シーンはこちらまで苦しくなってくる。終盤はハラハラさせられて胸が痛いくらいだった。
優秀だが怠惰なところのあるカールと、優秀だが変わり者のアサド。コンビの相性が良いのか悪いのかよくわからず、面白かった。アサドはあくまでもアシスタントであって警察官ではないというところがポイントで、結果的に型破りな捜査になるのが予想を上回っていてよかった。意外と屈強なところも頼もしい。
このコンビ -
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ネタバレ今回は、タイトルこそまた蹂躙された少年少女の事件のようだが、実は徹頭徹尾身勝手な大人たちのボタンの掛け違いが悲劇を大きく広げたのだった。
だから、「吊るされた少女」にはもちろん同情はするけれども、今までの事件ほどは胸が痛まずに読めた。
天性の人たらしであった青年と少女の出会いが事件の引き金だったとしても、そしてその二人が、あまり周囲の人たちの気持ちを忖度しないとしても、それが二人の罪であると糾弾するのはいささか酷だろう。
過去のひき逃げ事件と現在の宗教団体内部の諸問題。
いったいいつこの二つが交差するのだろう、と思いながら、どちらも興味深くぐいぐい読んでいたのだが、二つの事件が交差したとき -
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