越智月子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まもなく40歳、一人暮らしの阿紗は隣室の高齢女性八重を助けたことがきっかけで、彼女の部屋の片付けを手伝うことになる。阿紗自身、幼い頃、だらしのない母親に部屋をゴミ箱のように扱われて息苦しい生活をしていた過去があった。口や態度が悪い八重に最初は渋々手伝っていたものの、片付いてくるにつれて2人の心が開かれて近くなっていく。要らないものを捨てると自分に必要なものが見えてくる。捨てる神あれば拾う神あり─の人生の真理を、生き生きとした表現と、わかりやすい文章で描いている最高の片付け小説。片付けが苦手な私には目から鱗がボロボロ落ちる内容がてんこ盛りでした。八重さんのキャラクターが味があって好きです。オマケ
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Posted by ブクログ
疲れた心に染みわたる。ホッとして寛いだ気持ちになれる、大好きなシリーズです!
昭和生まれのちょっと訳あり女性が住まう、鎌倉のシェアハウス「おうちカフェ」。
自然豊かで小鳥のさえずりが聞こえる庭があり、気のおける住人たちと美味しい食べ物を囲んでの寛ぎの時間。
心地よい距離感に、美味しいまかないつきのシェアハウス。
こんなの最高!!
香良、美樹子、里子、千恵子、あゆみ。
おうちカフェで暮らすようになって、なんてことない普通の会話がとても大事な時間だったときづく毎日。
いいなぁ。私も老後はこんなふうに心地いい暮らしがしたい。
真剣に鎌倉に移住したくなる。
本作で登場した新たな住人・フランス帰り -
Posted by ブクログ
一度挫折したけれど気になって再度手にした本。
前半、中盤…あ〜またダメかなぁ…と何度も挫折しそうになった!
なんだろ…登場人物の誰も好きにはなれず、魅力を感じない、感情移入が出来ないから書いてある文字を上滑りで読んでいる状態が嫌だった。
鎌倉、カフェ、珈琲、シェアハウス…どれを取っても大好きな設定なのに読み進められないのはおかしい!そうだった!大好きな設定なのに挫折したのが自分なりに納得できなくて(^^; ずっと頭の片隅に居た本書だったのだ!
なのにまたダメか…と思いきや、もうラストにも近い第五章、千恵子さんのお話あたりからですかね〜ぎゅーっと惹きつけられた!
なんとも言えず本書の魅力を感じた -
Posted by ブクログ
『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』の続編だが、前作を上回って面白かった。
今回の話は、登場人物をコーヒーで例えるなら、味わうほどに旨味や甘味、深みが溢れてきて、一緒にいただくパスタやデザートがさらにコーヒーの美味しさを引き立てる、そんな素敵な味わい。
カフェ兼シェアハウス『おうちカフェ』を経営する香良と、共同経営者の美樹子。
穏やかで人を包み込むような人柄の香良の淹れるコーヒーは絶品で、元気で明るい美樹子の人柄も、いつもみんなを勇気づけてくれる。
美樹子の美味しいものを食べるときの『早く食べよっせ』や『うんまっ』がすっごく好き。
別れた夫が訪ねて来てやり直したいと言われた時も、情に流されたりせず、