あらすじ
独身の阿紗は、ひょんなことから、隣に住む謎の老婆・八重の部屋の片づけを手伝うことになる。
過去の経験から得た掃除テクニックを八重に教えながら片づけを進める中で、明らかになる八重の過去。そして阿紗も、母子家庭で荒れ果てた部屋に閉じ込められていた幼少期の記憶が蘇ってきてーー。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ただの汚い老婆と思いきや、壁を取っ払って、部屋を繋げたいと思うくらいの隣人になる、なんて。もう一回読みたい。
それぞれの人生には背景があるから、自分の中のフィルターを通して接すると、相手を傷つけることになるな。気を付けないとな。
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八重さんの部屋をかたずけながらも主人公の過去といまだに残る過去の傷が少しずつ癒えていきます。最後の八重さんの手紙には思わず泣きそうになりました。二人が出逢い、それぞれの人生に片をつけられた素敵な作品でした。
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「片をつける」というシンプルなタイトル。主人公の阿紗と隣人の八重のこれまでとこれからを物語にしていた。物語要素と自己啓発要素が合わさっていてお得感あり。読後じんわりと温かな気持ちが続いている。
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隣人・八重の片付けを手伝うことになった亜紗。
八重が、自堕落と自由をはき違えていた、頭の中と部屋の中は似ている、自分の望む生活なのか考える隙間もなかった、買い物以外は何もする気が起きなくていつもイライラしていたというのが、片付けベタとして共感できる。
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片付けたり、汚れを落とすことで新しい自分になれる。とても共感した。サウナで整うとかいうけど、引き出しの中を整理したら本当に整った〜って気持ちがスッキリする。
主人公の阿紗は生い立ちから、人との付き合い方がわからない。でも隣人の八重と出会ってそんな自分を受け入れられた。口の悪い八重の最期の手紙はホロリとした。
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良かった。
主人公は間もなく40歳になる阿紗。
部屋の鍵を無くし困っていた隣の部屋に住む老婆・八重を助けた事がきっかけで、彼女の部屋の片づけを手伝うことになる。
袖すり合うも多生の縁とは言え、全く付き合いのなかった他人、それもゴミ屋敷の様な部屋、自己中な物言いをする老婆に不快感さえ感じていたが、読み進むに連れこの二人が好きになる。
自分の趣味が整理整頓と言う事もあり、物語の中で部屋がどんどん綺麗になって行く様子は爽快。
部屋の片づけと共に、二人が抱えていた過去の重荷にも片がつき、ラストでは阿紗と八重の友情に涙する。
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普段ほとんど小説は読まないけれど。
「片づけ」繋がりで読んでみた。
片をつけるという言葉、最近は聞かないけれど、どんな風に繋がってゆくのかと期待しつつ。
すんなりストーリーに入って読み進める感じ。
場面・場面の光景が見える様だった。
最後は涙がこぼれた。
読んでよかったと思います。
Posted by ブクログ
お片付け、私は苦手。
阿紗、八重、それぞれ、生きてきた中にいろんな物を抱えているわけだか、片付けることによって、見直し、整理していく。
私もいろいろ、整理してさっぱりしたいけど。
八重さんは幸せだったなぁと、阿紗さんも八重さんに幸せな贈り物をもらったんだな。
読後は暖かい気持ちになりました。
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雨の日に鍵を無くした隣室の老女を
招き入れたことから始まった交流。
阿紗が部屋の掃除を手伝うようになると
気難しい雰囲気だった老女・八重も
少しずつ変わってきて…。
そもそも阿紗自身、片付けられない子で
あまり家庭に良い思い出がない。
昔、修道女だったという八重も
なにもかもどうでもよくなることがあって
部屋が片付けられなくなっていた。
そんなふたりが少しずつ
部屋が綺麗になるとともに変わってくる。
出た不用品をネットで売っちゃうってのも
現実的にドライでいい感じ。
阿紗がボランティアで子供たちに
絵本の読み聞かせをしているんだけど
マンションの自分の部屋でやってる。
そういう制度が都会にはあるんかな?
Posted by ブクログ
片付ける=自分の中のモノへの思い出や執着に片をつけることなんだと再認識。
整える、片付けるはあるものを整理するだけでなく不要なモノをきちんと手放すこと。これが何より大切だなと感じた。初めましての作家さん。爽やかな読後感で読みやすかった。
Posted by ブクログ
部屋の片付けを通し、
思うように人生を生きられなかった阿紗と八重が少しずつ心を交わしていく……。
偏屈な八重の物言いや、阿紗に部屋の片付けを頼んでおきながら横柄な態度を取る八重をなかなか受けいれられなかった。
(もちろん、阿紗も同じ気持ちであったことであろう。)
八重は、ゴミで溢れた部屋を整理整頓し掃除をすることにより、これまでの人生をも整理し見つめ直すことができるようになったのかもしれない。
巷でよく言われるように、部屋の中の様子は自分の心を表すというのも正論に感じた。
部屋の中を綺麗にしておかないとと、少し自分にプレッシャーをかけてみる。
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読みながら、ああ自分も部屋片付けなくちゃ…と思いました。捨てたくないからなるべく物を増やさないように、買わないようにとは思うけれど、それでもないと不安で買いだめてしまう。「片」を「つける」ってなんでしょうねぇ。
キリスト教の話でなくて良かった。
Posted by ブクログ
親との折り合い悪く1人で生きてきた阿紗(アサ)が隣に住む八重と出会い別れる物語。
阿紗の視点から、八重やその他の登場人物との関係性が丁寧な文章で表現されているように感じ、大変読みやすく穏やかで好印象でした。
星3つです。
Posted by ブクログ
阿紗は思わぬ出会いから、
隣に住む老婆・八重の部屋の片づけをすることになるのだが…
私の中で「片付け」といってまず頭に浮かぶのは”こんまりさん”。
その他にも「片付け」を仕事として
マスコミで取り上げられる方も多数いらっしゃる。
その方々に共通して持つ私のイメージは
”明るい”・”強い”・”行動的”
などなど、肯定的なイメージだ。
書籍紹介を読んでいると
阿紗にもまたそんなイメージを抱いてしまいそうだが
彼女は全く違う。
この本を読み始めて最初に感じたのは
暗い…、重い…。
ちょっと変わった人と思われている老婆・八重の汚れた部屋。
それを片づける阿紗の雰囲気がまた暗くて。
どちらも望んで始めたわけではない片付けだから
当初、片づけることで得られるはずのスッキリ感が
読んでいる私には感じられず…
なんで片づけるんだ…、と思ってしまう始末。
阿紗と八重の関係が深くなっていき
お互いが心を許し始めたころから
仕方なく始めた片付けは
意味のあることに変わっていった。
八重にとっての片づけは終活でもあったが…
終活のための片づけって
昨今、やたら耳にするけれど…
「終活ってのはさ、身辺整理じゃないんだよ。
身の回りのもんをどんどん仕分けして、
この人生で得たいちばんの収穫をみつけることだ」
(『片をつける』より引用)
終活=片付け(断捨離)のイメージが先行して
ちょっと否定的な気持ちになっていた私だが
”人生の収穫をみつけること”と考えると
捨てたもんじゃないなぁ。
八重の言葉が素直に沁みた。
Posted by ブクログ
★★★か★★
ストーリーのある片付け本のような本。
読みやすく、すぐ読んじゃえる。
ただ、ひたすら淡々としてて、面白いような面白くないような。笑
最近、ずーっと一緒に仕事をしていたじーちゃんが亡くなったばかりだったので、周りの老人たちが持つ、いろんな過去について聞く機会ってのがとても貴重で、楽しく、そんなことあったの!?っていう驚きに溢れてるストーリーが、本当に私たちの周りにもたくさん溢れてるんだよなぁ。
まだまだまだまだいろんなこと聞いて見たかったなぁ。
わたしの知らない父や、叔母や叔父を知ってるじーちゃん。他にも近所にいるご老人たち、実は小説より面白い話持ち歩いてたりするんだよね。
なかなか、お隣さんとか、御近所さんでも最近は接点がなくおはなし聴けることないけども、本当はその辺の本よりだいぶ面白い話ストックしてるんだろうなぁ。と、思うと好奇心が疼きまくります。笑
ありとあらゆる人から話聞いて回りたいわ。笑
そんなふうに思った一冊でした。
Posted by ブクログ
期せずして、年末に読むのにピッタリの内容。
不要なものを捨てることは、必要なものの価値を再発見すること。
主人公のキャラクターが今ひとつ不鮮明だったことと、脇役で出てきた人たちとの絡みがあっさりし過ぎて肩透かしなところが残念。
八重さんの過去やエピソード、もっと深掘りして欲しかった!
Posted by ブクログ
40歳になろうとする阿紗は、隣に住む老婆・八重が鍵をなくした…と困っていたことがきっかけで
たまたま彼女の部屋のゴミの山を目にしてから片づけを手伝うことに。
ゴミの山以上に気になる彼女のこと。
やがて明らかになる八重の過去。
そして自らの記憶が蘇る。
荒れた部屋からは、その人の生きざまが反映されているかのようで…
たんに片づけというよりも人生の方をつける。
つまりは、人の生き方。
ゴミがあるかどうかというよりも今の生き方に満足していますか?と問いかけられているよう。