あらすじ
人生の最後に、向き合いたい思い出は何ですか。
自分に、本当に必要なものを探し出す「片付け」小説。
亜紗は、隣の部屋に住む老婆・八重を助けたことがきっかけで、彼女の部屋の片づけを手伝うことになる。片づけるうちに明らかになる八重の過去。そして阿紗も、幼少期の記憶が蘇ってくる。
自分に必要なもの、いらないもの、欲しかったもの、嫌だったもの。
思い出や物と向き合う中で、二人が選んだ道とは。
感情タグBEST3
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まもなく40歳、一人暮らしの阿紗は隣室の高齢女性八重を助けたことがきっかけで、彼女の部屋の片付けを手伝うことになる。阿紗自身、幼い頃、だらしのない母親に部屋をゴミ箱のように扱われて息苦しい生活をしていた過去があった。口や態度が悪い八重に最初は渋々手伝っていたものの、片付いてくるにつれて2人の心が開かれて近くなっていく。要らないものを捨てると自分に必要なものが見えてくる。捨てる神あれば拾う神あり─の人生の真理を、生き生きとした表現と、わかりやすい文章で描いている最高の片付け小説。片付けが苦手な私には目から鱗がボロボロ落ちる内容がてんこ盛りでした。八重さんのキャラクターが味があって好きです。オマケの阿紗の片付けレシピも必見です。
越智月子さんの作品は初読みでしたが(たぶん)、読みやすい文章で深いことを語られるので、かなり好印象でした。
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人生の岐路というか、断捨離を考えたり生活環境が変わったり、新たなステージに足を踏み入れた人に読んで欲しい1冊。
片付けとは、今までの生き方の積み重ねで固められた身の回りの物、そういったモノをひとつひとつ、整理していくものでもあるんだなーと思った。
最後に、八重さんからの手紙に、分かってはいたけど、涙が溢れて止まらなかった。
人とのつながりに、パートナーや家族、だけでなくてもいい。
阿沙さんがいてくれて、本当に良かったな。
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歳を重ねると、新しい友人が出来る機会は少なくなってくる。まして、話もしたこともない歳の離れた隣人と親しくなるなんて。
八重さんと阿紗さんの付かず離れずの関係が心地よく、片付けが進んでいく様も気持ちが良かった。
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読みたかった本。読みやすくて一気に読んだ。
片付けるということは選ぶということ。
自分の今を見つめて未来を考えること。
阿紗さんと八重さん。
2人は出会って良かった。
そして本を読みながら思わず掃除、片付けがしたくなる。
とても素敵な本だった。
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とても落ち着く話だった。主人公は40歳前の一人暮らしの女性。幼少期に母親から愛されなかった痛みをスルーして心に穴が空いてしまっている。お隣に住む70代女性も訳ありで汚部屋に住んでいる。ある事がきっかけでお隣さんの終活を手伝うこととなる。それにより主人公の心の穴が埋まるわけではないが、向き合えるようになっていく。誰しもが少なからず抱えている色んな傷を、いずれ主人公のように向き合えれば、ちょっとでも生きやすくなるのではないかなと思えた。
越智月子さんの小説は初めて読んだが、他のも読んでみたくなった。
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阿沙は、ある日隣人の意固地な老女と顔見知りになる。
そのことが、お互いにとって、とても大切なことになっていく。
各々が抱えてきたことも整理、浄化されていくような。
片付けは単に物を捨てたり収納したりすることではないんだなと気付かされる。
片づけは片をつけること。
自分の持ち物を自分の中の価値により取捨選択し、整理していくことで、自分の人生の片をつけていく、自分の生き方に繋がっていくような気がした。
阿沙の恋愛も出てくるけれど無理な展開ではなくて、良かった。
私も同じようなやり方で無性に自分の持ち物を片づけていきたい。
普段いる場所は今月中にやりきりたいとうずうずしている。
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最初、何故か文章が馴染めなく本を閉じたんですが、思い立って再び読み出したら全然癖なく読み終えました。
阿紗とも、八重とも特に共感する所とかは無かったけれどこの2人の関係がとても良くて、こんな風に人と関われたら、素敵だろうな。余計なことは言わない、聞かない、というのが良いのかな。見習いたい。
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片付けをテーマにしているということだ手に取ったけれど内容もぐっとくるものがあった。世代の違う2人の女性の中間にあたる自分はどちらにも共感できた。そして自分でできるうちに片付けをしなくてはと強く思った。サラッと読めるから娘にも読んでもらいたいと思う。
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タイトルに惹かれて、読み始める。
読みやすいのに、時間が作れず読むのに時間がかかってしまった。
思いのほか、ラストにじーーーんとしてしまった。
主人公たちの、距離感が良い感じ。恩着せがましいかんじもなく、ちゃんとお互いを尊重している感じが、(最初の距離感だけ、ちょっといびつだけど)良かったな。
P169
「覚えているか、ばあちゃん。親に殴られてへこんでいると。ばあちゃんは言ってくれた。『殴られたからって、ののしられたからって、あんたの価値が下がるわけじゃない。逆も同じ。褒められたからって、あんたが立派になるわけじゃない。あんたはあんたのままでいい。自由気ままにおやり』」
良いこと言うじゃないか、八重さん。
ほんとうに必要なものだけ、周りにあればいい。
と思わせてくれる読後だった。
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必死にやって来た5人の子育てもほぼ手放せる感じになり、時折起こる天災などの抗えない事柄を見聞きする度に自分のこれからを考えるようになった私の心に杭が打たれた感じでした。そして、片付け、整理し、掃除しよ。
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ただの片付けの本ではなかった
物理的な片付けと人間関係の片付け
2人がどんどん変わっていくところがおもしろかった
八重さんは、脳内で夏木マリさんの湯婆婆の声で再生された
最後泣きました
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次々と整理されていく部屋の様子は、読んでいるだけで気持ちが、スッキリしてきます。
余計なものが削ぎ落とされていくほど、自分にとって大事な物、手元に置いて置きたいものが現れてくる。
物語に出てくる二人の出会いは最悪で、性格のクセが強い八重さんだけれども、
二人の距離感や会話はとても心地よいと感じました。
知りすぎない。相手に求めない。自分の好きなことを好きなようにする。
そして、その人の生き方を否定しない。
こんな人間関係を築くことができたらなと思いました。
一方で、物は片付けることができるけれど、
思い出や出来事は整理できるものばかりとは限らない。全てを整理できるほど、
人は簡単じゃない。だからこそ、面白いのだと感じた物語でした。
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終活≠身辺整理
終活=身のまわりのものをどんどん仕分けして、この人生で得たいちばんの収穫を見つけること
沢山のものを積み重ね、ぎゅっと圧縮された大切なものを、自分の中から探し出す楽しみが待ってるのなら、これからの人生まだまだ楽しめそうです。
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タイトル『片をつける』がすごく好きでずっと気になってた小説。
読み物としては軽め、読みやすくてすぐ読み終えちゃった。なんか、ここのところ漠然とした将来への不安とか寂しさ?みたいなものを感じていたからなかなか響いた。
映画『オットーという男』を見たときのような、身の回りを整えたり、周囲の人との関わりについて考えさせられる作品だった。
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初めは図々しくて憎らしいと思えた八重さんのこともちゃんと付き合っていくうちにかけがえのない存在になっていく。
『終活ってのはさ、身辺整理じゃないんだよ。身のまわりのもんをどんどん仕分けして、この人生で得たいちばんの収穫を見つけることだ。』
う〜む、なるほど。八重さん、深い!
私もコツコツ始めよう。
Posted by ブクログ
初読み作家さんでしたが、なんとも読みやすい。どちらも働かずとも何とか生活はできる孤独な境遇の八重と阿紗。ひょんなキッカケで八重の終活ともいえる片付けをする事になり、そこから生まれる絆。最後の八重の手紙が良い。自堕落であることと自由は違う、部屋が汚い人ほど勿体ないと言う、いろんなフレーズも良かった。
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less is more 少ないほうが豊かである
ドイツ建築家ミュース・ファン・デル・ローエ
たくさんのモノが溢れかえる部屋は決して心地よいものではない。何が自分を満たしてくれるのか、何を大切にしていけばよいのかわからない混沌とした日々に方をつけ、自分にとって本当に必要なものだけがある。lessだけどmoreな部屋へ
素敵なメッセージだった
Posted by ブクログ
ものを捨てられない私にとって、心痛い。
断捨離をすると決めてから2年、いっこうにものは減らない。
この本で、よいなと思うのは、何を捨てて、何を残すかという時に、その人にとって大事なものだったら、はたから見たら?のものでも取っておくべきという考え。
まぁ、だから捨てられないんだけれど、私の場合。
片付けをキーに、人と人とのつながりを描いたこの作品。読みやすいのでよいとも言えるし、私にはちょっと物足りないとも言えるかな。
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片をつける。片づける。耳の痛い言葉。
そう思いながら手に取った。隣の部屋の高齢の女性八重の部屋をひょんなことから片づけることになる阿紗。2人の交流は2人の過去を遡りながら、それぞれの過去を精算(片をつける)なから話は進む。まあ、2人ともあまりに生活感がないのが羨ましいことは羨ましい。
片づける時間あるやろ~と、つっこみながら、読んだ
読後、片づけたら、私もいろいろすっきりするかもと思った。文中にあるように
「身のまわりのものをどんどん仕訳して、この人生でいちばんの収穫を見つけることだ」八重さんは阿紗に拾ってくれてありがとうと、残したが、阿紗も、八重に拾われたのかも。
人生の終わりに中盤にこのような繋がりが産まれるなんて。
わたしもまず片づけるか
本は無理たけどね
Posted by ブクログ
「片づけ小説」というフレーズに惹かれて購入。独身女性の阿紗子は、隣に住む老人・八重の終活の手伝いをすることになる。片づけを通して見えてくる八重の、そして自分の人生。必要以上に踏み込んでこない八重のことがだんだん好きになってきました。
Posted by ブクログ
片付けとか断捨離とか興味あるし、と思って購入してもっと軽い感じの物語だと思って読み始めたら...
意外とそうでもなく。
片付けをしながら気持ちが寄り添っていく、阿紗と八重の関係がとてもよかった。
欲を言えばもっと長くこの2人の物語を読んでいたかったなと思った。
Posted by ブクログ
40代目前の阿紗が出会った高齢女性の八重。ひょんなことから彼女の部屋の片づけを手伝うことになり、終活を進める。
コノハズクのヨハネ、佐々木さん、読み聞かせの子供たちとの出来事もあり、話は進んでいく。
阿紗は、人と深い関係になることが苦手だけれど、八重とはほどよい距離感での心地よい付き合いができていく。
あらゆることに「片をつける」ことで、阿紗がまた前を向いてあるいていけるようになるのを読み進めていくと、自分も頑張らなきゃなと思えた。
とても読みやすく、巻末に「阿紗の片づけレシピ」もついています。
Posted by ブクログ
ひょんなことから隣人のお家を片付けることに。徐々に距離が近くなっても、お互いに過去を言いたくない、触れないよう、どちらも優しい人たち。
もやっとしたものが、最後に明らかになって少しスッキリした。具体的な片付け方、仕分け方法も参考にしたい。最初から最後までスルスルと読める1冊だった。